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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/12/12 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(12/11~17)ロシアのウクライナ侵攻、習近平のサウジ訪問、国防授権法案、中国のゼロコロナ緩和、ジョージア州上院選とシネマ離党


ワールドカップの決勝トーナメント、日本は初戦で残念な結果に終わりましたが、それでも最後まですごいパフォーマンスを見せてくれました。ワールドカップの舞台で一流国を相手に、あんなに強気で主体的なスタイルでぶつかっていく日本代表を見るのは初めてだったような気がします。結果はどうあれ、実に頼もしく、今後への期待を高めてくれました。

ベスト4に残ったのは、アルゼンチン、クロアチア、フランス、モロッコ。スペイン、ブラジル、ポルトガルが敗退するというジャイアントキリングがありましたが、日本を含め、新たな強豪が生まれつつあるということなのでしょうね。最も総合力に優れるのはフランスのように思いますが、さてどうなるでしょうか。

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先週の動き
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12/4(日)
・OPECプラス閣僚会議(日量200万バレルの減産を維持)(オンライン)

12/5(月)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルで攻撃
・ロシアのリャザン州のジャギレボ空軍基地とサラトフ州のエンゲリス空軍基地がウクライナのドローンによる攻撃を受けたとロシア国防省が発表
・ロシアのプーチン大統領がクリミア大橋を視察
・ロシアでLGBTに関する「宣伝」等を禁止する法が成立
・G7、EU、豪州がロシア産石油の輸入価格の上限設定を導入
・EUがロシア産原油の海上輸入を禁止
・米EU貿易・技術協議会(TTC)の第3回閣僚会合(メリーランド州カレッジパーク)
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
・北朝鮮が東岸から日本海と黄海に130発の砲弾を撃ったと韓国軍合同参謀本部が発表

12/6(火)
・ロシアのクルスク州の飛行場の石油貯蔵施設がウクライナのドローンによる攻撃を受けたと同州知事が発表
・ウクライナのゼレンスキー大統領がドネツク州を訪問
・バイデン大統領がアリゾナ州フェニックスのTSMCの新工場を訪問
・ジョージア州上院選決選投票(民主党現職のラファエル・ワーノックが勝利)
・NY州最高裁の陪審がトランプ・オーガニゼーションの脱税、業務記録の改竄等の罪で有罪評決
・中国の江沢民元国家主席の追悼大会(北京)
・北朝鮮が東岸から日本海に100発の砲弾を撃ったと韓国軍合同参謀本部が発表
・EU圏財務相理事会(ブリュッセル)
・EU・西バルカン諸国首脳会議(ティラナ)

12/7(水)
・米英がエネルギーの安全保障と安定供給の協力枠組みで合意
・米豪外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(ワシントンDC)
・中国国務院が新型コロナウイルス対策の緩和策を発表
・欧州委員会がロシア制裁第9弾を提案
・ドイツ連邦検察庁が極右のテロ組織の構成員ら25人を国家転覆を狙った容疑で逮捕したと発表
・ペルーでボルアルテ副大統領が大統領に就任
・国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)(モントリオール、~19日)

12/8(木)
・ロシアのプーチン大統領が軍の褒賞授与式に出席
・ロシアが米女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手を釈放し、米国がロシアの元軍人のビクトル・ボウト受刑者を釈放したとバイデン大統領が発表
・米下院が23会計年度(22年10月~23年9月)の国防授権法(NDAA)案を可決
・米下院が同性婚の権利を保障する法案を可決
・中国の習近平国家主席とサウジのサルマン国王、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(リヤド)

12/9(金)
・ユーラシア経済連合(EEU)首脳会議(ロシアのプーチン大統領が出席)(ビシケク)
・CIS・SCO合同国防相会議(ロシアのプーチン大統領がビデオ演説)(モスクワ)
・モスクワの地区裁判所がモスクワの元市議会議員で民主化活動家のイリヤ・ヤシンにロシア軍に関する虚偽の情報を流布したとして懲役8年半の実刑判決
・米民主党のキルステン・シネマ上院議員が民主党を離党して無所属になる意向を表明
・中国・アラブ首脳会議(リヤド)
・世界政策会議(WPC)(アブダビ、~11日)
・日豪外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(東京)

12/10(土)
・IPEF第1回交渉官会合(ブリスベン、~15日)
・香港の裁判所が香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)創業者の黎智英(ジミー・ライ)に詐欺罪で禁錮5年9月の実刑判決
・中国が台湾産のビール、コーリャン酒、清涼飲料水等の輸入を停止したと台湾衛生福利部食品薬物管理署が発表
・台湾の蔡英文総統と自民党の萩生田政調会長が会談(台北)

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(12月12日)で294日目を迎えました。

主戦場である東部(ハルキウ州東部、ルハンスク州西部、ドネツク州)と南部(ヘルソン州)では激しい衝突が続いていますが、戦況に大きな変化は見られません。ロシア軍はルハンスク州西部のスバトベからクレミンナにかけて大規模な防衛ラインを築いており、ウクライナ軍の反攻を食い止めています。

ロシア軍はバフムト方面の攻撃の強度を高め、ゆっくりと前進を続けており、ゼレンスキー大統領も厳しい状況を認めています。しかしウクライナ軍の反撃により、ロシア軍の被害も拡大しているとみられます。ヘルソン州では、ロシア軍がドニエプル川の島の防衛拠点を強化している動きが見えます。

そうした中で、ロシアのモスクワ近郊にあるリャザン州のジャギレボ空軍基地、サラトフ州のエンゲリス空軍基地、クルスク州の飛行場の石油貯蔵施設がウクライナのドローンによる攻撃を受けたとロシアが発表しました。ウクライナは公には攻撃を認めていませんが、ポドリャク大統領府長官顧問はロシアのミサイル攻撃に対する報復を示唆し、クレバ外相もウクライナにはロシア領内を攻撃する権利があると述べています。

プーチン大統領は、軍の褒賞授与式で、ウクライナのインフラへのミサイル攻撃はクリミア大橋の攻撃への報復だと明言し、今後も続ける方針を強調しました。ウクライナはロシアのクルスク州の原発の送電網を損壊させたり、ドネツク州への上水供給を遮断しているなどとして非難しましたが、このときのプーチンが珍しく酔っているように見えたことも話題になりました。

さらにプーチンは、キルギスでのユーラシア経済連合(EEU)首脳会議に出席し、米国は敵の核戦力を無力化するための「予防的攻撃」を容認しているとして非難し、ロシアも同様の先制攻撃ができるよう検討することは可能だと述べました。

一方、米国とロシアは双方それぞれが拘束している自国民の解放に向けて交渉を行っていましたが、ロシアが拘束していた米女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手と米国が拘束していたロシアの元軍人のビクトル・ボウト受刑者の釈放が実現しました。ただしロシアは18年にスパイ容疑で拘束した元米海兵隊員のポール・ウィーランの拘束は続けています。

こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●習近平のサウジ訪問(米中とアラブの関係)

習近平国家主席がサウジを訪問し、サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン(MbS)皇太子と会談しました。その後、初の開催となる中国・アラブ諸国首脳会議に出席しました。

サウジは盛大なセレモニーで習近平を出迎え、中国は「建国以来最大かつ最高レベルの中国とアラブの外交イベント」「中国・アラブの歴史の一里塚になる」と大々的にアピールしました。習近平とサルマン国王は「包括的な戦略パートナーシップ協定」に署名し、両国の企業は34件の投資協定(300億ドル規模)に署名したと報じられています。

前回の記事(以下のリンク参照)で、本件訪問を契機にして、中国がサウジをはじめとするアラブ諸国と戦略的なパートナーシップを発展させるとの展望をお伝えしましたが、そのことを強く裏付ける結果になりました。今回の訪問を踏まえ、中国とサウジ(アラブ諸国)の関係についてあらためて解説します(※メルマガで解説)。

「OPECプラス(米中とアラブの関係)」(12/5)
 
●国防授権法案の下院可決(米中関係)

23会計年度(22年10月~23年9月)の国防授権法(NDAA)案が下院で可決されました。予算総額は8,580億ドルで前年度比+10%、台湾への軍事支援に100億ドル、ウクライナへの軍事支援に8億ドル、太平洋抑止イニシアチブに115億ドル、欧州抑止イニシアティブに60億ドルが計上されています。以下の記事で台湾政策法(TPA)案の一部がこの中に組み込まれることが予想されると指摘していましたが、そのとおりになりました。

「ペローシの訪台」(8/8)
「ブリンケンと海軍作戦部長の台湾発言」(10/24)
 
その意義と米中関係の展望について解説します。TikTok規制の動きについてもあわせてコメントします(※メルマガで解説)。なお、国防授権法については以下の記事で詳しく解説しましたので、こちらもあわせてご参照下さい。

「政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)」(19/1/22)
 
●中国のゼロコロナ緩和

中国国務院が新型コロナウイルス対策の新たな方針を発表しました。自宅隔離の許可、集団検査の大幅な削減、公共の場所や省をまたぐ移動における健康チェック義務の解除など、これまでのゼロコロナ政策を大きく緩和するものとなっています。

前回の記事(以下のリンク参照)で党中央がコロナ対策の緩和に舵を切ることは指摘していましたが、そのペースは予想以上でした。

「中国のゼロコロナへの抗議デモ」(12/5)
 
しかし、上記記事で指摘したとおり、ゼロコロナからの脱却には時間がかかり、スムーズには進まない可能性があります。この点について、今回の緩和策を踏まえてあらためて解説します(※メルマガで解説)。

●ジョージア州上院選とシネマの離党

ジョージア州上院選の決選投票は、民主党現職のラファエル・ワーノックが共和党のハーシェル・ウォーカーを約3ポイントの差をつけて破りました。以下の記事で述べたとおりの結果でした。

「ジョージア州上院選決選投票」(12/5)
 
これで上院は民主党51(無所属2人含む)、共和党49で決まり・・と思ったら、民主党のキルステン・シネマが離党を表明。ただし共和党に与することはなく、委員会のポストも続ける(民主党の方針に基本的に従うことを意味する)と述べています。

ジョージア州上院選とシネマの離党が意味するものと米国政治の今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と(12月7日付BBC)

なんというか、中二病のイタイ人たちの悪ふざけのようにも見えますが、シャレにならない事件でした。陰謀論の脅威はもはや米国だけの話ではないということですね。ロシアが関わっていた可能性もあるようですし。

貴族ロイス家の末裔「ハインリヒ13世」という容疑者が注目を集めていますが、著名人が陰謀論にかぶれているという例はたまに見かけます。たとえば米国ではロバート・ケネディの子のロバート・ケネディ・ジュニアが有名です。

幻想の世界にひたりながら、クーデターを起こし、その後の国家機構も計画していたというくだりはオウムを思い出させます。その経験を考えても、やはり悪ふざけなどではなく、真に差し迫った脅威として受け止めるべきでしょう。私も、陰謀論やいい加減な言論の問題を指摘し、広く発信していくことの重要性をさらに強く感じました。

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