2022/08/08 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(8/7~13)ペローシ訪台、ロシアのウクライナ侵攻、ナゴルノ・カラバフ衝突
先週はオンライサロンの懇親会がありました。グッチーポストのメンバーに加え、お馴染み吉崎達彦さん(かんべえさん)、My Big Appleさんも交えて、日本の政局からペローシ訪台に至るまで、様々なテーマについて懇談しました。
質問やコメントが絶えず、毎度のことながらあっという間に時間が過ぎます。今回も予定を10分以上オーバーしました。オンランサロンにご関心ある方は、上記リンクをご覧下さい。
日本の政局といえば、永田町ディープスロートさんが安倍元首相の国葬と参院選についてディープなレポートを書いています。これから安倍元首相が亡くなった後の影響含め、色々な話をしてくれるでしょう。楽しみです。
ちょうど編集部から、夏休みということで、メルマガ1か月無料キャンペーンのお知らせがありました。もし永田町さんのメルマガや経済ZAP!!をご覧になったことがなければ、ぜひこの機会にご覧になってみて下さい。本メルマガの読者の方々であれば、きっと楽しんでいただけると思います。
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先週の動き
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7/31(日)
・ペローシ下院議長がシンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると発表、カリフォルニアを出発
・ASEAN外相会議関連会合(プノンペン、~8/6)
・セネガル総選挙
8/1(月)
・バイデン大統領がアルカイダのザワヒリ指導者をアフガンで殺害したと発表
・米国防総省がウクライナへの5億5,000万ドルの追加軍事支援を発表
・ウクライナのオデーサ港からウクライナ産穀物を積んだ貨物船が出航
・ペローシ下院議長とシンガポールのリー・シェンロン首相が会談(シンガポール)
・中国人民解放軍の建軍記念日
・米・インドネシア合同軍事演習「ガールダ・シールド」(~14日)
・カンザス州で州憲法から人工妊娠中絶の権利を削除することの是非を問う住民投票が否決
・NPT再検討会議(岸田首相が演説)(NY、~26日)
8/2(火)
・ブリンケン国務長官がカンボジア、フィリピン、南ア、コンゴ民、ルワンダを訪問(~12日)
・米国がサウジへの地対空ミサイルの売却を承認し議会に通知したと発表
・サウジ率いるアラブ有志連合とイエメンの武装勢力フーシ派がイエメンでの内戦の停戦期間の2か月間延長で合意
・ペローシ下院議長とマレーシアのイスマイルサブリ首相が会談(クアラルンプール)
・ペローシ下院議長が台湾に到着
・中国人民解放軍が台湾の北部、西南部、東南部の空海域で統合演習
・台湾総統府のウェブサイトがサイバー攻撃を受ける
・米財務省がプーチン大統領と親密な関係にあるとされる元新体操選手アリーナ・カバエワ氏、オリガルヒ4人、約20の企業への制裁を発表
・アリゾナ州、ミシガン州、ミズーリ州、ワシントン州、カンザス州上院選の共和党予備選
8/3(水)
・ペローシ下院議長と台湾の蔡英文総統が会談(台北)
・台湾国防部が中国軍の戦闘機27機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・ペローシ下院議長と韓国国会の金振杓議長が会談(尹錫悦大統領と電話会談)(東京)
・ロシアのラブロフ外相がミャンマーを訪問
・ASEAN外相会議(プノンペン)
・OPECプラス閣僚級会合(9月に日量10万バレルの増産で合意)(オンライン)
・アゼルバイジャンとアルメニアがナゴルノ・カラバフ自治州周辺で軍事衝突
8/4(木)
・中国人民解放軍が台湾周辺の6か所で大規模な軍事演習(~7日)
・G7外相が台湾海峡の平和と安定の維持に関する共同声明を発表
・米、中、日・ASEAN外相会議(プノンペン)
・ASEAN+3外相会議(同)
・日米豪外相会談(同)
・日中外相会談の中止(同)
・ペローシ下院議長と岸田首相が会談(東京)
・イラン核合意の再建に向けた米・イランの間接協議の再開(ウィーン)
・モスクワの地区裁判所が米女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手に麻薬密輸等の罪で懲役9年の判決
・保守政治行動会議(CPAC)(ダラス、~7日)
8/5(金)
・台湾国防部が中国軍の戦闘機68機、軍艦13隻の台湾海峡の「中間線」越えを発表
・中国外交部が米国への対抗措置を発表
・東アジアサミット外相会議(プノンペン)
・ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合(同)
・ペローシ下院議長と岸田首相が会談(東京)
・ロシア・トルコ首脳会談(ソチ)
・ロシア軍がウクライナのザポロジエ原子力発電所を砲撃したとエネルゴアトムが発表
・ウクライナのオデーサ港からウクライナ産穀物を積んだ貨物船が出航
・イスラエル軍がガザを空爆(武装勢力「イスラム聖戦」の司令官を殺害)
・インディアナ州で人工妊娠中絶を大幅に制限する法律が成立
8/6(土)
・シャーマン国務副長官がサモア、トンガ、ソロモン諸島、豪州、NZを訪問(~9日)
(8月上旬)
・北戴河会議(推測、~中旬)
●ペローシの訪台
ペローシ下院議長が台湾を訪問し、蔡英文総統、政府高官、人権活動家、TSMCの幹部らと会談しました。安全保障上の理由から事前発表はされず、先週の記事(以下のリンク参照)では「五分五分」と述べていましたが、結局、決行されました。
・「米中首脳電話会談(ペローシの訪台計画)」(8/1)
現職の下院議長の台湾訪問は97年のギングリッチ以来25年ぶりとなります。下院議長は立法府のトップとはいえ、大統領の継承順位が副大統領に継ぐ2位ということから、見方によっては「米国のナンバー3」(中国にはそのように映ります)。当然ながら中国は猛烈に反発し、前例のない激しい対応を見せました。
まずペローシが到着した8月2日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に21機の軍用機を送り込み、台湾周辺で「空と海の合同演習」 を開始。そして4日から7日まで台湾の6つの区域で軍事演習を行うと発表しました。3つの区域は台湾の領海、そのうち2つは内水にも重なり、別の区域は台湾海峡の中間線を越えています。また、台湾食品約2,000品目の輸入禁止を発表し、台湾政府機関へのサイバー攻撃を過去最大規模で行いました(現在も継続)。
3日、台湾のADIZに27機の軍用機を送り込み、その多くが中間線を越えました。そして外交部らが激しい非難の声明を相次いで発表。台湾への天然砂の輸出禁止、台湾産柑橘類と冷凍魚の輸入禁止、台湾企業数社への制裁、中国に滞在していた台湾人を「台湾独立分子」として逮捕したことなどを発表しました。
4日、台湾の東、北東、南東海域に通常短距離弾道ミサイルを発射し、その多くが台湾上空を通過し、また日本のEEZに着弾しました(いずれも初めての事態)。また、台湾海峡の台湾の離島の近くで砲撃演習を行い、13隻の艦艇を派遣、22機の航空機を台湾のADIZに送り込み、これらすべてが中間線を越えました。
5日、引き続き軍事演習を行い、台湾のADIZに49機の航空機を送り込み、その多くが中間線を越えました。また、ペローシとその近親者に対する制裁を発表し、米国への対抗措置として、米中両軍幹部の電話協議、気候変動交渉、麻薬対策、国際犯罪対策、刑事司法、不法移民の送還に関する協力の停止を含む8点を発表しました。
この間、プノンペンでASEAN外相会議の関連会合が開催され、ブリンケン国務長官、王毅外相、林外相らが参加しましたが、ここでも米中はお互いを非難。王毅は夕食会などに出席せず、林外相との会談も直前でキャンセルしました。
台湾海峡における軍事的緊張はかつてなく高まり(すでに「第4次台湾海峡危機」と呼んでいる識者もいます)、米中対立もさらに深刻なレベルに達したようにみえます。状況はいまだ流動的な部分もありますが、最新の情報に基づき、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。
●ロシアのウクライナ侵攻
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(8月8日)で168日目を迎えました。
主戦場であるドンバスでは、ロシア軍は地上攻撃を続けていますが、引き続き大きな前進は見られません。ただし、ウクライナが奪還したハルキウに対しては、ロシアはミサイル攻撃を続けており、付近での地上攻撃を含め、攻勢を強めています。
一方、ウクライナは、ロシアが占領している南部のヘルソンの奪還に向けて反攻を強めています。米国は追加軍事支援を発表し、ウクライナのレズニコフ国防相は新たに米国からハイマース4基を受け取ったと発表しました。
これでウクライナが受け取ったハイマースは16基となります。ロシアはハルキウへの攻撃でハイマース2基を破壊したと発表し、累計で6基を破壊したと主張していますが、米国とウクライナは、これまでハイマースが破壊された事実はないと表明しています。
また、トルコのエルドアン大統領がソチを訪問し、プーチン大統領と会談しました。4時間に及んだ会談後、ロシアは、両首脳が地域・世界的な課題がある中でも、二国間関係を発展させる共通の意思を再確認したと発表。貿易の拡大、運輸、農業、観光、建設を中心に経済・エネルギー面での協力を強化することで合意したとしています。
また、ウクライナの穀物輸出再開について、ロシア・トルコの「建設的関係」により合意が可能となったとして、その成果を強調されました。実際、オデーサ港から貨物船が出航し、再開に向けた動きが進展しています。
これらの最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。
●ナゴルノ・カラバフをめぐる衝突
アゼルバイジャン西部の山岳地帯ナゴルノ・カラバフ周辺で、アゼルバイジャンとアルメニアの間で大規模な軍事衝突が発生しました。
以下の記事で述べたとおり、ナゴルノ・カラバフをめぐっては、アゼルバイジャンとアルメニアは長年にわたり衝突を繰り返しており、20年10月の衝突では6,000人が死亡する事態に至りました。
・「ナゴルノ・カラバフをめぐる軍事衝突」(20/10/5)
この衝突において、アゼルバイジャンは「ナゴルノ・カラバフ共和国(アルツァフ共和国)」が実効支配していた地域の多くを占領し、アルメニアとの間で停戦合意が成立させました。しかし3月から再び小規模な衝突が発生し、今回の事態に至りました。
今回の衝突の背景にあるのは、ロシアのウクライナ侵攻とトルコの関与です。本件は、コーカサスの地域紛争にとどまらず、今後、ロシア、トルコ、欧州の今後にも影響を与える可能性があります。この点について解説します(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ 米小学校銃撃事件を「うそ」と否定の司会者、約5億5000万円の賠償命じられる(8月5日付BBC)
アレックス・ジョーンズは、極右のラジオ番組のトークホストで、「米国で最も有名な陰謀論者」とも言われる人です。トランプ前大統領の支持者ということもあり、そのウェブサイト「インフォウォーズ」はしばしばトランプ支持者にも引用され、話題になりました。
記事にも少し書かれていますが、裁判では、このようなやりとりがありました(この後はメルマガをご覧下さい)。
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