2009/07/13 15:43 | M&A | コメント(36)
プレミアムモルツ一番搾り
なんてのが発売されるかもしれないね。
すごい話です。
キリン、サントリー統合のニュースが飛び込んできました。東京都議選挙どころではありません。私は現在M&Aが一応本職なのですが、2007年に幸田さんのラジオ番組に呼んで頂いたときに「注目業界は食品、中でもメルシャンを買収したキリンは何かやる」、としゃべったことがあります。
ブログでも食品業界再編は何回か取り上げました。 しかし、キリンとサントリーとは全く予測していませんでした。ノーマーク。
キリンのM&Aチームが偏に優秀、ということがまずあるのだと思います。
着眼点が非常にいいですね。
通り一遍のことは日経に譲りますが、何せすごい決断だと思うのは上場会社同士ではなく、片方のサントリーが非上場会社ということです。
これは株主対応だけではなく、ディール後のさまざまなことを考えるとものすごくリスクが高い。
上場会社のディスクロ基準と全く違う状態で経営されてきた訳で、当然示されている数字なども一つ一つ検証が必要になります。
株主の目にさらされない分、「相当膿がたまっている」のが通常です。サントリーが赤字のビール事業をここまで持ってこれたのも「根性」の一言ですむわけがなく、ある意味不明瞭な会計と決算を駆使してここまで来た、という言い方もできるのです(脱税、とかそういう意味ではありませんぞ)。
その意味ではこの統合はアメリカでは不可能だったでしょう。訴訟リスクに耐えられません。
今後の展開はわかりませんが、社長同士の本当の信頼関係、お互いのスペシャルチームの阿吽の呼吸など、アメリカ流M&Aでははかりしえない、数字には出てこないお互いのバリュエーションが存在したからこそ、可能になったのではないか、と推測しています。これが日本型M&Aということになるのではないでしょうか。
数字だけにとらわれない、将来を見据えた決断が必要な会社は多々あるのです。
数年後、あるいは数十年後にそのあたりの裏話を是非聞いてみたいディールですね。
しかし、課題もあります。
国際的に見てもトップ5を狙える地位になるようですが、このままではいかんせん利益率が低いのです。僕には原因がはっきりしているように見えますね。
世界中のビールなどの飲料メーカーであんなに広告宣伝費を使っているのは日本の会社だけです。
バドワイザーもハイネケンも、ハリウッドスターを使って広告をする、なんてことはありえない。日本だと電通のためにやってるんじゃないか、という位大物女優を平気で使いますね。
そのギャラたるやとんでもないコストであって、欧米の飲料メーカーでは考えられないコストなのです。 最近ではコカコーラもそうですし、ペプシが早くからそういった芸能人を使わなくなりましたが、売り上げが落ちた、という話は聞いたことがありません。
我々の実感としてもプレミアムモルツが竹内さんのせいで売れたわけもなく、キリンも深田恭子を使ってくれたことには感謝しますが、それでどれだけチューハイが売れたのか。
既にキリン、サントリーとも社会的に認識されているブランド名ですから、その種の広告宣伝費は無駄遣い以外の何者でもありません。世界標準では実に無駄な広告宣伝費と考えられるでしょうね。
これはJALについて書いたときと同じでして、もはや、そんな広告宣伝費をかける余裕も無いし、かけても効果がない、ということがはっきりしているインダストリーだ、ということです。(航空会社で芸能人を宣伝に使っているのは日本だけで、使っている余裕があるならその分を安全とサービスの充実にまわすべきだろう、とおっしゃったのはバージンのブランソン会長です。余談ですが、その後の一言がすばらしく、「バージンの一人一人の社員すべてがハリウッドの誰よりも魅力的な広告媒体です」とおっしゃったわけですな。こんなこと言われたら制服着たままタバコなんて吸えませんて・・・・・・)
いづれにせよ、「日本ブランド信仰」がまだまだ生きているアジアマーケットを制するためにもこのくらいの規模の飲料メーカーが必要だということは確かで、両社が一歩前に出たことは間違いありません。
最終統合まで紆余曲折はあるでしょうが、ここまで至った両社の経営者とスペシャルチームに拍手を送りたい、と思いますし、これは是非成功させてもらいたい、と願う訳であります。
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36 comments on “プレミアムモルツ一番搾り”
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2週間続けてぐっちーさんのメール通信が届いてません。
色々、教えていただいた「まぐまぐ」等へコンタクトとったり、Q&Aを見たりしたのですが、反応無しです。 どうしてよいやら・・・・
「メール通信が来ない」人はまだ他にもいらしたようなのですが、その人たちは上手く行ったのでしょうか?
あれ程、
ジエチレングリコール入り貴腐ワインを飲んでも、大丈夫だったキリンだから・・名を落とした以外・・何が添加されていても、メチルアルコール以外なら堪えられるのではありませんか?
PRで有名俳優に金を惜しまないのなら、
ぐっちーさんをタダで使いましょうねぇ・・頭を使って・・・
価格が上がりそうですね。煙草の次にくるのは、アメリカも酒税の増税でしょうし。
私は、酒は飲めますけど、どちらかというと大酒のみをやめた口で、日常的にはまったく飲みませんからいいですけど。ただ、外国のビールって、結構、美味しいんですよね。
単純にビールは在庫管理が難しいのと、日本のビールは日本人しか飲まないので、ビールの部門だけが統合するのでしょうね。で、安いビール競争をやめるということではありませんか。まぁ、たぶん、次の政権しだいなんだと思います。
私は、なんか、酒が日本のたばこの歴史を逆向きしているようにしか思えません。一社になってしまうようで心配です。
クルマで例えばトヨタ。
あれだけ車種(車名)が必要なのか?
ベンツはベンツしか無い、BMWもしかり。
環境うんぬんで、中途半端な車種は絶滅させていくのでしょうね。
>日本だと電通のためにやってるんじゃないか
>という位大物女優を平気で使いますね。
その電通に取締役のご子息が入社してる
というオチじゃいないでしょうか・・・。
リチャード・ブランソンさんは、
他にも心に響くこと沢山、言ってますね。
最も尊敬・信頼できる方の一人だと思ってます。
ぐっちーさ?ん、
今日の記事は【速報!】って感じがして
すごく嬉しいかも。。
>「○○の一人一人の社員すべてがハリウッドの誰よりも魅力的な広告媒体です」
バブルが弾ける頃はそんな風潮・社風が生きてましたが…
社員教育に金をかけ、品質向上(QC活動)を至上命題として。
その頃の新入社員が、今はアラフォーの筈。
今でも社員教育を大切にし、品質向上を目指してる会社であれば社会の荒波に揉まれても無事に乗り切るでしょうね。
そして、あの時代の新入社員が中間管理職の年代として会社に恩返し出来、
後輩に素晴らしい指導力を存分に発揮できる会社は、落ちぶれる事など無いでしょう。
でも広告媒体だけでは超有名な会社も、
ただ単に安い人件費を求めて社員教育などクソクラエ!
そんな会社の「日本ブランド信仰」は必ずメッキが剥がれますよ、どっかの政党みたいに。
私がよく行く銀座4丁目交差点にはキリン、サントリーの広告看板は無いので不要なところには広告費を掛けていないように思えますが・・。銀座の交差点の1番目立つところ看板を出す某ビールメーカーはビール事業より不動産事業で利益を何とか出すくらいなのでこんなところにでっかいネオン看板出してなんてもったいないことをと良く思う今日この頃です。グッチーさんの言う無駄は高額タレントの起用だと思いますが、対費用効果を考えずに出すことは無いのでグッチーさんの意見には私は否定的です。
このニュースを聞いた瞬間、内需企業の整理統合が始まるほど経済規模が縮んだのけ?と思いましたが。。。
私の思い過ごしであることを祈っています。
メルマガ来てないなー
それより「FIRE BOSS」ですな
>ある意味不明瞭な会計と決算を駆使してここまで来た
致命的な誤認識ですね。
サントリーは金商法適用会社です。いわゆる有報提出会社です。
非上場会社の有報と上場会社の四半期報告とは適時性こそ差はありますが、
開示内容に大きな変わりはありません。
また、監査法人による監査証明を添付するわけですから質的にも変わるはず
がありません。
このご時勢、金商法適用会社の中で非上場だからと言って手心を加える大手
監査法人なんてありえません。(サントリーはトーマツです)
言い換えれば、非上場会社でありながら上場会社会社並みの財務体制が構築
されていると言っても過言ではありません。
IRなどの充実性や表現性などの観点からは見劣りするかもしれませんが、財
務的には厳格な監査を受けている金商法適用会社に「不明瞭な会計と決算を
駆使してここまで来た」というのは暴言以外なんと表現すれば良いのでしょ
うか・・・。
下手したら、サントリーからクレームがきますよ・・・・・^^;
>2週間続けてぐっちーさんのメール通信が届いてません。
色々、教えていただいた「まぐまぐ」等へコンタクトとったり、Q&Aを見たりしたのですが、反応無しです。 どうしてよいやら・・・・
通りすがりの者ですが・・・
私のところは普通に来ているようです。
メールアドレスを複数お持ちですか?
もし、まぐまぐへの問い合わせの返信がないなら
別のメールアドレスを使って問い合せしてみるとよいかもしれません。
問い合わせが殺到している場合は、
まぐまぐに限らず、返信が遅くなる場合もあると思いますが
数日経っても届かないとなると、何らかの事故もあるかもしれません。
なお、問い合わせの際は、
他のフォルダ(迷惑メール、ごみ箱など)に間違って
入っていないか確認して、入っていないならば
そのこともお知らせするのがよいと思います。
配信の宛先へ指定しているメールアドレスと、
そのメールアドレスで問い合わせしても返信がなかった旨も。
あと、まぐまぐのトップページから
ご自分の登録しているメールアドレスとパスワードを
使って、マイページを開き
そこでメルマガの登録内容を確認しておいた方がよいかもしれません。
いずれにしても、まぐまぐさんでないと
何もできないと思います。
先週までは来ましたが
今週は来てません!
まぐまぐだめだめ!?
私もTVタレントを起用するCMは広告宣伝部がタレントに会いたいからなのではと穿った見方をしてますが、15秒CMだとタレントを使うのが一番インパクトがあるからタレントを使うみたいです。
30秒、1分CMが主流になればタレントを起用する会社は減るでしょう。また欧米のビール会社もバドワイザーはアメフトのスーパーボールにCM出してますし、ハイネケンもサッカーチャンピオンズリーグのスポンサーです。おそらく両社とも宣伝費は多額だと思います。
日本との違いは欧米はブランドイメージ訴求型。日本は新商品訴求型なところですね。
ぐっちーさんのメルマガですが、先週からタイトルと差出人アドレスが変わっています。
タイトル:週刊 ぐっちーさんの経済ZAP!! デリバティブの本質
差出人:ぐっちーさん mag2 P0008072
タイトル、差出人で振り分け設定をしてあると、そこのフォルダには振り分けられないはずです。
また、問い合わせは、customer@magpre.com 宛に、メルマガのタイトルと、マガジンIDを記載して、不着です、と送ると、翌日には、メルマガと返信が送られてきました。もちろん、メルマガ送付先の自分のメルアドも記載しました。
以上、私の場合です。御参考になれば・・・。
決算発表を前にして、今日も騙し上げ、ですかな?(笑)
ノーポジの身、今年後半、暴落を妄想…
買いや、買いや、買いや?!
カネ持って来い?♪
(買いポジの方、スミマセン)
花王ショックのようになる事を望みます♪
企業のお金(消費者のお金)が、タッチできない不透明な形で
広告代理店(というより、どこの事だか分かりますよね)と芸能人に
不当に搾取されすぎたんです。そしてメディアもそれらに左右された。
しかし今の不況(とメディアの不景気大キャンペーン)は企業に
広告費削減の印籠を持たせる結果になりましたね。
CM等広告費は確実に減っているのでしょう。最近は特定の
企業を特集したTV番組を見る事も珍しくなくなっています。
広告代理店の中抜き無しでの企業とテレビ会社のつながりという形でしょうか。
某広告代理店は、その権利とお金、メディア掌握力を使って
政治的な色を付けすぎたんでしょう。消費者に拒否されました。
業界がおかしかったんです。色んな変化が日本に起きていますね。
今回のニュースで私がショックだったのは、自主独立の象徴企業だったサントリーが実質上場の道に耳を傾けざるを得ない状況が内需に発生したということと、出光のように独自上場を選ぶ選択肢が恐らくなくなった状況、この二つですね。
サントリーという会社は恐らく、日本の文化のタニマチ意識の非常に強い会社で、大正以来、資生堂や出光興産と並んで、日本の芸術・スポーツなど、「文化」の牽引車だった企業の代表格です。収益性が低いのも恐らくそのせいでしょう。
また戦後のサントリーは、いわゆる銀座オヤジ文化を全国に広めた功労者で、トリスしかり、最近では石川さゆりさんの「ウイスキーがお好きでしょ?」の歌声に乗せて小雪さんがボソッと呟く世界観、あーゆー文化そのものの担い手だったんですね。ぐっちーさんには響くネタだと確信しちょりますが(笑)
だから文化面で言うと、しり上がり寿が山口瞳をパクッと食っちゃう以上のインパクトがあるわけでして。日本の文化そのものの発展が自社の利益に繋がる、そういう信念がすでに通用しなくなったかも?というニュアンスを感じるんですよ。それは一重に、内需の先行きがどうにもならん人口が減っちゃってんだから、というリサーチに基づいていると思います。
サントリーが時価会計の洗礼を受けてしまうと、経済原理以上の文化面でのネガティブインパクトが計り知れないと思うのですよ。半分カーネギー・メロン財団みたいな志向の強い企業でしたから。少なくとも企業メセナの担い手が変質してしまうでしょう。
万が一、コトが成就してしまったら、愚痴を聞いていただきたいので、ぐっちーさんに直メールしますね(笑)
人はパンのみで生きるにあらず、です。
サントリーは公募社債も出しているはずで、会計に問題があれば大問題になると思いますが、本当に不明瞭な会計などやっているというネタでもあるんでしょうか。
新社名を考えました。
キリントリーです。
麒麟と鳥居の造語?です。
宣伝費をかけずにブログを使って、
新会社の社名募集キャンペーンを
仕掛けてみては。
私は、数年前までNYで広告関係の仕事に勤務しておりましたが、私の考えもヒロさんと同じで、欧米の飲料メーカーの方が、それこそチャンピオンズリーグ・スポンサーなど多額の広告宣伝費を使っていると思っております。
日本のメーカーの宣伝費の方が、売上比率で言っても、欧米の半分というのが基本的考えだと思いますが、、、、(私が、米国のセミナーで習ったのは、欧米メーカは売上の14%くらい、日本のメーカーは、売上の7%くらい、だったように思います)
サントリー 同族経営でもあり、いるでしょ。
創業者の家族とか、真意は別の機会に
お話しますが、ごく限られた上層部だけで
秘密裏に動いていた。記者会見の具合から
サントリーサイドのような気もしますが、
ちょっと今日でも聞いて来ようかな?
三菱商事??今回はどうかな?
新社名は、サントリー+キリン→サリン でいいんじゃない
キリンがサントリーを?
サントリーがキリンを、だと思っていました。
上場企業と、非上場の有報提出企業の両方で決算組んだことありますが、監査の内容、質ともに大きな違いはありませんでした。
サントリーは、機関投資家からの圧力がないため、経営の自由度は高かったと思いますが、会計処理はきちんとやっていると思いますよ。
PB商品反対のキリンと、イオンに魂を売った
サントリー、うまくいくのでししょうか?
ご本人が回答されるかも知れませんが、とりあえず。
あのシステムでは、メール不達などのトラブルに関してはご本人に質問しても何も答えようがないはずです。
メール著者は、送信システムや、送信先に関する情報が全く知らされないようになっているからです。
問い合わせるのであれば、ここ
http://www.mag2.com/m/P0008072.html
の下の方にある「お問い合わせ」などから、問い合せ先を探して行くのが最も早いと思われます。
また、この「ヘルプ」の画面
http://help.mag2.com/read/
の下の方に「トラブル」という項目がありますから、そこを読んでみるのもいいかも知れません。
おはつです。
サントリーの筆頭株主は88・9%持っているようなので、合併比率次第では安定株主工作になるかもしれませんです。
決算書類の数字の積み上げとか、そういう意味ではなくて、コメントにあった、”タニマチ意識”とかそういう部分のことだと解釈するのも可能なのでは?
だってさ、会社って、利益を生み出すだけの概念で、文化(要するに個人的な趣味でしょ by下流) とかそういうのを建前上は入れるべきものではないのでは。タニマチ活動って広告宣伝費の支出なんですか? まぁ、使い先も監査の対象だとは思いますけど。
コクド計画と透明性を比べちゃダメですか?
非公開企業だからディスクロージャー甘いだろうとか、タレント使ってるから広告費高いだろとか、相変わらず素人ですね。
ところで最近為替についてのコメントがありませんが、どうでしょうか? いままでも逆に張らせてもらってさんざん儲けさせてもらったので、そろそろお願いします。ヨロシク!
ある意味不明瞭な会計と決算を駆使
数年なんらともかくビールの赤字は
ウイスキーの儲けで相殺したのでしょう
学生時代、販社でバイトしたことありますが
サントリーオールド当時3000円だったかな
業務用、贈答用に飛ぶように売れてました
華麗なる一族、小が大を食うかも
ところで禁酒解禁はまだですか?
タレントなんて、クリエイターの気分で決められてますよ。マスの費用対効果なんて、絶対に出ません。
だから、タレント依存なんです。逆に言えば、効果が測定できないからアイディア重視のコマーシャルにならないのです。製造工程では一銭のコストでも勝負してるわりに、広告は100万単位のどんぶりですからね。このご時勢、企業は広告代理店になんてやさしいのでしょうか。合併したら、業界でも優秀とされているキリンとサントリーの宣伝部はどうなるんでしょうね。代理店の扱い比率にも影響でると思われますので、興味はあります。
広告代理店の人間です。
日本のCMについてです。
コンシューマー商材とくにコンビニをメイン・マーケットにする商品がタレントを多く使うのは、流通に対するパフォーマンスだからです。
知っての通り、日本では流通が非常に大きな力をもっています。メーカーがいくらいいいモノを作っても、
その商品をお店に置いてもらえなければ売れません。
特に今はメインがコンビニです。コンビニというのは、当たり前ですがお店が小さい。つまり商品の置ける棚が限られている。
それに対し、日本は同業種メーカーが異様に多く(完全にオーバープレイヤー状態)、しかも毎日のようにガンガンと新商品やマイナーチェンジした商品を出してくる。そこに激しい棚取り競争が生まれるわけです。アメリカみたいにどこの店も同じ歯ブラシしかなく、しかも数種類しか売ってないようなノー天気な国とは事情が違うんです。
で、その結果としメーカーは流通に対し、「ウチの商品の棚をもっととってよ。いい場所においてよ。」と言うわけです。
そこでいちばん効くのがこんなセリフ。
「この商品、こんどあの有名タレントを使って、何千GRP(これはCMの出稿量の単位)ものCMを打つからさ」
つまりメーカーがどれだけ本気で商品を売ろうと思っているかをCMの出演者とCM予算で計っているのです。
メーカーとしてもそれに答えざるをえないというワケですなぁ。
なんせセブン?イレブンが全国で1万3千店、ローソンが9千店、ファミマが7千店(以上、僕のおぼろげな記憶の店舗数)でっせ。流通との商談で、そこの棚を取れるか取れないかは死活問題でしょう。
あとタレント費は確かに高いですが、CM全体コストから見ればせいぜい10分の1くらいでしょう。トップクラスで年契5千万から1億です。
海外はCMに金をあまりかけてないようなことを書いてましたが、そんなことないです。
カンヌ広告賞をとったいくつかのビールのCMを見せますので、その制作予算を想像してみてください。
一体いくら金をかけたらこんな映像が制作できるんだ?という内容です。
しかも向こうは有名クリエイター(CMディレクターなど)に払うフィーもハンパじゃありません。
ギネスCM
http://www.youtube.com/watch?v=R18_sENJVUo
カールトンCM
http://www.youtube.com/watch?v=Mv5U0W8FDDk
>>このご時勢、企業は広告代理店になんてやさしいのでしょうか。
テレビ業界も出版や新聞業界も、広告出稿量が減少して、それに連動して広告業界も業績はイマイチ、、、
テレビは、確かに
>>マスの費用対効果なんて、絶対に出ません。
なので、より効果測定が細かいネット広告へ移行しつつあります。
以前広告業界に在籍していた者です。
私も有名タレントを使うのは電通のためであるとは思えません。
かなり前のビデオリサーチ社の資料ですが、同じ50%のCM認知率を得るために、一般タレントでは750%GRPを必要としますが、有名タレントでは250%で済むということです。
つまり有名タレントを使ったほうが広告効率が上がることになります。しかしもちろんタレントの使用料が上がりすぎれば、この効率が下がることになり、有名タレントは使われなくなると推察できます。
では欧米で有名タレント(セレブ)が広告で使用されないのはなぜかといえば、ひとつの大きな理由はセレブが広告に出るとその価値が下落するという考え方があるためと思われます。よくあるのは世界的に有名なタレントが、日本でだけ広告に出演する例です。これは日本だけで出演しておけば、海外ではそのことはバレないので、価値が落ちないし、お金も稼げるという判断と思われます。