ＧＭ，そしてＦｏｒｄ。本当に大丈夫なんだろうか。
既に投資をお勧めした私としてはこれは大変な状況でございます、はい。

昨日だけで業績下方修正を受けて、Ｆｏｒｄの社債は年限問わず、軒並み５０ＢＰ（０．５％）利回りが上昇（価格下落）、５０ＢＰと一口に言うのですが、これはもう格下げするときのマグニチュードです。ＦｏｒｄまでＢＢになってしまう、と考え始めた訳ですね。当然既に格下げをかなり織り込んでいるＧＭでさえ、２０ＢＰの利回り上昇、いや、これ結構やばいですね。２０１３年償還のＧＭの債券をお買いになると利回りが１０％です。１０％ですよ。アメリカの国債が４．４％ですから。考えてみるとすごいスプレッドな訳です。

一番問題になっているのは、過去のＧＭやＦｏｒｄがまだ「トヨタなんて、かすだぜ！！」とか言い切れた１９６０年代（６０年代というのはある種アメリカの黄金期でして、音楽なんかもいいものが沢山でましたね）にばりばり働いていた人々が退職をして（当然人数も多い訳ですわ）その人たち、及びその家族に対する医療保険や年金が当初の見積もりより数倍に膨れ上がってしまい、冗談みたいですが、またみなさん長生きするもので、その積立金がどんどん削られ、かつ実際に不足をしているという状況に対して、今の見積もりでは会社の利益や資産をを全部だしても足りないことが明らかになった、ということなんです。

ＧＭだけで、たった１社ですが、全米の医療保険加入者の０．４％（１１０万人）を占めているという統計があります。米国の医療産業はＧＤＰの２０％にも及ぶ巨大産業ですので、下手をすると本業の自動車のシェアーより医療費に占めるシェアーのほうが大きいなんて、悪い冗談ですよね。
でもこれが現実。アメリカ人自身がどう着陸していいのかわからなくなってきています。

クリントンなら、一言あったでしょうね。女遊びは激しかったけど、こういうときは早かった。

でも、ブッシュさん？　ライスさん？　とにかく経済に疎い政権です。リスクは政権が本当に気がつかないうちにＧＭさんやＦｏｒｄさんが万歳してしまうこと。冗談みたいなはなしですわね。

今なら間に合います。抜群の政策があります。日本、韓国の自動車メーカーがアメリカに車を輸出するたびにＧＭやＦｏｒｄの年金を一定比率で負担する。簡単です。（だれも断れませんよ、これは）

目先の利く経営者ならその前に動くでしょうな。いま、ＧＭを救済したら向こう３０年くらいアメリカのスターになれます。

堀江君、惜しかった・・・・・