2005/04/11 09:18 | 金融全般 | コメント(0)
中国抗日デモとマーケット
中国政府が表立って抗議行動を封鎖できないのは、これが本格的な反政府運動に広がったらえらいことになるからです。抗日、とか言っている内はいいんですよ。既に全国的に反政府デモは頻発してきており、そのつどテーマがある。今回はそれが抗日であったため規模が全国化している訳で、これを規制にかかって、矛先が政府に向かったら大変な事になる、というのが本音です。天安門はよくも悪くも一部の不満分子学生が立ち上がっただけなのに比べると今回は農民、一般市民、経済格差に苦しむ多くの不満分子が立ち上がっているだけに中国政府としては恐ろしくてとても手が出せないという、実は大変憂慮すべき事態となったおります。
中国と日本の関係は経済的にはもはや持ちつ持たれつどころか、お互いに無しではやっていけません。
1.昨年の貿易統計によると対中輸出約8兆円、輸入10兆円で、アメリカとの合計19兆円にほぼ匹敵する数字になっており、輸入だけ見ればアメリカの倍くらいある。中国に加え香港、台湾を広く中国としてみるなら、もう、ダントツのNO.1の貿易相手国である。
2.日本企業の素材関連企業の殆どが中国特需で立ち直った。特に鉄鋼など基幹産業はその傾向が顕著。今中国需要がなくなればたちどころに生産が落ちる産業が沢山ある。
3.海外から日本に向けて入ってきている不動産などの投資資金のかなりの部分が中国の成長を狙って入ってきており、正に今回の事件などがあるから、本土への投資を避けて回り道で日本に投資をしている訳だが 抗日というテーマが大きく表にでてくるならとても看過できない。
など、相当な影響が出てくる訳です。
人権問題に敏感なアメリカが黙っている訳ですが、密かに注目しているのは外貨準備です。
現在日本が8400億ドルで、トップですが、2位は中国6000億、多分今は7000億くらい担っており、更に台湾2400億、香港1247億と、やはり3つあわせれば既に日本を越えています。それだけの規模なんです、既に。
これら外貨準備の大半は米国債で運用されており、現在米国債の入札では、およそ7割がこれらアジア中央銀行の応札ではないか、と言われているんですわ。これは大変な問題です。日本は決して裏切らず、何があっても持っているでしょうが、中国はわかりません。アメリカの出方によっては売っちゃうぞ、という脅しを掛ける可能性大です。過去に何度も中国は他通貨分散を図る、と発言しており、それだけでドルが急落したことがあるのはいい証拠であります。
こと債券市場に関してみるとアメリカはこれだけ海外の投資家に支えられていて脆弱な反面日本は何度も特集してますように95%が日本人による投資なので、意外に一番安定している、という訳です。そうやって見ると中国問題はマーケットにとって大変大きなテーマになっている訳です。
注意が必要です。
中国に関しては
http://tameike.net/ いつものかんべい先生のHP
http://www2.gol.com/users/ycaster/diary/ 伊藤洋一先生のHP
http://www.9393.co.jp/ ここにでている柳田さんのコーナー
の3つがお勧めです。新聞はまったくあてになりませんよ。中国大賛成の記事しか書かない朝日新聞なんか読んでると頭が悪くなります。サンケイはその逆。その証拠に過去記事を見ていただくと上の3つは全て昨年のうちに現在の中国情勢をあてています。さすがです。
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