2015/10/26 11:41 | 社会 | コメント(14)
戦艦武蔵 オルセン船長と元乗組員のみなさんとの交流
無事、戦艦武蔵の70年記念式典を終了し、記念碑を除幕することができました。
急遽、駆けつけてくれたオルセン船長と共にこちらの読者のみなさまには見慣れた顔が・・・・・
そう、あのマキネスティの辻さんが写っています。
実は船の所有者がポール・アランであり、それを実際に保有管理していう会社もシアトルにあるために、本件を進めるにあたり、当初から辻さんにかかわってもらっていたのです。果たして、バルカンに直接行くのが正しいのかどうか、どうにも確信がなく、事情に詳しい辻さんに相談させてもらいました。
今回は、見えない力に引き寄せられるように物事が進んだ感じがしていますが、このタイミングで辻さんが東京にいてくれたことは何ともラッキーでした。
一方、奥様である英子さんがこれもたまたまシアトルにおられたために、現地時間でのフォローはすべて英子さんがやってくださいました。まさに完璧なチームプレーで最後まで走り切った、というのが裏話。本当はお嬢様もかかわっているのですが、その話はまた次回、アメリカのPR会社の実力を特集するときに詳しく解説することにします。
ということで、辻さんには巻き込まれついでに当日も通訳などをお願いしてしまいました。
ちなみに辻さんはコーヒー屋のおやじ、は仮の姿でありまして、本職は別にありますので、誤解の無きようにお願いいたいます。時々、本当にただのコーヒー屋さん、だと思っている人がいるので念のため申し上げておきます。
さて、この写真に一緒に写っておられるのが中島さんという実際の沈没時に武蔵に乗っておられた方の一人です。中島さんは特にオルセン船長に会いたがっていたそうで、もう2度とみることができないと思っていた武蔵の映像をオルセン船長が実況したものを食い入るように見ていたそうです。
まさかその発見者のオルセン船長に会えるなんて、夢にも思っておらず、この数週間は興奮して眠れなかった、とおっしゃってました。
オルセン船長も当初より、生き残りの方がいる、という話にはものすごくびっくりしており、ぜひ会って話がしたい、とずっと言っていたので、ついにそれが実現した訳です。
中島さんを始め、元乗組員の方が口々に 「発見してくれてありがとう。これで戦友たちに会いに行くことができた」「あれから70年も立って、まさか武蔵が発見されるとは思わなかった」とおっしゃており、オルセン船長は改めてそのことの重大性を認識し、上手く発見できて本当によかった、と感動していました。
また、海の男同士として、船が沈んでしまう、ということの持っている意味は共通認識で、オルセン船長が本当によく生き残りましたね、と声をかけていたのが印象的です。自分もいつ同じ立場になるかわからないし、サバイバーというのは海の男としてはとても尊敬されるものなんだそうです。(因みにオルセンは船長なので、仮に船が遭難しても船長は絶対に逃げないという暗黙のルールがあり、奥様にも自分はもし難破したら船員には避難させるが、自分は船と共に沈むことになるといつも言い聞かせている、という話にはぐっときました。もちろん武蔵の船長も船と共に沈んでいきましたし、あの韓国にフェリーの船長がいの一番に逃げてしまった、という話は海の世界では「言語道断だ」といっておりましたぞ)。
オルセン船長は発見した時の様子をかなり細かく会場で報告、これもみなさん食い入るように聞いておられました。実際には6年かかって発見しているのですが、その過程で技術の進歩というものが相当発見に寄与しており、さすがに資本力のあるポールが次から次へと新しい機器を投入していった影響がすごく大きかったとも話しておりました。
一方、サバイバーの方はみなさまご高齢で、あと2-3年発見に時間を要していたら、船上慰霊祭などにもとても参加できず、悔しい思いをしただろう、とおっしゃっていたのを聞いてオルセン船長も本当に今回のツアーで見つけられることができてよかった、と感想を述べていたのが印象的でした。
遺族会のみなさまの話では、当初皆様相当健康を害しており、あまり先は長くないのではないか、と思われた矢先にこの武蔵発見のニュースが飛び込んできて、その映像を見た途端、みなさん急に生きる希望を取り戻し、お元気になられたそうで(実際ものすごくお元気でびっくりしました!)、やはりこれはすごいことなんだな、と改めて思った次第。
オルセン船長もこれほどまでに日本側が感謝していて、ある種の社会現象にまでなっていることにかなりびっくりしていましたが、本当に良かった、と感激していました。海の男の絆は実に深いものがあります。
なぜ彼らのターゲットが武蔵だったのか・・・・という点についてはオルセン船長によれば、ガンシップとしてこれだけの高い技術を搭載した戦艦は世界中で大和と武蔵だけであって、その技術の最高峰の一方の雄である武蔵を見つけることは、科学技術の発展の歴史をみる上でもとても重要だ、と考えたからだそうです。
つまり、彼らはただの興味本位で宝探しをしている訳ではなく、過去の人類の技術をよく見て、現在を継続し、それがさらに将来の発展につながると認識しており、その意味で過去の最高レベルの技術を見ることは未来を見る作業であるとも考えている、というのです。これはポールの考え方でもあり、またオルセン船長も同様に考えているとのこと。
いわば海洋考古学、海洋技術史といった分野の学術的なレベルを目指しての航海なので、そのあたりは誤解のないようにしてもらったほうがいいと思います。メディアがまたどういう報道をするのか、ちょっと心配ですが、そのあたりはここでは明確に書いておきたいと思います。
実際今回の武蔵の映像により、これまで認められていた事実と異なる技術的なポイントが何か所も見つかったそうで、これについては詳細な論文を作成中だそうです。当時の日本の技術がどれだけすごかったかを語る上でも大変重要なものが多数わかった、と言っていたので、これは本当に技術史を語る上では大変重要な発見だったといっていいと思います。
今回は、オルセン船長は自宅のあるグラスゴーから10時間以上かけて23日金曜日の朝に日本に到着し、24日記念式典に出席したあと、昨日25日日曜日に日本を発つというすさまじいスケジュールで帰っていきました。改めてこのスケジュールでわざわざ来てくれたことに心から感謝であります。
ワタクシからは、もちろんタミヤの戦艦武蔵のプラモデルをプレゼント。
かれはそれを参考にしながら、すべてオリジナルの武蔵の100分の1モデルを作りたいと言っていましたが、多分本当に作ってしまうんじゃないかと思います。
船長以外の関係者にて秋の紅葉を楽しみにこれから移動致します。
では、また改めまして続きを・・・・・
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14 comments on “戦艦武蔵 オルセン船長と元乗組員のみなさんとの交流”
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直接の関係者への賛辞は続くと思いますので
庶民の立場から遺族の方達の謙虚さと心の広さに一言
日本政府に対して、”外国人にみつけられて”と
いやみもいわず、かっての敵国人に対して素直に
感謝をしている方達が凄い。
大臣、議員も靖国に参拝する時間があるなら、もっと遺族問題や
現在、未解決の拉致の問題に尽力すべきですね。
今回の事でいやみを言われなくても、外国の人に発見されて
政府としては恥ずかしいと思わないと。
そうでないと、靖国参拝の本音は、過去の犠牲への感謝でなく
”自衛隊も安心して又、殉死してね”と言ってるみたいに勘ぐられる
父親の大統領も、対戦中、潜水艦長として
同様な目にあったので、この良い話は通じるのでは?
歴史的な偉業をアレンジされたことに、日本人として感服させていただきました。貴君に続くような同胞が出ることを祈るばかりです。
ところで、オルセン船長も礼服を着用するような、このようなフォーマルな機会で普段着というのは西洋の文化でも認められるものなのでしょうか?少しばかり気になりましたので。
こういうときにTシャツは止めて欲しかったなぁ。。。
でもTシャツが好きなんだと思って諦めます。
mecha さん、ありがとうございます。
いや、そうなんすよ。
着替えのスーツを車に入れたつもりでいたら、着いてみたらないんですわ・・・・
遺族会の会長に相談したら、気にするなと言われたのですが、さすがにまずいと思い、ジャケットだけは会場でお借りした、という顛末であります。
そそっかしいにもほどがありますわね・・・失礼しました。
”韓国が安倍首相に会談前に謝罪要求”
”日韓経済団体会合で、通貨スワップ再設定要求”
”ユネスコ代表、次期国連事務総長へ”
李ラインで、日本漁船の拉致を続けた韓国も
それを発展させた北とも和解が進みませんね。
衣食足りて礼節を知るにならず、支援すれば
するほど事態が悪化。 良い話が少ないですね
今週のアエラのはじめのページ。
公益財団法人ひろしま産業振興機構の広告がありました。
デスクネッツネオという会社との共同広告で。
これは、地域振興に貢献している団体なのですか?
それとも。。。
陸であろうと・・
空であろうと・・
侍同士・・
何を着ていても・・心は錦・・
演歌でいきましょう・・・(笑
米国第7艦隊のデストロイヤーが中国の領海(中国の勝手な言い分だが)に入りましたな
さぞかし横須賀やら在日米軍は緊張したはずで、ノー天気なのは日本のメディアくらい(笑)
さすがに、日本政府には事前通達があったようで、菅さんも緊張しとりましたな
相場にも影響ありましたな、小生も日中さすがにドキドキしとりました
尖閣の領海侵犯とは訳が違いまっせ
ありゃ漁船に毛が生えたようなモン、今回はれっきとした軍艦
天と地ぐらいの違いがありますわ
こないだの米国訪問の1番の眼目は、南沙諸島の埋め立て基地化問題にあった訳で、習近平が頑としてゆずらず、さすがのオバマもキレましたわな
まあ、不測の事態の回避の話はしたようですが、こんなん実際現場でどうなるかわかりませんからな
まあ、日米安保条約で米国が守ってくれるだの、安保法制案を戦争法案だの騒ぐ平和ボケの連中には尚更ですな。
周辺国にも示しがつかんところでしたが、まあようやったと言っときます。
今日の報道ステーションで、消費税10%実施にあたっての「軽減税率」に問題提起をされていました。日本の海外資産保有の件にも言及、10%消費税自体の見直しなどですが、そんなこと、グッチーさんは8%消費税導入時の時から指摘されてましたよね。いまかよ~遅すぎますよ、古館さん。グッチーさんを報道ステーションのゲストコメンテーターに推薦しておきました。
米中にキッシンジャー型の紋切型の日本嫌いがいるなら
艦隊派遣は双方にメリットがあるので、米中会談で
ウィンウィンの方法での実施が決定したとも言えますよ
外務省はそれだけ深読みして、対策を何通りか
用意してますかね。 日本も、利益誘導することはないが
損はしないようにしないと
”中国”は漢民族最大版図の明代帝国の夢で
共産帝国をもたせるしかない。 島は本当は
どうでも良いが形だけさせてと、アメリカにはだから
気にしないで演習してと語った(笑)
”アメリカ”はとりあえず、弱腰でTPPが
壊れるのはまずいし、金利あげるより、艦隊派遣の方が
安全にドル価値を維持できる
”日本”は中国に震え、アメリカに感謝するだけでなくて
自立のために、経済立て直し。 せめて中国の半分の
3.5%成長を模索しましょう。 なんていっても
日本の苦境は、アメリカが中国から物をかってるのが
痛い
横暴を極める中国にはガツンとやってやればいいのです。南沙諸島に赤い舌を出して全部自分のものとは呆れます。覇権主義のジャイアンに弱腰オバマは舐められてるんですよ。
それにしても大英帝国も中国にすり寄って落ちたもんですな。世界の物笑いですよ。
一方のグッチー殿は戦艦武蔵で盛り上がってますが、服装くらいはちゃんとした方が礼儀と言うものでしょう。よほど嬉しかったんだろうと察しますがいただけません。
歴史的な出会いだったのになあ。
Tシャツの上にジャケットを羽織るなら、せめてタックインしてください~
ていうか、青山あたりで間に合わせを買う時間はなかったですかぁ。
美食続きで吊しには入らない体になっちゃってますか?(笑)
という、諺がありましたが・・・。
一代セレモニーで唯我独尊スタイルを不本意にも貫いたのは痛恨事。
祭礼にはそれなりの例祭にたる服装(AOKIでもいいからとにかくスーツ)だったのでしょう。
アウトローな海の男ですら古典的な様式に身を包んで弔意を表しているのですから。。