えー、連日の人民元切り下げ攻撃の中、一体お前は何をやっているのか、というご質問が多数ございまして、はい、こんな暮らしをしておりますという事で（笑）。

ふざけんな！！

というお怒りはごもっともなので、当地シンガポールで得ているとっておきの情報をお伝えしておきます。
ただし、これまでにグッチーポストの有料配信で話してきたり、講演会で話してきた内容とほぼかわりません。要するにそういうことは予想されていた、ということなので、要点をまとめて書いておきたいと思います。

なお、私がお付き合いしているのは、シンガポール政府高官、及び現地の財閥、また、現地に進出している香港の大企業などの人たちなので、そういう人たちの意見が日本の新聞に載ることは全くありません。そりゃそうです。元々付き合ってませんから（笑）。

１．おそらく、これでアジアが巻き込まれて一大事というようなトーンで日本の新聞は書くんだと思いますが、現地の所謂「お金持ち」は中国が経済失速に耐えかねて、通貨安政策をとるだろう、ということはほぼ完全に織り込んでいます。

私が２年前に、中国の富裕層は既に不動産を手放している、という記事を書いた時、証拠を示せ、と迫ってきたばかやろうがいましたが、すでに、２年前からこういうこと・・・

中国政府がなりふり構わず、通貨安政策を打ち出して、中国にある資産の価値を著しく毀損する

と言う事態は１２０％予測されていました。ですから、大方のシンガポールの富裕層にとっては、ほら来た、という話にしか過ぎません。

２．一時的に株価などが下がる事は避けられません。ですから、東南アジアへの株式投資はお勧めしてきませんでしたが、だからといって東南アジア経済全体が破たんする、というのは言い過ぎです（ただし、中南米については中国とは別の理由で破たんする可能性があるので要注意）。

３．シンガポールがこれだけ予測していた事態が来た、と言う話にしか過ぎないので、その他の東南アジア諸国にとっても実際の所予測の範囲内でしょう。

４．問題はこういうアンテナを全く持っていない日本企業がかなりあること。その点では日本ではかなりダメージを受ける企業が出てくる可能性があります。もし、お手持ちの株式があるなら、対中国取引の割合だけでも把握された方がいいと思います。もし、以上に高いと言う事であればそれは売っておく、と言う事になりますが、皆様の年金を運用しているGPIFはこの投資判断は絶対にできません。年金が減ってしまう可能性は覚悟しましょう。

５．アメリカへの影響はほぼないと断言していいと思います。理由は先週のメルマガに書きましたが、要は中国はまた世界の金融システムの中に入っていないからです。ですから規模は大きくても西側先進国の金融システムへの影響は軽微で、リーマンショックの時はこれが破たんの危機に瀕したからこそ大変なのであって、規模の問題ではなかったのです。その点では影響は限定的、と申し上げておきます。

６．ただし、利上げを先延ばしする可能性はあります。しかし、これもメルマガでは前から申し上げていることなので、ことさら驚くことはないのではないでしょうか。

ということで、お詫びに取り急ぎ現地情報をお伝えしておきます。メルマガの方は、アメリカの情勢ももう少し詳しくお伝えする予定です！

しばらく、こんな生活が続きます（笑）