2008/03/12 11:07 | サブプライム | コメント(13)
ウルトラC
とにかく値段のつかないCDO債券をどこかで買い取るしかない、と再々指摘してきた訳ですが、政治的判断がなかなかつかないだろうとも書きました。
その意味ではレポを使って住宅関連のCDOを集中的に取上げる(しかも連銀が)という方法は現時点での最良の方法だと思います。しかも現金を渡すのではなく、債券を渡す(多分国債でしょう)という物々交換ですね。
渡された国債でどっかで資金調達してこいや、ということで、これはさすがによく考えましたな。また、期間も最長28日までということで資金繰り悪化に悩んでいたところはほっと一息でしょう。
大手のヘッジファンドでさえ、これらの債券のレポ市場における掛け目の低下により大幅な資金圧迫を受けていましたら、これにより多少楽になるのは間違いない。FOMC倒産の時はこのレポに詰まったのが原因ですかこの原因は取り除いたことになりますね。
しかし、いや、だからこそ、こうやって時間稼ぎをしているうちに次のステップに移らなければいけません。問題の本質・・・毀損したCDOの原資産そのものの評価の明確化+その流動化という道筋を取らない限りこの問題は根本的に解決しないのです。そのためにはやはり政治決断が必要だということで、引き続き注視していく必要がありますね。
今回は5カ国(EUを含む)の連銀が共同声明としていますが、日銀は外れている。総裁も決まらんような国の連銀とは組めないと判断した・・・なんてことを疑いたっくなるような事態ですよね(笑)。
長期にわたる円高傾向のお陰で日本の金融機関のアセットに占めるドル建て債券の比率はせいぜい10%程度。仮にそれらがすべてCDOで吹っ飛んでいても10%しか飛んでないということでは金融システムを揺るがすようなことにはならんでしょう。(勿論個別企業単位で見たときに10%なんかじゃすまない所は現実にあります。)
ということでまあ、日本は日銀に任せたよ、という意味でしょうね。日銀が外債を担保に取るときはどうするのか、という技術的な問題もありそうですが、ついでにこういう機会にそろそろ日本も外国通貨建ての債券が日本国内で自由に流通するような仕組みを作って置くべきだと思います。
日本の金融機関だっていつなんどきこういう惨禍に巻き込まれるかわかりませんからね。予断ですが、今回、少なくともサブプライム関連のCDOで一番やられたのは銀行ではなく「ずばり損保」ですね。金融庁はもう把握しているでしょうからそれでも金融システム全体の問題にはならんと思われますが個別でみるとやばいかもしれない。
まあ、それより何より不動産バブルの崩壊の方が日本は深刻です。実は日本の不動産もこのCDOという仕組みを使って資金調達しています。その箱を次々と作っていって、償還してはまた次の箱、という具合にある種バトンタッチしていくうちにバブルが出来上がった。そのノンリコースローンを供給していた有力な外銀が次々と撤退した為に、次のCDOが作れなくなってしまい、いよいよ原資産を投げにかかっている段階ですね。
これも投げ切れればいいんですが、どうも投げきれるような状況じゃないよな、というのが我々の見方です。実際市場はもうSWFの独壇場になってまして、ウホウホの状態だよ・・・と某政府系SWF不動産部門のトップの方はおっしゃってます。
ただし、こうなるとホントにいいところ(銀座、表参道など)に集中してくることになりますね。不動産も「格差社会」であります。
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13 comments on “ウルトラC”
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いつも参考にみさせてもらってます!!
為替デビューして間もない若輩です。
昨日の資金供給の時、「連名に日本入ってねーw」とか感じてました。
その辺の話を
詳しくこうやって解説してくれて分かりやすく
楽しめました!
これからも楽しみにしてます!
FOMCは倒産しないな。LTCMだろ。
> FOMC倒産の時はこのレポに詰まったのが原因ですかこの原因は取り除いたことになりますね。
FOMC -> LTCM
銀座・・・など良い所をお買い上げ頂き、残ったと事が超安値に成ったら、私も都心に進出します。(笑)
私の価値は利便性など実態の部分ですので、あまり物に福を狙います。
FOMC倒産…?
これでパチパチ、とはいかない
と皆知っております。
市場の飢えはこれで収まりそうにない・・・
何処の国でも何処の組織でも
重要な会議に欠席すれば、した者に一番重荷を押し付けるのは知恵であります。
どなたが後釜にしろ、顔見世で絶句する羽目にならない為には、能力よりも胆力がある方を。
韓国の方が対馬を買い占めても、韓国領にはならない。銀座や並木道を切り取って、シンガポールに移すわけにはいかない。こっちの縄張りのお話だから。
米国経済の停滞期入りが確実なのであれば、2,3年は円高基調が続く可能性があります。
となると、外国からの資金が入りやすくなるとも言えます。
建築基準法改正は、結果的に不動産の需給調整をもたらしました。
年内には売れ残っているマンション在庫もはけるのではないのかな?
不動産デフレは進行せず、逆にミニバブル到来という可能性もありますよ。
ということで、米国個人的な民主主義って全然だめジャンということってわかriましましたよね。
で頭のいいピーチン君とか中京君とか見越してんじゃない。でGS=国債資本は最後は金=資源ということに落ち着くことを。
でさー日本の日銀総裁が大暮れか西銀貨かって、大棟梁が栗か雄花市かなんて、日本とアメ公のお目でたい馬鹿こくみンだけがいいてることですよね。
しかし、両国とも民主党ってよ^。
この国の国会の方々はひょっとしたら円が売られることを望んでいるのではないでしょうか?多分恐慌になっても大丈夫なんでしょうね。某兄弟はアルカイダに友達がいるとかで、資金逃避してるんでしょうね。
「パンが無いならおサツを食べればいいのに」とでも言い出しそう・・。
うちのことかなー。
インサイダーですけどインサイダー情報はないため不安になってきました。
ぶつぶつ交換で国債渡して、その後、国債の格付けが下がったらやばくないですか。
>韓国の方が対馬を買い占めても、韓国領にはならない。
外国人参政権か地方分権で、なり得るのでは?
(1)外国人参政権の場合:ある地方行政区で投票できる多数派となる→独立を問う住民投票を可決。簡易縮小版コソボ。
(2)外国人参政権が無くても、地方分権(行政や予算の高独立性)の獲得。住民の多数派となる=実効支配≒事実上の外国領に。
やられると 今でも対岸の火事だと思ってるかもしれない 経済や金融にほとんど関心の無い方々も痛手を被ってしまうのでしょうか? 損保に関わる他の業種にも影響が出るのでしょうか? 日本における損保の規模がイマイチ把握できてないのでもし気が向いたらでかまいませんのでご教授お願いします。それによっては金融庁の感覚に違和感を感じるかもしれませんが… 流動性の危機と言う言葉だけでは おしはかれないような出来事になって来てる感じがします。 よろしくお願いします。