2009/03/17 22:14 | Weblog | コメント(14)
うれしいはずが・・・
昨日の書き込みでオプションのところ。むしろ困るのは買い手のほうでしょ、という指摘がありました。
もちろん保有しているオプションを行使してみたら相手がいなくなったら困りますね。それこそカウンターパーティーリスクそのものです。しかし売却した相手、つまり買い手が行使してきたのに何らかの理由でデリバリーができない、というのもカウンターパーティーリスクな訳です。デリバリーを前提にして誰かに売却したりしてますからね。
リーマンの時には現実にこれが起きました。そういう一連のオペレーションリスクが内包されている、という話は何もCDSだけが特別なのではありません、ということが話したかったポイントです。わかりにくくてすみません。
さて、株価が上昇してひと安心ですね、と某メガバンクのセクスィー部長に電話。
ところが、いや、そうでもないのよ、と浮かない顔(声)。下がれば下がるで文句言うくせになんでよ。
要するに8000円とかで月末を迎えると確かに今期は助かるけど来期はどうなるのよ、という話で早くも来期のことをご心配のよう。 景気ってのはこういう話ですね、結局。
来期、というか将来値上がりする期待があればいいんだけど、むしろ値下がりが怖いとなると、なまじ3末で高い発射台が設定されてしまうと困る、というすべてが縮小思考になってしまう。来期5000円だったらどうするんだと、そちらばかり気になってしまい、万が一5000円になった場合に備えなきゃ、となってあちこち削りにかかる。
こうなれば銀行全体で縮小均衡です。しかも公的資金がかなりの確率で入るとなれば今のうちに余計なものは落としてしまえ、という更に余計な縮小志向が入ってくる。悪循環ですよね。ですから今の段階での公的資金注入は疑問だなー、といつも申し上げています。
一番いいのはやはり「バッドバンク構想」で、とにかく身軽にさせてくれればあとは自動的に前に進むものです。不良債権もそれをどこかにしまっておけばそのうち価値がでるかもしれない、というのは日本のこれまでの10年の教訓でした。(外資系が買い始めたわけですね、へんなゴルフ場まで)
別の見方をすると日本は今から10年巻き戻しても構造的にはあまり変わらないんです。変わった部分というのはいわゆるノンバンク、不動産など、日本の金融機関が嫌がったところを海外の収益を根雪に積極展開した外資系金融機関が投資したということで、結局それがはげてしまって、びっくりした、というのが現状ですね。
ですから普通に10年前に戻るつもりなら、戻れます。もちろんこの経済状況にあわせて膨らんでしまった企業や個人は縮む必要があるんですよ、10年前に。でもその気があればできるはずです。(ただし、マクロ的にあるいは日本国としてこれがいいかどうかは別な議論)
海外の需要はアメリカだけではなく中国を含めて10倍くらい膨らみましたからその分縮む痛みは大きいのです。トヨタその他の輸出企業はそれに苦しんでいる訳です。
言い換えると、内側の外資バブルで膨らんだ不動産やノンバンク、そしてファンドビジネス(もっと広くレバレッジの高い産業や企業と定義したほうがいいかもしれない)と外側の外資バブルで膨らんだ製造業が大変だ、というに過ぎない、と言ったら見もふたもありませんがそういうことです。
ですから解決法は結構簡単です。って、ここでやめるか(笑)!
では、またあした♪
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14 comments on “うれしいはずが・・・”
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各国が失業者に職を与えるか失業手当を与えて復旧、復興に勤しむ事だと思います、これで良いのだ。
米国でハイパーインフレが起こると予想されてる方がおられますが、現在その兆候さえ見れない、思索に何か欠けている物があると思わないんでしょうか、不思議です、まあ、先の事は分りませんが。
十倍くらい膨らみ・・その分縮む・・膨らみ・・
と巧妙に暗示する言葉を埋め込んで・・
ぐっちーさんの誘導に嵌って・・・
浮世絵の枕絵、
欧米人が驚嘆した巨大なシンボルも、縮まれば小さくなる、目的を遂げた所為か、限界まで大きくなった所為なのか、
自然の摂理は同じであります。
十年前に戻れば、もっと若々しいか・・?・・凛々しいか・・?
制するということでしょうか?ただ毒の裏付けがどうもピンとこないんです。
しかし2007年辺りから喚いていたようにhttp://adachikioku.adachikioku.com/?eid=714944
なりつつあるような気がしてしょうがない。
こうなったら、政府が保たない国が出てくるだろうなと。
米に変わって世界を制するといわれたBRICSの一角ロ
シアはデフォルトの噂が絶えず、メドベージェフの
保身の動きは嫌な感じです。
やはり、その先は...
金融機関の株の損失が1兆と2兆とか話が出てますけど、そんなんで済むんですかね?
日本の時価総額はここ数年で半分になったわけで、2006年の金融機関の日本における株の保有割が16.5%。もとの時価総額が500兆と大雑把に考えれば、ざっと計算して30兆?40兆位は毀損しているはずだと思うのですが。
これだけ莫大な額が表ざたになってない、とは思えないんですが、そこら辺はどうなってるんでしょう?
金融機関の損失にかんする話はさほど出てきてないように思いますが、30とか40兆なんて損が出たらほとんどの金融機関が吹き飛びそうに思うのですが。。。
計算方法が間違ってますか?
ここ10年の世界経済に言えると思うのですが。
外需依存でなければ、借金依存。
少し余裕でてきたんですか?
ちょっと前からデフォルトリスクを読んでいた、という事は、そこら辺の「???」という奴らよりよっぽどマシだった、という事を皆さんに理解頂きたい(頂きたかった)という事なのでしょう。
そういう事、もっと実利に合わせてもバチは当たらないかと思います。
JGBオプションについて質問した者ですが、
私の質問にお答えいただいたのでしょうか?
もし、そうでしたら、ありがとうございました。
要するに、カウンターパティーリスクの一例としてJGBオプションを取り上げただけで、
CDSとJGBオプションが関係について説明したわけでは無いということですね。なるほど、なるほど。
ありゃりゃ一気に1$=94まで来ちゃいました。。
バットバンクの買取価格は時価が良いのではないでしょうか。納税者も納得しますし。同時に簿価と時価との差額を銀行に公的資金で増資すれば、旧来の株主が泣く?だけで信用秩序は回復するはずですよね。買取も増資も普通の取引になれば議会も納得です。ただ、それだけの資金が何処にあるかですが・・・
CDOの惨禍についてぐっちーさんの見事なまでの分析には感心しております。
かなり見識の高い人々でも問題が表面化して初めてCDOを理解したケースが多いようです。
ぐっちーさんがCDOを自ら組成し、特にサブプライムのような不良債権を組み込んだCDOの酷さを身をもって知っていたからこそ、あのような見事な予測が出来たものと思います。
僭越ですが、けしてぐっちーさんが大きな器だったからではない。
しかし、最近のぐっちーさんおよびぐっちーさんの尊敬する○ん○え先生のコメントもどうも賛同できないものが多い。
確かに書店には無責任な『崩壊した資本主義!!』のような本が溢れており、それでは資本主義に変わる何かがあるのか、と言いたい気持ちは理解できます。
荒唐無稽かもしれませんが次のような前提で考えてみたらどうでしょうか?
ある大いなる存在は人類を常に進化させることに喜びを覚えている。
古代から芸術を生み、戦争をさせ、善悪全てを体験させ、技術を進歩させて物質文明の頂点を極めさせた。そして物質文明が人間の進歩でないことをそろそろ
自覚させなければならないと考えたが、ちょっとやそっとの事では人間は愚かしさに気がつかない。
そこで考えた。そうだ人間の強欲を利用して自爆させ、自覚をもたらそうと。
それがCDO惨禍であり、底の見えない不良債権であり、CDSの恐怖であると。
大いなる存在が『人間よ目を覚ませ』と声をかけていると。
確かに、CDOも悪いものばかりでは無い、CDSも機能しているものはある。
しかしもっと原点、いや単純に考えれば、CDOもCDSもやはりおかしい。
単純におかしい。
こんなものがなくとも機能する社会の仕組み、お金の仕組みを作らなければならない。
まさにその場に皆が居合わせている。
こんな立場から考えると、また違ったアイデアも湧いてくるのではないでしょうか?
要するに8000円とかで月末を迎えると確かに今期は助かるけど来期はどうなるのよ、という話で早くも来期のことをご心配のよう。 景気ってのはこういう話ですね、結局。>
国際基準行のほとんどが、期末月中平均を採用してませんでしたっけ?だとしてら、月末の発射台はあまり関係ないのでは?むしろ平均より月末が高いと、いい気分で来期をむかえられるのでは?
アメリカって凄い
国から金引っ張ってボーナス払う方も凄いし、90%課税して引き戻すのも凄いビック3従業員の給料も日系自動車会社従業員より多く貰っている分に課税したら良い
これで、バットバンク構想は遠退きませんか・・?
10年前とは人口構成が違います。
少子高齢化は急激に進行中。
10年前は団塊の世代が50代でした。
第二次ベビーブーマーも20代半ば?後半で、
就職し、車購入、結婚式などなど
まだまだ元気にお金を使えていました。
日本の景気回復が遅れるのは、
高齢化によって社会の活力がそがれているから
内需回復は期待できないです。
またまたデフレがずるずる続きそうですね。