2005/04/01 08:50 | 金融全般 | コメント(13)
債券相場とサラリーマンのふか?い関係
題して 金曜日と午後のミステリー・・・へんな題名ですがね。
私の友人が1999年から、つまりこの債券の上げ相場の最近の6年の統計を分析していろいろなことに気がつきました。
1999年4月以来、債券先物はおよそ15ポイント値上がりしています。まあ、日銀の超金融緩和政策のもとですので当然ですね。この15ポイントを分析すると午前中の前場、午後の後場に著しい偏りが見られます。前場の上げ幅合計はたった0.3ポイント!! 残りはぜーんぶ後場なんです。つまり、午前中を見過ごし、後場寄りで買って、引けで売るという行為を6年繰り返していたとするとこの15ポイントの上昇がまるまる獲得できた、といううそのような話です。でもこれほんとなんですよ。
これを曜日別に合計してみるとなんと金曜日に7ポイント上昇が集中、つまり、後場寄りの買いを金曜日のみに集中すると半分はとれ、実は木曜日に3ポイント集中しているのでこれだけでほぼ6年の上げ幅の半分は取れる計算になります。つまり、債券相場をやる人は木曜日、と金曜日の午後だけやればほぼ100%勝ててしまう・・・・・なんだこれ!? でしょ。
考えましたよ、まさか、そんなばかなことが・・・こんなに単純でいいのかしら・・・・
いいんですよ。これこそサラリーマン相場の特徴だったんです。
個人の判断ではなく会社の判断で買うぞ、と月曜日の会議かなんかで決まる訳です。よーし、買うんなら今買っちゃおうぜ、とはならない。サラリーマンたるものじっくり買うタイミングを待つ訳です。そして、結局買えずにずるずる週末を向かえ、やみくもに買う、というサラリーマン心理の典型が表れるわけです。月曜日に買って仮にさがったりなんかすると、「軽率だ」という評価を受けますが、金曜日に買ってやられても「慎重な判断に基づいてのことだった」といういいわけがたつ訳です。サラリーマンの世界では軽率な奴が一番出世できません。あほでもばかでも慎重なやつが出世するというのがおきまりです。だから日本の会社の社長とかはばかばっかり出てくる訳です。
この法則は債券に関しては恐ろしくあてはまります。先送り相場・・・という訳ですね。すなわち、その日の末、週末、月末、年度末・・・・すべて買いは末に集中する傾向にあるんです。
昨日の上げはなんだったの?? 月末、年度末。上がらない訳が無い!!
日本国債の保有者の95%が日本法人および旧郵政省に占められています。個人はたった3%、外人は2%未満というとんでもない、マーケットなんです。だからこそGDPの10%以上も国債を(借金です)発行しているのにアルゼンチンみたいにデフォルトしない。外人ならとっくに逃げてますよ、こんな市場。
財務省(旧大蔵省)の信用力だけで国内の投資家(サラリーマンしかいません)が支えているのが債券市場。従って上記のような妙な傾向が鮮明に出てしまう、という訳です。
日経平均はおろか、米国債、ドイツ国債、コーヒー、大豆に至るまで分析してもこんなへんてこりんな傾向がでるのは日本国債市場だけです。
この参加人口構成が変わらんかぎり、債券相場は100戦100勝ですぜ。
実はまだまだあるんですが、少しずつね!
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13 comments on “債券相場とサラリーマンのふか?い関係”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
郵便貯金ですよね。
おはようございます
自分でリスクをとらない人が、マトモに運用しようとするとは思えません。(ヒマだからgoogleしてみたところ、案の定マイナスで税金で補填)
郵政民営化が(たぶん)されると思いますが、その場合も運用は今みたいな感じでされるのでしょうか?
なんて思ってしまいました。ふふ。
でも日本の企業・役所社会にありがちな意志決定ですね。手に取るように理解できてしまう自分が恐いです。
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毎日楽しみにぐっちーさんのブログを読んでます。磯崎さんたちのブログとはちょっと違う視点がおもしろいんですよね。
ところでリーマンの大量保有報告書について報道していますが、例の大量の出来高、仕掛けはリーマンではないのですね。今日の時点では北尾氏も直接は持っていないとなるとどこなのでしょう?
こんにちは。大変興味深く記事を拝見させて頂きました。これはサラリーマンアノマリーと呼べばいいのでしょうか(笑)
いつも見ていただいてるみたいでありがとうございます。やはり現場で見ているのとちょっと違う雰囲気がでてくるんだと思います。ご指摘の点、これからのまさにポイントになるでしょうね。外人がかなり持っているはずなんですが、ファンド筋がほとんどでその裏、が現時点では読めません。おそらく北尾さんと同じサイドの人たちだと思われるのですが、判明するまでもう少々お時間をくださいね。北尾さんも急にだまてんを決め込んでますので怪しい! ですよね。
いつも為替王さんのページを楽しく拝見させていただいてます。おっしゃるとおり、サラリーマンアノマリー、です。これは。他に呼びようがないですな(笑)
今はさすがに違うんですよね?なんで一儲けしようとする会社がでてこなかったのか、の方が不思議なんですが。
株とか債権とか良くわからないのですが、
日の末、週末、月末、年度末、週末、月末、年度末に相場が変動することがわかっていてもそれで儲けることは出来ないような気がするんですがどうでしょう。
午前中は下がって、午後は上がりやすいとかであれば儲けられますけど。
債権相場のことはわからないのですが
大変参考になる記事です。
地銀年金の資金が大量に流入している
J-REITなんかも
毎年4/1に意味不明の一斉下落をするんですよね。
その前後はそれぞれの動きをするわけですが。
3末まで持っていて、4/1で売らないといけないような、なんかの理由があるんでしょうな。
メルマガに載りましたね
なんか最近あちこちで紹介していただいてるようですが、まあ、あまり広まると書きたい事が書けなくなるかもしれませんので、適当にとは思っております。でも書いちゃいます、まだしばらくは!! また遊びに来てください!
近々、外国債券投資を検討しているのですが、世界各国の債券相場を一覧できるようなHPはないのでしょうか。もし知っておられるなら教えて頂きたいのですが。