2012/07/12 10:04 | マーケット | コメント(6)
Libor 不正操作問題
何をいまさら、というのが率直な感想です。
イギリスのインターバンク、つまり主要銀行(昔は大手4行)が発表する金利を取りまとめてそれをアベレージしたものが指標金利として使用されてきました。
London Interbank bid rate LIBID
London Interbank mean rate LIMEAN (めったに使わない)
London Interbank offered rate LIBOR
となります。
国債と同じように金利のやり取りなのでそれぞれオファー(売り)とビッド(買い)がありまして、そのあいだにスプレッドがある、その売りの方のレートを採用してLibor が使われる場合が多いのです。
で、勝手に申告するんだから多少掌が加わるのは20年前からそうで、たとえば短期金利のポジションが多い場合、高いLIBOR を付けてしまうとポジションがマイナスになるので、
「おい、頼んだよ!!」
てなことで、仲間内で低めに申告する、なんてのは普通にやってました。
実際に見たこともありますからね。
今回問題なのはむしろ、それを「政治家」が圧力をかけた、ってことなんだろうと思いますけどね。日経なんかは「恣意性のある価格の決め方に問題がある」なんて書いているから笑ってしまった。君、20年前から知ってるくせに今になっていうなよ!!
日経は知っていても書きませんが、怪しいものはみなさんの身近にもたくさんありますぜ。
日本国債の引け値。
前日の引け値を基準に何毛強い、弱いと取引が始まります。つまり前日の引け値は次の日の取引の基準値となります。しかし、これも野村証券を中心とする談合が横行しており、自分のポジションが多い回号の引け値だけ高めにつける、あるいはそれを頼む、なんてことは日常茶飯事です。昔は大手4社で持ち回りをしており、今週は野村、次は大和、その次は日興なんてやってましたからそりゃ、ずぶずぶです。
今はさすがにもちまわりはやっていないと思いますけど、どうなんだろね。
それから上場しているとはいっても株価の引け値操作なんてのも日常茶飯事。
自分のポジション評価は引け値を使って評価する。
従って、えらくロングになっているものは最後に買い気配かなんかで終わってしまうと都合がいいので、「引けの5分前になったら売らないでね!!」なんて頼んでおく。個人投資家なんかは玉が小さいので主要投資家を扱っている大手証券どうしが談合すればお手の物です。ちなみに外資系も株式部のヘッドは日本人なのでこの談合組織に身を置くことになりますね。
もっとひどいのがデリバティブ。
CDSなんかになれば根拠もくそもないので、勝手に同業者で自分のポジションにあうようなクォートを談合する。
ひどいのになると、年末のボーナス査定に向けてほんとは損しているポジションなのにあたかも利益が出るように価格談合を仕向けて、ボーナスを払いだされたらさっさとやめる、といった輩が外資系にはたくさんいます。
JPの問題はむしろこっちの方でしょうね。毎年、裁判が起きたり結構ひどいことになっているのですが、一向に減る気配はない。
そもそもサブプライム問題で脚光を浴びたCDOのAAA債券。
あれだって、だれも評価ができないし、仕組みが販売した証券会社にしかわからないので、他社に評価させるわけにもいかないので、販売した証券会社が勝手に
「100です」
という紙を毎日送りつけていたわけです。
すでに2007年後半くらいから原資産の暴落は始まっており、クッション部分のエクイティーが浸食されていたので、いくらなんでも100はないのですが、リーマンショック後もまだ 100です、という紙を送りつけて、それで評価していた銀行がほとんどなわけです。
完全にブラックボックス、談合、やりたい放題、というのが金融商品の実態です。
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元来株価の引け値についてもきちんとどこかが査定するべきだし、国債の引け値なんてもっとそうでしょう。まあ、これらは先物があるのであまり乖離するとまずい、のは確かなんですが、まあ、理由はいくらでもつけられますからね。
で、要するにアメリカのSECのような捜査権も逮捕権もある、という強力な組織が必要なんですが、いかんせん、SECでさえ見つけられないような不正が今でも横行するわけですね。
であれば日本やイギリスでそういうことが起きたとしても何もおどろきはない、ということです。
老婆心ながら、デリバティブやそれに類した商品で、「引け値がある一定以上になっていた場合100、それ以下なら60で償還」というようなものをよく見かけます。
その意味で引け値の操作は実に簡単なので、その償還日の引け値だけを証券会社が自分位有利な方に操作するリスクは極めて高いのです。
こういうのをデジタル型、とかトリガータイプと呼ぶのですが、ピンポイントで基準価格を決めている商品は買わない方が無難です。
株ですとVWAP、為替ならロンドン市場取引時間の平均値、などできるだけ操作しにくい基準値を選ぶことです。それでも金額が多くなって証券会社に有利な状況が生まれるとなると、オプションなど、デリバティブのExpire の日にはいろいろな「操作」が生まれる余地があるのです。
アメリカでさえ、いまだにこういう問題が起きていることを考えると、金融業界というのは本当に進歩ないですね。
こういう商品をたくさん作って売りつけて今は普通に国会議員やってるやつとかいますけどね、名前はださないけど(笑)。 そういうやつに社会福祉の充実とか言われてもね〜、と私は思います。では!
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6 comments on “Libor 不正操作問題”
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日経との関わりだが
こりゃ風説の流布か?
彼の経済予想は外しまっくってんのは事実なんだが(15年は同じことを言ってるらしい)
ニッケイの編集者も彼の言うことをまともに信じてんのかね?
それとも利用してんのか?
こんなアホ新聞買ってはいけないわ
マジで
笑っちゃうが赤旗のほうがまだマシ。
やはり・・
ただのウエイターじゃなかった・・(笑)
一読・・
職業上の秘密の数々・・規制するのは難しい・・バレタ場合は・・長期の実刑等で・・網かける以外ないか・・
つい最近まで・・
欧州では・・肌着を取り換える事が・・風呂替わりだった・・
今回の事件も・・肌着を着替えて・・クリーンなったとなるだろう・・
ナポレオンとジョゼフィーヌ・・時代を超越していた・・
風呂好きだった・・
ナポレオンは・・戦場にまで・・バスタブを持ち込み・・風呂につかり・・参謀の報告を聞き・・作戦を練った・・長い場合は・・半日にも及んだ・・
何処かの市長・・
まだ存在していない企業・・幽霊会社の・・未公開株を売りまくっているのでは・・
彼は金融界に席を置けば・・伝説になれただろう・・優秀なウエイターにはなれないが・・・(笑)
よくわかりました。驚きはしません。なんとなくそういうことが行われているだろうとは思っていました。相撲の八百長とおんなじですね。
投資に興味を持ち始めた知人には、「外国人は投資のことを『マネーゲーム』という。奴らは投資をルールがあって勝ち負けのある、スポーツみたいなものだと考えている。そういう連中を相手にするのだから、こちらもあくまで『ゲーム』として余剰資金で楽しむくらいにしておかなくてはいけない。」と言っているのですが、なるほどこれからは「公平ではない審判」のことも付け加えないといけないですね。ひどい審判の再教育や追放は出来ないものでしょうか。いや審判が、「審判しながら自分もゲームに参加している」のがおかしいのか。
元JP○○○○のN西さんですか?
他にもいらっしゃいましたかね?
私財を投じてくれれば、いいんじゃないでしょうか?
しないだろうけど…
旬をちょっと逃したからでしょうか?
それとも誰も関心を持ってない?
あ、それとも周知の事実だったからか。