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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2006/02/21 09:05  | Weblog |  コメント(8)

すきだらけの市場


まあ、東証・大証の事を一言でいうとそうなるでしょう。しゃれにならんですがね。ニューヨークがお休みなのでじっくり東京市場を見つめて見ましょう、今日は。


見つめすぎて溶けちゃったりしたらしゃれにならんです。ライブドアでどかんときた安値、日経平均で15,000円なんですが、これを切っちゃうと、まじで溶けそう。うーん、援軍が必要ですな・・・・で、困った時の・・・・オプション頼み、です。
お暇な方は1月31日の書き込み、ライブドアの記事なんですが、最後の方にオプションストラテジーを書きましたのでそれを見てみてください。オプションの教科書的な成功例となりました。


1月31日日経平均16,648円に対して15000円のプットの買いを推奨しました。殆どただみたいなもんだった訳ですが、昨日1円55銭をつけまして、おおー、大利食いであります。オプションはしばしば相場を写します。


ちょっと上級コースですが、このオプションの使い方の一つをご紹介しましょう。今、ほぼ、15,500円に日経平均がいる訳です。これをセンター、ATMと呼びます。(AT THE MONEYの略)


ここでプット、コールの分散を見てみましょう。(昨日の引け値、仲値ベース)

16,500円(OTM コール)  0.45
16,000円(OTM コール)  1.25
15,500円(ATM)    コール3.15
                プット3.58
15,000円(OTM プット)   1.55
14、500円(OTM プット)   0.60

すぐ気がつくのは同じATMの行使価格でも既にプットの方が値段が高いですね。更にアウトへ500円ずつ見ていくと上値のコールよりも下値のプットの方が値段が高いことに気がつきます。特に至近距離の500円上下を見ていただくとプットとコールで30銭も差が着いてしまいました。これがコンベクシティーの部分で、プットに余計な買いが合ったために割高になってしまった訳です。前回ご紹介した1月31日は全くこの逆です。これをプットコールレシオと呼んで相場の傾き具合や、加熱具合の判断材料にしばしば使います。ここでよく引用するチューダー・ジョーンズはこれで財をなしました。


プットが余計に高いという事は、つまり下値が怖い投資家がヘッジでたくさんプットを仕込んだ訳ですから、逆に行くと踏まれる可能性が高い訳です。オプションの「踏み」というのも変な話ですが、毎日このレートをこまめにチェックしていると相場の傾き具合がわかってきます。日経平均のヒストリカルではこのプット・コールレシオはもっと乖離する事があります。


といいますのも、下値にヘッジが入っているように見えて、200円離して上下を見てみると17500円コールが5銭、13500円プットが6銭と、急に差がなくなりますね。下値が怖いはずなのに、そこまで下がるとはまだ心配していないので至近距離のヘッジしかしていない、大きく動いたら危険だぞ!・・・というマーケットの全体像がおわかりいただけると思います。


そうなると・・・当然この13500円プットを買っておけば市場が度肝を抜かれて急落した時に一人で儲かる、という美しい状況が生まれる訳です。5銭、ですからね。1億ポジションとって5万円なんですね。


確かに先物は流動性が高く、こういう相場では使いやすいのですが、如何せん規模が大きく、昨日申し上げた現物との乖離を取りに行く裁定取引が何億と入ってくるので、我々のような弱小投資家ではちょっと歯が立ちませんので、こういう市場にも注目して頂きたい訳であります。後程第2弾を・・・・

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8 comments on “すきだらけの市場
  1. reve より
    すごい!

    オプションの本は何冊か読んで使えるようにならないと・・・現物や信用だけでは危ないと思っていました。
    でも使い方(儲け方)がわからずに放置していました。
    そのように使えばいいのですね!

    オプションについてお勧めの本がありましたら、お時間のあるときに、ご紹介頂ければ幸いです。
    オプションの定義や難しい数式などではなく、実際にどう使うか(リスクヘッジなどに使うのですよね?)、どう儲けるかといった内容の本をご存知でしたら・・・。
    いつもお願いばかりで申し訳ありません。

    第2弾、期待しています。

  2. ここからが勝負

    前日上値を上回れず手前で減速。前日終わり値に対して1.5%程度をうろちょろ・・・。

    今日の魔の30分で落としてそのまま落ちるかどうかが、今後の分かれ目になりそうですね。

    私もオプションは勉強しておかねば・・・。(今は手を出せないにしても。笑)

  3. haku より
    Unknown

    1月のぐっちーさんの書き込みを読んで、
    すぐにオプション口座を開設しました。
    (影響うけまくりです
    実際に開設できて売買を始めたのは先々週でしたが、3月のプットを買ってちょっぴり儲かりました♪保有株が、ずる下がりの中、嬉しかったです。

    口座を開設してから、昼の30分の動きを見るようになったのですが、本当にひどいですね。
    もう西室氏の「LD上場廃止を検討」は聞き飽きました。開始時間正常化が5月だなんて、びっくりです。

  4. ACTOK より
    ちょっと質問を

    いつも楽しく拝見させていただいています。
    当方専業の先物・オプショントレーダーをやっていますもので、少しばかり気になる点を。
    1.オプションの値段の表記ですが、普通45円とか125円だと思いますが、プロ間では0.45、1.25と言うものなのでしょうか。
    2.日経225ではプットのIVが若干高めになる傾向にあるのは確かですが、ATMでプットが高いのは先物の引け値が15470と、30円ほどインに入っていたからだと思われます。ATMでは裁定が入るのでプットとコールのIVにほとんど差がつかないです。
    3.13500プットですが、昨日の引け値は8円で、IVも30.5%と、急落リスクは織り込んであるように思われます。ちなみに17500コールは5円で、IVは25.6%と、かなり差があります。
    4.1月31日の15000プット買い推奨ですが、確か2月限だったのでは・・。3月限だと1月31日の時点で60円程度ですので、成功ではありますけど大利食いというほどではないように思います。
    なんだかケチをつけるようなことばかりで恐縮ですが、どうにも気になりましたので書き込ませていただきました。

  5. 名無しSUN より
    呼び値の単位

    は”銭”ではなくて”円”ですよ、株の世界では。もしくはOTCでは%表示です。

    グッチーさんは債券、金利の人間ですね。

  6. hama より
    eワラント

    eワラント面白いですよ。
    数万円単位の小額でオプションが扱えますから。失っても元本までだし。
    ただ胴元は天下のゴールドマンサックスなので、
    あまり調子に乗るのは危険ですね。
    あくまでも相場の勉強程度で、、、
    (といいつつ原油に手を出している自分がいる。)

  7. ぜい肉マン より
    呼び値の単位

    大証のHPで確認したところ、やはり呼び値の単位は円のようです。

  8. ぐっちー より
    ありがとうございます。

    reveさん
    こちらにも書き込んで頂いているように、実際に個別に使おうとするとどうしてもパソコンのお世話にならざるを得ませんね。本だけですと、どうもわかりづらいです。いいものがないというのもありますが・・・少しずつ解説していくつもりです。

    名無之直人さん
    なんとかもったようですが、そのうちSQです・・

    hakuさん
    まず、買いから入ってくださって正解です。これ、すぐ売ろうとする人が多すぎるので、まずは買うことから初めて頂いた方がいいと思います。まずは成功!

    ACTOKさん
    ご指摘ありがとうございます。
    本文に書かせて頂きました。
    いつものくせで・・・つい刻んでしまいました。
    ご主旨の通りですが、細かい数字を見なくても相場のトレンドを予測するのに活用する、というのが主旨でしたのでああいう記事を書きました。
    今後、きちんとしたオプション解説を致しますので、その節はまたよろしくです!

    名無しSUNさん
    ということで・・・ご指摘感謝いたします。

    hamaさん
    失って元本まで・・・というのは基本だと思います。いろいろあるようでおもしろそうですね。

    ぜい肉マンさん
    はい、申し訳ありません・・・

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