2007/10/30 08:45 | 考察 | コメント(19)
日本人の接待
今日は経済ネタではございませんのであしからず・・・
最初ロッキード事件を起こした商社に入り、そのあと外資系一筋のぐっちーはかなりの部分、接待に携わりながら生きてきたといえます。思えばあのノーパンしゃぶしゃぶの楼蘭のご常連であった福井さんが日銀総裁になられるご時世ですから、まあ、あまり目くじらをたてることもなかろうと・・・実は思ったりもします。
守屋氏はもともと接待路線をこの楼蘭事件でぶっとんだ田谷さんに教わったとのことですので、その意味では筋金入り。
楼蘭の場合、やっていることがやっていることですから、見つかると恥ずかしいしかなり後ろめたい。だからこの種のものを受けた方としては万引きを一緒にやっちゃった高校生のようなもので(或いは万引きしたものをもらっちゃった学級委員が表ざたにしづらいのとよく似ている)一蓮托生的にずるずると接待地獄に落ちていくことが多い。ここでも特集したハニートラップがその極地といえましょう。
その点かみさんも一緒に誘ってくれると、ぐっと「賄賂色」が薄まります、家族ぐるみでのお付き合いです、はい、まさかワイフのいる前で業者に便宜を図るようなことは申しません・・・・ということで、ある時期からこの「かみさんを巻き込も作戦」が流行り始める。これははっきりいって奥様の性格によって成功不成功が決まります。
中には、とんでもない、夫の仕事の取引先とのゴルフ接待を受ける、などとそんないい加減なことはやめなさい!! と本気で怒る奥様がおられ、これはそうとう難攻不落といっていい。
が、しかし、むしろだんな様より接待好きの女性が多く生息するのもまた事実でありまして、守屋さんのように奥様がむしろのりのりになってしまうと、やはり業者の狙い通りずるずると行く場合が多い。最後は奥様のお買い物に企業の社用車が使われたりする。ここまでいったらもうだめです・・・(個人的には落ちたら早い、のは女性の方かもしれません)。まあ、ある種どういうかみさんを持っているかでこのあたりの抑止力が問われる。
一方、外資系だとこのあたり、ちまちまやっている場合ではなく、「
クリントン元大統領をスピーカーによんでボカラトンを借り切って、ついでにアル・ゴアからパウエル元国務長官あたりまでずらりとスピーカーに並べて総勢300人くらいでホテル貸切、ファーストクラスあご足つきツアー」
かなんかでもちろん奥様連れでずらっと呼んじゃうから、かかる金は半端じゃないけど、呼ばれるほうの「後ろめたさ度」はかなり低い。みんな呼ばれてるし、だってセミナーだもん、ってことだ。
もちろんゴルフ代もホテルでのドンペリ代も全部モルスタもちなんだけど(いけね!、実名だ・・・笑)これだけ大掛かりにやられるとまあ、足が付きにくいし、罪悪感が少ないよね。いいえ、これは民間セクターによるセミナーでございます、毎年定期的に行われているものでございますのよ、おほほ・・・てな訳。
因みに今年はシンガポールで小泉元首相らしいよ・・・ってこれもまずいか。でもシンガポールまでつれてっちゃって小泉さんのセミナーと処理すればいいじゃない、ということで何せスケールはでかいよね。F1のスポンサーになったりするのもこれの一環。要は足の付きにくい接待攻勢がなされる訳ですね。
民間の一ファンドマネージャーならその辺のキャバクラで十分だけど、然るべき立場の人は気を付けて接待しないとまずい訳です。大手生命保険の運用担当の部長さんあたりだと、民間人とはいえ、接待による情報漏えい及び「タナゴコロ」が運用成績が毀損させた、となれば多分無傷ではすまないでしょうからね。
ということで、昨日の証人喚問はなかなか興味深かった訳です。年間200回は多い少ないということではなく、要は受けるか受けないかということです。前にも書きましたが、官僚及び政治家についていうとアメリカは現職の時はかなり厳しい。やったほうも相当なペナルティーがある。
その分下野しているとき、つまり今ならヒラリーさんとかアルゴアさんであれば信じられないくらい簡単に会うことができる。コネもできる。でも政権に返り咲くととたんにガードが固くなる・・・といった具合で、とにかく政治家官僚セットで変わってしまうので金の使い勝手が悪い、というか使う価値があまりない、というのが実情ではないでしょうかね。その分半官のようなセクターではこういったことが派手になされるって感じです。
一方、欧州に行くともう、比較にならんくらいゆるい。大統領が夏期休暇中にリッツにただでとまる、なんてのは日常茶飯事でニュースにもならんのですよ。
そう見ていくとどっちがどう、というのはそれこそ国民の選択、ということに尽きる訳でして、日本はどちらかというと欧州型ではないでしょうか。つまり、あまり目くじらを立ててもね?、とわたしは思います。ただ、その分、官僚の給料を賄賂なんかもらわなくても十分やっていけるようにあげてしまう、というのがわたしの持論なんですけどね。貧すれば鈍する、っていいますでしょ?
アメリカの場合も要は下野している間に稼ぎまくるので、政権に帰ってからは妙なリスクをとって個人的な金儲けをしよう、なんて思わないということです。まして、めし、ゴルフ程度では有り得ない、ということだと思います。
そういえば時代劇で賄賂を渡す役目はなんかいつも「越後屋」じゃないですか? 「越後屋、おぬしも悪じゃの?」ですものね、なんでだろ・・・・
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
19 comments on “日本人の接待”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
米国のFCPA(海外腐敗行為防止法)ってザル法なんですかね?
目くじらをたてるというより、本当に不愉快です。
>官僚の給料を賄賂なんかもらわなくても十分やっていけるようにあげてしまう、というのがわたしの持論なんですけどね
分かります。でも、返還を迫られている退職金が7500万円って報じられてますけど。これって足りません?
守屋さんは奥さんと職場結婚ですね。
奥さんも接待の事はご存知でしょうから
昔はもっと凄かったからこれくらいは
全然でたいしたことない。と思っていた。
人間なんで公務員でも一般人でも
考え方違うからね。
これまでタブーの領域でしたから
イージス艦関連でもすごいもんね。
結論として、偉い人はなるべく自分で身銭を切ってキレイに遊びましょう、ということですね。
ところで時代劇ですが、私の印象では「越後屋」はむしろ巻き添えを食う善良な商人、悪いのは「備前屋」「近江屋」などが多いように思います。
(日商屋より)
それだけカミさんを落とせば、女性不信になるか・・とぐっちーさんをチラリ窺う。
接待は危ないとグレープフルーツを自前で買えば、もっとグループでヤバくなるか。
今武器輸出に絡んだサウジの贈収賄・腐敗が、イギリス議会で姦しい。
サウジの王様が乗り込んで行き、テロ対策にイギリスも甘いと冠雪キックだが、外相は贈賄側と収賄側、払う側が悪いとの明快なる解釈。
元防衛次官は涙ルンルンでしょうる
イランのように検察官が裁判官を兼ると、法の威光は輝くにしても眩しすぎる。越前屋でもビビるか。
その内、時代劇で越後屋は陸奥屋に換わるのでは・・・?
欧州も接待にゆるいんですね。あと、奥様の性格次第で決まる家族接待。女性のほうが落ちるとハマる。納得できます。
あの大学出て、官僚やってキレイに遊んでいるかと
いないわけではないでしょうが、珍しいんじゃないでしょうかね?
ゴルフのマナーもひどい方多数いらっしゃいますね。
接待ゴルフでボールは動かしちゃう、バンカー内でもライの改善しちゃうゴルフが普通のゴルフになってますもの、この癖官僚辞めても治らないです。
洋の東西を問わず、どいつもこいつも「目くそ鼻くそ一緒」ってことですね。
証人喚問で、ゴルフ、焼肉、韓国クラブとありました。韓国クラブ?どうして政治家や役人は韓国クラブに行くのでしょうか?フィリピンパブやロシアンパブには行かないのに。たしかダンサーだと興行ビザが下りるけど接客は法律違反ですよね?
日本のモラルの基本は武家社会のものですから
露骨な賄賂はともかく、「お侍様(官)」に対する接待は、これまでかなり大目に見られ、かつ、融通も利いたと思いますが、ここ、半世紀、基本モラルがピューリタンであるアメリカの文化・価値観・その他諸々の選択と取り込みをやってる最中ですので、そのうち、アメリカ型と日本型の間あたりで安定するかと。
足して二で割るのが古来からの知恵であります。
>官僚の給料を賄賂なんかもらわなくても十分やっていけるようにあげてしまう、というのがわたしの持論なんですけどね
無理だと思いますよ。給料を上げても同じことをするでしょう。認識が甘すぎます。
近江屋の代表的職業:
武田薬品工業
備前屋の代表的職業:
備前屋和菓子屋
越後屋の代表的職業:
三越呉服店
※時代劇では,呉服・反物ぐらいが賄賂には都合が良かったのでしょうか。
>まあ、あまり目くじらをたてることもなかろう
で、金額はいかほどですか?
1千円ぐらいですか?
1万円ですか?
1千万円ですか?
1億円ですか?まあ、1億円ぐらいでそう目くじらをたてることもなかろうと・・・実は思ったりもしますよね。
ところで、、、T
ぐっちーさんも賄賂をもらったり、接待を受けているんですか?
日本の接待の風景は、「地位の非一貫性」の反映かもしれません。
要するに、「カネ」、「権力」、「権威」を一つの社会集団が独占することはないという構図です。だから、もたれあいが起こるのでしょう。
男の人が女の人を口説くのと接待って同じなんですね。
つまり有り余る下心でオトシテしまえ、と。
そうやって考えるとまず奥さまを陥落させることは実に有効な方法だわ。
有能なご主人をお持ちの奥さまは気をつけなければね。だって、旦那の威光をカサに着るタイプの女の人はホントに多いですから。
東南アジア(主に中国だけど、フィリピンとかも)出張で相手先から接待を受け続けていたサラリーマンですが、そんな大した物ですかね?
日本の1万円程度の料理屋・キャバクラの方が遥かに美味しくて従業員のサービスマナーも上の気がします。カラオケのアフターサービスも沢山あったけど、日本のお店の方がテクニック・サービス・容姿も遥かに上。
メーカー系サラリーマンだとその程度ってことですかね?40才以上の上司達は、片言の日本語をしゃべる女の子達相手に毎回大喜びしてましたが、、、
毎度のコラム楽しんでいます。
日本の指導者に無いものはなにかと考えた時、それは〔?ノーブレス・オブリージュだ〕と、塩野七生(しおのななみ)さんは、厳しく指摘します。
〔?それは、一般の大衆には行動の自由があることでも、自分は他の人には無い犠牲を払ってでも背負わなければならないものがある、という覚悟。〕
バブルの崩壊後エリートたちは、体を張ったのでしょうか?と、七生さん。
ノウパンしゃぶしゃぶで狂ったエロリートたちへ挑戦的な言葉を放ちます。
バブル時期、エロりートのおっさんたちは、パンツを頭からかぶり、しゃぶしゃぶを口へ運びながら歓喜の声をあげ楽しんでいたことでしょう。
これこそが日本の高級官僚、エロリートの特権だと感じながら。日本の為に働いているのに、これくらいでぶつぶつ言うな、と、彼らは心の中で思っていたでしょう。
しかし、ノウパン嬢と宴を楽しんだエロリート達は、バブル崩壊後、日本の為に体を張るなんて勇敢な心意気きはなく、ノウパンをかぶったまま失神したのでした。
七生(ナナミ)さん曰く、国家の衰退は、高齢化ではなく、エロリートの堕落から始まると指摘しています。
(文芸春秋7月号の塩野七生さんの文章から主に借用)
以前から白洲次郎についての本を読んでいます。
彼について興味のあることが書いてあったので書き出してみました。
ps1。白洲次郎について。
〔軽井沢のゴルフクラブで働いているキャディーさんや裏方さんとの付き合い方というのは、弱い人に対する上からの思いやりではなくて、本来権利を持っている人間に対する尊重になっている。〕加藤典洋より。
白洲次郎の言葉から〔浪花節ほど、動物的に幼稚に、人間の感情を出しているものはないんですよ。それを、オレは大衆よりエライからというので、やせ我慢することはないと思うんだ〕
〔オレは大衆というものを信じる〕
白洲次郎の一番の友達は、宮沢喜一でした。白洲は宮沢へ、英国のエリートの立ち振る舞いを身に付けさせようとしたのですが、不肖宮沢、似ても似つかぬ男になった。確か宮沢の秘書は、自殺したと思います。宮沢は責任を取って止めもしませんでした。(事件の詳細は失念)
白洲次郎についての本を読むと、単純で複雑と言っていいでしょう。
手の付けられない子供時代。イギリスに島流しにされた少年。17才から26歳のイギリス滞在。
今の時代はそんな少年、青年は多く居て、さらに彼よりも高学歴(修士、博士号)を習得して帰国した青年たちはうようよいるでしょう。
しかし、彼のように複雑で単純な男は居ないように思われます。
ps2。先週の土曜日は、福岡のけやき通り、で行われた、一箱古本市に参加しました。
参加費1000円出せば歩道で自分の古本を売ることが出来ます。22冊で2500の売り上げ。
誰でも参加でき、もちろん古本屋の業者も参加していました。
この日の売り上げの最高の人は、6万円くらいでした。
秋のさわやかな日を浴びながら楽しいひと時を過ごしました。
お粗末です。
私はホームレスではないけど社会の最底辺に近い位置にいるのですが、それでも高級公務員の高給には賛成です。
やはり国を動かす位置に就く人は超優秀であってほしいです。
細々としたことで判断を左右されないためには、きちんとした待遇は絶対条件だと思います。
逆に、ごみの処理とか、バスの運転手さんとか、学校の用務員さんとか、高額の給料を取ってるのには絶対納得いきませんが。
まあ、それでもその人たちの給料で地元経済は成り立ってますが。
ちなみに北東北は近江屋系が絶対的に強いです。
南部藩の経済を支配していたのが近江商人だったためです。