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2024/03/25 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第239号 怒涛の中銀ウィーク


今回は、先週注目の日米中銀の政策発表に留まらず、主要中銀の政策動向についても包括的・集中的に取り上げました。ぜひ、ご覧ください!

それでは、さっそく今週のアウトラインです。

●先週のマーケット
・2月の国内CPI
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析

1. 新規失業保険申請件数
2. ついに動いた日銀
3. 3月FOMC
 ・FOMC statement
 ・経済予想サマリー(SEP)
 ・ドットチャート
 ・パウエル議長記者会見
4. 中銀ウィーク
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

●あとがき

前述のように先週は中銀ウィークで、特に日銀の金融政策決定会合には注目が集まりました。結果7年超続いたマイナス金利政策は終了しましたが、それ以降、メディアなどでは「住宅ローンの金利が上がるのでは?」といった内容をよく目にします。

結論から申し上げると、すぐに上昇していくとは考えにくい。なぜなら、特に現在利用者が多い(全体の約70%)といわれている変動型住宅ローン金利が連動する傾向にある「短期プライムレート(短プラ)」について、三菱UFJ、三井住友は据え置くことをいち早く決定しており、おそらく他行もそれに追随、大きな変化はないと思われます。

また、これについては植田総裁も会見で、「今回の措置を受けて預金金利や貸出金利が大幅に上昇するとは見ていない」などと同様の趣旨の回答をしています。

ちなみに、短プラとは金融機関が優良企業向けの短期貸出(1年未満の期間の貸出)に適用する最優遇金利のことで、これまでの推移は以下の通りでほぼ横ばい。直近15年間はずっと1.475%です。

短期プライムレート推移(主要行の最頻値)
2001年2月~ 1.500%
2001年3月~ 1.375%
2006年8月~ 1.625%
2007年3月~ 1.875%
2008年11月~ 1.675%
2009年1月~ 1.475%
※マイナス金利政策開始は2016年1月から

現状、緩和的な状況が継続していますが、今後、日銀が追加利上げを行い短プラが上がり、結果として変動型住宅ローンの基準金利が上昇するということは考えられます。もちろん日銀の追加利上げの可能性もあるわけですが、足元で大きな影響が出ることは考えにくいでしょう。にもかかわらず、メディアが、住宅ローン金利が~、といって、どう見ても無理筋なシミュレーションを見せて騒ぐのは、視聴者の目を引きたいからなのでしょうかね。

さて、マイナス金利政策終了の影響は住宅ローン金利だけではありません。

「三菱UFJと三井住友、普通預金の金利を0.001%→0.02%に」(3月19日付、日経新聞)

そう、預金金利も上がるわけで、なんと20倍!

預金金利をアピールしたプロモーションも増えている気がしますが、まだ喜べる金利水準ではありませんよね。マイナス金利時代、「銀行は預金はいらない」なんて言って預金取扱金融機関としての存在を銀行は自ら否定していましたが、金利のある世界に戻って預金を集め始める時代がまた来るのでしょうか?

今週もここまでお付き合いくださりありがとうございました。

編集部からお知らせがありましたが、春になり鯛の美味しい季節でもあり、「真鯛の炊き込みご飯」をご紹介。3合炊きと少しボリュームが多いのですが、美味しくてついつい食べ過ぎてしまう、という方が多い。私も、毎回、炊いたものを半分くらいは冷凍して残しておこうと思うのですが、これまで冷凍庫に行くことはありません(笑)。

【期間限定】春の天然真鯛の炊き込みご飯

さて、少しずつではありますが、能登半島地震の被害から県民の方の生活がもとに戻りつつある石川県。県外から石川県を含めた北陸地方への旅行需要を喚起するための施策が、本格的に走り出しました。

北陸応援割「いしかわ応援旅行割」(第一弾)について

とはいえ、まだまだ復興には程遠いエリアもあり、また、私もすぐに旅行に行けるような状況でもないため、引き続き別の形で応援を続けたいと思います。

令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について

それでは、天気が崩れたり、寒暖差もあったりするようです。さらに今週は年度末・月末が重なり大変お忙しい人が多いと思います。みなさま、よい1週間をお過ごしください!

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