2025/06/22 17:00 | 先週のマーケット | コメント(0)
先週のマーケット(6月16日~20日)
先週のマーケットでは、欧米株はバリュエーションが割高であることに加え、目先の好材料はすでに株価に織り込まれていたため、上値が重い展開となっており、中東情勢に対する緊迫感の高まりがそれに拍車をかけています。一方で日本株は相対的にバリュエーションが割安であることに加えて、円安環境が続いていることがサポートとなり欧米株に比べ強い展開となりました。
円安要因はいくつかありますが、まず夏休み前のポジションクローズがあります。機関投資家で早いところは7月頭から夏休みに入ってしまうため、その前までに今持っているポジションを清算しなければなりません。今年は、日銀の利上げを見越して円買いドル売りのポジションが高水準に積みあがっており、これを清算するとなれば円売りドル買いとなるため円安に振れやすい。7月中旬くらいまでこの動きは持続すると想定され、しばらく円安圧力がかかりやすくなります。
さらに選挙も円安要因です。選挙に向けた現金バラマキや消費税減税など、いずれの政策も円安材料となります。そして、なかなか交渉が進まない日米通商交渉も円安材料。この日米交渉が決まってこないと経済の先行きが見通せず、日銀もなかなか利上げに踏み切ることが難しく、利上げ先送りは円安を進めやすいことになります。もちろんこれだけではありませんが、こういった要因が重なって円安を演出しており、日本株上昇のサポートになっています。
何もなければ7月に向けてもこの傾向が続くと思われますが、問題は中東情勢。
基本的には、中東で起こっていることなので短期戦で終われば「遠くの戦争は買い」という戦争時の相場の格言が機能しそうではあるものの、日曜日の米国の参戦によって事態はどう転ぶか現段階ではわからなくなったというのが正直なところ。米国の先制攻撃に対してイランが反撃に出てエスカレーションするのか、その影響はエネルギーの安定供給が脅かされるリスクにまで及ぶのかどうか。ただし、何十年も経済制裁を受けてきたイランには戦争を継続する能力はそこまで残されているとは思えず、イランがどこまで事態をエスカレーションさせるのかは不透明。
こういった状況で各所から出てきている今後の展開に対する予想もテールリスクの範疇を出ていないものが多い印象で、今後の展開を注視するしかありません。今回の件で一つ言えるのは年初から続いていたの米ドルの下落トレンドの流れを変えうる可能性があるということでしょうか。
ということで週末に新たな展開となった中東情勢の影響を真っ先に受け止めるのは東京市場ということになります。
続いて先週のマーケット。
●東証の定点観測(日経平均株価終値 前日比 プライム売買代金)
●先週の米国経済統計(結果)
先週(6月9日~13日)の統計振り返り

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