ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/10/01 00:00  | 今週の動き |  コメント(5)

今週の動き(10/1~7)

急に寒くなってきましたが、もう10月。早いですね。雨が多く、台風は来るし、スッキリしない天気が続きますね。

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先週の動き
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9/23(日)
・安倍首相が国連総会出席のためNY訪問(~28日)、トランプ大統領と夕食会
・連邦最高裁判事に指名されたカバノー判事から大学時代にわいせつな行為をされたとする女性(デボラ・ラミレス氏)の告発を米誌ニューヨーカー電子版が掲載
・モルディブ大統領選挙(野党のソリ候補が勝利)
・ロシアの統一地方選挙の決選投票(ハバロフスク地方とウラジーミル州で与党敗北)
・広深港高速鉄道が全線開業
・OPEC非加盟国減産監視委員会(アルジェ)
・英労働党大会(リバプール、〜26日)

9/24(月)
・米国が中国製品5745品目(2000億ドル相当額)に対する10%(19年以降は25%)の追加関税を発動
・中国が米国製品5207品目(600億ドル相当額)に5%または10%の追加関税を発動
・国連で薬物対策会合(トランプ大統領が演説)(NY)
・トランプ大統領が2回目の米朝首脳会談を「そう遠くない将来に」開催する意向を表明(同)
・米韓首脳会談(改定FTAに署名)(同)
・EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表がイランとの貿易を促進する特別目的事業体の設立を発表(同)
・日・トルコ首脳会談(同)
・ローゼンスタイン司法副長官がホワイトハウスのマクガーン顧問弁護士に辞意を伝えたとの報道

9/25(火)
・国連総会一般討論演説(NY、~10/1)
・第2回日米通商協議(FFRの閣僚級協議)(同)
・日韓首脳会談(同)
・FOMC(~26日)
・スウェーデン議会がロベーン首相の不信任案を可決

9/26(水)
・日米首脳会談(NY)
・日イラン首脳会談(同)
・国連安保理でトランプ大統領が議長になってイラン問題を協議(同)
・米朝外相会談(同)
・日朝外相会談(同)
・中国が1585品目の関税引き下げを11月から行うと決定
・FRBが政策金利を0.25%引き上げ(2.00~2.25%)
・連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノー判事が1980年代にわいせつな行為をしたのを目撃し同判事が出席したパーティーで集団レイプを受けたという女性(ジュリー・スウェトニック氏)が告発

9/27(木)
・上院司法委員会がカバノー連邦最高裁判事候補の性的暴行疑惑について公聴会を開催(性的暴行を告発したフォード氏が出席)
・米ホワイトハウスが当日(9月27日)に予定していたトランプ大統領とローゼンスタイン司法副長官との面会を来週に延期すると発表
・トルコのエルドアン大統領が訪独(〜29日)

9/28(金)
・上院司法委員会がカバノー判事の連邦最高裁判事指名を承認
・19会計年度(18年10月~19年9月)の米連邦予算の一部法案が成立
・米下院が17年の税制改革で実現した個人向け減税を恒久化する法案を可決
・インドネシアのスラウェシ島でマグニチュード7.5の地震が発生

●国連総会でのトランプの演説

トランプ大統領の一般討論演説。自らの統治実績を誇ると各国首脳から失笑を買い(その場では「この反応は予期していなかったけど、まあいいか」としながら、「失笑」という報道には「あれは自分と一緒に笑ったんだ」として「フェイクニュース」と批判)、北朝鮮を持ち上げ、イランへの制裁を呼びかける・・相変わらずのトランプ劇場でした。

しかし、演説の中で興味深かったのは、グローバリズムの否定、愛国主義、国家主権・・と「アメリカ・ファースト」の思想を提示した点です。ここは国連という舞台で、世界を相手にポピュリズムの哲学を語るように見えました。

また、国連安保理の会合で、中国が中間選挙に介入しようとしているという今までにはなかった主張を展開し、習近平氏はもはや友人ではないかもしれないと語った点も印象的でした。これらの点を解説します(※メルマガに限定

●米韓首脳会談と米朝外相会談

国連総会の機会に米韓首脳会談と米朝外相会談が開催。トランプ大統領は米朝首脳会談を近く開催する意向を示し、ポンペオ国務長官が10月に訪朝する予定を発表しました。

非核化のプロセスが見えない中、トランプは非核化の期限を問題にしないとも述べています。米朝交渉の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●日米首脳会談

ついにトランプ砲が日本に向けて放たれるか・・と戦々恐々として迎えた日米首脳会談。その結果は非常に興味深いものでした。

まず日本側にとって最も重要な課題は、「FTA」交渉の開始と自動車関税の導入の2つを回避することでしたが、これはひとまず申し分ない成果をおさめることができました。

また、7月の米国とEUとの通商協議との連携が強く意識されている点も重要なポイントです。

「米EU首脳会談と『貿易戦争』の修正」(8/1)

ただし、「FTA」交渉の回避については、日米両国は「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉を開始することで合意したが、安倍首相は「TAG」は「FTA」と異なると述べており、したがってFTA交渉は合意していない・・という整理をしています。一方、ライトハイザーUSTR代表は「FTA」締結を目指すと明言しています。

この日米の食い違いが意味するものを含め、今回の日米首脳会談の成果と今後の展望について、今週、詳しく解説します。

●米国の対中関税第3弾

以下の記事で述べたとおり米中の追加関税第3弾が発動されました。

「米国の対中関税第3弾」(9/26)

米中関係についてはここから付け加える点はありませんが、米国内の状況について補足します(※メルマガに限定)。

●カバノー最高裁判事候補の性的スキャンダル

ブレット・カバノー最高裁判事候補の性的暴行の疑惑をめぐる公聴会がついに開催。カバノーに性的暴行を受けたと告発したクリスティン・ブレイジー・フォード氏は声を震わせながらもしっかりした態度でカバノーの暴行を断言し、トランプ大統領と共和党議員を含め、多くの人々に「信用できる人」という印象を与えました。

一方、カバノーもまたはっきりと疑惑を否定し、声を震わせて「この手続きは国家の恥」「政治的な意図による組織的な攻撃」「自分の評判は永久に破壊された」と怒りを爆発させました。これまでの冷静で党派性を抑えたトーンから一変し、トランプを彷彿させる激しい態度を見せたのは驚きでした。

公聴会の翌日、上院の司法委員会はカバノーの指名を承認しました。しかし共和党のジェフ・フレーク上院議員は、本会議で採決を行う前に真相を確かめるためにFBIの捜査を行う必要があり、10月1日に予定されていた採決を1週間遅らせるべきと主張。これを受け、トランプはFBIに捜査を指示しました。

カバノーの指名承認の展望は一気に不透明になりました。FBIの捜査は10月5日までに終える予定で、共和党指導部はその後すぐに採決を目指す方針ですが、共和党・民主党ともに態度を保留している議員がおり、採決の時期も結果もまったく読めない状況です。

また、今回の騒動と指名承認の結果は中間選挙にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

カバノーに対しては、フォード氏のみならず、2人目、3人目と続々と実名の告発者が現れました。他にも匿名の告発者がおり、これからも増える可能性があります。カバノーは夫婦でFox Newsに出演して疑惑を否定。自分は「高校時代は童貞だった」という告白まで行っています。告発者の続出もカバノーの対応もドラマ『スキャンダル』などでそのまま見たようなドラマチックな風景です。

このように、色々な意味で全米の注目が集まり、また米国の選挙、さらに長期的な意味で米国の将来を見通す上でも重要な意味をもつイベントです。現時点でのポイントについて、今週詳しく解説します。

●ローゼンスタイン司法副長官の去就

ロッド・ローゼンスタイン司法副長官が辞意を伝えたという報道後、トランプ大統領は9月27日に同副長官と面会する予定でしたが、カバノー最高裁判事候補の公聴会と同日になったことを理由に延期。今週実施の予定とのことです。

トランプはローゼンスタインの留任を望むと発言しました。ローゼンスタインはモラー特別検察官によるロシアゲート捜査の監督者ですから、辞任になると事実上の解任と受け止められ、中間選挙に影響が出ることを恐れたのでしょう。

それでも面会の結果次第ではどう転ぶか分かりません。中間選挙後にはセッションズ司法長官とともにまとめて追放・・ということも十分にあり得そうです。

●政府閉鎖の回避

19会計年度(18年10月~19年9月)の連邦予算の一部法案が成立しました。「壁」などいまだ議論が続いている分野は12月7日までのつなぎ予算が成立しています。

トランプ大統領が本当に署名するのか、直前まで一抹の不安がありましたが、中間選挙前に政府閉鎖のゴタゴタが生じて支持を失うことを恐れたのでしょう。日本ではほとんど報じられていませんでしたが、この問題も、カバノー最高裁判事候補の指名承認問題と並んで最注目トピックでした。

●FRBの利上げ

例によってぐっちーさんにお任せですが、利上げは予想通りで、金融政策はこれまでの予想どおりに推移しているといってよいと思います。

ちなみに今回のFOMCは9月19日にFRB副議長に就任した元PIMCO幹部でコロンビア大教授のリチャード・クラリダのデビュー戦になりました。著名エコノミストの参加を市場は高く評価しているようです。

●モルディブ大統領選挙

前回の記事でお伝えしていたモルディブ大統領選挙は、現職のアブドラ・ヤミーンを野党党首のイブラヒム・ムハンマド・ソリが破りました。

「モルディブ大統領選挙」(9/24)

ソリは58%とヤミーンと20ポイント近い差をつけて勝利し、ヤミーンも敗北を認めざるを得ず、平和裏に終了しました。

親中派のヤミーンの敗北をもって、中国の「一帯一路」への反感が現実化しつつある・・という論調が日本のメディアでは見られますが、ややミスリーディングな印象があります。この点を解説します(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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9/30(日)
・クルド自治政府議会選挙
・マケドニアの国名変更とEU・NATOへの加盟の是非を問う国民投票
・英保守党大会(〜10/3)
・沖縄県知事選挙

10/1(月)
・中国国慶節
・国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)総会(仁川、〜5日)

10/2(火)
・EU財務相理事会(ルクセンブルク)

10/3(水)
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、〜4日)

10/5(金)
・ノーベル平和賞発表
・ソウル地裁が李明博元大統領の収賄等の容疑について判決

10/7(日)
・ブラジル大統領選挙

(時期未定)
・トランプ大統領がローゼンスタイン司法副長官と面会(調整中)

●クルド議会選挙

クルド自治政府議会選挙は昨年11月に実施される予定でしたが、その前の9月25日に独立投票が行われ、混乱が生じたことを理由に8か月延期されました。このメルマガが配信されるときには実施されているはずです。

先週、クルドの独立投票からちょうど1年を迎えました。

「クルドの独立投票とイラクの進軍」(17/10/24)
「クルドの独立問題と内戦の危機」(17/11/10)

上記記事で述べたとおり、クルドはKDP(クルド民主党)とPUK(クルディスタン愛国同盟)の対立が深刻化し、政治はデッドロックに陥りました。その状況はそのまま続いています。自治政府議長も独立投票後にマスード・バルザーニが退任してから空席のままです。

選挙の結果を見た上でクルドの政治状況を解説します。

●ブラジル大統領選挙

首位を走る極右のジャイル・ボルソナロ下院議員が遭難後にさらに少し支持を伸ばしました。一方、ルーラ元大統領の不出馬決定後、その票が流れ込むことで労働党のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長も支持を伸ばしています。

「ブラジルのボルソナロ議員の遭難」(9/10)
「今週の動き(9/17~23)」(9/17)

おそらくボルソナロ対アダジの決選投票(10月28日予定)に持ち込まれますが、この両者の対決の場合、支持率は五分五分で、どちらが勝つかはまったく分かりません。まずは1ラウンド目になるであろう今回の選挙を見守りましょう。

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あとがき
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映画版「ダウントン・アビー」、来年9月に公開へ(9月20日付CNN)

ファンにとってはうれしい驚きのニュース。ただ、私はまだ全エピソードを見ていません・・放送開始時に見ていたのですが、シーズン3まで見たところで中断し、最近Netflixなどで全エピソードが見られると気づいたので再開したものの、かなり忘れていることに気づき、また最初から見返しているという状況です・・(苦笑)。

映画が公開されるまでに見終わらないとダメですね。

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5 comments on “今週の動き(10/1~7)
  1. ペルドン より:
    米国最高裁判事候補への性的・政敵攻撃

    民主党のこの攻撃は・・
    法廷ではないにしても・・中国等の人民裁判を連想させる。
    法的な証拠は一切無しで・・
    暴行を受けたと理路整然と陳述する女教授は・・心理学学者で・内容も実に心理的に計算されたドラマだった。

    効果があって・・陳述を聴いた・特に女性は感情移入してしまい・・男の判事の暴行未遂を・信じて疑わなくなっている。
    だが告発者は心理学者・心理のプロだ。彼女は心理を巧妙に操るプロでもある。
    その点を忘却されている。

    作家の端くれとして聴いた感想では・・彼女の話はあまりにも矛盾がない。
    そして・・女性の感情を駆り立てる・・押し倒しブラジャーを外そうと判事の光景が目の前に浮かぶように・・巧みに述べられている。
    聴衆は信じて疑わなくなる心理の彩がある。
    あるが・・証人は一人も居ないのだ。彼女が現場に居たという証人は・・それを否定し・法廷に出廷するのを拒んだ。

    今回の聴聞会の恐ろしさは・・証拠が無くとも・・重要人物を訴えられるという事実だ。無実の人間であっても・・訴えられる恐ろしさがある。流石に法廷では通じないだろうが・・上院では出来るのだ。政争と言われる由縁がある・・・
    ( ^ω^)

  2. ino より:
    習近平の心中を理解するけで同情はない

    トランプ大統領の中間選挙とロシア選挙介入のFBIの捜査と言う国内事情を
    中国を悪者にして糊塗とするやり方には習近平も頭にきてるでしょうね。

    でも中国指導部が国内の問題をごまかす時に、いつも日本に対してやって
    きた事と同じじゃない。
    こんな事されるとどんな気分かだけは日中の相互理解は進んだかもね。

  3. KB より:
    掘り下げ

    良くも悪くも、今週もトランプはトランプでしたね(笑)

    国連総会での演説から、各国要人との会談、その一挙手一投足が流れるので、いやでもこちらは注目せざるを得ません。そういう意味では、どこに行ってもエンターテイナーですね。

    それゆえに、そこから出てくる内容や情報のゆがみ、事実とのギャップも感じながら、メルマガ拝読いたしました。特に、日米首脳会談については、続きが気になります。

    トランプの演説の背景や対中関税、いずれの話題もJDさんの見通しがぶれずに、ますます掘り下がっていくので、こちらも大変読みやすいです。

    掘り下がりついでに言えば、「モルディブ大統領選挙」の内容もとても面白く読みました。ミスリーディングのご指摘、肝に銘じて、これからもこの手の情報に接していきたいですね。

  4. 新参者 より:
    ノーベル医学生理学賞

    日本人がまたまた快挙ですね。
    「常になぜかと思うことが重要だ」と仰っておられ、医学に限らず私達にも当てはまる姿勢だな、と思いながら聴いておりました。

    JDさんはご自身で仕事や研究、勉強をされる際に、心掛けていらっしゃることはあるのでしょうか?

    なにか、私のような一般読者にも応用出来そうな、あまりハードルの高くないところで、まずはお願いします(笑)

    もしすでに、別の記事などで書かれていたらすみません。

  5. ペルドン より:
    旧参者

    博士は常識を疑え・・ネイチャー、サイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割だと言われている。
    本当はどうなっているのだろう・・この好奇心。子供心を捨てるな・・・
    ( ^ω^)

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