2018/08/01 05:00 | 米国 | コメント(3)
米EU首脳会談と「貿易戦争」の修正
■ トランプ米大統領、貿易障壁の撤廃でEUと合意と 欧州委員長訪米で(7月26日付BBC)
■ EUとの貿易巡る合意の範囲、米政府の想定上回る=米高官(7月26日付ロイター)
■ 米大統領、メキシコ次期大統領に迅速なNAFTA再交渉求める(7月25日付ロイター)
■ NAFTA改定、8月末までの原則合意目指す=メキシコ経済相(7月26日付ロイター)
トランプ大統領とEUのユンケル欧州委員長の会談は、これに先立ちトランプがEUを「敵」と呼んだこともあり、不穏な空気が漂っていましたが、終わってみるとこれが思った以上に良好な雰囲気で、お互いに「成果があった」と呼べるものになりました。
まず貿易交渉の開始で合意。これにより通商拡大法232条に基づく自動車の追加関税の導入は保留され、米・EUの「貿易戦争」は「休戦」になりました(ただし鉄鋼・アルミの追加関税は継続)。
交渉の枠組みを作ることをもってまずは成果とし、実質的な議論を先送りにすることで追加関税の導入を棚上げにする手法は、日米が「FFR(自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議)」という枠組みを立ち上げ、とりあえずこの中で議論する・・としたのと同じです。
・「日米首脳会談」(4/25)
時間稼ぎといえばそれまでです。しかし、トランプの今の標的は中国であり、これとは中間選挙に向けて「戦争」をアピールする一方、EUとは「交渉」を続けることで不測のリスクを避ける、さらに中国に圧力をかけるべく共闘する方針にシフトした・・という見方も出てきています。
さらに、NAFTAについても、これまでは脱退と二国間交渉に言及してきましたが、メキシコの次期大統領に選出されたロペス・オブラドールに再交渉の早期妥結を求め、先週、閣僚級協議が再開しています。
トランプの「貿易戦争」の方針に変化が生じている兆しかもしれません。本日はこの点を解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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米EU首脳会談と「貿易戦争」の修正
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●EUとの首脳会談の「成果」
●NAFTA再交渉の活発化
●自由貿易主義へのシフト
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あとがき
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このメルマガをスタートのが昨年8月。ちょうど1年になりました。ここまで続けられたのも読者の皆様のおかげです。感謝申し上げます。
せっかくの機会なので、過去の記事を再構成した「総集編」を出すことにしました。第1弾として1月末に「トランプ政権の1年」を出しましたが、今回は第2弾になります。
・「トランプ政権の1年」(1/31)
今回は中国を中心とするアジアをテーマにする予定です。ご期待下さい。
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3 comments on “米EU首脳会談と「貿易戦争」の修正”
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まずは、メルマガ1周年おめでとうございます!
改めて、日々、継続は力なりを体感、実感しております。こちらのメルマガ、ブログから発信される情報や、思考、歴史や外交政治のエッセンスを自分なりに取り込もうと、必死にしがみついております。(笑)
そうしながら、うっすらと自分の中に、考え方や見方などが積み上がってきている気がします。まだまだ1合目位です。引き続きお世話になります!
今日の記事も、NAFTA再交渉の裏に思想や考えが色濃く反映されているとは、新たな驚きです。今後の交渉のポイントがとても分かりやすかったです。
常に変わるが・・
彼自体は変わらない。
よく現れる歴史の人物評価像。
トランプにも当てはまるでしょう。
再選まっしぐら再選後・・誰も見たことがない男が表れるかも知れない。
軍が強力に支えているが・・マティスは智将だから顔を出そうとしない。
JDもぐっちーも・・トランプと軍の関係を分析に入れていないのは残念だ・・・
( ^ω^)
軍との関係ですか?今掘っても面白い話にはならないところですが・・ご関心あるということで、地味な話でよければメルマガでご説明します。