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2021/05/03 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(5/2~8) バイデンの施政方針演説、中国対抗法案、ザリーフとMbSのインタビュー、スコットランド議会選


GW、天気も良いですが、東京都、大阪府、京都府、兵庫県では緊急事態宣言ということで、遠出は難しい状況ですね。昨年のGWを思い出します。

「今週の動き(5/3~9)」(20/5/4)
 
このときも、コロナ対策のあり方については検討の余地がある、経済社会政策としては外出や飲食などすべての活動を一律に制限することが正しいとは思わないと述べました。今でもこの考えは変わっていません。

それにしてもワクチンの接種も含め医療体制の整備については、相変わらず疑問が多く残ります。政府の規制から医師会の役割に至るまで様々な議論が出ています。ここまでの対応においてどこに課題があって、それはどうしたら克服できるのか。今の時点でできることに限界はあるのでしょうが、少なくとも今後に活かすための議論は尽くして欲しいものです。

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先週の動き
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4/25(日)
・イランのザリーフ外相のインタビューの録音テープの内容をリークする報道
・アルメニアのパシニャン首相が辞意を表明
・アカデミー賞授賞式(ハリウッド)

4/26(月)
・バイデン政権が米国内で製造されたアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを国外に供給する計画を発表
・米印首脳電話会談
・米国勢調査局が20年国勢調査の結果(各州の下院議席と大統領選の選挙人の配分)を発表
・トルコが4月29日から5月17日まで全面的なロックダウンを導入すると発表
・日印首脳電話会談

4/27(火)
・米CDCが新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人は屋外でマスクを着けなくてもよいと定めた指針を発表
・米国の沿岸警備艇「ファイアボルト」がペルシャ湾の国際水域においてイランの革命防衛隊の高速戦闘艇に異常接近を理由に警告射撃を行ったと発表
・FOMC(~28日)
・サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子への国営テレビのインタビューが放映

4/28(水)
・バイデン大統領が上下両院合同会議で施政方針演説
・米上院がサマンサ・パワー元国連大使のUSAID長官指名を承認
・米連邦捜査当局がトランプ前大統領の顧問弁護士を務めたジュリアーニ元NY市長の自宅や事務所を捜索
・印ロ首脳電話会談
・欧州議会が英・EU貿易協力協定(TCA)を承認
・英領北アイルランド自治政府のフォスター首相が6月末に辞任すると発表

4/29(木)
・バイデン政権発足100日
・バイデン大統領がジョージア州アトランタで演説
・米国の21年第1四半期の実質GDP成長率の発表(前期比年率+6.4%)
・中国全人代常務委員会が改正海上交通安全法を可決(9月1日から施行)
・英国で「国家安全保障・投資法」が成立
・茂木外相がスロベニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、英国、ポーランドを訪問(~5/8)

4/30(金)
・バイデン大統領がペンシルバニア州フィラデルフィアで演説
・バイデン大統領がインドからの入国制限を5月4日から実施すると発表
・バイデン政権による対北朝鮮政策の見直し完了をサキ大統領報道官が表明
・USTRが貿易相手国の知的財産保護に関する年次報告書を発表
・インド太平洋軍の司令官交代式(ハワイ)
・ロシアが反体制派指導者のナワリヌイが率いる政治組織をテロリスト・過激派団体リストに追加
・ロシアがEUの制裁への対抗措置として欧州議会のサッソリ議長と欧州委員会のヨウロバー委員を含む8人の入国禁止を発表
・ユーロ圏の21年第1四半期の実質GDP成長率の発表(前期比▲0.6%)
・アフガンのローガル州の州都プリアラムで爆弾テロ

5/1(土)
・イラン核合意の当事国会合(ウィーン)

●バイデンの施政方針演説と政権100日

バイデン大統領が上下両院合同会議で政権発足後初めての施政方針演説を行いました。施政方針演説は2月に行われるのが通例ですが、コロナの影響もあり、政権発足100日の前日のタイミングになりました。

バイデンの施政方針演説の意義とバイデン政権の100日の評価、そして政権の今後の展望について、明日詳しく解説します。

●米国の中国対抗法案

米議会では中国への対抗策を具体化する様々な法案が検討されていますが、その審議の見通しは必ずしも順調とはいえないことを以下の記事で説明しました。

「米国の中国対抗法案」(4/29)
 
中国対抗法案については、先週も民主党・共和党の議員が様々な動きを見せました。最新の状況と今後の展望を解説します(※メルマガに限定)。

●ザリーフとMbSのインタビュー

イランのザリーフ外相がイラン政府のオーラル・ヒストリー・プロジェクトのために2月に録音したインタビュー音声が流出したことが波紋を広げています。ザリーフは、イランの革命防衛隊やソレイマニ司令官がイランの外交活動に干渉していること、シリアでのロシアとの軍事協力を核合意交渉よりも優先していること、ハメネイ最高指導者がザリーフの米国との交渉を批判したことなど驚くべき体制の内情を語っていたからです。

また、サウジのムハンマド・ビン・サルマン(MbS)皇太子が国営テレビのインタビューに出演しました。MbSは経済・社会改革や外交について幅広く語り、イランとの関係改善を望むとも述べました。

これら2つのイランとサウジという中東の重要国のメディア・イベントは大きな注目を集めました。その意義についてコメントします(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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(※スコットランド議会選など、メルマガに限定)

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あとがき
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米ホワイトハウスにネコ登場へ、噛み付き騒ぎの愛犬を訓練(5月1日付CNN)

ジル・バイデン大統領夫人はかねてからホワイトハウスでネコを飼うことを考えていると述べていましたが、4月30日のNBCのインタビューであらためてその考えを述べました。

ホワイトハウスにファーストキャットが住むのは、ジョージ・W・ブッシュ政権以来。有名なファーストキャットはクリントン大統領が飼っていた「ソックス」で、元々は野良猫だったのを娘のチェルシー・クリントンが迎え入れたというものです。人なつこい子だったようで、クリントンがリーシュをつけて散歩したり、報道官の席に座っている姿が映されました。

ちなみに各国のリーダーは犬を飼う例は多い一方、ネコの例は少ないとのこと。こちらのWPの記事ではNZ、英国、マレーシアの例が挙げられています。

しかし、ネコ好きの首脳といえばなんと言っても蔡英文総統でしょう。先日、アーミテージらが訪台したときは、予想に反して犬が前面に出てきましたが(こちらの記事の「あとがき」参照)、ファーストキャットの交流も、米台関係強化の一翼を担うことになるでしょうか。

バイデン夫妻のインタビューに戻ると、「大統領、あなたの考えですか?」と聞かれると、バイデンは、「いやいや、でも簡単なことだからね」と苦笑いのような表情で回答。夫人の言うことであれば・・ということですかね。

インタビューと同じ日にバイデンがジル夫人にタンポポを渡す姿も見られました。分断が強調される米国ですが、米国らしい素朴な良心が見えるようで、何となくなつかしい気分になりました。これも「アメリカ・イズ・バック」の一面かもしれません。

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