2020/05/04 00:00 | 今週の動き | コメント(1)
今週の動き(5/3~9)
緊急事態宣言下でのゴールデンウィークですが、いかがお過ごしでしょうか。多くの方が「ステイ・ホーム」を続けておられると思います。私もそうです。
緊急事態宣言はやはり延長される見通しです。これ自体は致し方ない決定と思いますが、個人的には、今後のコロナ対策のあり方についてはよく考える必要があると思います。詳しくは本文に書きます。
明るいニュースが少ないこの頃ですが、デリバリーなど、生活スタイルの変化に応じて活発化しているビジネスもあると聞きます。
本メルマガについても、この環境になって、「読むのがますます楽しみになった」とのお便りもいただきました。大いに励みになるお言葉です。同時に、ご期待の高さを実感して、身が引き締まりました。
世界情勢もコロナを中心に動いており、その関連情報をお伝えするのは当然ですが、コロナと直接の関係がなくとも、見落とすべきでない動きもあります。そうした情報を包括的にお伝えすることも含め、これからも皆さんの力になれるよう、全力を尽くしたいと思います。
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先週の動き
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4/25(土)
・米ロ首脳が1945年の「エルベの誓い」を記念する共同声明を発出
・中国が金正恩朝鮮労働党委員長についての助言を行うため医療専門家や高官を北朝鮮に派遣したとの報道
4/26(日)
・NY州のクオモ知事が一部の地域での経済活動の再開を検討すると表明
・コロラド州で経済活動が一部再開
・中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会(北京、~29日)
・中国が武漢市の新型コロナウイルス感染症の入院患者全員の退院を発表
・イタリアのコンテ首相が新型コロナウイルス対策の規制を5月4日から段階的に緩和すると発表
・イエメンの分離独立勢力「南部暫定評議会(STC)」がハディ暫定政権の拠点であるアデンを自主支配すると宣言
4/27(月)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの検査数を増やすための指針を発表
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大について中国に損害賠償を請求する可能性を示唆
・トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長の状態は把握しており、記者団もそう遠くないうちに分かるだろうと発言
・米政府が中国への輸出規制を強化する新規則を発表
・テネシー州、モンタナ州の経済活動が一部再開
・NY州の選挙管理委員会が6月に予定されていた大統領選予備選の中止を発表
・中国・イラン首脳電話会談(習近平国家主席、ロウハニ大統領)
・英国のジョンソン首相が公務に復帰
4/28(火)
・トランプ大統領が国防生産法に基づき食肉処理工場が食肉の市場への供給を継続するよう農務省に命令する大統領令に署名
・ミシシッピ州の経済活動が一部再開
・米大統領選挙民主党予備選(オハイオ(郵便投票))
・FOMC(~29日)
・フランスが新型コロナウイルス対策の外出制限の緩和計画を発表
・オーストリアが新型コロナウイルス対策の外出制限を4月末で解除すると発表
4/29(水)
・米国の20年1~3月期の実質GDP成長率の発表(前期比▲4.8%)
・ポンペオ国務長官が中国の新型コロナウイルスへの対応を批判し、責任を問う考えを示し、情報公開をあらためて要求
・中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会の最終日(5月22日の全人代開催を決定、司法相に唐一軍・遼寧省長を任命)(北京)
・英国のジョンソン首相の婚約者が男児を出産
4/30(木)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの発生源が武漢の研究所である可能性があると発言
・トランプ大統領がマイケル・フリン元大統領補佐官の再起用を検討すると発言
・トランプ政権内で新型コロナウイルスの感染拡大について中国に報復措置を検討する動きがあるとの報道
・ファウチ国立アレルギー感染症研究所長が21年1月に新型コロナウイルスのワクチン数億本を供給する新戦略があることを表明
・トランプ大統領が新型コロナウイルス対策の国民向けの行動指針で示した活動制限の最終日
・ミシガン州の議会議事堂に外出制限に反対する市民が乱入
・バイデン前副大統領陣営が副大統領候補選考委員会を率いるのはドッド元上院議員、ロチェスター下院議員、ガルセッティLA市長、ホーガン元顧問の4人と発表
・ロシアのミシュスチン首相が新型コロナウイルスに感染したとロシア大統領府が発表
・英国のジョンソン首相が新型コロナウイルスの感染拡大のピークは過ぎたと表明(活動制限の緩和に向けた工程表を来週公表すると発言)
・ドイツのメルケル首相が新型コロナウイルス対策で導入した規制のさらなる緩和を発表
・ECB定例理事会(フランクフルト)
・G7財務相・中銀総裁会議(テレビ電話)
5/1(金)
・トランプ大統領が食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルスの治療薬としてギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」の緊急使用を認可したと発表
・マクナニー大統領報道官がホワイトハウスで初の記者会見
・ミシガン州のウィットマー知事が新型コロナウイルスの感染拡大に関する緊急事態宣言を5月28日まで延長
・テキサス州、オハイオ州、ノースダコタ州、アイダホ州の経済活動が一部再開
・バイデン前副大統領が上院議員時代の事務所の女性職員から告発されたセクハラ疑惑を否定する声明を発表
・労働節(中国休日、~5日)
5/2(土)
・米大統領選挙民主党予備選(グアム、カンザス(郵便投票))
・金正恩朝鮮労働党委員長が5月1日に肥料工場の竣工式に出席したと朝鮮中央通信が報道
・カザフスタン大統領府がナザルバエフ前大統領の長女であるダリガ・ナザルバエワ上院議長の解任を発表
●新型コロナウイルスの感染拡大(日本の対応)
緊急事態宣言は5月6日が期限となっていますが、安倍首相は1か月程度延長する考えを表明しました。本日、正式に決定される予定です。
この判断自体は致し方ないと思いますが、今後のコロナ対策のあり方については検討の余地があると思います。私は感染症の専門家ではありませんが、個人的な考えをお伝えします(※メルマガに限定)。
●新型コロナウイルスの感染拡大(米国の対応)
米国での新型コロナウイルスの死者数は5月2日時点で6万7000人。ベトナム戦争の死者(5万8000人)を超えました。感染者数は110万人に達しています。
一方、以下の記事で述べたとおり、各州はそれぞれの判断で経済活動の再開の検討・実施を進めています。すでに30州以上が何らかの活動制限の緩和に踏み切っています。
・「米国のロックダウンの段階的解除」(4/28)
また、トランプ大統領はコロナをめぐって中国に対する挑発的な言動を強めています。コロナの発生源が武漢の研究所である可能性があると発言し、中国に損害賠償を請求する可能性も示唆しました。
政権内では、中国が保有する米国債の償還の拒否を含め、報復措置を検討する動きがあるとの報道もあります。中国への損害賠償請求については、先々週、ミズーリ州がセントルイスの連邦地裁に提訴しています。
これら米国内の最新の動きについて、明日解説します。
●米国のマイナス成長とパウエルの発言
米国の第1四半期の経済成長率は前期比(年率換算)でマイナス4.8%。予想されていたことなので、驚きはありません。むしろ、この先、さらにどれほど落ち込むかに注目は集まっています。
FOMCも初のテレビ会議での開催。パウエルFRB議長は記者会見で、今は政府債務を懸念する局面ではなく、経済を支えるために財政の力を活用する時期であると述べました。
経済・金融の見地からの詳しい分析は経済ZAP!!のSaltさんにお任せしますが、私からは、政策の見地から気になった点を指摘します(※メルマガに限定)。
●バイデンの性的暴行疑惑
バイデン前副大統領に再び女性に対する性的ないやがらせの疑惑が浮上しました。上院議員時代に事務所の女性職員だったタラ・リード氏から告発を受けています。これまでは「性的な不快感」が問題とされましたが今回は「性的暴行」が加わっています。
バイデンは疑惑を全面的に否定しました。この件を含め、バイデンの最新の状況についてコメントします(※メルマガに限定)。
●アマーシュとベンチュラの大統領選出馬に向けた動き
昨年7月に共和党を離党したジャスティン・アマーシュ下院議員がリバタリアン党からの大統領選出馬に向けて動き出しました。
・「共和党のアマーシュ議員の弾劾要求」(19/5/27)
・「共和党のアマーシュ議員の離党」(19/7/8)
さらにもう一つの第三党である緑の党については、元ミネソタ州知事のジェシー・ベンチュラが指名獲得を目指すと宣言しました。これら独立候補の動きについてコメントします(※メルマガに限定)。
●全人代の常務委員会
全人代の常務委員会が開催され、全人代が5月22日に開催されることが決定しました。本格的な経済政策が打ち出されることになります。
中国の生産活動はほとんど完全に復活しており、5月1日から5日までの労働節の連休では観光も奨励されています。第2波の懸念はありますが、感染拡大防止措置を継続しつつ、経済活動の推進も行う方向で舵を切っています。
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今週の動き
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5/3(日)
・北朝鮮と韓国の軍事境界線にある韓国の歩哨所が北朝鮮側から数発の銃撃を受けたと韓国軍が発表
5/4(月)
・新型コロナウイルスのワクチン開発等に関する国際会議(テレビ会議)
・イタリア、ベルギーの経済活動が一部再開
5/6(水)
・EU・西バルカン諸国首脳会議(テレビ会議)
5月3日にボリビア大統領選挙、7日に英国地方選挙、9日にロシアで第2次世界大戦の戦勝75周年記念式典が予定されていましたが、いずれもコロナによって延期になりました。
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あとがき
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■ マイケル・ジョーダン:ラストダンス(Netflix)
■ Director of ESPN’s ‘The Last Dance’ explains Obama chyron(4/20 Fox News)
NBAのレジェンドであるマイケル・ジョーダンのドキュメンタリー『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』が話題になっています。Netflixで見られます。
この時代のNBAは私もよく見ていて、強い思い入れがあります。私も少しずつ見ています。
ところで、番組中にはバラク・オバマ、ビル・クリントンの両元大統領も登場します。ところが、両氏が登場するときの肩書が「おかしい」というツッコミが寄せられています(笑)。
制作者は意図を説明しています(冒頭リンク参照)。ジョーダンとのつながりで出演しているので、その経緯に沿った肩書にしたとのこと。放送事故ではないと強調しています(笑)。
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ご了承のうえ、ご利用ください。
「新型コロナウイルスの感染拡大(日本の対応)」、JDさんが日頃仰っている「思考法」「情報処理」のお話と重ねて大変興味深く拝読いたしました。
ファクトを積み重ねる→今後を予想する→分析する→方針を決定・・・このサイクルを「独りよがり」な思考から離れて高速で回していく。コロナ初期から何度も仰っていることですが、これを司るのが政治の役割といわれると、なるほどな、と思います。
今日、また自粛期間が延長される予定ですが、今からでも遅くないので、こうした視点でこれからの1カ月を無駄にしないように・・・と思います。自戒も込めて。