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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/03/29 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(3/28~4/3) バイデン初の記者会見、ウイグル問題をめぐる対立、イスラエル総選挙、ミャンマー国軍記念日


春眠暁をおぼえず、ということで、冬のときよりもむしろ朝起きるのがしんどくなりました(苦笑)。花粉症のせいもあるのでしょうか。夜寝る前に薬を飲んだ方が良さそうです。

先週は、オンラインサロンでかんべえさんと一緒にコラボ講演・懇親会を行いました。米中関係から米国内政、ミャンマー、小池知事、マーケット、競馬・・と様々なトピックに話が及び、あっという間の1時間でした。

オンライン講演と意見交換は、参加者の方々とリアルタイムで率直に話ができ、活気と刺激があります。おなじみ経済ZAP!!のSaltさん、それに最近、鮮烈なブログ・デビューを飾った永田町ディープスロートさんも参加しています。ご関心のある方は、オンラインサロンの紹介をご覧ください。

かんべえさんとは、これからも色々なコラボをしたいと思っています。来月には日米首脳会談がありますが、その前後あたりで何か企画したいと思っています。決まりましたらお知らせしますので、楽しみにしていてください。

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先週の動き
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3/21(日)
・オースティン国防長官がアフガンを電撃訪問(ガニ大統領と会談)
・フィリピンが中国漁船220隻の南沙諸島での集結を受けて中国に抗議

3/22(月)
・ブリンケン国務長官がベルギーを訪問(~25日)
・米財務省が中国(新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして中国政府当局者2人)とミャンマー(国軍幹部の2人と2団体)への制裁を発表
・EU外相理事会(中国(新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与した中国政府当局者4人と「新疆生産建設兵団(XPCC)」の公安部)とミャンマー(クーデターに関与したミン・アウン・フライン国軍司令官ら11人)への制裁を発表)(ブリュッセル)
・英国とカナダが新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして中国政府当局者4人とXPCCの公安部への制裁を発表(英国は米英カナダの共同声明を発表)
・中国がEUの制裁への対抗措置として欧州議会関係者やドイツの研究者ら10人と4団体への制裁を発表
・中ロ外相会談(桂林)
・北京の裁判所がスパイ罪で起訴されたカナダ人のマイケル・コブリグ氏の非公開の審理
・コロラド州のボールダーのスーパーで銃撃事件

3/23(火)
・NATO外相理事会(ブリュッセル、~24日)
・米独外相会談(同)
・米上院軍事委員会がインド太平洋軍司令官(アキリーノ太平洋艦隊司令官)の指名承認公聴会を開催
・米下院金融サービス委員会の公聴会でイエレン財務長官が証言(法人税の引上げを支持)
・豪州とNZが米英カナダのウイグル制裁を歓迎する共同声明を発表
・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が習近平国家主席と口頭のメッセージを交換
・イスラエル総選挙
・スエズ運河でコンテナ船が座礁

3/24(水)
・バイデン大統領が不法移民の問題をハリス副大統領が担当すると発表
・ブリンケン国務長官がフォンデアライエン欧州委員長とボレル外交安全保障上級代表と会談(ブリュッセル)
・米上院がトランスジェンダーを公言する医師レイチェル・レビーン氏の厚生次官補指名を承認
・中国が「米国の人権侵害に関する報告書」を発表
・中国の王毅外相がサウジ、トルコ、イラン、UAE、バーレーン、オマーンを訪問(~30日)
・韓国が北朝鮮は3月21日に巡航ミサイル2発を発射していたと発表
・EUが新型コロナウイルスワクチンの輸出規制の強化策を発表
・英国とEUが新型コロナウイルス対策で協力するとの共同声明を発表
・ドイツのメルケル首相が3月23日に発表した復活祭期間中のロックダウン強化を撤回

3/25(木)
・バイデン大統領が就任後初の記者会見
・EU首脳会議(バイデン大統領が参加)(オンライン、~26日)
・米・ギリシャ首脳電話会談(ギリシャ独立200年記念日)
・米国と台湾が沿岸警備の協力強化に関する覚書に署名
・米上院が中小企業向けの支援措置「給与保護プログラム(PPP)」の5月末までの延長を可決
・ジョージア州で郵便投票を制限する法律が成立
・米下院エネルギー・商業委員会がネットのフェイクニュースに関する公聴会(FB、ツイッター、グーグルのCEOがオンラインで出席)
・台湾国防部が「中華民国110年四年期国防総検討(QDR)」を立法院に報告
・北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射(日本のEEZ外に落下)
・韓ロ外相会談(ソウル)

3/26(金)
・米英首脳電話会談
・バイデン大統領が東アジア・太平洋担当国務次官補にダニエル・クリテンブリンク駐ベトナム大使を指名
・中国が英国の制裁への対抗措置として英国の政界関係者ら9人と4団体への制裁を発表
・中国商務省が豪州産ワインに対し反ダンピングの制裁関税を課すことを正式に決定したと発表
・台湾国防部が中国軍の戦闘機など計20機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・北朝鮮の国防科学院が「新型戦術誘導弾(ミサイル)」の発射試験に成功したと国営朝鮮中央通信が報道
・北朝鮮の李炳哲朝鮮労働党書記が北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は国連決議に違反するとのバイデン大統領の批判を非難する発言を国営朝鮮中央通信が報道

3/27(土)
・中国が米国とカナダの制裁への対抗措置として米国際宗教自由委員会の幹部2人とカナダの下院議員1人と下院小委員会への制裁を発表
・中国とイランが25年間の4000億ドルの中国投資を含む協力協定を締結
・ミャンマー国軍記念日

●バイデンの初の記者会見

バイデン大統領の就任後初の記者会見が行われました。就任65日目の会見は、歴代大統領で最も遅い開催になります。バイデンは質疑応答を中心に、色々なことを語りました。

まず新型コロナウイルス対策について、政権発足から100日間で1億回のワクチン接種を目指すとしていた当初の目標を2億回とすると述べました。

移民がメキシコとの国境に押し寄せている問題については、自分が「良い人」だから移民が増えているというのであれば喜びたいことだが、そうではない、移民の増加は毎年起こっていることだと指摘。トランプ政権の政策の一部を撤回したことについて「謝ることはしない」と明言しました。

フィリバスターについては、「私が上院にやってきた120年前のときのように(注:冗談)昔の状態に戻す必要がある」として、改革を求める考えを表明しました。

中国については、「21世紀における民主主義と専制主義の戦い」「衝突は望んでいないが厳しい競争になる」「中国は世界のリーダーとなり、最も豊かで強い国になるという目標を持っているが、私が大統領でいるかぎり、そうはさせない」と発言。習近平国家主席については、「昔からよく知っている。非常に率直で、民主主義の骨がないが、スマートな人物だ。プーチンのように、民主主義は機能せず、専制主義がこれからの潮流と考えている」と評しました。

また、民主主義サミットの構想を述べた上で、中国が国際的なルールに従うようにする必要がある、それは南シナ海でも「北シナ海」(注:東シナ海の言い間違い)でも台湾でも、他の問題でもそうだ、と述べました。

北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射については、国連安保理決議に違反すると批判。彼らがエスカレートを選べば相応に対抗措置をとるが、同盟国と相談しながら外交も行うと述べました。

アフガン駐留米軍の撤退を巡っては、5月1日の期限までに完全に撤退するのは困難と断言。撤収の時期については明言しなかったものの、22年に米軍がなお残っているとは考えていないと述べました。

また、24年の大統領選に再選を目指して出馬する意向を表明しました。

今回の記者会見についてコメントします(※メルマガに限定)。

●ウイグル問題をめぐる中国と欧米の対立

中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害問題について、EU、英国、カナダが足並みをそろえて制裁に踏み切りました。米国はトランプ政権のときに新疆ウイグル自治区のトップである陳全国・共産党委員会書記(政治局委員)と「新疆生産建設兵団(XPCC)」に制裁を科しており(以下の記事参照)、それにキャッチアップするものになります。

「米国の対中制裁の強化」(20/7/14)
「ウイグルの新疆生産建設兵団(XPCC)への制裁」(20/8/3)

これに対し、中国はすかさず対抗措置を繰り出しました。EU、英国、カナダ、米国に対し、それぞれ議会関係者や研究者に制裁を科しました。

また、中国の外交官たちは、SNSで英国のデモや米国のグアンタナモ収容所での人権侵害問題を取り上げ、さらに「米国の人権侵害に関する報告書」なる文書を発表。

さらに、H&Mナイキがウイグル族の強制労働について懸念を表明したことを受け、中国のメディアやSNSが反発し、非難キャンペーンを始めました。主要通販サイトであるピン多多(ピンドゥオドゥオ)、京東(JDドットコム)、天猫(Tモール)はH&Mの製品の取り扱いをやめたと報じられています。

ウイグル問題をめぐる対立についてコメントします(※メルマガに限定)。

●イスラエル総選挙

イスラエル総選挙は、ネタニヤフ首相率いるリクードが第1党を維持したものの、ネタニヤフ陣営も反ネタニヤフ陣営もいずれも過半数を占めることができず、例によって連立交渉に委ねられる展開になりました。3月31日に最終結果がリブリン大統領に提出され、4月7日までに同大統領が首相候補を選ぶことになります。

状況は不透明ですが、反ネタニヤフ連合が政権を樹立する可能性は低いです。最大野党となった「イェシュ・アティド」(「青と白」から離脱して発足した新政党)のヤル・ラピッド党首は野党をまとめられるリーダーとは見られず、しかもアラブ系政党の支持も得なければ過半数に達しないからです。

ネタニヤフが連立政権を樹立できるとしても、ギリギリ過半数かアラブ系政党の閣外協力を得た少数政権で、その政権基盤は極めて脆弱です。短命に終わる可能性が高く、5度目の総選挙に至ることも予想されます。

●ミャンマー国軍記念日

ミャンマーでは国軍記念日に記念式典と軍事パレードが開催され、ミン・アウン・フライン国軍司令官が演説を行いました。式典にはロシア、中国、インド、パキスタン、バングラ、ベトナム、ラオス、タイの8か国が参加しました。

国軍のデモ弾圧は続き、国軍記念日当日の死者は100人を超えたと伝えられています。今後の見通しについては以下の記事で述べたとおりですが、日本の対応について補足します(※メルマガに限定)。

「ミャンマー国軍記念日」(3/22)

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今週の動き
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3/28(日)
・パラオのウィップス大統領が訪台(~4/1)

3/29(月)
・ジョージ・フロイド氏の暴行死事件で第2級殺人罪で起訴されたデレク・ショービン被告人の公判
・中国全人代常務委員会(~30日)

3/31(水)
・バイデン大統領がペンシルベニア州ピッツバーグを訪問

4/1(木)
・OPECプラス(オンライン)

4/2(金)
・グッド・フライデー(聖金曜日)

(今週のどこか)
・日米韓実務レベル協議(ワシントンDC)

●バイデンのピッツバーグ演説

バイデン大統領は、来週水曜日にピッツバーグで講演を行い、インフラ投資計画について説明する予定です。おそらくグリーンエネルギーとインフラ計画を主な内容とする3兆ドル規模の民主党の計画に沿った案を示すのでしょう。このスピーチが第3四半期まで続く予算プロセスの実質的なキックオフになると思います。

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あとがき
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映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見てきました。

オンラインサロンでも盛り上がっていて、ネタバレのような話が飛び交い、早く見なければ・・という切迫感もあり(笑)、仕事の合間に抜け出して、見てきました。

いやあ、すごかったですね。私などが言うまでもないことですが、こちらの想像のはるか上をいく映像と展開、なつかしい場面も畳み掛けるように出てきて、まさに「ありがとう、エヴァンゲリオン」という気持ちで見終わりました(※長くなってしまったので、ここから先はメルマガで説明します)。

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One comment on “今週の動き(3/28~4/3) バイデン初の記者会見、ウイグル問題をめぐる対立、イスラエル総選挙、ミャンマー国軍記念日
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    バイデンが言いたいこととミャンマーと日本

    トランプ時代、全大文字Twitterとか、重要テーマは1時間おきに徹底ツイートとか、分かり易い表現(?)に慣れてしまっていた私は、あまり露出しなくて、話せばいつも同じトーンのバイデン節では、何が重要なのか、イマイチ分かりかねていました。

    でも、今日のメルマガでスッキリです。これからのバイデン政権の発信にもより興味が持てそうです。

    そして、ミャンマー問題にどう対峙するかの示唆に富んだ論説はとても有意義で何度も読み返しました。ありがとうございます。

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