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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/08/03 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(8/2~8) 米コロナ(経済対策)、トランプ大統領選延期発言、ウイグル制裁、李登輝死去、バイデン副大統領候補発表、スリランカ議会選、ベラルーシ大統領選


週末は晴れ間が広がりましたね。ようやく関東も梅雨明けしたようです。

ウィズコロナの時代ではありますが、それでも夏になると気分が高揚します。警戒は緩めず、締めるところは締めながら、仕事も夏休みも全力で楽しみたいものですね。

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先週の動き
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7/27(月)
・米豪外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(ワシントンDC、~28日)
・米共和党上院指導部が1兆ドルの新型コロナウイルス対策法案(HEALS法)を発表
・朝鮮戦争休戦協定調印から67年
・フィリピンのドゥテルテ大統領の施政方針演説

7/28(火)
・FOMC(~29日)
・バイデン前副大統領が人種間の格差の是正に向けた政策を発表(デラウェア)
・AIIB年次総会(オンライン会議)
・EUが香港国家安全維持法の施行への対抗策で合意したと発表
・NZのピーターズ外相が香港との犯罪人引渡条約の停止を発表
・ベラルーシのルカシェンコ大統領が新型コロナウイルスに感染していたと発表
・タリバンがイスラム教の「犠牲祭」の祝日に合わせ7月31日から3日間の停戦を宣言
・マレーシアのクアラルンプールの高裁が1MDBの資金流用問題についてナジブ元首相に職権乱用罪等で有罪判決(ナジブ元首相は控訴)

7/29(水)
・トランプ政権がポートランドに派遣した連邦治安要員の撤退についてオレゴン州政府と合意
・米共和党のゴーマート下院議員が新型コロナウイルスの感染を発表(ペローシ下院議長は下院議場でのマスク着用を義務化)
・米下院司法委員会の反トラスト小委員会が公聴会を開催(GAFAのCEOがオンラインで出席)
・ベラルーシがミンスク近郊でロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員32人を拘束

7/30(木)
・トランプ大統領が大統領選挙の延期の提案を示唆するツイート
・米国の20年4~6月期の実質GDP成長率の発表(前期比▲10.1%(年率換算▲32.9%))
・香港が9月の立法会選挙への民主派12人(黄之鋒(ジョシュア・ウォン)含む)の立候補を取消し

7/31(金)
・トランプ大統領がTikTokの禁止を検討していると発言(マイクロソフトはTikTokの買収にむけた交渉を進めているとの報道)
・トランプ政権が新疆ウイグル自治区での人権侵害への関与を理由に同自治区の治安維持と開発を担う準軍事組織「新疆生産建設兵団(XPCC)」と幹部ら2人を制裁対象に指定
・米国の経済対策第3弾(CARES法)の追加失業手当(週600ドル)が失効
・ニューズ・コーポレーションのジェームス・マードック取締役が辞任
・香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が9月6日予定の立法会選挙を1年延期すると発表

8/1(土)
・香港警察が香港国家安全維持法に違反した容疑で海外に滞在する民主活動家の朱牧民(サミュエル・チュー)(米国籍)、羅冠聰(ネイサン・ロー)、鄭文傑(サイモン・チェン)ら6人を指名手配

●新型コロナウイルスの感染拡大(米国の状況)

米国における新型コロナウイルスの感染拡大については、先週も、全国各地(特に南部と西部)で記録的な数の新規感染者と入院患者が発生しました。感染者数は460万人、死者数は15万4,000人に達しています。

コロナに収束の兆しが見えない中で、経済の回復も遅れています。第2半期(4~6月期)の実質GDP成長率は前期比▲10.1%(年率換算▲32.9%)と47年の統計開始以来最大の落ち込みを記録しました。

当然ながら政府の経済対策が引き続き必要とされますが、経済対策第3弾(CARES法)の追加失業手当(週600ドル)については、共和党と民主党の合意が成立せず、失効しました。以下の記事でその可能性が十分にあることを指摘していましたが、残念ながら危惧したとおりになりました。

「新型コロナウイルスの感染拡大(米国の対応:経済対策第4弾)」(7/27)

以上を踏まえ、米国におけるコロナの状況と対応についてコメントします(※メルマガに限定)。

●トランプの大統領選の延期発言

先週(7月28日)、大統領選まであと100日を切りました。今月には共和党と民主党の党大会があります。長きにわたる戦いもいよいよ佳境に入ってきました。

そうしたタイミングで、トランプ大統領は、郵便投票の拡大によって選挙が不正になると主張して「適切に安全に投票できるようになるまで、選挙を延期する???」とツイートしました。選挙の延期を公然と提案(示唆)するのは初めてのことです。

しかし、選挙の日程を決めるのは大統領ではなく議会です。当然ながら民主党の理解が得られる見込みはなく、また共和党指導部も、選挙は予定どおり11月3日に行うと明言。トランプの提案は一蹴された格好です。

一方、郵便投票については、これまで何度か取り上げていますが、今回の選挙では、様々な点において、極めて重要な意味をもちます。トランプが執拗に取り上げることには理由があり、それ自体が選挙とその後に大きな影響を与える可能性があります。

また、近いうちにバイデンが副大統領候補を発表します。バイデンは8月第1週(つまり今週)に副大統領候補を発表すると述べました。しかし、その後、バイデンのアドバイザーが第2週(党大会(8月17日~19日)の前の週)になると述べています。したがって来週になるかもしれませんが、いずれにしても間もなくです。

これらのポイント(郵便投票の意義とバイデンの副大統領候補の選択)を中心に、最新の大統領選の展望について、明日解説します。

●ウイグルの新疆生産建設兵団への制裁

トランプ政権がマグニツキー法に基づき、新疆ウイグル自治区での人権侵害への関与を理由に同自治区の治安維持と開発を担う準軍事組織「新疆生産建設兵団(XPCC)」と幹部ら2人を制裁対象に指定しました。

中国にとって極めて重要な機関を対象とする金融制裁です。詳細はまだ分からないところがありますが、現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

●李登輝元総統の死去

李登輝元総統が死去しました。96年に初の総統直接選挙を実施し、台湾の民主化を実現させたことは偉大なレガシーでした。ご冥福をお祈りします。

なお、日本の報道では97歳とされていますが、中国語の報道では98歳となっています。中華圏では数え年(春節のときに年を加える)が一般的だからです。

台湾現代史も、他のテーマで手一杯になっていますが、米中の対立の中でさらに重要性を増していることもありますから、今年中には取り上げたいと思っています。

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今週の動き
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8/4(火)
・韓国の元徴用工訴訟による日本製鉄への資産差押えの公示送達の効力が発生

8/5(水)
・スリランカ総選挙

8/9(日)
・ベラルーシ大統領選挙

(今週のどこか)
・バイデン前副大統領が大統領選挙の副大統領候補を発表

●バイデンの副大統領候補の発表

「今週の動き」で述べたとおり、バイデンが今週または来週に副大統領候補を発表します。明日、私の予想を述べます。

●スリランカ総選挙

19年11月の大統領選挙でゴダバヤ・ラジャパクサが勝利し、大統領に就任しましたが、ゴダバヤ大統領は兄のマヒンダ・ラジャパクサ元大統領を首相に任命。マヒンダの兄のチャマル・ラジャパクサも閣僚に就任し、ラジャパクサ一族による統治が行われています。

ただ、ラジャパクサ派は議会では多数を獲れていません。このため、今回の選挙で議会基盤を固めることが課題になります。

マヒンダ・ラジャパクサは長年にわたる縁故主義と腐敗、中国への偏重が批判され、14年の大統領選で敗れましたが、弟のゴダバヤの勝利により復活、ラジャパクサ体制に回帰している状況です。

●ベラルーシ大統領選挙

ベラルーシで大統領選が行われます。94年から大統領を続ける独裁者ルカシェンコが問題なく6選を果たすとみられていました。

ところが、銀行家のババリコ、ブロガー(ユーチューバー)のチハノフスキーなど、続々と強力な対抗馬が現れました。チハノフスキーはルカシェンコを「ゴキブリ」にたとえ、巨大なスリッパを掲げるパフォーマンスを行い、人々を鼓舞。大規模な反ルカシェンコデモが発生しました(こちらの記事(7/21)の「あとがき」参照)。

さすがのルカシェンコもピンチか・・と思われましたが、ルカシェンコは有力候補をことごとく届出無効や拘束で排除。あとにはチハノフスキーの妻のチハノフスカヤだけが残されました。

ところが、チハノフスカヤは、夫の無念を晴らすべく奮闘し、選挙集会では数万人を動員テレビ出演も果たしました。大統領選に勝利した場合、拘束中の夫や他の有力候補を含めて再度の選挙を行うと述べています。選挙のポイントを解説します(※メルマガに限定)。

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あとがき
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米人気ドラマ「フレンズ」特別版、来月にも撮影開始か 出演者が明言(7月23日付CNN)

ドラマ『フレンズ』の特別版が製作されるとのこと。『フレンズ』は、本メルマガで何度も取り上げていますが、私にとっては、学生時代から米国にいた頃(このとき最終シーズンが放映された)まで繰り返し見てきた、思い入れの深いドラマです。

主役6人を演じた俳優を他の作品で見かけると、どうしてもフレンズのキャラを思い出してしまいます。最近は『グッド・ファイト』でチャンドラー、『スペース・フォース』でフィービーを見ましたね。それだけで何となくうれしくなります。

『スペース・フォース』といえば、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス(AOC)下院議員をモデルにしたキャラクターが出てきました。アナベラ・イシドロ・カンポス(AYC)議員。格好、声、しゃべる内容、よく似ています。

それにしてもこんな風に人気ドラマでパロディーにされること自体、いかにAOCが米国内で注目される存在になったかを示すものです。もはや米国を代表するスター政治家と言って過言ではないでしょう。18年中間選挙の予備選で旋風を巻き起こしたのはわずか2年前のことです。本人の強烈な個性あってこその活躍ですが、それにしてもすごい時代になったものです。

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One comment on “今週の動き(8/2~8) 米コロナ(経済対策)、トランプ大統領選延期発言、ウイグル制裁、李登輝死去、バイデン副大統領候補発表、スリランカ議会選、ベラルーシ大統領選
  1. KB より:
    米中、どちらに進むか?

    大変勉強になります。物事を整理できるだけでなく、その先に何が起きる可能性があるか?俯瞰しながら見通しを立て、事実と検証していく。
    なかなかこのサイクルが早くて「あれれ」な時もありますが、とても助かっております。
    7月28日にリストアップしていただいていた「措置」の数々を今後クリアしていくことになるのかどうか・・・?「歌舞伎」や「プロレス」という体で、どうも見ていられない危うさも感じながら、ドキドキ楽しんで拝読しています。

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