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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/06/22 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(6/21~27) タルサ選挙集会、最高裁判決、ボルトン暴露本、ウイグル人権法、米中会談、北朝鮮の爆破、中印衝突

暑くなってきましたね。雨が降って涼しくなった日もありましたが、日ごとに夏らしさが増しているようです。

そんな中で、グッチーポストの夏の定番である三陸の生うに」の今年の販売が始まりました。

磯部編集長も、シャンパンとシャブリと一緒に食べたい!と言っていますが、本当にそうですね・・私も早く食べたいです。

そういえばぐっちーさんは、毎年この時期にうにのことを熱く語っていたなあ・・と思い出し、過去のメルマガを読み返してみました。やはり、すごい情熱です。経済分析よりも濃厚かもしれません(笑)。そのうち磯部さんが紹介してくれるかと思いますが、文章を読むだけで、食欲がとめどなく湧いてきます。

それにしても、ぐっちーさんの文章を読んでいると、胸に何か込み上げてくるものがありました。言葉の力はすごいものだ・・とあらためて思いました。ときどきこうして読み返して、元気をもらうのも、良いことですね。

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先週の動き
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6/14(日)
・ミネアポリスでの黒人死亡事件を受けて全米各地で抗議デモが継続(~現在)
・中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会が重慶市の鄧恢林・副市長兼公安局長を重大な規律違反と法律違反の疑いで調査していると発表

6/15(月)
・トランプ大統領がドイツ駐留米軍の規模を3割減らす意向を表明
・米連邦最高裁が職場でのLGBT差別は1964年公民権法に違反するとの判決
・米連邦最高裁がカリフォルニアのサンクチュアリ・シティに対するトランプ政権の審査請求を却下
・北京で6月11日~14日に79人の新型コロナウイルスの感染者が確認
・英・EU首脳会談(テレビ会議)
・ホンジュラスのエルナンデス大統領が新型コロナウイルスに感染したと発表
・河野防衛相が地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を停止すると表明

6/16(火)
・トランプ大統領が警察改革の大統領令に署名
・米司法省がボルトン前大統領補佐官の回顧録『The Room Where It Happened』の出版の差止訴訟を提起
・北朝鮮が開城にある南北共同連絡事務所を爆破
・中国とインドの国境地帯(ラダック)で中国軍とインド軍が衝突(インド軍に20人の死者が発生)
・ハンガリー議会がオルバン首相に広範な権限を認める非常事態法の撤廃を可決

6/17(水)
・米国でウイグル人権法が成立(トランプ大統領が署名)
・ポンペオ国務長官と楊潔チ政治局委員が会談(ホノルル)
・米国務省が「シーザー・シリア市民保護法」に基づきシリアのアサド大統領夫妻やシリア軍部隊、親イラン武装勢力など39の個人、団体を制裁対象に指定
・ライトハイザーUSTR代表が上下両院の公聴会で通商政策について証言
・アトランタの検察が黒人男性(レイシャード・ブルックス氏)を射殺した元警官を殺人罪の容疑で起訴すると発表
・G7外相が香港国家安全法に重大な懸念を示す声明を発表
・ボルトン前大統領補佐官の回顧録『The Room Where It Happened』の内容が報道
・中印外相電話会談
・北朝鮮の朝鮮人民軍の報道官が開城工業団地と金剛山に軍を展開させるとの談話を国営朝鮮中央通信が報道
・韓国の金錬鉄統一相が辞意を表明
・NATO国防相会議(テレビ会議、〜18日)

6/18(木)
・トランプ大統領が中国からの「完全なデカップリング」は米国の政策の選択肢として維持されているとツイート
・米連邦最高裁がトランプ政権によるDACAの撤廃を認めない判決(トランプ大統領は最高裁を批判するツイート)
・米下院民主党が1.5兆ドルのインフラ整備計画法案を発表
・エイミー・クロブシャー上院議員が民主党の副大統領候補に選ばれることを辞退する(有色人種が選ばれるべきとする)意向を表明
・フェイスブックがトランプ陣営の広告がナチスを想起させるとして削除
・コペンハーゲン・デモクラシー・サミット(コペンハーゲン、~19日)(ポンペオ国務長官が出席)
・中国の全人代常務委員会(北京、~20日)
・「一帯一路」国際協力ハイレベル・ビデオ会議
・英仏首脳会談(ロンドン)
・カザフスタンのナザルバエフ大統領が新型コロナウイルスに感染したと発表
・韓国の駐ジュネーブ国際機関代表部が日本による半導体材料3品目の輸出管理強化についてWTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請

6/19(金)
・奴隷解放記念日(ジューンティーンス)
・米国務省がポリオ撲滅を除く世界的な公衆衛生上のプロジェクトについてWHOに代わる提携機関を選出したと発表
・米司法省がNY州南部地区のジェフリー・バーマン連邦検事の辞任を発表(バーマン検事は辞任を否定)
・EU首脳会議(ブリュッセル)
・ロシアの「東方経済フォーラム」の本年(9月)開催の中止が発表
・アルゼンチンが債務交渉期限を7月24日に延期すると発表

6/20(土)
・トランプ大統領がオクラホマ州タルサで選挙集会
・NY州南部地区のジェフリー・バーマン連邦検事が辞任を発表(後任の検事代行はストラウス連邦次席検事)
・ワシントンDCの連邦地裁が司法省によるボルトン前大統領補佐官の著書の出版の差止請求を棄却する判決

●トランプのタルサでの選挙集会

以下の記事で述べたとおり、トランプ大統領がオクラホマ州タルサで3か月ぶりに選挙集会を開催しました。コメントを述べます(※メルマガに限定)。

「トランプの選挙集会の再開」(6/15)

●連邦最高裁のLGBT・DACA判決

連邦最高裁で驚きの判決が相次ぎました。職場でのLGBT差別は1964年公民権法に違反していると判断、カリフォルニアのサンクチュアリ・シティに対するトランプ政権の審査請求を却下、DACA(幼少期に親と米国に不法入国した若者の強制送還を猶予する制度)のトランプ政権による撤廃を認めず・・いずれも、保守派が過半数を占める最高裁においては考えられなかった判断です。

特にLGBT判決については、歴史的な意義があると評価されています。この判断は、条文にはない「性的志向」に基づく差別も「性」差別に準じるとの解釈で、リベラル派の判事4人に保守派のニール・ゴーサッチ判事とジョン・ロバーツ長官が支持に回ったことで決まりました(6対3、判決文を書いたのはゴーサッチ)。DACA判決は、リベラル派4人にロバーツ長官が支持しました(5対4)。

トランプ大統領は当然ながら不満のツイートを連投。「最高裁は私を好きではないと思わない?」という拗ねたような発言もありました。大統領を好きか嫌いかという問題ではないのですが・・。今回の判決の意義についてコメントします(※メルマガに限定)。

●ボルトンの暴露本の公表

ボルトン前大統領補佐官の回顧録『The Room Where It Happened: A White House Memoir』の出版は、トランプ政権から妨害を受け、何度も延期を繰り返してきましたが、ついに来週(6月23日)、実現する見通しです。

司法省は先週、差止訴訟を提起しました。しかし、ボルトンはメディアに内容の一部を公表。これによって事実上差止めの意味はなくなり、裁判所も差止め請求を棄却しました。

ボルトンの暴露には、トランプ大統領の言動について、驚くような新事実が含まれていました。主なものは以下のとおりです。

・G20での習近平国家主席との会談(19年6月)で、習近平に対し、自身の再選にとって助けになるとして、農産品の輸入を懇願した。
・習近平に対し、新疆ウイグル自治区の収容施設の建設を支持すると述べた。
・ブエノスアイレスでの習近平との会談(18年12月)で、習近平は、トランプと「もう6年一緒に働きたい」と述べ、トランプは、米国民は憲法を改正して自分(トランプ)が2期を超えて続けることを望んでいると述べた。
・習近平の要請に応じ、ZTEへの捜査に介入する意向を示した。
・香港でのデモには「巻き込まれたくない」と述べた。
エルドアン大統領との会談で、エルドアンの要請に応じ、「検察はオバマに近い人たちだ」と述べ、トルコの国営銀行ハルクバンクへの捜査に介入する意向を示した。
・イランと交渉したオバマ政権のケリー元国務長官をローガン法違反で起訴するよう司法長官に要請した。
ティラーソン国務長官(当時)はニッキー・ヘイリー国連大使(同)を「c***(女性蔑視の表現)」と呼んでいたと述べた。
・フィンランドはロシアの一部かと質問した。
・英国が核保有国と知らなかった。
・第1回米朝首脳会談の最中に、ポンペオ国務長官がトランプの発言について「でたらめばかり(so full of shit)」と書いたメモをボルトンに渡した。北朝鮮外交について「成功する可能性はゼロ」とも述べた。

ボルトンの暴露の意義についてコメントします(※メルマガに限定)。なお、本の中身は、なぜかPDF版が閲覧できるようです。

●ウイグル人権法の成立

トランプ大統領がウイグル人権法案に署名。これにより同法が成立しました。以下の記事で述べたとおりの展開であり、そのポイントはすでに述べたとおりです。

「米国の対中制裁をめぐる動き」(5/19)

上記記事で述べたとおり、トランプの署名は時間の問題でした。ただ、ボルトン前大統領補佐官の暴露本の発表とタイミングが一致したことは示唆に富みます。その意味と今後については、前項で述べたとおりです。

●ポンペオと楊潔篪の会談

ポンペオ国務長官と楊潔篪政治局委員がホノルルで会談しました。トランプ政権の対中強硬路線からすれば、意外に感じた方も多いかと思いますが、本メルマガを読んできた方々であれば、十分に想定できる展開だったと思います。ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●北朝鮮による南北共同連絡事務所の爆破

先々週(6月13日)に金与正・朝鮮労働党第1副部長が脱北者団体によるビラまきを批判し、開城にある南北共同連絡事務所の破壊を予告する談話を発表しましたが、そのわずか3日後、同連絡事務所の爆破に及びました。

そして、朝鮮人民軍の報道官が開城工業団地と金剛山に軍を展開させるとの談話を発表しました。現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

●中国とインドの軍事衝突

インド北部のラダックの国境地帯(ガルワン渓谷)で中国軍とインド軍が衝突。インド軍に少なくとも20人の死者が発生しました。中印の国境衝突は長年にわたり続いてきましたが、死者が出るのは1975年以来45年ぶりです。

両軍は銃器の使用はせず、投石や釘バットでの殴り合いだったと伝えられています。インド軍の兵士は崖から突き落とされ、17人は重傷を負った上、氷点下の寒さで死亡したとのこと。中国側は、インドの報道によれば43人の死傷者が出たとされていますが、被害について公式の発表はありません。

両国は軍・外交当局間で協議を続け、ジャイシャンカル外相と王毅外相が電話会談を行い、「国境地域の平和を守る」ことで一致しました。その後、中国はインド軍の兵士10人を解放したと報じられています。

今回の衝突の意味と今後の展望について、明日解説します。

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今週の動き
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6/22(月)
・米ロ核軍縮協議(ウィーン)
・中・EU首脳会議(李克強首相)(オンライン会議)
・ロシア・インド・中国会議(RIC)(オンライン会議)

6/23(火)
・ボルトン前大統領補佐官の回顧録『The Room Where It Happened』が発売

6/24(水)
・米・ポーランド首脳会談(ワシントンDC)
・旧ソ連の対ドイツ戦勝75年記念式典(モスクワ)

6/25(木)
・ジェームズ・フロイド氏の暴行死から1か月
・朝鮮戦争勃発から70年

●ボルトンの暴露本の発売

「先週の動き」の「ボルトンの暴露本の抜粋の公表」をご覧ください。報道で出ている以上に驚くべき記述があるのか、気になりますね。

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あとがき
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【反人種差別デモ】 倒され、落書きされ・・ 標的になった各地の像 (6月12日付BBC)

以下の記事でコロンブスの像の破壊について述べましたが、そういえば、米国はコロンビアという女性に擬人化されることがあります。このキャラクターも、元々はコロンブスに由来します。この点について述べます(※メルマガに限定)。

「南軍・コロンブスの歴史をめぐる論争」(6/15)

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One comment on “今週の動き(6/21~27) タルサ選挙集会、最高裁判決、ボルトン暴露本、ウイグル人権法、米中会談、北朝鮮の爆破、中印衝突
  1. KB より:
    ボルトン本と米中と

    ボルトン本が米中関係にどう影響を及ぼすか、及ぼさないか、トランプレトリックと中国の反応等々・・・。絶対に自力で ここまで深く読み込めないです(笑)
    トランプ大統領は、コロナは片付いたものとして、選挙戦に一直線になりそうですし、引き続き米国政治の分析、楽しみにしています。

    不思議の国の金与正についても、毎回、合理的な解説でありがたいです。

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