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2020/06/09 05:00  | 米国 |  コメント(2)

全米各地での抗議デモと暴動

人種差別に抗議、ワシントンで数万人が平和的デモ NFLは方針転換(6月7日付BBC)

アフリカ系米国人のジョージ・フロイド氏の暴行死を発端とする抗議デモが5月26日に始まってから2週間が経ちましたが、いまだ終息の気配はありません。週末にはワシントンDCなど各地で大規模デモが行われました。

抗議デモは、事件が起きたミネアポリスで始まりましたが、いまや全米50州に拡大。デモが過激化して暴力的になり、一部では警官との衝突のみならず、破壊行為や略奪も起き、逮捕者は1万人を超えたとのこと。

DC、NY、LAなど200都市で夜間外出禁止令が発動され、各州は治安維持のために警察に加えて州兵を動員。動員された州兵は4万人以上に達しています。こうした対策により、略奪や破壊行為は沈静化しつつあります。ワシントンDCでは、トランプ大統領が州兵の撤収命令を出しました。

先週の記事で述べたとおり、トランプは、「暴動」や「略奪」を断固として取り締まる姿勢を前面に出しています。この姿勢はまったく変わらず、さらに先鋭化しています。

「ミネアポリスでの黒人男性死亡事件(抗議デモと暴動の激化)」(6/1)

トランプは、「LAW & ORDER!」「SILENT MAJORITY!」というフレーズをたびたびツイートし、暴動を起こしているのは「アンティファ」や過激な左派だと主張。アンティファをテロ組織に指定するだろうともツイートしました。

そして、記者会見を開き、各地の暴動を「国内テロ」と非難し、全米の州知事に州兵の動員を求めた上で、必要であれば連邦軍を派遣する意向を表明しました。

なお、会見後、歴代大統領が訪問することで有名なセント・ジョン教会まで歩き、聖書をもって記念撮影。このとき、催涙ガスを使用して抗議デモを追い払っています。

DCの管轄教区の司教は、トランプの行動に激怒しました。教会と聖書を力を見せるために利用、祈りを捧げて痛みを癒すこともせず、暴力を煽っただけとして痛烈に非難しました。

トランプの軍投入の意向に対しては、国防総省から異論が出ました。エスパー国防長官は「軍の動員は最後の手段であり、緊急で切迫した状況に限定すべきで、今はその状況にない」としてトランプのトーンとは明らかに一線を画する立場を表明しました。

こうした状況の中で、トランプは、軍の展開は現時点では必要とは思っていないとインタビューで発言しています。エスパーの発言と整合したようです。一方、報道によれば、DCからの軍の撤収をめぐりトランプはエスパーを叱責したと伝えられており(最終的に撤収は実現)、両者の間に亀裂が生じていることが窺えます。

軍幹部からも、軍がデモを鎮圧するために動くことの危険性を示唆し、「軍は米国民を守るために存在している」「国民の言論の自由は保障されるべき」というメッセージを出す動きが活発化しています。その代表例がミリー統合参謀本部議長が公開した統合軍宛の書簡です。

また、マティス前国防長官がトランプ大統領を批判する声明を発表しました。以下の記事で述べたとおり、マティスは昨年9月に回顧録『Call Sign Chaos』を出しましたが、トランプ政権への批判は控えていました。

「マティス前国防長官の回顧録」(19/9/9)

マティスは、沈黙は自分の義務であり、選挙で選ばれた最高司令官を攻撃して国を危険にさらすべきではないと述べていました。しかし、沈黙の期間は「永遠ではない」とも語っていました。上記記事でも、いつかマティスは語る、と指摘しましたが、ついにそのときが来たということです。

マティスのメッセージに対しては、共和党のマコウスキーロムニーの両上院議員が支持を表明しました。マコウスキーはトランプの再選について支持するか悩むとも発言しています。マコウスキーは何度もトランプの意に反する行動をとってきた議員ですが、真っ向から不支持を示すのは初めてです。

さらに、パウエル元国務長官(元統合参謀本部議長)もトランプの対応を非難。大統領選挙ではトランプを絶対に支持しないと表明しました。

デンプシー元統合参謀本部議長も、やはりトランプの対応を非難しています。元軍トップたちがこれだけ一致して懸念を表明するのは極めて異例です。

抗議デモと暴動の展望はどうなるのか。トランプが強権的な姿勢をアピールするのはなぜか。それは大統領選に向けてどのような意味をもつのか。これらの点について解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。

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全米各地での抗議デモと暴動
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●抗議デモと暴動の実態
●米国民の感覚
●抗議デモの展望
●トランプの戦術
●大統領選への影響

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あとがき
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2か月ぶりにジムに行きました。コロナ対策はしっかりとられていました。

私は、通常、筋トレ、ランニング、ストレッチをやります。筋トレは、最近は週1回だけになってしまったこともあり、ベンチプレスと腹筋だけで済ませてしまいます。たまにもう1回行けるときは、デッドリフト、スクワット、懸垂をやります。

ベンチプレスは、普段90~100キロでやるのですが、久しぶりなので怖くて(補助がいないので、絶対に安心できる重量でないとできない(笑))、80キロでやりました。ジム滞在は1時間以内が望ましいとのことなので、ランニングはしませんでした。

筋トレの写真もアップしたかったのですが、FBコミュニティ内にとどめました・・(笑)。FBコミュニティ(現在のメンバーは約70名です)にご関心がある方は、編集部までご連絡下さい。

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2 comments on “全米各地での抗議デモと暴動
  1. KB より:
    謙虚であれ

    目の前で起きている、トランプを始め様々な登場人物の言動やこれまでの歴史や事実を正しく捉えること。これがとても大事だな、と改めて考えさせられました。目の前の出来事がセンセーショナル過ぎて、「ひどい」「問題だ」と受け止めがちですが、(もちろん人を殺すことや強奪等は駄目ですが)状況はそんなに単純じゃないということです。
    さらに、私たちには、トランプをいい悪いと裁く立場にはいない、ということも感じています。好き嫌いはあって「けしからん」となげくことはあっても、米国の状況や今後の見通しを読み解くのが目的であれば、大統領の言動が今後の米国にどういった影響を与えるかを、冷静にかつ謙虚に向き合ってこそ、見えてくるものがあるはず。そのためにも、絶対に読んだ方が良い記事です。

  2. 健太 より:
    黒人問題

     人種差別問題はたぶん我々には理解できないと思う。奴隷制と契約についての知識がないからです。私も無知と思っている。
     黒人の犯罪率などは白人より高いという。経済的格差も大きいという。
    身もふたもないが現代の経済格差を見ると教育程度による。つまり知能による。
    現代科学はこの方面に衝撃的な知見をもたらしている。
     それから見ると現在の経済格差はさらに広がる。
    この視点から、アメリカの黒人問題を見ることが我々日本人には有効ではないか?
     結論の一つに移民を我が国はしてはいけない。これに尽きるが、現代では鎖国はできないから、いかがするか?
     ダイバーシティなど空想に過ぎない。特殊な場所ならできるが、その構成員となると、さらに選別が必要となり、新大陸発見以降の移民とはことなる政策が必要でしょう。政府上層部はたぶん皆それを理解しているが、表明できないと思う。つまり表現の自由がない。それほどタブーとなっている。
     それにしてもひどい情報空間になった。

    西村氏が消費税をあげるのは正しかったと述べたという。何を根拠に言うのか理解できない、口と腹が違うという日常的なこととはマクロ経済は異なる。

     常識を持たないと何をしてもこの苦境は収まらない。
    株価の上昇と実体経済の乖離はどのように展開するか。
    格差はますます開き、対処の方法がなくなる。先はそれぞれの国における分裂となり、それが世界騒乱になるとみている。戦争?
    新しい形の戦争と見るなら、その勝利者はアメリカに過ぎない。その意味で見ると武漢ウイルスはその戦争における、奇襲攻撃と同じ効果をもたらした。

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