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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/05/11 00:00  | 今週の動き |  コメント(4)

今週の動き(5/10~16)


緊急事態宣言が予定どおり延長されました。連休が終わっても、当面、「ステイ・ホーム」は続きますね。

安倍首相は延長期限の5月31日より前に緊急事態を解除する可能性があると述べていますが、重要なのは、宣言それ自体よりも、感染拡大阻止と経済活動の再開に関わる具体的措置を示すことと思います。詳しくは本文で述べます。

個人的には、以前と比べると、マスクの着用がずいぶん定着してきたように感じられます。しかし、これは狭い範囲での主観的な印象に過ぎません。気が緩んできたのか、着用しない人が増えてきたように見えるとの意見も目にします。緊急事態宣言が解除され、外出や事業が再開されたとしても、マスクの着用は引き続き徹底して欲しいものですね。

さて、経済ZAP!!Saltさんが紹介されていましたが、ぐっちーさんと縁の深いオージー料理のお店がテイクアウトを始めたとのこと。

「絶品のオージー料理!Arossa@渋谷」(5/4)

テイクアウトもおいしそうですね。私は渋谷に行く機会が少ないので、なかなか利用できないのですが、デリバリーもやってくれたらありがたいですね。今後のご検討に期待します。

Saltさんは、これからこうしたグルメ情報もときどきお伝えしてくれるとのこと。楽しみです。飲食業への応援にもなることを願います。

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先週の動き
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5/3(日)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの発生源が武漢の研究所であるとの見方について「強力な報告書」が出るだろうと発言
・ポンペオ国務長官が新型コロナウイルスの発生源が武漢の研究所であることを示す多くの証拠があると発言(人工的に作り出されたものではないとの国家情報長官室(DNI)の見方には同意)
・北朝鮮と韓国の軍事境界線にある韓国の歩哨所が北朝鮮側から数発の銃撃を受けたと韓国軍が発表

5/4(月)
・カリフォルニア州のニューサム知事が新型コロナウイルス対策として制限していた経済活動の一部再開を5月8日から認めると発表
・新型コロナウイルスのワクチン開発等に関する国際会議(米国は不参加)(テレビ会議)
・イタリア、ベルギーの経済活動が一部再開
・ベネズエラのマドゥロ大統領がクーデターを狙った密入国の容疑で米国人2人を逮捕したと発表(トランプ大統領は米政府との関わりを否定)
・日本政府が改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)上の緊急事態宣言を5月31日まで延長

5/5(火)
・トランプ大統領が新型コロナウイルス対策本部を段階的に縮小する方針を表明
・トランプ大統領がアリゾナ州のマスク生産工場を視察
・ミリー統合参謀本部議長が新型コロナウイルスの発生源が武漢の研究所であるかは不明との認識を表明
・米生物医学先端研究開発局(BARDA)のブライト前局長がトランプ政権のコロナ対応(企業との癒着等)を内部告発
・米英がFTA交渉を開始
・米連邦最高裁のギンズバーグ判事が急性胆のう炎で入院
・フィリピンの国家通信委員会が民放最大手「ABS-CBN」の放送免許の更新を拒否(同局の放送は終了)

5/6(水)
・トランプ大統領が新型コロナウイルス対策本部を無期限で存続させる意向を表明
・トランプ大統領が新型コロナウイルスについて「我々が経験した中で最悪の攻撃」「パールハーバーや世界貿易センタービルよりひどい」と発言
・トランプ大統領がイランに対する大統領の軍事行動の権限を制限する決議案に拒否権を発動
・ポンペオ国務長官が新型コロナウイルス感染の発生を隠したとして中国を批判、5月18日予定のWHO年次総会への台湾のオブザーバー参加を支援する考えを表明(台湾もオブザーバー参加を要求)
・ドイツが国内の全商店の営業やプロサッカーの再開を認める経済活動の緩和策を発表
・EU・西バルカン諸国首脳会議(テレビ会議)
・イスラエルの最高裁がネタニヤフ暫定首相が正式な首相候補として組閣することへの異議申立てを却下
・ベネズエラのマドゥロ大統領が米政府と反政府勢力が計画したとみられるクーデター未遂事件で米国の元軍人2人を含む17人を拘束したと発表

5/7(木)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの発生源が武漢の研究所である可能性について「中国はひどい間違いをおかした」と発言
・米ロ首脳電話会談
・トランプ大統領の身の回りの世話をする海軍所属のスタッフの新型コロナウイルスの検査結果が陽性だったと判明(トランプ大統領とペンス副大統領の検査結果は陰性)
・米司法省がマイケル・フリン元大統領補佐官の偽証罪の容疑の起訴を取り下げ
・ペローシ下院議長が新型コロナウイルス対策の経済政策第5弾の概要を発表
・米労働省が4月26日~5月2日の失業保険申請件数は約320万件と発表
・イラクでムスタファ・カディミ前国家情報長官が首相に就任
・日ロ首脳電話会談

5/8(金)
・日米首脳電話会談
・米中通商閣僚級電話協議
・カリフォルニア州の経済活動が一部再開
・カリフォルニア州が11月の大統領選挙において郵送投票も認めると発表
・金正恩朝鮮労働党委員長が習近平国家主席に中国の新型コロナウイルス対策を称賛する「口頭親書」を送ったと朝鮮中央通信が報道
・香港の立法会で親中派と民主派の乱闘騒ぎが発生
・メキシコのロペスオブラドール大統領が新型コロナウイルスの感染拡大で停滞する経済の再開計画を来週に公表する意向を表明
・第2次世界大戦の終戦75年式典(欧州各地)

5/9(土)
・習近平国家主席が金正恩朝鮮労働党委員長に新型コロナウイルス対策を支援するとの「口頭親書」を返信
・プーチン大統領が第2次大戦での旧ソ連の対ドイツ戦勝75年を記念する演説

●新型コロナウイルスの感染拡大(日本の対応)

緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。安倍首相は14日を目途に中間評価を行い、その結果次第で緊急事態を解除する可能性があると述べています。また、解除の基準を提示する考えも表明しました。

以下の記事で私見を述べましたが、おおむね私が想定していた方向に動いていると感じられます。あらためてコメントを述べます(※メルマガに限定)。

「新型コロナウイルスの感染拡大(日本の対応)」(5/4)

●新型コロナウイルスの感染拡大(米国の対応)

米国での新型コロナウイルスの死者数は5月10日時点で8万人、感染者数は130万人。ペースは緩やかになっているとはいえ、大幅な増加を続けています。

ロックダウンにより経済の悪化が続いていますが、先週、4月の雇用統計が発表されました。失業者数は2050万人、失業率は14.7%と戦後最悪、1940年代の大恐慌以来以来の水準に達しました。

こうした状況の中で、全米最大の人口を擁するカリフォルニアを含め、31州が経済活動の段階的な再開を進めています。今週にはミシガン州も製造業の操業再開が認められる予定です。

トランプ大統領は、米国はすでに経済活動の再開のステージに移ったとして、新型コロナウイルス対策本部を段階的に縮小する方針を突然に表明しました。しかし、翌日、あっさり方針を転換し、無期限に存続させると表明。「立派な人たちから存続させた方が良いとの助言を受けた」「対策本部がこんなに人気があるとは知らなかった」と説明しています。

また、議会はさらなる経済対策に向けて動いており、ペローシ下院議長が第5弾の概要を発表しました。

米国の最新の状況と対応についてコメントします。あわせて、米国経済の長期的展望について個人的な考えを述べます(※メルマガに限定)。

●米中対立の先鋭化

トランプ大統領とポンペオ国務長官の中国批判が止まりません。言っていることは変わらず、「中国は新型コロナウイルスについて情報を隠している」「コロナ感染拡大の責任を問う」というものですが、先週は、WHO総会が5月18日に予定されているので(テレビ会議)、ポンペオは台湾の参加を特に強く求めていました。

一方、ムニューシン財務長官とライトハイザーUSTR代表が劉鶴副首相と久しぶりに電話協議を行っています。双方は「第1段階の通商合意」を履行することを確認しました。

トランプ政権の対中強硬姿勢の意味については、以下の記事で解説しましたが、最新の状況を踏まえ、明日、あらためて解説します。

「コロナをめぐる米中対立の先鋭化」(5/5)

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今週の動き
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5/10(日)
・韓国の文在寅大統領が就任3周年を記念する特別演説
・英国のジョンソン首相が新型コロナウイルス対策の活動制限の緩和に向けた工程表を発表

5/11(月)
・ミシガン州の経済活動が一部再開
・フランスが外出制限の段階的緩和を開始

5/12(火)
・米大統領選挙民主党予備選(ネブラスカ)
・EU国防相会議(テレビ会議)

5/13(水)
・ポンペオ国務長官がイスラエルを訪問

5/14(木)
・日本の新型コロナウイルス対策の専門家会議が感染状況について評価

5/15(金)
・EU外相会議(テレビ会議)

ポーランド大統領選挙が5月10日に予定されていましたが、コロナによって延期になりました。

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あとがき
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バンクシーの新作、英病院に登場 医療従事者に感謝のメモ(5月7日付BBC)

バンクシーが英国サウサンプトンの病院に「ゲーム・チェンジャー」と題する新作を公開しました。少年にとってのヒーローがマーベルのバットマンからから看護師に変わったことを示しています。バスルームから出られたようで良かったですね(こちらの記事(5/5)の「あとがき」参照)。

バンクシーは「あなた方のご尽力に感謝します。白黒ではありますが、この作品で少しでも現場が明るくなることを願っています」とのメモを残していたとのこと。医療従事者への応援メッセージのようです。

一方、この絵が意味するものは、子どもがおもちゃをもてあそぶように、メディアや世の中が調子よく医療従事者を讃えることへの風刺ではないか・・との見方もあります。看護師の人形がアフリカ系に見えることに注目して、批判の意味を込めているとの意見もあるようです。

この点について私のコメントを述べます(※メルマガに限定)。

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4 comments on “今週の動き(5/10~16)
  1. KB より:
    違和感払拭と発見

    日頃、目にする報道から生まれていた違和感が払拭されるとともに、中長期的な経済の展望について触れられている部分では、非常に有益な情報が満載で、新しい発見が多くありました。
    特に、トランプと実行部隊の動きの違いや米国の強さについてなど、改めて整理していくと、納得ですね。
    ただ、実際のマーケットはここまで冷静に受け止めているかというとそうではなかったりするので、個人的には、JDさんの見通しを軸に、解釈を加えたり、その解釈を修正したりしていくという、こういった作業が今後ますます大切になりそうだな、と感じています。
    世界情勢だけでなく、グルメに芸術・・・知的欲求を満たす要素とエンタメ要素が混ざっていて、グッチーポストとても面白いです。ツイッターも楽しんでます!

  2. china より:
    バンクシー

    あとがきのバンクシーの件、大変興味深く読ませて頂きました。「芸術作品のメッセージをどう解釈するかは読み手に委ねられています」に関しては、全くもって同感です。どう解釈しようが見る側の自由だと、私もそう思います。

    ただ、今回は周辺情報として、バンクシーが医療従事者へ感謝のメッセージを添えている、また作品は後日NHSの資金調達目的でオークションにかけられる、といった事実が存在しています。解釈の自由も大事だと思うのですが、そういった明確な周辺情報を無視してしまうことに、若干の違和感を覚えます。また仮に作者の意図が「感謝」であったとした場合、それを誤解させるような解釈を拡散することへの責任というものは問題視されないのだろうか・・と、今回の一連の騒動では気になりました。

    今回の件でバンクシーのメッセージ等周辺情報が皆無であったなら、「風刺かも」と自由に読み解くことに何の違和感もありませんし、おっしゃる通り、作者の意図など気にする必要はないと思います。しかしながら、はっきり情報として提供されているにも関わらず、それらを無視してまで「解釈の自由」を推し進めてしまうのは、常日頃指摘されているような、事実を無視し勘だけで分析という名の感想を述べている人、と同じになってしまうのではないかと感じてしまいました。それとも芸術の分野においてはそれもまた「一興」となるのでしょうか・・。もしくは、「分析(理性)」と「解釈(感性)」の違い・・という事なのでしょうか。それとも、芸術の解釈にどこまで含めるか、の定義の違いという事なのでしょうか・・。

  3. JD より:
    chinaさん

    コメントありがとうございます。

    まず、私が述べている「情勢の分析」と「芸術の鑑賞」は、まったく違うものなので、そこは分けて考えた方が良いと思います。芸術作品は「直感」だけで受け止めても何も問題はありませんし、むしろ伝統的な芸術は、記事にも書いたとおり、美的感性に訴えかけるものが主流でした。

    次に、「作者の意図を気にする必要はない」と書きましたが、それは「解釈は自由」という意味です。自分なりのアプローチとして、作者の意図を探ることも、もちろん妨げられるものではありません。

    色々な周辺情報からバンクシーの意図を探るのは、それはそれで知的で意味のあることと思います(「一興」と書いたのはそういう趣旨です)。現代アートにおいても、そうしたアプローチが妨げられないことは当然です。

    今回の例であれば、メモはたしかに一つの手がかりです。一方、「風刺」や「皮肉」として受け止める人たちも、過去のバンクシーの作品の傾向を手がかりにしているのではないでしょうか。

    また、アーチストは、結局のところ、自分の作品がどう受け止められるかまでコントロールできません。逆に言えば、世の中に公表するのであれば、それだけの覚悟が必要ということです。バンクシーのような(匿名でストリートに物議を醸す発信を行う)特殊なアーチストであれば、なおさらそれは分かっていることと思います。

    また、記事に書いたとおり、「創作者の意図すら超える」解釈は、むしろその作品の魅力を高めることもあります。たとえば、これは私の勝手な推測ですが、バンクシーほどの人であれば、たとえ自分の意図と異なっていたとしても(異なっていたのかも私には分かりませんが)、こうした議論が起こること自体を楽しんでいるのでは、と思います。

    自分の意図が「誤解」されていて、どうしても我慢できないということであれば、アーチストはそのことを表明することもできます。そういう人もいますよね。あまりカッコよいことではないと思いますが、それもまた表現の一形態(作品の延長)でしょう。

  4. china より:
    no title

    アーティストが誤解されても仕方のない存在なのだとしたら、バンクシーがメモを残したのは、それを見越してのことだとは、思われませんでしたか?どう解釈されても構わないと思っているのであれば、メモなど端から残さないでしょう。今回だけは誤解されたくない、だからこそメモを残した。

    今回のバンクシーの件は、芸術解釈の例外なのではないか・・?というのが私のコメントの核心です。コメント文が拙くて、分かりづらかったかもしれませんが・・。

    なんて、こんな事をここに書いても、無意味なことは分かってるんですけどね。この議論に明確な答えはないでしょうから。

    久しぶりにJDさんのコメントが読めて良かったです。それだけお伝えしたかったので。それでは。

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