2019/10/24 05:00 | 中東 | コメント(7)
イスラエル現代史(12):中東和平の挫折
■ イスラエル首相、連立政権樹立できず 野党のガンツ氏が組閣へ(10月22日付CNN)
ネタニヤフ首相は即位の礼に出席するため訪日する予定でしたが、連立交渉でそれどころではなく、直前にキャンセルになりました。しかしその努力も報われず、結局交渉は失敗に終わりました。以下の記事で述べたとおりの展開です。
・「イスラエルの連立交渉」(10/1)
今後の展望についても上記記事で述べたとおりですが、状況を見て、あらためて解説します。
さて、本日は「イスラエル現代史(11):中東和平への道」(10/9)の続きです。
前回は、レバノンから駆逐されたPLOの路線転換、米国(レーガン・ブッシュ・クリントン政権)の仲介、労働党のラビン政権の成立を経て、オスロ合意に至るまでの経緯を解説しました。
今回は、新たな時代を迎えようとしていたイスラエルが悲劇に見舞われ、中東和平の機運が失われていく過程を解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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イスラエル現代史(12):中東和平の挫折
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●ラビン暗殺
●第2次インティファーダ
●ヒズボラ・ハマスとの戦い
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あとがき
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■ Did Donald Trump Call Italy’s President ‘Mozzarella’?(10月17日付Snopes)
先週、トランプ大統領がイタリアのマッタレッラ大統領と会談したとき、マッタレッラを「モッツァレラ」と呼び、「米国とイタリアは古代ローマ時代から同盟を結んでいる」と述べたこと、また会談に同席したイタリア語通訳の女性の困惑したような表情が話題を呼びました。
しかし、「モッツァレラ」についてはトランプの発音が悪かっただけ(どちらかと言えば「モトローラ」と聞こえる)、「古代ローマ時代」については「同盟」とは言っておらず、実際には米国とイタリアは古代ローマ時代からの「文化的・政治的遺産」を共有していると述べています。
イタリア語通訳の女性はこちらの動画で見られますが、会談では「モッツァレラ」「古代ローマ時代」の話は出てきません。シリアの話に困惑した顔を見せるとは考えにくく、おそらくこの人は基本的にこういう表情をする人なのでしょう。
■ OVAL OFFICE: President Trump FULL Meeting With Italian President(10月16日付FOX 10 Phoenix)
私も、この話題がツイッターで流れたとき「マジか」と思いましたが、一種のフェイク・ニュースだったということです。以下の記事で述べたとおり、二次的な情報を鵜呑みにするのは危険です。「マジか~」「ウケる!」という情報ほどフェイクだったりするので、安易に飛びつかないようにしましょう。
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7 comments on “イスラエル現代史(12):中東和平の挫折”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
読後、私まで中東和平に感情移入してしまったのか(?)とても虚しい感じになりました。こうしていとも簡単に崩れ去ってしまうのかと…反面、外交や政治の奥深さを私なりに感じました。
それにしても、今回ポイントになっている、(和平が実現できなかった)タームポイントについて認識がなかったことは、自分に対する残念な驚きです(涙)対岸の火事と思って、ニュースをなぞるだけで、分かった気になっていたんだと思うと情けない…。宗教的、政治面、外交面の様々なポイントを示してくださり、有意義でした。
いつもお世話になっています
ほとんどのことがJDさんの予測通りの推移です
驚嘆をしております
事実をもとに推測する癖をつけると
こんなもんになるのか、と驚いています
いつも
私のややこしい質問に答えてくださり
ありがとうございます
今回もややこしいことになります
ノルウェーですが
これ、何か政治的、経済的に何か問題がありますでしょうか?
たぶん不安定さが近々に
露呈すると考えていますが
材料は何だろうと思って
調べていますが
わかりません
ややこしい話
すいませんですが
お願いします。
ツイッターのjohn steinbergさん。
その名前はあなたのものではありません。
やめてくれませんか?
指摘されないと解りませんか?
この名前を知っている多くの人がとても不愉快に感じています。
リスペクトとも取れますが、とても自己中心的で無神経だと思いますので、モラルがあるなら是非ご配慮を賜れればと思います。
ご指摘ありがとうございます。
リスペクト100%の気持ちしかありませんでしたが、そうですね。この名前を知っている方は他にも沢山いらっしゃいますよね。
自分が逆の立場でも金融関係者さまと同じことを思ったと思います。
配慮が足りませんでした。
大変失礼致しました。
ご指摘の通りアカウント名を変更させて頂きます。
金融関係者さま、及びその他関係者の皆様、ご不快な思いをさせてしまいました事、この場を借りて深くお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
ありがとうございます。
今回もメルマガ冥利に尽きるお言葉です。
大変ありがたいので、メルマガの方で取り上げさせて下さい。
ノルウェーは・・すみません、一般的な今後の展望という話でしたか?
ご返信が遅れ、まことに相すいません
ノルウェーの件
おそらく資本流出が起きているのであろうとは
考えているのですが
その材料がさっぱりわからないのです
一見、好調に見えるのですが
数字を詳細に分析していくと
本当に良いの? これ?
と思ってしまうのです
ノルウェーなど行ったこともありませんし
現地の近現代の経済史もしりません
政治はある程度わかっているのですが
直近のものは落ちています
多少なりともご存知であれば
お教えいただければうれしいです
「事実」を積み上げることもさることながら、「誰が」積み上げるのかということもまた重要なのではないかと思います。そこには分析する人のセンスが現れると思うからです。
例えば全く同じ情報を与えたとしても、他のアナリストがJDさんと同じ分析結果を導き出すかといえば、決してそうとはいえません。そこには各々の分析センスが影響してくるからです。つまりJDさんの分析はJDさんのセンスあってのものであるということです。誰もが真似できることではありません。そしてそのセンスも唯一無二の類いまれなるものであると感じています。
そんな分析が読めるのは今のところメルマガだけ・・ということで、このメルマガの優位性はまさにそこにあると思います。
そんな尊いコンテンツに出会えたことにまず感謝。そして素晴らしい才能を世に送り出して下さったぐっちーさん及び運営努力を続けてくださっている編集部に改めて感謝です。