2018/12/05 05:00 | 日本 | コメント(2)
カルロス・ゴーン事件と国際関係
■ 日仏首脳、ルノー・日産・三菱自の「安定的な関係維持」で一致(12月1日付AFP)
G20サミットの機会に日仏首脳会談が開催され、ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合について協議。
個別企業の事業展開について首脳レベルで話し合うというのは、フランス政府がルノーの株主であるとはいえ、個別企業の事業に政府は介入しないという日本の常識からすれば異例の事態です。
もともと会談は予定されておらず、フランスからの要請で急遽実現し、会談もわずか15分だったとのこと。マクロン大統領の前のめりな姿勢が感じられます。安倍首相も面食らったことでしょう。
ルノーと日産の関係といった個別企業の動きや自動車産業の展望について見解を述べることは私の専門の範囲外です。またカルロス・ゴーン事件の捜査も途中の段階のため、今後の見通しを分析することには限界があります。
しかし、フランスの立場や日本政府のスタンスなど国際関係に波及する面については押さえるべきポイントがあります。
また、読者の方からメールで、ゴーンがNYの大手法律事務所(ポール・ワイス・リフキンド・ワートン・ギャリソン)と契約したのはなぜか、との質問をいただきました。
さらに、どくしゃさんからはコメント欄で米国の出方についてご質問をいただいています。
本日は、まずフランス側の考え方に影響を及ぼす重要な背景事情の一つとして、日本の刑事手続きの特徴について解説します。その上で読者の方の質問に対する回答を述べます。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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カルロス・ゴーン事件と国際関係
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●「精密司法」「人質司法」と「ラフ・ジャスティス」
●「取調べの可視化」と「司法取引」
●グローバル系ローファーム
●フランスと米国の動き
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あとがき
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■ からかわれた選挙候補者とコメディアン、番組で共演し和解(11月12日付CNN)
サタデー・ナイト・ライブでは、ヒラリー・クリントンなど政治家の著名人を物まねする芸人が現れ、際どいジョークでさんざんからかった挙句、本人が現れて大いに驚く・・というネタをよく見かけます。
このニュースのジョークはアクシデント要素もあり、ちょっと状況が違いますが、通じるものがありますね。こういうところに米国の懐の深さを感じます。
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2 comments on “カルロス・ゴーン事件と国際関係”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
実際に司法に携わり、現場を経験をされていたJDさんならではの分かりやすい解説、ありがとうございます。
想像や憶測を排除して、知るべきところ、比較するべきところが的確に示されていて、とても合理的に今の問題点、着目点が理解できます。
また、日仏米の今後の予測は、慎重ながらも大胆でとても興味深く拝読しました。
外交や国際政治がご専門でありながら、こういった分野にも精通し、現場を直にご存じでおられる。そんな視点から物事を見せてもらえるとは、、、贅沢でしびれますね!
日本と英米における、捜査、起訴、裁判の「プロセスの違い」「それぞれの段階での考え方の違い」。非常に分かりやすかったです。ありがとうございます。
こうして、現場の空気感を含めたお話を聞くと、JDさんが、非現実的な弁護士ドラマを冷めた目でご覧になるのは納得です。
ちなみに、以前ご紹介の『イチケイのカラス』。電子書籍で読みましたが、内幕が丁寧に描かれていて、楽しめました。
こちらのメルマガにも共通しますが、真実・事実を丁寧かつリアルに表現し読者に考えさせるものは、味わいがあり飽きることがありません。
暑いところで奔走されているようですので、くれぐれも体調(お腹?笑)に気をつけてください。応援しております。