2018/09/03 00:00 | 今週の動き | コメント(4)
今週の動き(9/3~9)
真夏のような暑さが続いていましたが、また台風がやってくるとか、どうも異常気象のような感じですね。気候変動が関係しているのでしょうか。トランプは否定していますが・・。
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先週の動き
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8/26(日)
・イランのカルバシアン経済財務相が弾劾決議により失職
・ジンバブエの大統領にムナンガグワ(現職)が就任(ハラレ)
8/27(月)
・トランプ大統領がNAFTA再交渉に関しメキシコとの間で「暫定大筋合意」に達したと発表
・トランプ政権が英国で3月にロシア人の元情報機関員らが神経剤で攻撃された事件への関与を理由にロシアへの新たな制裁を発動
・米ケニア首脳会談(ワシントンDC)
8/28(火)
・トランプ大統領がグーグルの検索結果が偏向していると批判するツイート、フェイスブックとツイッターにも懐疑的なコメント(ワシントンDC)
・カナダのフリーランド外相が訪米、NAFTA再交渉の協議(ワシントンDC)
・中間選挙の予備選(アリゾナ、フロリダ、オクラホマ決選)
・トルコのアルバイラク財務相が米国の制裁はテロと難民危機を生じさせる恐れがあると発言(パリ)
・豪州の首相にスコット・モリソンが就任
・フランスのユロ環境相が辞任
・国連安保理でロヒンギャ問題を協議
8/29(水)
・トランプ大統領の顧問弁護士ドナルド・マクガーンが今秋に退任するとトランプ大統領が発表
・プーチン大統領が年金改革案の修正を発表
・ASEAN経済相会合(シンガポール)
8/30(木)
・米国務省が北朝鮮への米国民の渡航禁止措置を19年8月末まで1年間延長すると発表
・アルゼンチン中銀が政策金利を15%引き上げ(60%)
・RCEP閣僚会合(シンガポール)
8/31(金)
・トランプ政権がNAFTA再交渉に関しメキシコと二国間協定に署名する意思を議会に通知
・日中財務対話(北京)
●NAFTA再交渉における米・メキシコの暫定大筋合意
米国とメキシコは閣僚レベルでNAFTA再交渉協議を続けていましたが、先週、両国は「暫定大筋合意(preliminary agreement in principle)」に達したと発表しました。
合意事項には、現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げるなど、米国が主張していた原産地規則の強化が含まれました。一方、「サンセット条項(5年ごとに協定を更新しなければ自動的に失効する定め)」は含まれず、ここはメキシコの主張が通りました。
なお「為替条項」は、USTRが発表したファクトシートには入っていなかったようですが、その後、ムニューシン財務長官とメキシコのグアハルド経済相が「通貨政策の透明性に関する条項」を合意に含めたという発言をしています。
まだ詳細は分かっていませんが、米国は、3月に合意した韓国とのFTA見直しでも、通貨安誘導の禁止に関する合意(強制力はない)を含めさせました。これから日本との交渉でも同様の主張をしてくると推測されるので、今回の合意内容は大いに気になるところです。
・「トランプ政権の通商政策」(4/2)
トランプ大統領は今回の合意を「米・メキシコ貿易協定」と呼び、カナダはこれに参加するか別の二国間協定を締結するか選ぶことになるとして、NAFTA離脱の可能性を示唆しました。
そして暫定大筋合意の発表の翌日からカナダが米国との協議に復帰しました。もともと米国は8月31日までにカナダとの合意を何としても成立させたいと考えていました。
なぜならメキシコのペニャニエト政権は11月30日で任期終了しますが、それまでに米国が新協定に署名するためには、貿易促進権限(TPA)法(議会が大統領に通商交渉の権限を付与する法律)に基づき、その90日前の8月31日までに議会に通知する必要があったからです。
しかし、カナダとの間では乳製品の貿易と紛争解決手続をめぐり意見の不一致があり(米国は乳製品市場の開放と紛争解決手続の撤廃を主張し、カナダはこれに反対)、交渉は難航が予想されました。
大方の予想どおり、デッドラインの8月31日になっても合意は成立せず、両国は9月5日から協議を再開することで一致しました。直前までトルドー首相とフリーランド外相がかなり前向きな発言をしていたので、もしかしたら・・という期待を抱かせましたが、やはりそう甘いものではありませんでした。
そこで、トランプ政権は議会に対し、メキシコとの二国間協定(あるいはカナダが参加すれば三国間協定)に署名する意向を議会に通知しました。
TPA法は署名の60日前までに協定の全内容の公表を義務付けているため、11月30日に署名するためには9月中に協定文の内容について合意する必要があります。
では最低限、米国とメキシコの二国間協定であればまとまるのか・・といえば、これも簡単な話ではありません。この点を含め、今後の展望について解説します(※メルマガに限定)。
●中間選挙の予備選(アリゾナ、フロリダ)
先週の記事でお伝えしたとおり、アリゾナとフロリダで実施された中間選挙の予備選は、一連の予備選の中で最大の山場といえるほど重要なものでした。
・「中間選挙の予備選(アリゾナ、フロリダ)」(8/27)
結果はいずれも極めて興味深いものでした。以下詳しく述べます。
(アリゾナ)
アリゾナの上院選は、共和党の現職のジェフ・フレークが出馬しないのでその空席を争うことになります。
予備選の結果、共和党の候補はマーサ・マクサリー下院議員、民主党の候補はキルステン・シネマ下院議員になりました。本選は女性の下院議員同士の戦いになります。
共和党のマクサリーは党主流派の支持を受け、保守派のケリー・ワードとジョー・アーパイオを退けました。これは上記記事で述べたとおり順当な結果です。ただマクサリーはトランプと近い関係にあることもアピールしており、主流派とトランプのバランスをとった形です。
民主党のシネマは第三政党「緑の党」のアクティビスト出身で、元々は左派でしたが、アリゾナという保守的な土地柄を意識して中道にシフトしてきた政治家です。42歳と若く、LGBTで、華やかな雰囲気があり、本選で共和党を破れば、一躍民主党のライジング・スターになる素質をもっています。
なお、ジョン・マケインが死去したことでアリゾナの上院議員は現職二人が空席になりましたが、ここは5月までに議席が欠員になれば今回の中間選挙と同じタイミングで補選が実施されるはずでした。
そうなれば民主党にとっては大きなチャンスだったのですが、マケインの死去は8月だったため、アリゾナ州知事(共和党)が指名した人物が後任となり、2020年までの任期を全うすることになりました。
・「ジョン・マケイン上院議員の死去」(8/27)
したがって今回の中間選挙では争われません。なお後任にはいくつか名前が挙がっていますが、マケイン夫人であるシンディ・マケインが有力視されています。
(フロリダ)
まずフロリダの上院選は、民主党の現職のビル・ネルソンに共和党の候補が挑むことになります。
予備選の結果、共和党の候補はリック・スコット州知事になりました。上記記事で述べたとおり順当な結果です。
スコットは極めて強力な候補で、現時点ではネルソンを若干リードしています。民主党が議席を奪われる可能性は大いにあります。
次にフロリダの知事選は、共和党の現職のリック・スコットが上記のとおり上院に鞍替えしたのでその空席を争うことになります。
予備選の結果、共和党の候補はロン・デサンティス下院議員、民主党の候補はアンドリュー・ギラム・タラハシー市長になりました。これはともに驚きの結果でした。
共和党のデサンティスは「ミニ・トランプ」とも言われる熱烈なトランプ支持者で、党主流派が支持していたアダム・パットナム州農業委員を大差で破りました。
デサンティスの選挙広告は強烈でした。こちらの動画、一見の価値があるので視聴をお勧めします。
幼児の娘に対しておもちゃのブロックで「壁」を築くことを促し「Make America Great Again」と読み聞かせます。さらに小さい息子にトランプの著書「The Art of the Deal」を読み聞かせ(「You’re fired!」がお気に入りのパートとのこと)、息子もまた「Make America Great Again」のシャツを着ています。ここまで突き抜けるとすがすがしいというか・・もはやコメディにしか見えませんね(笑)。
当初はベテランのパットナムが優勢だったのですが、このように大胆にトランプ色を前面に出したことがデサンティスには追い風になり、逆転勝利につながりました。「共和党のトランプ党化」を象徴する結果になったといえます。
一方、民主党のギラムはバーニー・サンダース上院議員の支持を受ける急進的なリベラルで、フロリダ州知事としては初のアフリカ系候補です。
ギラムはグウェン・グラム元下院議員を僅差で破りましたが、グラムは州知事や上院議員を務めた有名政治家ボブ・グラムの娘で、本命候補でした。フロリダのような規模が大きく多様性のある州で、かつ知事選という全州を対象とする選挙で、急進左派が主流派を破ることは予想し難く、衝撃的な番狂わせだったといえます。
このように、フロリダ知事の予備選は、ともに予想外の勝利をおさめた「トランプ主義者」対「サンダース主義者」という、両極端な候補が争う異色の対決になりました。
トランプの信任投票という意味でも、サンダース旋風の勢いを推し量る上でも、2020年大統領選を見通す上でも、非常に意義深い選挙になります。しかもいずれも際どいタイプで、まったく勝敗が読めません。
早速デサンティスはTVインタビューでギラムを批判する際に「monkey this up」という人種差別ととられる表現を使い(「台無しにする」という意味のフレーズだが「monkey」はアフリカ系に対する差別を示唆する言葉で普通は使わない)、物議をかもしました。またギラムは大統領の弾劾を主張しています。色々な意味でここは目が離せず、エキサイティングな戦いになりそうです。
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今週の動き
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9/3(月)
・中国・アフリカ協力フォーラム(北京、〜4日)
・太平洋諸島フォーラム(ナウル、〜6日)
9/4(火)
・連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノーの指名公聴会
・中間選挙の予備選(マサチューセッツ)
・アフガニスタン和平会議(モスクワ)
9/5(水)
・米国とカナダがNAFTA再交渉の協議を再開
9/6(木)
・通商法301条に基づく中国製品(6031品目、2000億ドル相当額)への追加関税に関するパブリックコメントの提出期限
・米印外務・防衛閣僚級協議「2+2」(デリー)
・中間選挙の予備選(デラウェア)
9/7(金)
・トルコのエルドアン大統領がイラン訪問、トルコ・イラン・ロシア首脳会談(未発表)
・ユーロ財務相会合(ウィーン)
9/9(日)
・北朝鮮建国70周年式典(平壌)、習近平国家主席が出席(未発表)
・ロシア統一地方選挙
・スウェーデン総選挙
●トランプ政権の対中関税第3弾
トランプ政権は中国への制裁関税第3弾として2000億ドル相当額の中国製品への追加関税を検討していますが、9月6日にパブリックコメントが締め切られます。その後、今月中に発動される可能性があることは以下の記事で指摘したとおりです。
・「米中通商協議と追加関税発動、ポンペオ訪朝の中止」(8/27)
●エルドアンのイラン訪問とトルコ・イラン・ロシア首脳会談の可能性
報道によればエルドアン大統領がイランを訪問しロシアも含めて3か国で首脳会談を開催するとのこと。公式発表がないので分かりませんが、実現すればトルコと米国の関係の悪化に対する決定的なダメ押しになります。この点について解説します(※メルマガに限定)。
●習近平の初訪朝の可能性
習近平国家主席が北朝鮮建国70周年式典に出席する可能性があると報道されています。実現すれば習近平の初訪朝になりますが、公式発表がないのでどうなるかは分かりません。
北朝鮮の非核化問題は、以下の記事で述べたとおり米中の「貿易戦争」とリンクしています。「貿易戦争」の出口が見えない中で習近平がどう動くか気になるところです。
・「米中通商協議と追加関税発動、ポンペオ訪朝の中止」(8/27)
●スウェーデン総選挙
スウェーデンで総選挙が予定されています。
前回14年の総選挙では、それまで2期8年にわたり政権を務めた中道右派連合が敗北し、社民党と環境党による少数左派政権が成立。社民党党首であるステファン・ロベーンが首相に就任し、現在に続いています。
またこのときの選挙では、以下の記事で述べたとおり、移民規制強化を主張するポピュリスト・極右政党である「スウェーデン民主党」が第3党に躍進しています。
・「ポピュリズムとは(1):欧州の現状」(3/14)
現在、スウェーデン民主党と極左政党である「左翼党」が支持を伸ばし、中道左派の社民党と右派の穏健党の求心力が低下しているといわれています。結果を見てから解説します。
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あとがき
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先週の4日間、NHKで深夜前の5分間に流れた「筋肉体操」・・話題になっているようですね。
出てくる人がすごい。筋トレ指導者は良いとして(大学教授とのこと)、実践者の3人がスウェーデン生まれで日本に帰化した庭師(以前ネットで話題になっていた人)、弁護士(?)、そして武田真治・・何も言わずに5分で淡々とメニューをこなす。何かシュールな映像です。
武田真治は自宅にベンチプレスセットを置いているほど筋トレ好きで有名ですね。身長165センチ、体重56キロでマックス110キロを上げるという。私もかつて100キロまで上げたことがありますが、武田さんよりは一回り身長も体重も上なので、これがどれだけすごいことか分かります。
わずか5分間の映像ですが、私も週末の筋トレ以外に毎朝軽くスクワットとストレッチをやっているので、大いに参考になりました。
この映像には及びませんが、よろしければこちらもご覧ください。
・「忙しい人向けのトレーニング・フィットネス」(17/9/15)
なお、以前には武田真治ばり(?)の写真を載せていましたが、諸般の事情により取りやめました・・すみません(苦笑)。希望者には別途配信する・・かもしれません(笑)。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
4 comments on “今週の動き(9/3~9)”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
トランプ党とサンダース党の台頭・・
予測は難しくなかった・・
何れも・・共和党と民主党を変貌させる要素・・
親トランプか反トランプかで・・党の垣根を取り崩してしまう・・
その激突が次期大統領選挙・・
民主党はサンダースが出る可能性は高い・・
米国の囚人トレーニングが人気呼んでますね・・
あの環境だから・・自分の体重を使い・・ひたすら筋肉を鍛えざるをえない・・
追いつめられ・・自分を解放強化する・・
その影響とは言いませんが・・通っているスポクラでもスクワットする若い女性が目立つ様になりましたね。
追突された後遺症も収まったので・・宅配便の野菜ジュース箱・重いですよと警告されたのに・受け取って数メートル運んだ。久しぶりに気持ち良かった。良かったが・・翌日から腰痛・・又二週間休み。ガラスの腰と分かった・・・
( ^ω^)
NAFTAに関する米国議会の承認プロセスから、NAFTA離脱についての米国内での議論まで、丁寧な解説をありがとうございます。
先日の、メキシコ現代史と見事にリンクしていますが、そこまで先を見通してメルマガの記事を構成されているのでしょうか?
メルマガ全体のストーリー展開が完璧すぎです!こういう部分も含めた、アウトプットのコツも伺いたいものです。
それにしても、JDさんのライフハック的な記事が、動きの激しい世界情勢のせいで少ないですね。紙面に限りもあることですし、トレーニングや英語の続編は動画配信にされたら・・・(笑)
安易な予断は禁物。緻密な分析の積み重ねが肝要です。
スクワットは、しんどい上にベンチプレスと比べると効果が分かりにくいので敬遠する人もいますが、大きな筋肉が鍛えられ、代謝も上がるので大事ですね。デッドリフトもお勧めです。基本はベンチ、デッドリフト、スクワットの3点セットで。
ただ、腰を痛めるのはいけないので、そこはお大事にしてください。
緻密な分析の積み重ね・・
それはJDさんに任せておきます。
こっちはヒューリステックで・・かって飛び・・・
ベルトを締め・・引き締まったお尻を突き出して・・スクワットしている女性・・
実に健康的なお色気がある・・
スパルタでは女性も全裸で運動・・スパルタの尻蹴り運動が名高い・・
飛びあがって・・足の裏で自分のお尻を蹴る・・スパルタ特有の女性の運動・・
この運動で鍛えられたスパルタ女性のお尻は魅力的だった。
今度タイムマシンで見物に行きましょうか・・・
( ^ω^)