2016/07/05 00:00 | 欧州 | コメント(4)
BREXITと総選挙
■英独立党党首、辞任を表明(7月4日付ロイター)
ボリス・ジョンソンの不出馬に続いて、今度はUKIP党首のナイジェル・ファラージが辞任。「BOREXIT」に続いて「FARAGEXIT」でしょうか・・・もう、本当にどうしようもないですね(笑)。
離脱派が無責任な行動に出る一方、残された議員たちが取り組まなければならないのは、現実的可能性のある離脱の実現。これは大変な難行です。しっかりした議員が一生懸命やらないとうまくいきません。
結果として、まともな感覚をもって残留を主張してきた議員たちができるだけダメージの少ない離脱を目指して一生懸命頑張るという、何とも逆説的な事態になります。
その一人が党首選の最有力候補であるテリーザ・メイ内相。
軽率なデービッド・キャメロン、まじめに働かなかったジェレミー・コービン、無責任なボリス・ジョンソン、ナイジェル・ファラージュら離脱派、空気を読めないジョージ・オズボーン・・・有力政治家がそろって株を下げる中で、かなりまともといえる政治家です。
こういう人が離脱に向かって突き進むのが、ギリシャ悲劇ならぬシェークスピア悲劇とでもいえるでしょうか。
本当にこのまま離脱するのかなと、端から見ると疑問を感じるかもしれませんが、現実はかくのごとしであり、現地の友人から聞く限りでは、現時点において、英国内で再検討という雰囲気はまったくないようです。
こんな状態では、再検討という禁じ手にもっていくタイミングやモメンタムは生まれない、ということになるのでしょう。
とはいえ、英国からEUに離脱の通告をするのは、早くとも党首が決まる9月以降、下手したらその先までずっと延ばされる可能性もあります。これは、不安定な状態がそのまま続くというリスクと、何か予期せぬ事態が起こって再検討の機運が高まるチャンスと両方を含みます。
「英国の後悔」で述べたとおり、ここで鍵を握るのは時間です。仮に再検討があり得るとすれば、再度の国民投票のみならず、総選挙という選択肢も考えられます。
「EU離脱の是非」をシングル・イシューとする下院選挙を行って、残留派が過半数を占める結果となれば、民意を反映した結果として残留を選ぶ、というロジックが正当性をもちます。
しかし、ここで問題になるのが、「11年議会任期固定法(Fixed-term Parliaments Act 2011)」です。 これは英国の首相から解散権を奪った法律です。実は英国では11年から解散権が認められていないのです。
議院内閣制の下で内閣総理大臣に解散権がないということがあるのか・・・と疑問に思うかもしれませんが、憲法理論上は、内閣総理大臣に解散権を認めるタイプ(均衡重視型)と認めないタイプ(責任重視型)の両方があります。
英国は、もともとは日本と同じ均衡タイプだったのに、解散権の濫用によって議会が不安定になることを懸念して、責任タイプに切り替えたのです。
下院選挙は15年5月に実施されていますから、その5年後の20年になります。
もっとも、議会任期固定法は、自主解散(下院の3分の2の賛成)または不信任決議案があった場合の解散を認めています。また、法改正を追求することも不可能ではありません。
ただ、いずれもすぐに実行というわけにはいきません。時間が必要になります。最初に述べたとおり、現時点においては再検討の可能性はほぼゼロです。しかし、メディアはなぜか総選挙の可能性だけはしばしば取り上げます。
その場合、上記の事情により、総選挙は10月後半になる、という見方が有力のようです。そういうわけで、今の宙ぶらりんの状態は早くとも9月、もしかしたら10月までズルズルと引き延ばされる、ということになります。
困ったものですね・・・(苦笑)。
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4 comments on “BREXITと総選挙”
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勇ましい方・・
独立に燃える野心家・・
少し・・説明して下さい・・・(笑
造語時代みたいだから、かってに作ってみましたが
中英帝国をつくるのかと思っていましたが、離脱派は霧散とは
ボリスはトルコに帰る気ですかね
それとも橋本さんみたいにタレント業かな
日本におけるイギリス エリートのイメージは明治時代で
止まっていたようですね(笑)
男性優位社会で駆け引き、虚言にうつつを抜かして馬脚を現し、「BOREXIT」&「FARAGEXIT」。
こういう時の強さは女性特有のもの?
単純に、ジャンヌダルクを連想しますね。
これ以上は自分の手に負えず、逃げ出しただけですが、1万歩下がれば有権者に対して誠実かも…(苦笑)。
某国、某党、過去のキングメーカーは政党要件の5人確保で一息ついたようですが、メークされた出鱈目キング二人は、との比較からです…。