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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/06/29 00:00  | 欧州 |  コメント(8)

英国の後悔(REGREXIT)


BREXITの嵐がやまないので簡単にコメントします。

マーケットに対する影響は、少なくともアジアについてはおおむね落ち着いているようです。このへんは今までの記事で書いているとおりですし、ぐっちーさんも詳しく書かれているのでお任せしましょう。まあ、「リーマン級」という表現は明らかにミスリーディングですよね。

問題は混迷を極める英国の政局。

「regret」(後悔)とかけた「REGREXIT」という言葉が飛び交っていますが、離脱派の最大の実力者であり、次期首相の最有力候補といわれるボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、離脱の結果を予測しておらず、衝撃を受けているとの噂。ナイジェル・ファラージUKIP党首も公約を訂正するなど、離脱派の無責任があらわになっている状態です。

議会に審議を求める請願も200万人に上り、10万人の要件を軽くクリア。もともと残留派が国民の半分を占めているわけですから、まあ当然でしょうね。

離脱がもたらす惨事を目の当たりにし、国民の大半が反対する中、EUとの間で複雑を極める交渉を数年にわたり続ける・・・こんな難題を引き受けてまで首相になりたい政治家が果たしているのか・・・そんな疑問もわいてきます。

こうなると、本当に再検討の可能性が出てくるのかもしれません。その可能性は極めて低いですが、そもそも国民投票に法的拘束力はないので、議会の投票で決することは法的に不可能ではありません。

最大の問題は、当然のことながら、民意を無視する結果になることです。しかし、ここにきて、離脱派の実力者たちが実は本気ではなかったという疑いが出てきたわけです。これが民意に大きな影響を与えることは間違いありません。

国民投票をひっくり返すという禁じ手があり得るとすれば、鍵を握るのはおそらく時間でしょう。ズルズルと判断を先延ばしにして、時間をかければ可能性はゼロではない予感がします。だからこそ、英国がどういうタイミングでEUとの交渉に入り、また離脱を通告するのかが注目されます。

それにしてもキャメロン首相そして残留のために真剣に論陣をはらなかった労働党のコービン党首には凄まじい批判が寄せられています・・軽はずみな政治が国を滅ぼした例として後世に引用されないことを祈るのみです。

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8 comments on “英国の後悔(REGREXIT)
  1. ペルドン より:
    急に・・メルケル首相・・

    強きになって・・
    出てきましたね・・
    『良いとこどりはさせない』

    そりゃ・・そうでしょう・・これを許せば・・ギリシャだって・・食い逃げしかねない・・
    負債は・・ドイツとなりかねない。

    フランスだって・・次の大統領選挙次第で・・消えている可能性もある・・
    残されたのは・・
    百万を超す難民と・・天文学的借金・・
    七つの命があっても・・ドイツは生きていけない・・
    メルケル・・モスクワに亡命となりかねない・・・(笑

  2. 空の財布 より:
    ナイジェル・ファラージュUKIP党首

    だったと思うのですが、投票締め切り直後に「離脱派の敗北」と喋っている映像をNHKTVニュースで見て、奇異に感じてました。
    <本気じゃなかったの♪>
    <ええ~!?!?!?>
    <ええ加減にせいや~!!!>

    (写真のほうはパソコンで「インド出張」以外は見れるようになってます。)

  3. nanashi より:
    今更遅い気がするが…。

    どうもです。ただこれすんなり再投票というところまではいかないんじゃないですかね…?今回の問題の根本にある、そして他国でも同様の訴えが強まっていると言うのはEUそのものに対する強烈な不信感があるから、簡単に結論は出ないかと思われます。現地に住んでる日本人の意見を見ているとこれはそう簡単に済むような話ではなく長年移民の増加による住環境の悪化や福祉等の劣化、さらにEUの規制による問題解決の困難さ、などが複雑に絡み合っているのでそう簡単に再投票と言う訳にはならないかと思われます。しかし国家が分裂してしまうってホント恐ろしい事ですなあ…。

  4. カマキリマン より:
    Brexitが悪者みたいに言われますが・・・

    いきつくところ、

    ・EUって何のために存在してるの?
    ・その戦略目標は何なの?目標達成ためにしなければならない最優先課題は何なの?

    っていう問いかけに対する答えの不明瞭さに問題があるように思えてなりません。

    関税同盟と通貨同盟がセットにならなければならない必然性なんてないはずですし、
    関税同盟と内政的統合(ごく部分的とはいえ)をセットにしなければいけない必然性もないはずです。
    そして最も重要な部分、軍事同盟についての話をおざなりにしたまま、政治同盟を気取るというのもおかしな話です。

    関税同盟として安定し、軍事同盟として安定する。
    それこそが統合の土台であり第一歩であるはずのところ、
    不安定な土台の上に通貨と内政の統合を急ぐというのは
    戦略的行動というよりは現実逃避に思えて仕方がありません。
    欧州だけの軍事同盟を実現できないことの代償行為とでも申しましょうか。

    巷間、英国が悪者のように言われていますが、EUという空想に対して「仲良しごっこをしてみせたところで、現実には軍事同盟にすらなれないのがキミたちEUだよね?」という現実をつきつけたのが今回の英国だった・・・というようにも思えます。

  5. JFKD より:
    ボリスでいいのでは

    予想していなかったので衝撃を受けているのなら、適役ですよ。面構えもファイターなので、セシル・ローズ、チャーチルタイプであることを祈りたいですね。正直に反省の弁を述べ、出すものは出し入れるものは入れ、実質現状と変わらない立場をとれば、それならとEUも戻してくれるかもしれません。(笑)ただEUに見切りをつけることが正しかった、という方に私は賭けたいです。オプションあったら買いたい。

  6. 空の財布 より:
    英国はEUに残留する、に賭ける…(笑)

    昨晩、英国在住著名女性ディーラーの話をネット聴講しましたが、私は再国民投票に賭けます。

    (掲載写真はすべて見れるようになりました。)

  7. 下北のねこ より:
    池に落ちたブルドッグ

    終わってみれば、これくらい、事前にどうなったらどうなるか予測され、公表されていたリスクも珍しい気がします。
    ソロスやバーニーはいても、ぐっちーさんやJDさんのように噛み砕いてわかりやすくかつインパクトがある心に響く説明をする人が残留派にいなかったんでしょうね。

    確かに、国民投票を実施したキャメロン首相に一番の責任はあるんでしょうが、個人的にはあまり責める気にならないんです。
    この人って、最後の大勝負に負けた不敗のギャンブラーに見えます。日本に生まれていれば、ぐっちーさんやかんべえさん、わかんないけどオバセキさんと仲良くなってた種類の方だと思います。
    頭が良くって、ギャンブル好きで勝負度胸があって、ちょっと軽佻浮薄。間違いなく魅力的な方でしょう。
    切り札を出すタイミングはベストで、離脱可能性をちらつかせてEUからはイギリスに有利な条件をどんどん釣り上げて引き出す。ポーカーなんかとっても上手いんだろうなあって感じます。
    ただ最後の勝負では離脱の恐怖感ばっかり煽って、どれだけ、歴代のイギリス政府やキャメロン首相が勝ち取ってきた条件が超特権的にむちゃくちゃ恵まれた好条件なのか伝わらなかったのが痛いです。
    結局、国民投票に負けたことでイギリスはそれを全て失って、イギリスの特権的な扱いを我慢してきた他の国々から池に落ちた犬のような扱いを受ける羽目になってしまって見ていて痛々しいです。

    だけど離脱派の政治家連中、マジで限度を超えた無責任です。ヽ( )`ε´( )ノ
    イギリス独立党、公約は絵に描いた餅で目標の結果を手に入れたら引っ込める。最近、こういう類の日本でもありますね。
    オリンピックを勝ち取ったら用済みにしたザハ・ハディドさんデザインの新国立競技場案や、リストラしないと言って手に入れたシャープの経営権(まだリストラ案はアドバルーンで反応を見ている段階でしょうけど)。
    こういうの醜さばかり感じます。

    ボリス・ジョンソンさん、後任首相にならないって言ってるそうですが、ふざけるな(=`(∞)´=)ブヒ~です。
    東京には早稲田大学の隣にバカ田大学があるそうですが、この人どこの大学出だか知らないけど、ケンブリッジじゃなくグ(愚)ブリッジ、オックスフォードじゃなくチキンフォードみたいなとこでノブレス・オブリージュとは正反対の無責任さを身につけたとしか考えられません。
    乗ってる船がやばくなったら真っ先に逃げ出す、まるで韓国セウォル号の船長です。
    EUという護送船団を離脱して単独航海するのに、こんな船長じゃ堪ったものではないです。
    これじゃあ、国民はシリア発の難民船に乗るようなものです。

    イギリス政府は恥を忍んでも離脱が完全に確定する前に再投票をやったほうがいいと思います。離脱派の公約そのものが嘘だったんだもん。
    このままじゃあ、間違いなく大きな禍根を残します。

  8. 空の財布 より:
    ひとつ、ふたつ…

    アメリカは候補者ですが、イギリスは国会議員、特に政党幹部のデタラメさが露わになり、所詮この程度か、と、変に安心しますな…我が国の首相経験者のデタラメさのほうがやはり酷いか…(苦笑)

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