2015/05/13 00:00 | 欧州 | コメント(8)
英国総選挙
■ 英総選挙、保守党が実質過半数獲得 スコットランド民族党も躍進(5月8日付ロイター記事)
遅れましたが、英国総選挙、保守党の圧勝という予想外の結果に終わりました。その理由については、保守党の経済政策が概ね支持を得られた、労働党とスコットランド国民党(SNP)の協力可能性に有権者が危機感をもった、労働党の地盤だったスコットランドの票をSNPに奪われたなど、既に色々と論じられているとおりですが、これらに加えて私が感じたのは、労働党のミリバンド党首の選挙パフォーマンスの稚拙さです。
もともとミリバンドは、キャメロン首相以上に人気がない政治家でしたが、今回の選挙戦においては、モーゼの十戒のごとく、巨大な石版に公約を刻み込み、首相に就任した際には公邸の庭に建てるという珍妙なパフォーマンスを行い、失笑を買いました。保守党も、精彩を欠くミリバンドにつけこみ、キャメロンとミリバンドを比較するという選挙戦術をとりました。
労働党の公約は、社会的弱者の救済に重点を置いていますが、バラマキによって国民の支持を得ようとする非現実的な政策であるという批判を浴びています。ミリバンドの振る舞いは、そのポピュリズムの印象をさらに強めるものであり、有権者に底の浅さを感じさせたのではないかと思います。
保守党はEUからの離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票を17年末までに行うことを公約として掲げていました。公約どおりキャメロン首相は国民投票を行う可能性があります。国民投票では残留の結論が出ることを見越しつつ、これをもってEUとの交渉を有利に進める狙いがあります。
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8 comments on “英国総選挙”
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充実の記事をありがとうございます。
とくに素人には文句のつけようがなく、、、
とにかく楽しみに拝見しています。
リー回顧録を図書館で借りれましたが、いろんな意味でなかなか重いですね。
あの経験をしても親日って、、、逆に感情を完全に殺せる冷徹さを感じました。
これまでぐっちーさんと一緒にお仕事されているなかで
一番驚かれたこと・感心したことを聞いてみたいです。
労働党敗退の原因・・十戒にあった・・
としても・・
ドウシテ・・英国の老獪なマスコミ・調査機関・・
あれ程・・見事に外したのか・・よく判らない・・
初心に帰って・・失敗したのかな・・・?(笑
いつも更新楽しみにしています。
勝手ながら要望があります。もう既にやられていたら申し訳ありません。
時と場合によりますが、同じ時期にぐっちーさんと同じような内容ではなく、違う内容(地域)の記事を上げて頂けると嬉しいです。
私としてはJDさんとぐっちーさんの記事を両方を見ていて、両者が同時期に同じ出来事に関する記事を書いていたら、それはそれでその筋の方々にとっては重要なことなんだろうなと思います。ただ、それでは同じことを2回読む身として少々つまらないとも感じてしまいます。なので、同時期でかつ強い理由がないのであれば、ぐっちーさんの記事をかぶらないものを書いて頂けると嬉しいです。
これからもJDさんの記事を楽しみにしております。
ありがとうございます。
リー・クアンユーは、「親日」とはちょっと違うかもしれませんね。日本人の能力やシステムを評価していたのは確かですが(回顧録でも見てとれます)、記事で書いたとおり、なにごとも合理性を判断基準とする人ですから、それ以上の思い入れはなかったのではないかなと思います。おそらく、なにごとにもattachmentをもたない人なのでしょう。マハティールのような情念の人とは違いますね。。
ぐっちーさんのエピソードについて了解しました。笑
ポーランドの大統領選も予想を裏切る結果でしたね。
美人候補は予想を裏切ってはくれませんでしたが・・・笑
ありがとうございます。
了解しました。ぐっちーさんとは基本的にかぶらないと思いますが、注意してみます。
またご要望をお聞かせください。よろしくお願いします。
そうですね、好き嫌いは持たないのでしょうね。
ただ、チャンギ空港の案内板に日本語も採用されているのには感激しました。
公用語らしい(?)タミル語すら入ってないのに。。
エピソードはふと思い出したときにでもよろしくお願いします。
チャンギ空港の便利さは感動ものですね。
飛行機から出てあっという間にタクシー乗り場。
「ハブ」としての機能に最大の力点を置く国ですから、当然の配慮ではありますが、あれだけ十分なキャパシティで動いているのに、さらに拡張しようとするのがシンガポールの凄いところだと思います。
ちなみにシンガポール国民は大変親日的ですね。
どこぞの国のように反日教育を行うことがなければ、当然そうなるのだろうとは思いますが。。