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2016/07/01 00:00  | 米国 |  コメント(7)

米国大統領選の注目点①:激戦州


ジョンソン前ロンドン市長、英保守党党首選への不出馬表明(6月30日付ロイター)

英国の政局、カオスですね。「英国の後悔(REGREXIT)」で述べた展開が現実味を帯びてくるような気もします(苦笑)。

結局、保守党の党首選に出馬したのは、残留派からテリーザ・メイ内相、スティーブン・クラブ雇用・年金相、離脱派からマイケル・ゴーブ司法相、リアム・フォックス元国防相、アンドレア・レッドサム・エネルギー担当閣外相の計5名。

一方、6月26日のスペインの総選挙では、反EU派である急進左派政党ポデモスが前回の議席とほぼ変わらず、伸び悩む結果となりました。

BREXITが、まさにREGREXITとなり、安易な反グローバル路線をとることの危険性を認識させる結果となったようです。

まだ現時点では何とも言えませんが、ルビコン川をわたってしまったBREXITにも意外な荒療治の効果があったのかもしれません。それでも英国、欧州が払う代償は大きいわけですが。BREXITについてはまた来週取り上げます。

さて、本題。

今回から、米大統領選を見る上での基本的なポイントを説明したいと思います。

ドナルド・トランプヒラリー・クリントンという戦いとなった今年の大統領選。色々な意味で前例がなく、かつてなくユニークな選挙になると言われています。それだけに、伝統的な分析が通用せず、予測の困難が予想されます。

とはいえ、基本をおさえることは大事です。いかに異例の選挙戦といっても、選挙制度の枠組みは変わりません。個人の属性を超えて勝負が決まる部分がかなり大きいのは事実です。

予備選のとき解説したように(「序盤戦のポイント」)、まずは伝統的な分析手法をおさえて、その上で今回の選挙戦の特殊性を見極める、こうした思考の枠組みが王道ということになります。

ということで、まずは大統領選の基本から入ります。

まず、大統領選本選は、予備選とは異なり、すべての州において勝者総取り方式(winner-takes-all)となります。

したがって、ある州において、一票でも多く獲った方がすべてを手にし、負けた方は何も得られないということになります。オール・オア・ナッシングのシステムです。

次に、大統領選本選では、予備選以上に州の党派性が顕著に現れます。

どういうことかといえば、これまでの歴史を見れば、民主党が勝ち続ける州(ブルー・ステート)と共和党が勝ち続ける州(レッド・ステート)がはっきり分かります。よほどのことがない限り、ブルー・ステートで共和党が勝つことはできず、逆にレッド・ステートで民主党が勝つことはできません。ここではすでに勝負が決まっているのです。

以上を考慮すると、必然的に合理的と考えられる選挙戦略は、共和党と民主党どちらを支持するか分からない州に全力を投入する、ということになります。この勝敗が分からない州を、「激戦州」(スイング・ステート、バトル・グラウンド)と呼びます。

この激戦州の動向を押さえることが、大統領選では基本中の基本です。最も重要なポイントといっても過言ではありません。これを知らずして、全国の世論調査ではトランプが優勢とか、その差は何%だといってもほとんど意味がないのです。

メディアがこういう数字をことさらに取り上げるのは盛り上げるためです。その数字が本当に意味のあるものになるかどうかは読み手の知性次第です。

ということで、まずは激戦州がどこなのか、次にその州で勝つためにどのような戦術が考えられるか、これを押さえることが必須となります。

この点について次回以降解説したいと思います。

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7 comments on “米国大統領選の注目点①:激戦州
  1. ペルドン より:
    英&米・・選挙

    党首選挙・・
    背中刺されたジョンソン・・
    さて・・
    キャメロン首相のお手並み拝見・・

    大統領選・・
    まだまだの話・・
    オール・オア・ナッシング方式の怖さ・・

    ヒラリーの健康状態・・気になるな・・
    サンダース・・マラソンで鍛えているが・・
    ヒラリー・・ブヨブヨ・・終盤までもつか・・懸念がある・・

    選挙分析は・・本選挙が始まってから・・
    オバマ・・トランプにソフト攻撃に変身・・今までが品悪すぎた・・
    国務省50名の反乱・・こたえたかな・?・・・(笑

  2. パードゥン より:
    ルビコン橋? 日本で大統領候補論戦を

     ローマ帝国歴史家のベルドンさんが、つっこまなかったが、ルビコン川?
    橋がなくても渡れる川幅のようですが   シーザーの頃は橋はなかった?

     前も書きましたが、日本で”ヒラリー対トランプのTV討論会”を
    開催しましょうよ。    1億円ずつくらいギャラ払えば来てくれる
    本戦選挙費用がいくらでもほしいみたい(笑)
    ヒラリーが中国からもらったりすると困るし(笑)

     立替ようかと思ったが、今、少し足りないので、内閣官房費で御願い(笑)

  3. JDKD より:
    情けないジョンソン

    口ほどでもない、外見ほどでもない、ジョンソンにがっかり。反省の色ありありか。だからこそEUとの交渉をやればよいのに。国民投票の後、残留派の首相が交渉するのはしっくりこない。EUも交渉相手として戸惑うのではないか。
    ジョンソンも、トランプも、遠吠えではなく、射殺されるのを恐れず、ユダ金と堂々と戦え(笑)。その点、サンダースは健闘したのだろうが、まさかマラソンで復活する?。でも二人とも高齢で大丈夫なの?

  4. JD より:
    パードゥンさん

    ご指摘ありがとうございます。すみません、誤字です笑。直しておきます。

  5. パードゥン より:
    クリントンから事情聴取=立件可否判断か―米FBI

     ベルドンさん、お待ちかねのメール聴取が7月2日にありましたね
    国務省は既に省内規定違反としていますから、FBIとして国家機密違反と
    なって、しかも対象相手が中国とか自由主義圏以外となると厳しいですね

     民主党大会で、副大統領候補が大統領候補に昇格なんて可能なんですか?

     ところで、日本の政治家はセキュリティーなんて気にしてないんでしょね
    一般メールを議員も高級官僚も使用してるのですか? JDさん

  6. ペルドン より:
    パードゥンさん

    先日・・ビルとリーンが空港の滑走路上て・・機内か否かは不明・・ビルが会いに行って・・30分程度・・話した。
    単なる・・セイハローだったと・・司法長官は弁明している。

    法曹関係者は・・異口同音・・駆け出しでさえ犯さないミスと非難・・
    Eメール問題捜査の責任者が・・ビル・ヒラリー財団の調査もある・・
    司法長官が私用で会うなんて・・中立性に疑念を起こさせる行動・・

    今度のFBIヒラリー聴取も・・既に起訴はないとリークされている・・

    ベンガジは再選を狙ったオバマの致命的なミス・・当然OKしたヒラリー国務長官も・・連帯責任がある・・という見解がある。調査委員会の一部的な発表も・・完全発表とは言えない・・と看做されている。
    とすれば・・
    オバマはヒラリーをガードせざるを得ない雰囲気も出る。

    真相が別にあるとすれば・・トランプの大統領就任以外ないだろう。
    無いだろうが・・それは無いと言う強い判断もある・・・(笑い

  7. パードゥン より:
    ベンガシが問題なら、日本のヴァングラも

     ベルドン解説員のお話だと
    メールというよりも、ベンガジの米領事からのセキュリティ要請にも
    かかわらずクリントン国務相が拒否して殺された件ですか?
    それだと、オバマが米軍最高司令官をやりたがらないのが問題の本質?

     日本のヴァングラディシュも既に一人殺されていたのに、一般犯罪扱いで
    セキュリティー強化をしてこなかった、日本大使館の問題になってしまう
    のではありませんか?  グッチーのソフトバンク、JDのアジアテロ
    ともにブログで扱いにくい話のようで困りましたね

      

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