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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/03/13 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(3/12~18)全人代、イラン・サウジの外交正常化、ロシアのウクライナ侵攻、ノルドストリーム破壊疑惑、トルコ大統領選、韓国元徴用工解決策


3・11から12年目を迎え、メディアやネットでも沢山の特番が組まれていました。私もずいぶん見て、当時のことに思いを馳せました。ぐっちーさんが岩手県の紫波町で震災復興のために力を尽くしていたことも思い出します。

紫波町には、かんべえさんも先週ご訪問されたとのこと。私も、ぐっちーさんやはまちゃんと一緒に紫波町に行って、ぐっちーさんの「俺たちは飲んで騒いで盛り上げて、お金を使って、それで復興に貢献するんだ!」という言葉を真に受けながら(笑)、お酒とご飯を楽しんだことを思い出しました。今でもこのぐっちーさんの言葉は心に残っています。

WBCは、日本代表が期待どおりの快進撃を見せてくれていますが、東北出身の大谷、佐々木の両選手が大活躍。さらに宇田川、中野の両選手も大学時代は仙台のリーグでプレーしていたのですね。ちょうど3・11に試合を迎えたことにも運命めいたものを感じました。今週の準々決勝も楽しみです。

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先週の動き
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3/5(日)
・バイデン大統領が黒人弾圧の「血の日曜日事件」58年に関する演説(アラバマ州セルマ)
・中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議(北京、~13日)
・エストニア議会選挙(与党・改革党が圧勝)

3/6(月)
・トルコの野党連合がCHPのクリチダルオール党首を大統領選の統一候補に決定
・IAEA理事会(ウィーン、~10日)
・ベラルーシのミンスクの裁判所が反体制派指導者のチハノフスカヤに対し反逆罪等で懲役15年の判決
・韓国の朴振外相が元徴用工問題の解決策を発表
・日本の経産省が韓国への輸出管理の緩和に向けて協議を始めると発表(韓国はWTOの紛争解決手続きを中断すると発表)

3/7(火)
・米ホワイトハウスがTikTokの国内利用を禁じる超党派の法案への支持を表明
・米上院の超党派の議員団が情報通信技術にリスクをもたらす安全保障上の脅威の出現を制限する法案(RESTRICT法案)を上院に提出
・オースティン国防長官がイラクを電撃訪問
・EU非公式国防相会合(ストックホルム、~8日)
・ベラルーシのルカシェンコ大統領がウクライナの特殊部隊のメンバーや協力者ら20人以上をミンスク郊外のマチュリシチ空軍基地で破壊工作を図ったことを理由に拘束したと発言
・ジョージアで外国エージェント法案に対する大規模な抗議デモ
・フランス全土で年金改革に反対する大規模スト

3/8(水)
・国連のグテーレス事務総長がキーウを訪問
・米上院情報委員会が世界的な脅威に関する報告書の公表を受けて公聴会を開催(ヘインズ国家情報長官、バーンズCIA長官らが証言)
・韓国与党「国民の力」の代表選(金起●(キム・ギヒョン)議員が選出)

3/9(木)
・バイデン大統領が24会計年度(23年10月~24年9月)の予算教書を公表
・オースティン国防長官とイスラエルのネタニヤフ首相が会談(テルアビブ)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルで攻撃
・ウクライナのザポリージャ原子力発電所がロシア軍のミサイル攻撃を受け外部電源から切り離されたとエネルゴアトムが発表
・ロシア・サウジ外相会談(モスクワ)
・ジョージアの与党「ジョージアの夢」が外国エージェント法案を取り下げ
・北朝鮮が南浦付近から黄海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表
・マレーシアのムヒディン元首相が新型コロナウイルス対策に関する汚職容疑で逮捕

3/10(金)
・米・EU首脳会談(ワシントンDC)
・米下院歳入委員会が予算教書の公表を受けて公聴会を開催(イエレン財務長官が証言)
・イランとサウジが2か月以内に国交を正常化すると両国の国営メディアが発表
・英仏首脳会談(パリ)
・豪印首脳会談(デリー)
・ジョージアの議会が外国エージェント法案を否決

●全人代

中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が開幕しました。李克強首相が政府活動報告を行い、22年の活動を総括した後、23年の主要経済目標や重点取り組みを発表しました。

そして、習近平国家主席(党総書記)が満票で再び国家主席に選出されました。他のメンバーも、李強政治局常務委員(党序列2位)が国務院総理(首相)に選出されるなど、昨年の中国共産党大会のときに予想されたとおりに決まりました(「※」が今回決定されたポジション、「*」は常務委員以外)。

1 習近平(シー・ジンピン)(69) 国家主席
2 李強(リー・チャン)(63) 国務院総理※ ← 上海市党委書紀
3 趙楽際(ジャオ・ルォージー)(66) 全人代常務委員長※ ← 党中央規律検査委書記
4 王滬寧(ワン・フーニン)(67) 全国政協主席※ ← 党中央書記処書記
5 蔡奇(ツァイ・チー)(67) 党中央書記処書記 ← 北京市党委書紀
6 丁薛祥(ディン・シュエシアン)(60) 国務院常務副総理※ ← 党中央弁公庁主任
7 李希(リー・シー)(66) 党中央規律検査委書記 ← 広東省党委書記
* 韓正(ハン・ジョン)(68) 国家副主席※ ← 国務院常務副総理
* 何立峰(ハァ・リーファン)(68) 国務院副総理※ ← 国家発展改革委員会主任

全人代は明日閉幕しますが、現時点での情報に基づき、ポイントを解説します(※メルマガで解説)。

●イラン・サウジの外交正常化

イランとサウジが中国の仲介により、2か月以内に外交関係を正常化し、双方の大使館を再開することで合意したと発表しました。中国外交部は、王毅政治局委員、サウジのアイバーン国務相、イランの最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長が北京で協議を行い、3か国の共同声明に署名したと発表しています。

米国は、NSCのカービー戦略広報調整官が「歓迎する」と表明。サウジとイランの協議についてサウジから説明を受けていたが、米国は交渉には「直接関与していなかった」と述べています。

イランとサウジの外交関係が断絶したのは、16年1月にサウジがシーア派指導者を処刑したことにイランが反発し、テヘランでデモ隊がサウジ大使館を襲撃するという事件が起きたことによるものです(以下の記事参照)。

「サウジアラビアとイランの国交断絶」(16/1/6)
 
今回の合意は、サウジとイラン、中東の国際関係、そして中国の外交方針について大きな示唆を与える動きでした。その意義を解説します(※メルマガで解説)。

●ロシアのウクライナ侵攻(戦況)

ロシア軍とウクライナ軍は、(1)ハルキウ州東部とルハンスク州西部、(2)ドネツク州、(3)ヘルソン州ザポリージャ州という3つの前線で戦闘を続けています。

ドネツク州では、ロシア軍はバフムトの攻略を目指して攻撃を続け、バフムト北西部では正規軍が攻撃のペースを上げ、前進を遂げています。しかし東部では、ワグネルの攻撃が停滞し(戦術的に一時停止に入ったとの見方もある)、完全な包囲には至っていません。

またロシア軍は、ウクライナ各地でミサイルとドローンによる大規模な攻撃を行いました(ウクライナ軍によれば95発のミサイルが発射)。今年に入ってから最大規模のミサイル攻撃で、各地で停電が発生し、ザポリージャ原発は一時的に外部電源から切り離されました。ロシア国防省は、3月2日にブリャンスク州でウクライナの破壊工作員数十人が侵入した(とロシアが主張する)事件への報復として行ったと表明しています。

こうした動きを踏まえ、戦況と今後の見通しについて解説します。今回は中長期的な観点からのポイントを中心に説明します(※メルマガで解説)。

●ノルドストリーム破壊をめぐる疑惑

NYタイムズとドイツのメディア(Die ZeitとARD)がノルド・ストリームの破壊は「親ウクライナのグループ」が行った可能性があると報じました。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はウクライナ政府は「絶対に関与していない」と表明。米国のNSCのカービー戦略広報調整官はドイツ、スウェーデン、デンマークが実施している調査の終了を待っていると述べました。

実は、この見方は前からあったものです(米国とノルウェーが攻撃を行ったというシーモア・ハーシュの記事とは異なる話)。私も、前回の記事(以下のリンク参照)の米欧のウクライナへの不信感について述べた箇所で書くか悩んだところでした。

「ロシアのウクライナ侵攻(戦況)」(3/6)
 
この問題は、現時点では不確定な情報が多く、真相について確たることは何も言えないのですが、将来的に大きなインパクトを生じさせる可能性を秘めており、決して見過ごすことができないものです。その意味を解説します(※メルマガで解説)。

●トルコ大統領選

トルコのエルドアン大統領が大統領・議会選挙を従来の6月18日から5月14日に前倒しして実施することを正式に決定しました。これまで本メルマガが述べてきたとおりの展開でした。

また、トルコの6つの政党からなる野党連合(通称「6人のテーブル」)が共和人民党(CHP)のケマル・クリチダルオール党首を大統領選の統一候補とすることで合意しました。以下の記事で述べたとおり、優良党(IP)のアクシェネル党首が反対していたので危ぶまれていたのですが、最終的には何とか合意に至りました。

「トルコ大統領選」(3/6)
 
今回の合意で興味深かったのは、イスタンブール市長のエクレム・イマモールとアンカラ市長のマンスール・ヤヴァシュという、エルドアンとクリチダルオールのいずれもしのぐ人気を誇るスター政治家2人が副大統領候補となったことでした。今回の合意を踏まえ、大統領選の展望について解説します(※メルマガで解説)。

●韓国の元徴用工問題の解決策

18年10月に韓国大法院が日本企業(日本製鉄、三菱重工)に元徴用工への損害賠償を命じる判決を確定させたことで、日韓関係は戦後最悪とも言える状態が続いていましたが、先週、韓国政府が元徴用工問題の解決策を正式に発表しました。政府参加の財団が日本企業に代わり、元徴用工に賠償金を支払うとするものです。

これに対し、岸田首相はすぐに「評価する」と述べ、歴史認識に関する歴代内閣の立場を「全体として引き継ぐ」と表明。19年7月に導入した韓国への半導体素材の輸出規制(以下の記事参照)についても、緩和に向けて協議を始めると発表しました。

「日本の韓国に対する輸出規制」(19/7/10)
 
さらに尹錫悦大統領が今週(16~17日)に訪日すると松野官房長官が発表しました。日韓のすり合わせが十分に行われていたことをうかがわせるスピード感でした。

米国も、バイデン大統領とブリンケン国務長官が日韓の発表を歓迎するとの声明を発表しました。ブリンケンは「歴史的」と呼んで称えています。さらに尹錫悦が4月26日に国賓として訪米すると発表されました。

戦後最悪だった日韓関係が正常化に向けて動き出し、米国も日米韓の連携への強い期待を寄せています。今回の日韓の動きの意義と今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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加害が明るみに それでも崇拝され 日本ポップス界の「捕食者」(3月7日付BBC)

大いに話題になっているBBCのドキュメンタリーですが、噂レベルでは広く知られている話だったとはいえ、主流メディアがここまで正面切って取り上げ、具体的かつ明確に報じるのは初めてで、驚きではありました。よく言われているとおり、外国メディアだからこそ実現できたものでしょう(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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