2022/12/19 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(12/18~24)ロシアのウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ脱却、米国の対中技術規制
先週から東京も真冬のような寒さになってきました。各地で雪も降り、北海道では猛吹雪もあったとのこと。私の周りでも体調を崩している人を見かけます。年末で忙しい方も多いと思いますが、風邪やコロナにはお気をつけ下さい。
ワールドカップはいよいよ決勝、フランス対アルゼンチン。このメルマガが配信されるタイミングである午前零時にキックオフと、朝型の私には観戦しにくい時間帯ですが、昼寝をして万全な体調で臨むことにしました(笑)。総合力に勝るのはフランスと思いますが、メッシに最後の栄光を手にして欲しいとも思います。
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先週の動き
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12/11(日)
・米・ウクライナ、仏・ウクライナ首脳電話会談
・クリテンブリンク東アジア・太平洋担当国務次官補とローゼンバーガーNSC中国・台湾担当上級部長中国、韓国、日本を訪問(~14日)
・ロシア・トルコ首脳電話会談
・アルテミス計画の宇宙船が着水
12/12(月)
・G7首脳会合(オンライン)
・EU外相会議(ブリュッセル)
・ロシアのペスコフ大統領報道官がプーチン大統領の年末恒例の記者会見の不開催を表明
・中国商務省が米国による対中半導体輸出規制についてWTOに提訴したと発表
・中韓外相電話会談
・インドのアルナーチャル・プラデシュ州の中国との国境係争地域で12月9日にインド軍と中国軍が衝突したとインドのメディアが報道
12/13(火)
・フランス主催のウクライナ支援に関する国際会議(パリ)
・米・アフリカ首脳会議(ワシントンDC、~15日)
・日米韓の北朝鮮問題担当高官協議(ジャカルタ)
・米国で同性婚の権利を保障する法律が成立
・米エネルギー省が核融合の研究で画期的な成果があったと発表
・FOMC(~14日)
・米検察当局がFTXトレーディングの創業者サム・バンクマン・フリードを詐欺罪等で起訴したと発表
・「南京事件」の追悼式典(南京)
・インドのアルナーチャル・プラデシュ州の国境係争地域でのインド軍と中国軍の衝突についてインドのシン国防相が中国軍がインド領内に侵入するのを阻止し、双方に負傷者が出たと表明
・EUが国境炭素調整措置(CBAM)の導入で合意
・欧州議会がカタールのワールドカップに関する汚職疑惑で起訴されたエバ・カイリ副議長を解任
・BTSのJINが韓国陸軍へ入隊
12/14(水)
・ウクライナのキーウ中心部で爆発があり、防空システムでイラン製ドローン10機を撃墜したとクリチコ市長が発表
・ロシアの22年7-9月期の実質GDP成長率の発表(前年同期比▲3.7%)
・米上院が連邦政府職員による政府所有の端末でのTikTokの使用を禁止する法案を可決
・FOMC最終日(FF金利の誘導目標を0.5%引き上げ(4.25~4.5%))
・中国が新型コロナウイルスの無症状感染者の人数の公表停止を発表
・英国のクレバリー外相がマンチェスターの中国総領事館前で抗議活動をしていた男性が館内に連れ込まれて暴行された事件を受け、中国政府が駐マンチェスター総領事を含む6人を英国外に異動させたと発表
・トルコの裁判所がイスタンブールのイマモール市長に公務員に対する侮辱罪で禁錮2年7月の有罪判決
・EU・ASEAN首脳会議(ブリュッセル)
・豪州とバヌアツが安保協定を締結
・フィジー総選挙
・ペルー政府が全土で非常事態宣言
12/15(木)
・ロシア軍がヘルソン市を砲撃
・ロシアの「戦略的発展と国家プロジェクト評議会」(オンライン)
・EU首脳会議(ブリュッセル、~16日)
・米商務省が中国半導体大手の長江存儲科技(YMTC)を含む中国企業36社の輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」への追加を発表
・米上場企業会計監視委員会(PCAOB)が米株式市場に上場する中国企業の監査状況を確認するため中国本土と香港の会計監査法人を検査できるようになったと発表
・米上院が23会計年度(22年10月~23年9月)の国防授権法(NDAA)案を可決
・中国共産党の中央経済工作会議(北京、~16日)
・ECB定例理事会(フランクフルト)
・デンマークでフレデリクセン首相率いる大連立政権が発足
12/16(金)
・ロシア軍がキーウを含むウクライナ各地をミサイルで攻撃
・印ロ首脳電話会談
・ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻の作戦本部を訪問
・EUがロシアへの追加制裁(第9次パッケージ)を発表
・米国務省が対中政策を調整する部署「チャイナ・ハウス」の設置を発表
・米国で12月23日までのつなぎ予算が成立
・南アの与党ANC党大会(ヨハネスブルク、~20日)
・日本政府が国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画を閣議決定
12/17(土)
・ドイツのウィルヘルムスハーフェンで同国初の浮体式LNG設備が稼働開始
・チュニジア総選挙
●ロシアのウクライナ侵攻
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(12月19日)で301日目を迎えました。およそ10か月が経過したことになります。
主戦場である東部(ハルキウ州東部、ルハンスク州西部、ドネツク州)と南部(ヘルソン州)では戦闘が続いていますが、戦況に大きな変化は見られません。ルハンスク州ではウクライナ軍が攻撃を続けていますが、ロシア軍はスバトベからクレミンナにかけて防衛ラインを強化しています。
ドネツク州ではロシア軍がバフムト方面の攻撃を続けており、一進一退の攻防が続いていますが、ロシア軍はバフムト北方のヤコフリヴィカを占領したようです。その他の地域でもロシア軍は前進を主張していますが、検証はされていません。
ヘルソン州ではロシア軍がドニエプル川東岸で防衛ラインを維持・強化しています。ロシア軍はウクライナ軍が奪還したヘルソン市に砲撃を加え、電力インフラにダメージを与えました。
ロシア軍は12月16日にウクライナ各地の重要インフラに9回目となる大規模なミサイル攻撃を行いました。ザルジニー司令官は76発のうち60発を撃墜したと発言。特にキーウへの攻撃は過去最大規模で、クリチコ市長は40発のうち37発を迎撃したと述べました。
ペスコフ大統領報道官はプーチン大統領の年末恒例の記者会見が今年は開催されないことを表明しました。プーチンは、トルコのエルドアン大統領とインドのモディ首相と電話会談を行っており、今週はベラルーシを訪問してルカシェンコ大統領と会談する予定です。
EUはロシア制裁の第9弾のパッケージを発表しました。制裁対象を拡大し、ドローン用エンジン含め、軍事目的に転用可能な製品の輸出を規制するとしています。
また、ロシアの22年7-9月期の実質GDP成長率が前年同期比▲3.7%だったと発表されました。
こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。
●中国のゼロコロナ脱却
前回の記事(以下のリンク参照)、中国はゼロコロナの大幅な緩和策を発表しましたが、先週、その動きはさらに加速しました。感染地域での全住民を対象としたPCR検査を停止し、集合住宅などの封鎖を大幅に減らしたことに加え、無症状感染者の人数公表も停止しました。
・「中国のゼロコロナ緩和」(12/12)
環球時報の胡錫進元編集長は、ゼロコロナの緩和から10日間ほどで、北京では数百万人が感染したとSNSに投稿しました。政府は新たな死者の人数を「ゼロ」と発表し続けていますが、国内メディアは、死者が発生した例を取り上げ、北京市内の斎場では、遺体を乗せた数十台の車が列を作って火葬の順番を待つ状況になっていると伝えられています。
前回の記事で、ゼロコロナ緩和のペースは予想以上だったと述べましたが、さらに予想を超えた展開になりました。もはやゼロコロナ「脱却」かと思わせる状況です。
また、先週には中国経済工作会議も開催されました。来年3月に予定される2中全会までは、経済政策を策定する最も重要な会議です。こうした最新の動きを踏まえ、あらためて今後の展望を述べます(※メルマガで解説)。
●米国の対中技術輸出規制の強化
中国商務省が米国による対中半導体輸出規制についてWTOに提訴したと発表しました。米国の輸出規制は、以下の記事でお伝えしたとおり、10月に発表された措置で、中国半導体大手である長江存儲科技(YMTC)などが輸出管理規則の「未検証リスト(UVL)」に追加されていましたが、先週、米商務省は、YMTCを含む中国企業36社を「エンティティ・リスト(EL)」に追加しました。
・「米国の対中技術輸出規制の強化」(10/10)
半導体をはじめとする米国の中国に対する技術規制は着実に進展し、最近はオランダと日本も巻き込むようになっています。
一方、米上場企業会計監視委員会(PCAOB)は、米株式市場に上場する中国企業の監査状況を確認するため中国本土と香港の会計監査法人を検査できるようになったと発表しました。以下の記事で予想したとおりの展開でした。
・「中国企業の監査に関する米中合意」(8/29)
米中の戦略的競争の現状と展望について、こうした最新の動きを踏まえてコメントします(※メルマガで解説)。
※この後、イマモール・イスタンブール市長への有罪判決について、来年のトルコ大統領選に大きな影響を与えるイベントなので、解説しようと思いましたが、長くなってしまったので今回は割愛しました。ご関心があれば説明しますが、「2023年の展望」の機会にも取り上げる予定です。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ 2022 年「今年の漢字」第1位は 「戦」(12月12日付日本漢字能力検定協会)
これはまあそうだろうなあ・・という結果ですね。やはりロシアのウクライナ侵攻、これに尽きるでしょう。
「戦」は01年以来とのこと。9・11は「戦争」ではないですが、「テロとの戦い」ではありましたし、アフガン戦争もあったからでしょうね。
しかし、ダントツで「戦」だろうと思ったら、得票数はそれほど多かったわけではなく、2位の「安」とは結構な僅差でした。「安」・・って?「安い」どころか「高い」ではないのか?と思ったら、「円安」「安部元首相」などから来ているそうです。うーん、ピンとこないですね・・。
ちなみに21年は「金」、20年は「密」でした。20年はコロナ「禍」かと思ったら2位。まあ、あまりネガティブな漢字は選びたくないという思いもあったのでしょうね。23年はポジティブな漢字が選ばれて欲しいものです。
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