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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/08/01 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(7/31~8/6)米中首脳電話会談(ペローシ訪台)、CHIPS+、シューマー・マンチン合意、IPEFと日米経済2+2、ロシアのウクライナ侵攻、ASEAN外相会議


8月になりました。いよいよ夏本番・・というところで、コロナの新規感染者数が世界最多になったとのこと。しかし捕捉率の問題もあるので陽性者の数だけで測れるものではなく、また重要なのは重症化の例がどれほど多いかでしょう。行動制限は必要ないというのが政府の方針です。しっかり対策はしながら、夏を満喫したいものです。

先週は、大手金融機関の幹部の方から、「メルマガを読んでいる」とのご連絡を突然いただき、思いもかけず懇談することになりました。購読のきっかけは、大井町でぐっちーさんと一緒に講演したのをご覧になったことだったそうです。

あの講演は、「オマエも出ろよ!」と言われて引っ張り出されたもので、タダ働きのようなものだったのですが(苦笑)、まさかこのようなご縁につながっていたとは。そういえば、この方以外にも、講演をした後には、読者の方からコメントなどいただいたりしたものでした。やはり、ぐっちーさんには頭が上がりませんね・・(笑)。

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先週の動き
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7/24(日)
・ロシアがウクライナのオデッサ港の「軍事インフラ」を破壊したと発表

7/25(月)
・ロシアのラブロフ外相がエジプト、コンゴ共和国、エチオピア、ウガンダを訪問(~27日)
・ガスプロムがノルド・ストリーム1のタービン1台の停止を発表(供給量は通常の20%に低下)
・英保守党の党首選のテレビ討論会
・チュニジアで憲法改正の是非を問う国民投票
・ミャンマー軍政が政治犯4人の死刑執行を発表

7/26(火)
・トルコがウクライナの穀物の輸出再開のための共同調整センターの発足を発表
・EUエネルギー相理事会(8月から23年3月までの天然ガスの消費の15%減少で合意)(ブリュッセル)
・ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスのボリソフ新社長が24年に国際宇宙ステーション(ISS)の計画から離脱することを決めたとプーチン大統領に報告
・IPEF閣僚会合(オンライン、~27日)
・トランプ前大統領がアメリカ・ファースト政策委員会で講演(ワシントンDC)
・FOMC(~27日)
・サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子がギリシャを訪問(~27日)
・インドネシアのジョコ大統領が中国、日本、韓国を訪問(~28日)

7/27(水)
・米上院がCHIPSプラス法案を可決
・トランプ前大統領がアメリカ・ファースト政策研究所で講演(ワシントンDC)
・FOMC最終日(FF金利の誘導目標を0.75%引き上げ(2.25~2.50%))

7/28(木)
・米中首脳電話会談
・米国がF35戦闘機のドイツへの売却の承認を発表
・米下院がCHIPSプラス法案を可決
・米上院の民主党のシューマー院内総務とマンチン上院議員がインフレ抑制法案で合意に達したと発表
・米国の22年4-6月期の実質GDP成長率の発表(前期比年率換算▲0.9%)
・中国共産党中央委員会政治局会議(北京)
・中ロ外相会談(タシケント)
・台湾の蔡英文総統と自民党の石破元幹事長率いる超党派の議員団が会談(台北)
・サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とフランスのマクロン大統領と会談(パリ)

7/29(金)
・米ロ外相電話会談
・米財務省がロシアによる情報工作や選挙介入を支援したとして2個人・4団体に制裁を科したと発表
・米韓国防相会談(アーリントン)
・米下院が半自動小銃の製造等を禁止する法案を可決
・ウクライナのドネツク州のウクライナ人捕虜収容所で爆発
・ウクライナのキーウの控訴裁判所がロシア兵への終身刑判決を禁錮15年に減刑する判決
・ユーロ圏の22年4-6月期の実質GDP成長率の発表(前期比+0.7%)
・日米外務・経済閣僚協議(経済版2+2)初会合(ワシントンDC)
・日米外相会談(同)

7/30(土)
・バイデン大統領が新型コロナウイルスの検査で再び陽性と発表
・中国が台湾海峡で限定的な軍事演習

●米中首脳電話会談(ペローシの訪台計画)

バイデン大統領が習近平国家主席と電話で会談を行いました。3月の電話会談(以下の記事参照)以来の米中首脳会談です。

「ロシアのウクライナ侵攻(米中首脳電話会談)」(3/21)
 
3月の会談では、ロシアのウクライナ侵攻に焦点が当たりましたが、3月の会談では、ロシアのウクライナ侵攻に焦点が当たりましたが、今回は、インフレやエネルギー問題への対応、両国の関係の安定化が主なテーマになるはずでした。しかし、ペローシ下院議長の訪台計画が大きく影を落としました。

ペローシの訪台は、元々4月に予定されていましたが、コロナに感染したことにより延期されていました。それが8月に予定されているとFTが報道。米中両国で緊張が走り、バイデンは「米軍は良い考えだとは思っていない」と発言。NSCのカービー報道官も、ペローシが決めることだが、現在の状況等についてペローシに説明を行っていると述べました。ペローシのオフィスは、訪台は決まっていない、米軍ら関係者と相談していると発表しました。

そうした中で開催された首脳会談ですが、中国側の発表によれば、習近平は、台湾問題への干渉に断固として反対すると述べ、「中国の国家主権と領土保全を断固として守るのは、14億人を超える中国人民の確固たる意志だ。世論に背くことはできないし、火遊びすれば、必ず自らの身を焦がすことになる」と警告しました。米側の発表によれば、バイデンは、台湾に関する米国の政策は変わっておらず、現状の変更や台湾海峡の平和と安定を脅かす行為には強く反対すると強調しました。

その後、ペローシは、日本、韓国、マレーシア、シンガポールを訪れると発表し、7月31日にカリフォルニアを発ちました。メディアは、台湾は仮の訪問先とされているとの日程案があると報じています。

ペローシの訪台は、もし実現すれば、「第4次台湾海峡危機」を引き起こす可能性があると言われており、多くの専門家が懸念しています。この意味と今後の展望について、今回の首脳会談の評価とともに解説を述べます(※メルマガで解説)。

●CHIPSプラス法案

米上下両院が「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法案」を可決しました。バイデン大統領は署名する意向であり、近日中に成立する見通しです。

この法案は、昨年4月に上院で可決された「米国イノベーション・競争法案(USICA)」と今年2月に下院で可決された「米国競争法案(America COMPETES Act)」という2つの中国対抗法案から(以下の記事参照)、半導体支援を中心とする一部の内容を取り出したものです。

「米中協議と対中追加関税をめぐる議論」(6/20)
 
この法律は、次項で述べる「インフレ抑制法案」と並び、バイデン政権にとって大きな立法成果になります。また、今後の米政府のあり方を見通す上でも重要な意味をもちます。これらの点について解説します(※メルマガで解説)。

●シューマー・マンチン合意

米上院民主党のシューマー院内総務とマンチン議員が「インフレ抑制法案(Inflation Reduction Act, IRA) 」で合意したと発表しました。4,330億ドルの支出(主にエネルギー支援)と3,060億ドルの赤字削減を含むものです。

バイデン大統領は強い支持を表明しています。もしこの法律が成立すれば、前項で述べたとおり、バイデン政権にとっては重要な立法成果になります。その意義と展望を解説します(※メルマガで解説)。

●IPEF閣僚会合と日米経済版2+2

インド太平洋経済枠組み(IPEF)の閣僚級会合がオンラインで開催されました。IPEFは5月にバイデン大統領が訪日した際に発足しましたが(以下の記事参照)、その後、実務者会合や非公式閣僚会合が実施されています。

「バイデンの訪日(台湾発言、IPEF、クアッド)」(5/30)

また、日米外務・経済閣僚協議(経済版2+2)の初会合がワシントンDCで開催されました。これらについてコメントします(※メルマガで解説)

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(8月1日)で161日目を迎えました。

主戦場であるドンバスでは、ロシア軍がシベルスクとバフムトの2つの方面で攻撃を続けていますが、大きな前進はみられません。

ウクライナは、ロシアが占領している南部のヘルソンの奪還に向けて大規模な反撃を開始すると表明しました。ウクライナ軍はロシア軍の弾薬庫や橋を立て続けに破壊しています。長距離兵器であるハイマースが威力を発揮しているようです。

穀物輸出については、国連人道問題調整室(OCHA)のグリフィス室長が7月29日にも再開されるとの見通しを示しました。ゼレンスキー大統領はオデーサの商業港を訪れ、穀物が船に積み込まれている様子を視察しました。

ロシアのウクライナ侵攻から初めてとなる米ロ外相の電話会談が行われました。ブリンケン国務長官は、ラブロフ外相との間で率直かつ直接的な対話を行ったとし、ロシアで拘束されている米女子バスケットボールのブリトニー・グライナー選手と米元海兵隊員のポール・ウィラン氏の解放に向け、米国が提示した実質的な提案を受け入れるよう要求したと述べました。

ロシアから欧州へのノルド・ストリーム1によるガスの供給については、7月21日に保守作業が終了して再開しましたが、ガスプロムは、タービン1台を停止させたとして、供給量は通常の20%に低下しました。

これらの最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※ASEAN外相会議など。メルマガで解説。)

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あとがき
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#キャプテン翼 の作者・高橋陽一先生、#PSG の選手の前でライブドローイング!(7月19日付YouTube)

ネイマールたち、本当に嬉しそうでしたね。今でこそ、キャプテン翼のグローバルな人気(ジダン、メッシ、デルピエロらがファンだったというエピソード)はよく知られていますが、私は90年代に世界各地を放浪したとき、実体験で知って驚いたものです。

たとえばイランを訪問したとき、当時放送されていた数少ない外国のテレビ番組が『おしん』と『キャプテン翼』でした。この二つのコンテンツの人気は大変なもので、『おしん』が放映されている時間帯には通りから人が消え、最高指導者のホメイニ師(当時)の演説にも人がこないので、ホメイニが激怒した、というエピソードがあるほどです。私もイラン人の子どもたちから「ツバサ、ツバサ」と連呼され、なぜかどこに行っても人気者でした。

あと、イラクでは、『キャプテン・マージド』という海賊版が大人気で、イラク人は誰もがアラブ人だと思っていたそうで、ちゃんと日本の漫画であることを知ってもらうべく、イラク戦争後にサマワに派遣された自衛隊の給水車に翼くんのステッカーを貼るという広報活動もあったのでした。

ちなみにジダンらが見ていたフランス版も、翼君は「オリヴィエ」、若林が「トーマス」というフランス人で、タイトルも2人の名前から「オリーブとトム」になっていたとのこと。・・いやちょっと待て、ワールドユース編になったらフランス代表が出てくるのにどうするんだ(エースは「ナポレオン」でした)、和風の家が出てきて違和感ないのか・・など色々疑問がわきますが、そこは何とか編集でクリアしているのでしょうかね。

せっかくの元祖日本のソフトパワー、日本のプロダクトであることをしっかりアピールしないとですね。まあ今ではもう、高橋洋一先生のイベントを見ても分かるとおり、そんな心配はないのでしょうが。

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