2005/09/14 12:25 | 金融全般 | コメント(24)
粉飾決算
いまなら、セクラハでくびでっせ・・・
ということで、粉飾決算のどまんかな、出ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050913-00000005-yom-soci
まあ、あちこちで記事になっている訳ですが、これはもしかすると今年最大の国内経済ニュースになる可能性が大です。
中央青山という大手の監査法人、つまり公認会計士の集まりであり、決算書は彼らのOKがないとできないわけでありますが、それが、不正を指南していた訳です。
しかし、ぐっちーが日本の会社にいた80年代を振り返ってみると、こんな事はあんまり違和感がないんですよ。なに!! 数字もいじれん会計士?? くびにしろ、ってなもんでした。つまり不正は日常化しているのではないか・・・・が論点であります。
中央青山のような大手が、カネボウという1クライアントのために特別な、まさにスペシャルバージョンの「粉飾」を教えた、というのはカネボウと中央青山の特別な関係が無い限りきわめて不自然です。つまり、中央青山は会社ぐるみですべてのクライアント企業に対して「粉飾」を指南していた、と考えない限り、4人も逮捕されているという事態は想像不可能であります。
先ほども申し上げましたが、これは確実にかなり数の上場企業において行われてきた事だと申し上げてよいでしょう。会計士にとってみれば「何でオレだけ??」という感覚が強い事件だと思っています。今までの決算書がすべて「粉飾」なんて言われれば、株主にとては悪夢ですし、株式市場の4割にも達するシェアーを持っている外人投資家はこの種の問題には黙っているわけはありません。思わぬ所から敵が出てきたという感じを持っています。
株価についてはかなり楽観的だったのですが、新たな敵が現れた、ということだけは申し上げて置きたいと思います。
どう見ても、これは氷山の一角に過ぎません。
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24 comments on “粉飾決算”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
ヤオハン、山一證券、足利銀行、カネボウと、偶然の一致にしてはできすぎてますからね。
もしかして、エンロンとアーサーアンダーソンと同じですか? 米国一大きな電力供給会社と米国一大きな会計会社ともに粉飾で消えて無くなったのは911のおこる少し前でした。
こんな奴らの免許は即刻取り上げるべき。
本当に甘い処分しか受けないです。
本日のエントリーを読んで、σ(^_^;が唯の狸学
博士なりに想像したことが、ほぼそのまま
書かれてるのにびっくり!!
それで更に思ったことが二点
1.中央青山は結局アンダーセンの道をたどる
ことになるのでしょうか?
2.この手の粉飾って、σ(^_^;のようなトーシロが、
決算書なり有価証券報告書なりから、見抜くことが
可能なのでしょうか?
パートナーレベルなのに皆さん地味なのが
気になりました。
そんなに儲からないのかな?
それなら金融系の渉外弁護士の方が稼いでそうなんですけど・・・
「先ほども申し上げましたが、これは確実にかなり数の上場企業において行われてきた事だと申し上げてよいでしょう。会計士にとってみれば「何でオレだけ??」という感覚が強い事件だと思っています。」
ちょっといいすぎではないかと。
>厚化粧の女性に「粉飾決算」というあだなをつけていた80年代。
いまなら、「萌えないゴミ(c)本田 透」という話でなくて…
儲かれば脱税、損すれば粉飾決算と企業会計士もいろいろと苦労が(報酬も?)多いということか。
>ちょっといいすぎではないかと。
でもユーザーが期待するのはそっち方面のノウハウだしねぇ(笑
グレーゾーン上で踊るところでかんべんしてもらうのも「プロの仕事」
でなきゃいかんところかな。
合併前の中央は存じ上げませんが
青山が青山だけだったころは
もっと洗練されてたと記憶しております。
特にPWのころは。
その辺の政治家よりもパリッとした会計士が
大勢いたようでしたが。
ともかく個人的に去年くらいから
ここが監査している銘柄は買わないようにしています。
確か、日本が「クローニー・キャピタリズム」などと言いがかりをつけられ始めていた頃からでしょうか。。。「グローバル・スタンダード」とか「透明性向上」とか「高い専門性」だとか「公正なルール」だとか。挙句の果てに「コーポレート・ガバナンス」だとか、格好良いことばかり並べたてて、異論を唱える人間は全員「時代遅れ」「既得権益擁護者」とか攻撃し、まるで自分たちが正義かのように、でっかい面をして偉そうにしてきたのが、確か、公認会計士の方々ですよね。。。時代の追い風も受けて、やりたい放題、言いたい放題。。。そんな大権力者が、万が一にも清廉潔白でなければ・・・。日本経済全体の信頼性にかかわるもの。ぐっちーさんの意見は、決して言い過ぎじゃないと思います。むしろ、甘いくらいです。。。全ての公認会計士を一人一人徹底的に調査するべきです。当然ながら、その方々には、日本企業や日本経済が被った、あるいは今後被る経済的損失を、全額耳をそろえて補填してもらう必要があると思います。たとえ何百年かかっても。絶対に許せない行為です。
企業会計の正確さは資本主義経済のインフラです。経済のインフラを担保する責任を負う公認会計士が不正を働くなど言語道断です。即刻国外追放。仮に、組織がらみで不正を働いていた場合には、そのような組織は日本から消え去るのが当然でしょう。日本企業全体の信頼性に関わる大問題。そんな公認会計士がいたならば、どのような事情があれ、即刻退場!!当たり前でしょう。
裁量行政反対、とか、役人たちの裁量の余地を狭めるべきだ、とか主張している人たちは、どう反応するのでしょうか?これってまさに「裁量」以外の何ものでもない。不正行為=法律違反を、仮に組織的に指南していたとすれば、裁量行政などよりも遥かに悪質。公認会計士の主張なんか、まじめに聞く気がしないですよね。「プロの大うそつき集団」たちは、即刻退場してもらいましょう。
うわさの監査法人が監査してますよ。
結構、偉そうでうっとうしかったイメージが強いですね。
これって、多分、大なり小なり今でも行われているというか、多分やらないと監査法人側も仕事が回らないんじゃないかなと思います。
監査法人に回答する為にこの案件の事教えてってありますが、全部みているわけではなく、今年の監査対象案件に全部選ばれてしまった・・・。無作為に抽出して、連続で当たってしまった。
付き合っている企業の数や規模から考えて丁寧にやろうものなら、それこそ2年後に監査結果報告なんて事態に陥ったりして・・・
一応、はっきりと明確にするというアメリカでもエンロンとアーサーアンダーソンという事件が起こったわけですし。
玉虫色大好き、日本企業にこんなこと沢山あっても、別にびっくりはしません。(怒りはするけど)
それこそばれた企業の株を持っていたら、運が悪いとあきらめるしか、無いのかなと自分を慰めます。(涙)
しかし本音は、資本主義はお互いの誠実と信頼関係を裏切らないという前提で成り立っているのに、ふざけるなというが大半を占めますけど。
ということで、ばれた公認会計士は二つの意味で厳罰に処すべきかと。
悪の意味で、墓場まで持っていくくらいうまくやれよな。
善の意味で、ルールを破ったことと、信頼性を失わせたことに対する背任。
という感じです。
私の持っている銘柄は大丈夫かな?
「不正は日常化しているのではないか?」
この理由でガイジンが売ってくれるのなら大歓迎です。下がったら買いではないですか?
会計・監査は価値判断の連続です。絶対的な基準はなく、グレーゾーンにあるものをいかに黒と白に判断するようなものです。
あえて粉飾決算をしようとする企業は業績の厳しいごく一部の企業ではないでしょう。カネボウの業績を見ると経常利益はカスカス、4期連続当期損失、債務超過です。これであれば業績をいじりたくなるかもしれません。すなわち黒に近いグレーを白にしたくなるかもしれません。
しかし、最近の企業に取材をしていると業績好調の中、経理も会計士もいかに白に近いグレーを黒にするかを考えている企業が多いように思います。この結果、例えば、MTFG等は前期に貸倒引当金の戻入益が大量に発生しています。
大先輩に生意気を言って申し訳ないのですが、国内外の機関投資家が対象とする銘柄の中に粉飾決算を懸念するものは皆無に等しいのではないでしょうか?ぐっちーさんの今回のエントリーは「針小棒大」ではないですか
こんにちは、ぐっちーさん。
もう3ヶ月近く日記を拝見させていただいておりますが、投稿するのは初めてです。
私は某監査法人(今回問題になっている所とは無関係です)に勤務している30代の公認会計士です。
いろいろ厳しいご意見が多いようですね。
私自身、新聞報道などを見る限りでは、具体的に手口を教えるなどというのは、さすがにひどすぎると思いますが…。
弁解的なことも多くなっているかもしれませんが、問題の業界の内部に居る人間の一人として、いくつか思うところを述べていきたいと思います。
?監査の質のばらつき
建前上は同じ資格を持っている人間が監査するので質的に均質であるということになっていますが、実際には相当に質の点でだいぶ違います。
会計事務所間でも差がありますし、事務所内の部門(大手監査法人といっても個人事務所の寄り合い所帯で一つの部門が一つの個人事務所みたいになっているような所もある)
、もっと言えば担当している個人によって、だいぶばらつきがあるように思います。
従って、さすがに監査法人全体で「粉飾」を指南していたという事はないと思いますし、日本の監査法人が全て「粉飾」を指南しているというような事はありえないと思いますよ。
もっとも、今回問題となっている監査法人は、少なくとも過去においては、組織風土的に相当に甘いという印象は個人的にもあるので、当たらずと言えど遠からずというではあるかもしれませんね。
?監査報酬
最近は変わってきている部分もあるように思いますが、同様の規模の米国の会社に比べ一桁少ない会社もあるのではないかというのが率直な印象ではあります。それなりに質の高い監査をするには、どうしてもそれなりの手間と時間が必要です。
日本の会社の風土として、監査にはできるだけ金を掛けたくない(会計士対応にも時間を掛けたくない)という意識が強いように思います。税理士は節税に知恵を絞ってくれるから会計士より役立つということかわかりませんが、監査法人への監査報酬よりはるかに高額の税理士報酬を税理士に支払っている会社もあったりします。
会計士の方で監査という仕事に対する社会的使命についてもっと自覚を持たなければならないということは重々承知しますが、やはり上場企業として最低限負担しなければならない社会的コストとして一定の監査報酬というものがあるのだという自覚が企業サイドにも必要なのではないかと思います。
もっと書きたいことはあるのですが、今日は遅いのでこのぐらいにしておきます。また時間があったら投稿します。
通りすがりの会計士さんへ
>日本の会社の風土として、監査にはできるだけ金を掛けたくない(会計士対応にも時間を掛けたくない)という意識が強いように思います。
これって結構当たっています。今年の監査対象に私の案件が選ばれたときに、報告書作るから教えてと、監査法人の窓口になっている社員に言われたとき、こっ営業出なきゃいけないのにうっうしーいと思いましたよ。
その窓口の人もなんでこんことやらなきゃいけないんだよってぶづぶつ言ってましたしね。
未上場企業で出発して上場企業になったとき、監査が目に見えてうるさくなったというのは実感してます。
結局はお互いなんですよね。
会計士には全く弁明の余地なし、だと思います。「監査の質のばらつき?」「監査報酬?」So What???そんなもの言い訳にすらなりません。各会計士の能力が均質であろうがなかろうが、監査の質のばらつきは、この問題とは一切関係なし。Pointlessです。質の低い監査しかできない人は、会計士として必要な能力が欠けている訳ですから、退場!社会の害ですから、即刻、出て行ってもらいましょう。監査報酬?社会的責任を果たさず、きちんとした仕事をしていない会計士が、報酬を期待すること自体が、大きな甘えでしょう。普通、ゼロ報酬じゃないですか?きちんと仕事をしていない人が、きちんと報酬をもらえないのは、あたり前です。「会計士資格=報酬取得資格」というマインド・セットを持っている会計士が存在すること自体が、現在、公認会計士の世界に大きな甘え・歪みが存在することの、ひとつの証左でしょう。甘いですね。弁護士とか会計士といった「資格」の世界は、まだまだ競争不足ですね。大して難しい資格試験じゃないのに・・・。
Algloryさんへ
上場企業の内部の方々が監査が「うるさい」という意識をお持ちで、しかも公認会計士さんと「結局はお互いなんですよね」とおっしゃるあたり、本心だとすれば、投資家としては怖すぎます。
そんな企業の株式は、明らかに投資不適格。正確な情報が提供されない限り、投資判断ができません。従って、投資できません。開示情報以外に、上場企業の状況等に関する正確な情報に合法的にアクセスする手段は存在するのでしょうか?もしもそのような手段が無く、しかも、日本の上場企業の多くが同様の状況なのであれば、日本の株式市場に資金を投入するのは、危険すぎると判断します。即市場から資金を引き上げるのが賢明だと思います。
「クローニー・キャピタリズム」とは、よく言ったものですね。
>そんな企業の株式は、明らかに投資不適格。
この程度のことで日本の企業が投資不適格なら、中国本土企業のH株、B株など問題外のさらに外ということになりますね。
通りすがりの素人投資家さんへ
私も資金の大半を株式に突っ込んでいるので、おっしゃる意味は良く分かります。
少し誤解を受けるような発言をしてしまったようです。ごめんなさい。
「うるさい」とかって書いたのは問題提起の意味合いを込めて書いたつもりです。
今も正直、その気持ちが全く無いわけではないんでよ。株式投資する前の監査の認識ってのはし、上場企業だから仕方がないのかなという程度でした。
しかし、株式投資を始めてから、うるさいけど、答えるべきところはしっかり答えないと身体理解する様になったわけです。
だから、しっかりした監査の必要性は痛感してますよ。
監査の大切さって、本当に理解している企業人がどれだけいるのか、いうのを言いたかったんです。
通りすがりの素人投資家さんように書いていただくと、ありがたいです。
人のblogに進出してなにやってるのと厳しい突っ込みれられそうですが。
自分のblogでやれなんていわれそうです。
中央青山監査法人は、事務所のあつまりで、やり方も何もバラバラだそうです。
だから、全て信頼できないわけではないようです。
でも、何のために法人として集まっているのでしょうか?大手で仕事が集まりやすいから?経営理念とかないのでしょうか?と疑問に思うのでした。
「さおだけ」の山田さんは、かの法人出身。そのあたりの事情をブログにアップしているので参考にしてみてください。
アメリカではDAL、とNWACが倒産したというのに、JALは前日と変わらず。
こんな不祥事が露呈しても、
何事もないかのように日経平均は上昇しましたね。
Algloryさんへ
レスポンス、ありがとうございます。「監査の大切さ」、とか、「企業人として理解」、という言葉の端々に、シンパシーを感じますし、「問題提起の意味合い」という点にも共感できます。
ただ、今回のような不祥事は、少なくとも素人投資家にとっては、とんでもないことです。即市場から資金を引き上げるべきである、ということは、素人でも判断がつきます。
「日本株の投資のコツはただひとつ。その企業の社長連中と如何に仲良くなるか。それだけ。」という某著名人の言葉を、今までバカにしていましたが、仮にそれが正しいとすれば、裏を返せば、日本の株式市場では結局インサイダー情報を仕入れた者勝ち、ということですよね。
約10年前の不祥事から本質的には何も変わっていないとすれば、あんまりですね。
えのさんへ
おっしゃるとおりだと私は思っています。
「この程度」というお気持ちも、分かるような気がします。ただ私には同意できません。
素人とか凡人とか外国人が安心して参加できない市場は、結局、育たないんです。市場が育たないから、市場を通したリスクのやり取りがうまく成立しないし、ファイナンスが難しくなるんです。
株式市場が育たないから、いつまでたっても、「エクイティ」はバカにされるのではないでしょうか?
日本の間接金融の水準はたかが知れていると思いますが、それでもまだ、大不祥事が放置されている株式市場よりも・・・だと思います。
フェアネス、ということは、そういう意味で重要だと思います。
中国株が投資適格だと考えている素人は、どれだけいるでしょうか?私には疑問です。格付け会社のレーティングや証券会社の推奨銘柄など、今どき、素人でも信用しません。サラリーマン投資家の方にとっては、言い訳になると思いますが。
このまま不祥事が放置される場合、今の日本で「投資適格」な直接金融商品は、個人向け国債くらいではないでしょうか?皮肉な結論かもしれませんが・・。
durianさん
いつもすんません。いや、偶然にしては・・ですよね。個人的には他も疑わしくなってきました。
manamiさん
もしかすると・・・ですね。状況を見守る必要があるでしょう。
yosimuneさん
私もそう思いますよ。どこまでいけるかでしょう。
おおみや%NEETさん
可能性ありです。見抜く可能性についてはエンロンの時はとにかく異常に売上高が膨らんだのでなんかあると、我々ですらわかりました。翻って今回の場合、いじったとこがとこですから、これを疑うならみんな疑わなければならない分、事は重大ですね、という論点です。
konさん
あくまでも私見ですが、多分そうでしょう(笑)。
えのさん
良い命名かもしれませんな(笑)
ペパロニさん
そういう面があるのは確かですね。その限度が難しいしかなり野放図だったようなきがしています。
hekoさん
実はそういう方を数名存じ上げてます。一つの見識だと思いますね。
aoさん
活発な議論を歓迎致します。
針小棒大であればそれに越した事はありません。何よりです。そうでなかったときにどうしよう、というのが危機管理でして、そういう意味での問題提起と思って頂いてOKですよ。
Algloryさん
通りすがりの素人投資家さん
えのさん
複数のUnknownさま
議論をリードしていただきまして感謝申し上げます。
皆様のご意見はそれぞれ正しく、要はイチ投資家として何をディシプリンにするのか、という事だと存じます。その意味、みなさん、鋭いことをおっしゃっている。私も見習いたいものだと思いますね。
通りすがりの会計士さん
ご愛読有難うございます。流石に内部の方はいろいろおっしゃりにくいと思うのですが、こうやって意見を頂きまして感謝申し上げます。またいろいろ教えてください。
とおりすがりの一般人さん
厳しい意見の最右翼(笑)という感じですが、そういう意見は当然出てくるでしょう。また、大いに発言してください。
booさん
書き込みありがとうございました。早速拝見致しました。
ひーさん
マッタクといっていいほど問題にされていませんね(笑)。杞憂で終わればそれにこしたことはないんですよ、実際。