2010/01/08 11:47 | マーケット | コメント(9)
女性社員の採用
唐突ですが女性の採用について、です。
今もコンサルタントをやらせて頂いている某上場企業に対し、昨年強権を発動したのです。業務内容を申し上げるとバレバレなのでちょっといえませんが、要するに女性をいかに戦力として活用するかが死命を制する業界の会社です。
会社の業績も問題ありませんし、給与水準もきわめて高い。
女性の子育て援助プラン、託児所の設立など社長なりにお金も頭も使っていてとーっても一生懸命やってこられたのですが、なぜか本当に残って欲しい方(女性)がみんな辞めてしまうし、人材的にも給与に見合った人材が集まらない・・・・・という悩みに直面しておられました。
さらにせっかく採用した優秀と思われた(少なくとも履歴書上はきわめて優秀)女性が思ったように活躍しないというなんとも隔靴掻痒の状況にまで追い詰められてもおりました。
相談を受けた私の結論は簡単でした。
「社長はん、女性社員の採用プロセスからすべての男性社員をはずしてすべて女性社員にお任せなさい。」
社長「え、そんなあほな。うちには事務員の女性しかおりまへんで。そんなん無理でっせ。なんですかそれ??」
ぐ「いいですか、社長。男性社員ならトイレでも居酒屋でも温泉のお風呂でもどこでもその社員の実態をあなた自身で見て判断することができますよね?
でも社長は女子トイレに付いて行けますか?? 女湯は無理でしょ? 彼女たちが社長の見えないところでどういう会話をしているか、ご存知ですか? そういう事務員の裏方の女性たちに本当はどう接しておられるかわかっていますか??」
結論から言うと、社長に関して、はげ、でぶ、で済めばいいですが恐らくもっと激しい言葉で罵られている可能性もあり、それは私も含めてそうなんです。さらに既存の女性同士、特に事務方(裏方)との人間関係はとてもはかりしれません。
根本的にそういう傾向にない女性・・・
男の前でにこにこしていて
トイレのなかで何よあのくそおやじ!! うるさいばばあ!!
と叫ばない女性を選ぶ自信が社長もしくは取締役の男性の皆様にありますか?
とお伺いしたわけです。
女性の方には厳しい言い方かも知れませんがこれが現実です。その目に見えないところでの言動や発言がどれだけ企業のインセンティブを犠牲にするものか、特に同性の本当にやる気のある女性のインセンティブをどれだけ犠牲にするか、私は死ぬほど見てきたのです。
女性を戦力として活用するためにはこの壁を乗り越えなければなりません。しかし、男性の前で全く違うパフォーマンスをする女性がたくさんいるのが事実でさらに男性はそれを見抜く能力が全くないのです。
トイレの中の会話すら経験したことがないのですし、キャバクラがあれだけ流行っていることを見てもそのことは一目瞭然でしょう。
僕がこれを学んだのはまさにモルガンスタンレーで働いているころです。
もちろん誰とはいえませんが、男性上司が全員二重丸をつけた女性がなぜか使えない。かわいいんだけどどうもチームワークを乱す。
しかし、女性社員が二重丸をつけた社員は間違いなく大変よくフィットするのです。
「社長、女子社員の採用は総務部の○○部長(女性・専門職)をヘッドにして女性の採用チーム、採用基準を作成して下さい。彼女達の結論は(取引先のコネ以外は)社長といえども介入不可です。だめならファイナンスは取り消しますぞ!!」
この採用基準で昨年15人の女性を採用致しましたが、ものの見事に全員残っており、さらにすさまじい戦力となって活躍しております。
女性は女性が採用する・・・もちろん○○総務部長のお力はお見事で私が見抜いたとおりなのですが、あとでお伺いしたところ
「そんなことならふつーの女性ならひと目でわかるわ・・・」
とのお言葉でした。
もーしわけありません・・・・
今後あらゆる企業にとって女性の活用が不可欠です。
一方でなかなか女性が戦力化しないというお話もたくさん頂きます。
結論は実に簡単で、男性が余計な介入をして決して男性目線で採用しない、ということに尽きるということです。
私が商社にいたころは女子社員は男性社員がやる気を出すような見目麗しい女性を採用しろ!! などというとんでもない時代錯誤の時代でした。
社内結婚をすればますます取引先との関係が深くなるように、取引先のお嬢様を優先して採用していたりしていました。まあ、人質、ですよね(笑)。
ということでその社長さんから改めて助かったよ、という報告をたまたま今日頂いたので書いておきます。
今日の金言。
女性の採用は女性に任せること。
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9 comments on “女性社員の採用”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
今回の内容、とても興味深く拝読しました。
日航再建問題も、いよいよ大詰めに入ってきたようですね。
他にも、待ったなしの難問が山積していますが、
発想を転換できる柔軟性も、
状況打開への重要なファクターのひとつなんでしょうね。
ぐっちーさんが、鋭い指摘と共に、
幅広い話題を届けてくださるのも、ありがたいです。
かんべいさんも、やはり話題が多岐に渡っていて、
最近の「落語」関連のお話に爆笑してしまいました。
『クローズアップ現代』にご出演されたときは、
専門家として スマートにお話されていましたが、
ブログでは、独特の「かんべえ節」が炸裂していますね♪
ぐっちーさんとかんべいさんがご一緒だと、
話題もどんどん広がり、きっと尽きないんでしょうね♪
ところで、猛威を振るっている、
コンピューター・ウイルスの「ガンブラー」に戦々恐々です。
女の涙は、何時・如何なるときも、信用しちゃイケマセン。30過ぎてよーやく分かりました。
目からウロコが落ちました。
好きな男や権力のある男にとりいるなどしてチームワークを乱す女性はたしかにしばしばいますね
この方法ならそういう女性をふるいにかけられる気がします
履歴書や職務経歴書を代筆してくれるプロがいるそうです。便利な世の中です。
私(男性)の実感としても、まさにそのとおりだと思います。
男性が女性を見抜くのは不可能に近いですが、
逆に女性が男性を見抜くのは、ほんの数分(場合によっては数秒?)といったところでしょうか。
では
男子の採用は男に・・幹部女性が多くなれば
、そうもいかんのでは・・??
昔々ぐっちーの少し前の頃、
あのJALで客室乗務員がストを決めた。
「へぇ・・理由は?」
『ハンサムだから・・委員長のスチュワードさん』
昔は良かった。
男子の質が国際的に堕ちてくれば、女子が台頭するのは当然・・
勇猛な幹事長は『男は頼りにならん。頼るべきは女子だ』
と政界の話。
はい、
その通りであります・・・
『でもなぁ・・女はいざという時役立たんぞ』
と企業専門・・なんでもござれの弁護士の台詞・・・
今の軍隊もアマゾネスに満ち溢れ、戦地での妊娠を巡り、米軍も司令官の戦いが・・確か命令を撤回したな・・・
ウフフ。分かったぁ? 会社が円滑に動くのは、ほんとはねって事です。
大変参考になりました。
部長クラスの女性が会社にいると言うのも重要ですね・・・
男には女性を見抜けない、と言う能力が備わっているのでしょう。
多分・・・
>女性の採用は女性に任せること。
「技術者の採用は技術者に任せること」
なんだけどねえ。。。。
未だに出しゃばる人事部のなんと多いことか。
技術者と丁々発止のやりとりができるのは技術者だけなのにね。