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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2005/12/15 12:05  | 物申す! |  コメント(18)

米国産牛肉輸入再開の怪


先日反響の大きかった「アメリカで思う事」、の書き込みなどを見ていると海外でこのブログをご覧になっている方が意外に多いという事が判明致しました。
いやー、ありがたいことであります。改めて御礼申し上げます。
そういう方々に実情などをコメント頂くのがよろしいテーマとも言えそうですが、今回やはり輸入再開となった米国産牛肉(カナダ産も含む)に関して一言申し上げる必要がありそうです。


このブログではこの輸入牛肉問題を数度にわたり取り上げ、意外に多数のアクセスを頂いておりまして、特にメキシコから迂回輸入されている可能性が極めて高いという事も指摘した訳ですが、今回アメリカに行ってみてはっきりしたのは、既に年間1000件以上のルール違反、すなわち危険部位を取り除いた、といっていたのに取り除いていなかったという事例が判明しており、まあ、いつも所得格差の問題にはなるのですが、ある一定レベル以上の所得水準にあるアメリカ人は普通の牛肉は危ないから食べていない、という事実であります。


しかもこの1年間にブリオンと所謂痴呆症(註)の相関関係がかなり高く、もしかするとたばこと肺がん並の関連性かもしれない、などというレポートまで出てきており、私の友人達はかなり警戒しています。通常は食べない、という奴まで結構いるんですよ。子供には食べさせていない(ファーストフードなど含め)という親もかなりいますな。


従って、ステーキやさんなどは、独自に自分のコストで再調査をして、店のリスクで危険部位を除いている・・と宣言しないと客が来ないような状況でして、LA,NYKなどからアリゾナのフェニックスに至るまでこれは結構徹底されています。そうしないと客が来ないんだそうです。スカッツデールなどの高級スーパーではスーパーが独自検査をしたよ、というシールまで貼ってありました。


アメリカ国内でこれですよ・・・・ホント大丈夫ですか? 


と思うのは私だけでしょうか。この食肉問題を扱う時は、業界がほとんどヤクザみたいな業界なので、書き込みに気をつけろよ、とスタミナ食品の社長に注意されているのですが(この方自信がかなり危ない・・・笑)、ぶちまけてしまうと、今回の輸入再開に関して政府に対しあれやこれやかなり圧力をかけて、早く輸入してくれよ?といったのは実は吉野家・・・・


ではないのです。様々な改ざんデータを意見交換会などで提出、アメリカでも危ないといわれている30ヶ月の成牛や、曰く、「感染牛でも危険部位を取り除けば安全だ」などというアメリカ人が聞いたらぶったおれそうな事を平然と発言した方・・・日本フードサービス協会という超お手盛り業界団体の会長・・・この横川さんといえば・・・そう、あのすかいらーくの創業者横川一族の方です。因みに横川会長は今はジョナサンの社長ですね、たしか。


これに対し、ゼンショーなどの牛丼チームはむしろ慎重で、言ってみれば早くコストを下げたいファミレス対その他安全性を重視する外食産業プラススーパーという構図のもと、ファミレス勢に押し切られた、ということになります。


一方、これをアメリカ側から見ると、自国内での牛肉の売り上げがブリオンと病気の相関関係が明らかになるにつれ激減してきたので、こりゃーまずい、ということでますます日本に対する輸入再開圧力が増した、という見方は証拠はないですけど、十分あり得るでしょうね。或いは吉川東大教授は買収されちゃったのかもしれない(笑)。吉川先生はせめて米国産輸入牛を毎日学生の前で食べてみせるべきでしょう。東大もそのくらいのことは義務付けて欲しい(笑)。


ということで、本家本元アメリカ人でさえかな?り警戒している牛肉が輸入再開となればもう自己防衛するしかないんですが・・・・


まずはすかいらーくとジョナサンには絶対行かない。これは常識。
今後はわかりませんが、今の所ヨーカドーの大御所鈴木さんが安全性が確立していない、ということで輸入再開反対の急先鋒でおられるので、セブンイレブンやヨーカドーで買う(その意味ではデニーズは大丈夫かもしれない)、などささやかな抵抗を見せるしかありません。そういえば広尾の明治屋にいったら、国内牛についても独自の調査をしている、と書いてありました。まあ、ばか高いんですが、安全には換えられませんから、こういうの買うしかないですかね。(100g2000円はいくらなんでもないと思うヨ・・・)


えっ、だれですか、ぐっちーの年齢なら20年後に発病してももういいんじゃないなんて言ってるのは!!!
あなた、こんな頑固オヤジが更に痴呆とかいってごらんなさいよ、だーれも面倒みてくれないじゃないですか。 だから大変なんですよ、あたしゃー。


註:ここでは「痴呆」という表現を使いましたが適切ではないとの厚生労働省の報告も御座います。念のため付記しておきます。詳しくは↓


http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1224-17.html

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18 comments on “米国産牛肉輸入再開の怪
  1. lmdc より
    キリンビーフはいかが?

    キリンビールがプリオン遺伝子を持たない牛を開発していますね。ヒト抗体を大量に作らせるのが目的だとか…。このプリオン・フリーの牛を食肉用に展開してもらいたいですな。

  2. ごめんね二郎 より
    中央突破

     若い人はわからんでしょうが、この手の業界はその昔はコワイ業界と言われ、肉屋と凍屋には手を出すな!ということも言われていました。ケガキを使うからでしょうが。正直に言いますが、今でも怖いね。ぐっちーさんの身を案じます。困ったら電話してね。大手町まで逃げ込んでいただければ、地下駐車場から逃がせます(笑)。27日からNYに行きます。ぐっちーさんに質問ですが、今年面白かった本ありますか、お勧め教えてください。ラーメン二郎は忘年会連続で店のそばまでも行けません。

  3. 暇人28号 より
    Unknown

    >これに対し、ゼンショーなどの牛丼チームはむしろ慎重で、

    どうもこれは各社足並みを揃えているわけではなく、同じ「牛丼チーム」でも対応は全然違います。

    吉野家ディーアンドシー
    米国産牛輸入ストップで牛丼販売中止。
    「味が違う」といい他国産の牛肉は使わず。
    今回の輸入再開で牛丼再開予定。

    ゼンショー(すき家)
    現在は安全な豪産牛肉にて牛丼販売中。
    米国産牛は「消費者の命に関わる問題だから、今は使わない」という方針。

    松屋フーズ
    Q. 松屋の牛めしは安全な牛肉を使用しているのですか?
    A. 松屋では中国産の安全でおいしい牛肉を使用しています。ご安心してお召し上がりください。
    (↑ホームページの「よくあるご質問と回答」より)

    松屋・・・。

  4. バッファロー66大尉 より
    狂牛病対策

    日本でBSEが発生した時に個人的に色々調べました。
    危ないのは精肉だけではないんですよ。
    まず「ゼラチン」がダメ。
    牛肉由来成分なんです。
    というわけで洋菓子は全滅です。
    それからコラーゲン系化粧品。
    皮膚からプリオンが浸潤するかどうか不明ですが、気持ち悪いことは確かです。
    「牛肉由来成分は使用しておりません」と記載の無いすべてのインスタント食品。
    ならびにラーメン屋さん(牛コツを使ってスープ取ってる店は多いもの)。
    中華料理屋さん(特に中国人のお店はコスト意識が高いので、牛肉が安く出回れば、豚肉を牛肉に替えることもありえます)。

    つまり。
    外食を断ち、インスタント(レトルト含む)を断ち、洋菓子を断たないと当面安心できない。
    ということになります。

  5. こいも より
    Unknown

    確かTVではアメリカ人は気にしないでどんどん食べてるよ?とプチ特集でやってましたが(笑

    アメリカ産もですが中国産牛肉てのもどうなんでしょうね・・・

  6. ふにふに より
    Unknown

    >アメリカ産もですが中国産牛肉てのもどうなんでしょうね・・・

    そもそも中国産の食物に安全性というものを期待してはいけないと思う。
    あれは、自らの健康リスクとコストの安さを等価交換するものです。

  7. へび より
    食の安全と健康

     日本の業界も、アメリカに負けず劣らずのようですね。
     BSEはたしかにアメリカでも日々の話題になりますが、資本による強力なメディア統制のせいか、日本のように大衆的に(or センセーショナルに)問題が周知されているようには見えません。わかっている人はわかっているという感じでしょうか。
     わかってはいるのですが、私、今日も安上がりなメキシカンで牛肉を食べてきました。いつもながら、安そうな肉です。BSEに感染しているどころか、よろけて歩けない牛を食べさせられているんじゃないか、って心配なんですが、鶏肉はパサパサしておいしくなくて...
     もちろん信用なんかこれっぽちもしていないんですよ。この国の政府なら、平均年齢が短くなった結果、年金の負担が減る一方で食肉業界はがっぽり儲かれば一石二鳥、と考えていたとしても、全然おどろきません。
     個人的には、かなりあきらめています。長期の利益、社会の利益よりも、短期の利益、自分の利益を過剰に優先してしまう不合理の存在は、アメリカエネルギー業界を例に出すまでもない現実ですし、牛肉から逃げても何は安全なのか正直わかりません。食の安全は、言うまでもなく、私たちの健康のため。そうなると何も気にしないことの精神衛生上のメリットが、最も自分の健康にプラスになるのではないか、という妙な結論(いいわけ)に落ち着いてしまいました(笑)。

  8. 鹿児島県民 より
    Unknown

    そこで鹿児島の黒牛・黒豚はいかがですかー。
    なんか東京で買うと高いみたいですけど。
    ロハスとかいうインチキ?商法。
    ぐっちーさんいつかお会いする機会があったら焼酎(伊佐美)さしあげますよー。

  9. マチャキ より
    バッファロー66大尉

    >それからコラーゲン系化粧品。
    >皮膚からプリオンが浸潤するかどうか不明ですが、気持ち悪いことは確かです。

    プイオンは紛いなりにもタンパク質なので皮膚から浸透する事はまずありません。怪我でもしていたら別ですけど。

    とはいえ、気持ち悪いことは確かですね。

  10. Alglory より
    こういうこと書くと

    食肉業界も怖いですが、パチンコ業界も結構怖いです。(最近はそうでもなくなりましたが。)
    こういうこと書くのはドキドキものです。

    これらの業界の成立過程って結構似ていると思います。
    食肉の解体って、ケガレ思想と食肉の風習が元来無かった日本人にとっては忌避すべき職業だったわけですし、
    パチンコ成立過程も、戦後の職業差別で就職ができなかった、当時の在日朝鮮人が始めたのがはじまりなわけで。

    根強い差別が生み出したという点では同じかなと、「臭い物には蓋」的思想を持つ日本人が、そのまま闇を作ってしまったような気がします。

    追伸:ぐっちーさん不適切だと思ったら削除してくださいね。

  11. ぐっちー より
    牛肉は・・・

    lmdcさん
    ふーん、そういうのもあるんですか。日本人ならなんでも作れそうですけどね。情報ありがとうございます!

    ごめんね二郎さん
    その節はよろしくお願い申し上げます。わたしも二郎ははやくいかなきゃ、と思いつつこの寒さで並ぶのを躊躇しております。年内28日までですよ!!NYKさむいっすからお気をつけて。。おすすめの本、ちょっと考えて見ます。

    暇人28号さん
    どうもです、そう、吉野家は販売するよ、と早々に発表しているのですが、所謂「無理やり再開させた」面子の中には入っておらず、果実の落ちるのを待っていた派、とでも呼べましょうか。説明が足りませんでした。おっしゃるとおり中国産の松屋は微妙ですな(笑)

    バッファロー66大尉さん
    そうそう、前にもこの書き込みしてもらった覚えがあります!! 有難う御座います。
    確かに肉の原型をとどめていないスープ、などに入れられる訳ですからだしも自分でとれ、という状況ですね。侮れません・・・ダイエットにはいいかもしれませんが・・

    こいもさん
    あとにへびさんが指摘しておられるのですが、このあたりが行って見ないとわからんこと・・・という部分です。そこだけ取材してくるのは簡単ですからね?。中国産は私の中国人の友人は絶対食べない、といってますけどね?(笑)

    へびさん
    おっしゃるとおりだと思います。アメリカ・・らしいですよね、対処の仕方が。ある種環境問題も良く似ていて「金持ちの道楽」になってる面もありますものね。じゃ、コーンフレークなら安全かといわれると今度は遺伝子組み換えとうもとこしとか出てくるし・・・何が安全なんでしょうね。

    鹿児島県民さん
    そう、だれかが途中で莫大な利益を上げてます(笑)。焼酎、お待ちしております!

    マチャキさん
    気持ち悪いですよね。ボツリヌス菌もすごいけど・・・

    Algloryさん
    いや、その通りだと思いますよ。事実は事実として、伝えてもよろしいのでは? またお待ちしております。

  12. ぐっちー より
    コメントありがとうございます。

    lmdcさん
    ふーん、そういうのもあるんですか。日本人ならなんでも作れそうですけどね。情報ありがとうございます!

    ごめんね二郎さん
    その節はよろしくお願い申し上げます。わたしも二郎ははやくいかなきゃ、と思いつつこの寒さで並ぶのを躊躇しております。年内28日までですよ!!NYKさむいっすからお気をつけて。。おすすめの本、ちょっと考えて見ます。

    暇人28号さん
    どうもです、そう、吉野家は販売するよ、と早々に発表しているのですが、所謂「無理やり再開させた」面子の中には入っておらず、果実の落ちるのを待っていた派、とでも呼べましょうか。説明が足りませんでした。おっしゃるとおり中国産の松屋は微妙ですな(笑)

    バッファロー66大尉さん
    そうそう、前にもこの書き込みしてもらった覚えがあります!! 有難う御座います。
    確かに肉の原型をとどめていないスープ、などに入れられる訳ですからだしも自分でとれ、という状況ですね。侮れません・・・ダイエットにはいいかもしれませんが・・

    こいもさん
    あとにへびさんが指摘しておられるのですが、このあたりが行って見ないとわからんこと・・・という部分です。そこだけ取材してくるのは簡単ですからね?。中国産は私の中国人の友人は絶対食べない、といってますけどね?(笑)

    ふにふにさん
    おっしゃるとおりかと存じます。中国でさまざまな農業生産にかかわっている方は結構怖がってますね。

    へびさん
    おっしゃるとおりだと思います。アメリカ・・らしいですよね、対処の仕方が。ある種環境問題も良く似ていて「金持ちの道楽」になってる面もありますものね。じゃ、コーンフレークなら安全かといわれると今度は遺伝子組み換えとうもとこしとか出てくるし・・・何が安全なんでしょうね。

    鹿児島県民さん
    そう、だれかが途中で莫大な利益を上げてます(笑)。焼酎、お待ちしております!

    マチャキさん
    気持ち悪いですよね。ボツリヌス菌もすごいけど・・・

    Algloryさん
    いや、その通りだと思いますよ。事実は事実として、伝えてもよろしいのでは? またお待ちしております。

  13. nanoshi より
    そこまで慌てなくても・・

    まあでも、狂牛病にかかる確率は交通事故で死ぬ確率の1万分の1ぐらいであることを考えれば、
    そこまで心配していたらかえって身が持たないような気がしますけどね・・
    アルコールの取り過ぎによる食道がん誘発のリスクの方がよっぽど大きいと思うのですが、
    どうして狂牛病はこんなに恐れられているんでしょうね?

  14. バッファロー66大尉 より
    気持ちの問題

    >どうして狂牛病はこんなに恐れられているんでしょうね?

    たぶん「手の打ち様が無い」病だからでしょう。
    癌になっても治る人はいる。
    交通事故でも全員死ぬわけじゃない。
    でもクロイツフェルトヤコブは死ぬしかない。

    そういう意味では航空機事故と似たところがあると思うね。

  15. 琥珀 より
    Unknown

    少なくとも私のまわりのアメリカ人は、狂牛病全然気にしてないみたいですよ。

    日本が輸入禁止にした頃、SFで人気のあるプライム・リブ専門店(49ナーズがパーティーをしたりする、LAや東京のローリーズみたいなレストランです)に行きました。いつもすごく混んでるんですが「さすがにあそこもガラガラじゃない?」などと予想して行ったのですが、この人たち新聞読んでるの??なんて疑問をもつほどの混雑振り。(そういう私も行ってるんですが・・笑)
    以来、日本が輸入禁止中、何回か行きましたがいつも混んでいます。

    レストランでもハンバーガーを注文するアメリカ人に「狂牛病って知ってる?怖くない?」って聞いたら「魚だってマーキュリーが怖いじゃん」という返事でした。

  16. こうふう より
    Unknown

    http://www.sankei.co.jp/news/060120/kei104.htm
    輸入再開して、あっという間でした…

  17. コラーゲン より
    コラーゲンを皮膚にの件

    コラーゲンを皮膚にの件ですが、浸透はしないかも知れませんが、皮膚には目にみえない細かな傷や、また、顔には目や鼻や口の粘膜がありますので、もしプリオンが入っていたらたいへん危険かと存じます。

    他にもいろいろ問題がありますね。狂鹿病っていうのが大発生しているそうですね。
    参考になりそうなサイト
    http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/

  18. バッファロー66大尉 より
    ゼンショー(すき家)好調のわけ

    コラーゲンさん、古い記事にレスつけますねえ!

    女性に聞くと「本来おばちゃん向けだったSK?という商品が若い人含めて売れている」とのこと。
    アレってまさにコラーーーーーーゲン!

    ゼンショーの株価推移と吉野家のそれを比べると、なんだかんだ言って投資家は良く見てるんだなあ、と思いますよ。

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