2008/02/13 11:17 | 金融全般 | コメント(41)
実感
今日はわたくしなんぞがなんか書いている場合ではないかしらね。こちらの読者は皆さんご存知でしょうけど、今日は是非ね、読んでみて頂きたい。
ぐっちー的な実感としては引用書のこの部分はまさに秀逸
「日本は明確な戦略に沿って動くというよりも、大きな衝撃を外部から受け、それに反応する形で進路が決まっていく国家なのではないか。明治維新後の歴史を見ると、そう思う」
実際企業にお勤めの方は大多数がそう思われているのではないでしょうか。
モルガンスタンレーに勤め始めた80年代後半、それまでいた商社から来た私はある意味衝撃を受ける訳です。がんじがらめの金融行政の中で、「いや、だって大蔵省がそういってますから」、「そういう仕組みですから」、という意見に対しアメリカ人のトップは「君たちがそういっている限り何事もかわらない。こちらから変えてやるという意識を持たなくてどうするのだ」。という訳です。
それまでの商社では役所の方針がまずあって、逆に言えば如何に役所の意図を汲んでスムースに仕事を運ぶか、という事が仕事のほとんどで、それができる奴が仕事の出来る奴だった。これは社内と言い換えてもいい訳ですが、まして役所と無用な摩擦を起こす奴はいらない、ということで、一方モルガンではそれはマッタク通用しなかった。大蔵省をどうやって変えるのかを考えろ、という訳です。(これをガイアツと呼ぶのならまあ、そうなんでしょうね)
もう一つ思い出すのは、当時社内で使っていた債券システムは外債用にできていて、当時はじめた円債にはまったく対応していなかったのですね。日本人はここで工夫をして、個人個人でそれこそ「カイゼン」にかかり、独自でJGBに対応するシステムをくみ上げる訳です。
しかし、やはりニューヨークから「君たちは何をやっているのか」、と咎められた。こちらは好意でやっている訳だし、外注すれば何千マンもかかるのもわかっていて、節約になるし何が悪いのか、ということになりますね。 しかし、彼らの意見は違っていたのです。
「君たち、日本人が東京ではこれが必要だと会社に認識させ続けなければいつまでたっても前に進まないし、東京が本当に必要なものは手に入らないではないか」。と来る訳です。日本の市場でJGBをやる限りにおいては今のシステムがマッタク役に立たないと、君たち日本人が発言しなければ会社の誰も認識できないではないか・・・・
いや、ごせつごもっともです。
そう思った人間が自分の意思でスタンダップしなければ長い目で見ると会社(組織)に対して損失を与えるという考え方ですね。よくも悪くも自分自身で何かを考えて変えていく経験がどうも日本人には乏しいのですよ。学校でそういう教育をしていないせいもありますがね。
かんべえ先生はそれはそれで日本人の特性だと捉えておっしゃいます。そういう意味では、日本人は組織の中では永久にリーダーシップはとれないかもしれないが、誰かをサポートする側に回ると日本或いは日本人ほど上手く働く奴はいない、と言い換えてもいいかもしれませんね。
前にも書いた「アメリカ人の上司+日本人の部下」が結構いい組み合わせなんだよ、という事がまさしく当てはまる訳です。メジャーの監督が日本でいい仕事をしているのもこのあたりに繋がる訳でして、まあ、なんか情けない気もしますが、そういう役割もありかしら、とも私は思います。
実際あるアラブの有力投資家でアメリカ人は(クリスチャンだから)嫌いだし、直接交渉もしたくないが、日本人ならいいか、ということで我々をネゴシエイターに指名してくるケースが結構あります。
「なんで日本人が間にはさまるんだ??」 とアメリカ人の友人は苦笑いをする訳ですが、「君たち過激なキリスト教信望者はイスラムでは信用されんのだよ・・・」、といいつつアラブとアメリカの間を取り持ってお金になったりする訳ですから、こういう役回りも実際ありなんでしょう。
イチローは確かに天才ですけど、メジャーで4番を打つわけではない。でもしっかりベストナインには選ばれて、すばらしい選手だと野球ファンに思われている。「日本が世界におけるイチローをめざす」、ってのもそれはそれで悪くない・・・と思います。
最後にもう一つ。
先日あるタイ政府の閣僚の方と話をする機会があってその方も実に面白いことをおっしゃってました。いわく、
「タイは自力でなんとか日本のような工業国をめざしたんだが、どうも上手くいかなかった。どれもこれも中途半端に終わる。要するに製造業というあらゆる工夫の塊のような仕事は恐らく世界中で日本が一番向いている仕事なのではないだろうかと思い至った」
そういう見方もある訳ですね、と感心した次第です。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
41 comments on “実感”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
そうなんでしょうねぇ。
メダカの表現はぴったりだと思います。
同じ方向に泳いでてもイワシにはなれないのだと。
松下・ソニーetc、カリスマの陰に大番頭あり。
番頭・手代にむいてる国民性なのかも知れません。
>前にも書いた「アメリカ人の上司+日本人の部下」が結構いい組み合わせなんだよ、という事がまさしく当てはまる訳です。
この一文を読み、ホンダやソニーを思い起こしました。
例えばホンダ。宗一郎氏が一人で全部仕切っていたら、まあ数年で潰れていただろうと想像します。
藤沢武夫氏がいらっしゃったからこそ、バランスが取れて発展していったのではないか、と。
ぐっちーさんの書いていらっしゃる「アメリカ人の上司+日本人の部下」を「天才型(または君臨すれども統治せず型)+実務・バランス型」と読み替えると、
他に思いつくのが、、、、、
・昔の三井とか三菱とか
・地方の酒蔵のような商売(今でも続いているであろうと想像)
・小泉元首相+飯島氏
・女王蜂と働き蜂
あたりでした。
仮に、日本人全体が「サポートに回る役回りに向いている」としても、
日本という国にはリーダーが必要なわけで、、、、ああ難しい。
工夫国ですね。
日本の会社だと成り立つ理論。外資には出来ない考え方。
日本の勝ち筋かもしれません。
相手の意志を汲んで、コツコツと改善していく。
宗教観も、主張も無い。
だから、いい。
ってありますね。
そうですねー、製造業というのは確かにどこの国でも出来るものではないと思います。わが国の真面目な国民性が出ているのでしょう。
とはいえ、かなり前から理系離れが生じているらしいので、これからも製造業で食っていけるかわかりません。昨今、日本人に優秀な技術者の数が確保できないので外国人を雇う企業もあるとか。
食い扶持に困らないくらいに人口が減った方がいいかもしれません。しかし、外貨稼ぐ産業がないその頃にはかなーり円安になって生活水準が下がってしまうかも。
かんべえ先生は穏やかで落ち着いた
考え方でホッとさせてもらえます。
おふたりがいなければ
私のような普通の主婦では
何もわからず皆の後ろから逸れまいと
必死でついて行っていたと思いますが
今は自分の意思で(チョッとですが・笑)
動けるようになりました。
40年ちょっとしかまだ世の中を見ていないのに
生意気言わせてもらうと
日本って天才(思いつき)はいらなくって
天才の作ったものをみて
同じじゃ通用しないからもっといい物を
作ろうという風なんだなと思ってました。
自分もそうゆうとこがあるし…(笑
ぐっちーさんのいらっしゃった商社が物言わぬ社員なかりだったからではないでしょうか?今の日本企業は随分変わっていますよ。少なくとも私がいた商社は違いましたが・・。
はっきり言ってアメリカ人の上司なんて絶対にいやですね。自分の給与や目先の利益しか考えませんから。
40年ちょっとだなんて
40歳半ばです…
さばよんじゃいました(笑
これからはsabakoに名前をかえようかしら
国家・国民にも得手・不得手があるということですね。
日本人が「お上」に従順なのも先祖からの特性で、例えば平安時代も中期になると、軍隊もなくなり、都以外には警察もなくなってしまい、此処まで行くと何処の国でも王朝交代したと思いますが、日本はそうならず、平安時代は400年続き、現代にも残る日本文化の原型の多くを生み出しました。
しかし現代では、国民が「お上」に従順であることは弊害の方が大きいと思います。
例えば、日本の官僚が机上で考えている農業政策は180度間違っていて、為に農家の疲弊、地域経済の低下(都市の負担増加)、自給率の低下、毒入り食品の増加、等々国家の基盤を揺るがす深刻な問題を引き起こしています。
日本の農業政策の根本的過誤は何れ食糧危機となって具現するでしょうが、その時、国民に餓死の危機が迫って漸く農業政策を「大規模化・産地主義」から「小規模多品種生産」へ切り替えるのでしょう。
そうならない前に、国民が質量共に「食の安全確保」について考え、行動すべきだと思います。
食料危機になれば、小金持ちの財産などアッという間に吹っ飛んでしまいますよ。
古くから拝誦させていただいています。最近は有名になられたので嬉しいような少し寂しいような、、、
溜池通信のこの引用は秀逸と思っていたところ、取り上げられたので小生の感覚もそうずれてはいないなとわが意を強くしています。
ぐっちーさんの最後のタイのくだりに関しては、ご存知と思いますが、東大の藤本先生のご意見が有名です。日本の比較優位は現場の工場発の摺り合わせ型の産業(例自動車製造)にあるというものです。製造業でもモジュラー型(組み合わせ型)は他国に強みがあるというもので、なるほどです。
http://todai.tv/contents/kokai/fujimoto_takahiro/001/lecture.pdf
http://todai.tv/contents/kokai/fujimoto_takahiro/001/index.html
「タイは自力でなんとか日本のような工業国をめざしたんだが、どうも上手くいかなかった。どれもこれも中途半端に終わる。要するに製造業というあらゆる工夫の塊のような仕事は恐らく世界中で日本が一番向いている仕事なのではないだろうかと思い至った」
台湾の学者も、同意見です。「台湾の工業化は、日本の1.5番手で行くのが、失敗も少なく成功率も高いと」。
同じことが一つの会社の中でもいえます。うちの内緒の会社でも,日本が開発してプロセスを構築してから次世代機は某国だったりします。でもアーキテクチャーを仕切るのは言うまでもなく米国です。
明確な戦略に沿って動くねぇ?
ローマが覇権を握るのに、先祖と信じているトロイの滅亡から何年が経ったのだろうか?
明確な戦略があっただろうか?
イスラエルが戦後建国されるのに、ユダヤの民は何年待っただろうか?
明確な戦略があっただろうか?
メイフラワーから上陸してから独立まで、明治以来今日までとほぼ等しい。
が、独立への戦略があったのだろうか?
独立から米が覇権を握るまで、どれ程の時間が経っているのだろうか?
第二次世界戦中、始めて戦略が出てきたのじゃないだろうか?
だとしても
今日のイラクとアフガニスタンの泥沼は、その戦略に基づいたものたろうか?
人材の厚いが伴わない限り、机上の論にすぎない。
我等は弥生時代から、文化・技術の輸入と、その改良と拡大と大量生産が最も得意でありまして、昨今の話しではありませんぞ。
早速、かんべえさんの推薦の本を買いました。
なかなかおもしろそうですね。今夜読むつもりです。
さて、沖縄の女の子のレイプ事件について、アメリカ大使のシーファーさん、AP通信社、ホワイトハウス、USATodayその他のマスコミに抗議のメールを送信しました。
話は変わって、オバマさんがなかなかがんばっていますね。
そして、彼の身辺が危ないかもしれない、と、ささやかれています。
確かイギリスの女性作家がオバマが大統領になったら、暗殺されるかもしれないから、クリントンが大統領になったほうが良いと、言っていますね。彼女に関わらず、もしかしたら彼は危ないと思っている人は、口には出さないけど多いでしょう。
アメリカの歴史のなかで、今までにアメリカの大統領暗殺や要人の暗殺事件は、ときどきありました。
1975年、当時私はサンフランシスコに住んでいました。
ベトナムで負けたニクソンの後を引き継いだフォード大統領。彼がサンフランシスコのユニオンスクエアの前にある有名なホテルへ数日滞在。ホテルを発つ日、私は野次馬根性で、大統領を人目見ようとホテルの近くへ行きました。
ホテルの側面の出入り口。その出入り口から道路を隔てて、私のような野次馬が多く集まっていました。目の前には、警察官達が物々しく警備していました。ホテルの屋上には、男が筒の長い銃を持って伏せ、私達の方へ銃口を向けていました。
出入り口からやがて大統領がシークレットサービスに導かれ、止まっているリムジンの方へ歩を進めた時、パーンと銃声がした。群集からの女性の叫び声。私も一瞬凍りつきました。
大統領はシークレットに促され、リムジンで疾走。
そして、目の前で警備していた警察官がこちらへ突進してきて、私の少し前の人間を数人で抱えて行きました。幸いなことに大統領には当たりませんでした。
『自分自身で何かを考えて変えていく』資質というのは、政治や金融といった国家の舵取りをするリーダー達に求められるものでしょう。
自分たち自身にその資質を求めていって初めて、それを持ち合わせた指導者たちも輩出されるようになるのでしょう。
時間かかりすぎて当面の危機には間に合いませんが、国民全員がイチローになれるわけも無いので、急がば回れ、って感じでしょうか。
自然に対するとらえ方の違いだと思います。
日本:対応する
欧米:コントロールする
受身形が日本。能動刑が欧米。
まったく同感です。
アラブの方がアメリカ人と交渉する時に日本人を使う・・・未だに元野村さんは凄い影響力がありますね!また、日本人は中国とビジネスをする時はインドの方を挟むとスムーズですね。タイの話は機械メーカーの方でしたら常識です。キャノンやシャープに卸す機械でも、一発でうまくいくことはありません。電化製品とは違います。そこを修理・改善していくのです。これは全くアジアにはありません。不都合があっても、そのまま使います(笑)国の政策でも、機械を作る意思もないし、作れません。30年遅れているといのが常識です。
グッチさん、この辺りはどうですか?
FNCL5.5 12/07 5.5 2034/12/13
FNCL5 12/07 5 2034/12/13
US TSY INFL IX N/B 3.875 2009/01/15
ドイツ国債 4.75 2034/7/4
オーストラリア国債 5.75 2012/4/15
>明確な戦略に沿って動くというよりも、大きな衝撃を外部から受け、それに反応する形で進路が決まっていく
いつ私の勤め先をスパイしたんですか!
日本人は惻隠の心。弱者への愛情。武士は食わねど○○。日本人のこういった文化は好きです。欧米の狩猟採集民族の前でソレをさらけ出すと、あっさり種族が絶滅するまで略奪されるんで、困りますが。
日本人の歴史を教養として叩き込むのを国際化と言うもの良いですが、狩猟採集民族(≒ハイエナ)と戦う能力を身につけさせるのも国際化と思います。
それをするには、結局自身もハイエナ行動をして、目には目を歯には歯を、の攻撃的性格を身につけさせることかと思いますが。どういう教育をすればいいんでしょうねぇ。
それは敗戦後の日本であって、明治維新そのものも含めそれまではこの国は明確な戦略に沿って動いてきましたよ。まぁ、その結果が敗戦ということであったわけなんですけどね・・・
組織なんて、そんなに何処も彼処も大差が無いって、本当に。欧米人だって自国の当局に対する姿勢なんて、日本人のそれとあまり変わりないんじゃないですか?「変えてやる」とかいうんじゃなくて、「法の網の目を潜れ、グレイはゴーだ!」ということじゃないのでしょうか?特に常に同じような問題を起こす金融業界という所では。それと、システムの話に関しては、それはつまり「営業は営業だけをしろ!、システムの事はバックに任せておけ。そんな事は後からどうにでもなる(これが外資で邦人相手に商売していると一番困る所なんですが・・・)から、さっさと稼げ!」という意味では?
まぁ、そうは言っても、私も今のこの日本という国に期待するものではありません。この国は、タイ人に方が言われるような姿ではもうないでしょう。それは、その昔の日本人が、江戸時代からの寺小屋などのおかげで、文盲率が低かったというだけのことなんでしょう。一部のエリートだけを急造したところで、国民全体の資質にレベルアップを図らねば何ともなりません。それが出来ないなら、米国の様に力の論理で突っ走るしかないのでしょう。つまりは、国民の著しい資質の低下と力の無いこの国、日本・・・未来は?そこに気づくだけでも随分違う気もするのですが。
「真実は中庸にあり」 イスラム教、キリスト教、その他数多の一神教同志の争いを、最後に治めるのは先進国のなかで唯一神道を国教(生活に浸透しているという意味で)とする日本である、、、なーんちゃって。
なんてったって万物に神が宿る、ヤオヨロズの神の国ですからね。 千葉には鮭を御神体とする神社まであったりする。 裏を返せば、宗教なんて腹の足しにならないことにこだわらない、実利主義者なんですよ、我々は。 よって、民を導いてくれる指導者、リーダーを渇望する思想自体が無いんだよね。 それだけのこと。 普段自分勝手にやって、リーダーはいざ罪を着せる時に利用するだけ、という輩が実に多い。 リーダーは使い捨て。 そういえば阿倍ちゃんもそうだった。 ある意味個人主義が徹底している国。 ぬるくて気持ちいい。 ただ、仮想敵国が中国だという一点だけは忘れないようにしましょうね。
西海岸パロアルトに住んでいます。金利が下がったのを受けて、家の値段が上がってしまう、そういう地域です。私は、経済については、ド素人。最近、2件目の家のリファイナンスを考えていて、一体利息はいつまでどこまで下がるのかと調べていたら、このサイトに出会いました。面白い。特に、記事のサブプライム問題の扱いの重さと、こちらのオンラインの一般のマネーニュースの扱いのギャップが面白い。忙しくなっても、がんばって。
かんべえ先生のコラムはまさに
ど真ん中です。
ぐっちーさんの改革持論も
もっともですが、
なんか中長期計画が流行している
日本企業に一石を投じるような
見方ですね。
日本企業もだんだんに変わって
きましたよ。官僚もね。
期待できないけど悲観することはない。
今は情報の共有が焦点かも。
ある人が「日本に情報はない」
と言っております。
本当に日本は指揮官が不在なんですね。兵は強いために時勢に乗れば最強だけど指揮官不在のため時に勢い余って行きすぎたりダメなときは本当に全然ダメになってしまう。ドラマティックと言えばドラマティックですが、集団となると個人的な日本人の良さがなくなってしまう悲しさですね。太平洋戦時勝てない戦に参謀本部は負けを認めず兵士を死地に送り出し次々死んでいきました。まるで、その後を暗示しているのでしょうね。
当方の議論を上手に発展していただき、いつもながらありがとうございます。
考えてみれば、他人に指示を与えてもらえないと動けないというのは、情けない話ではあるのですが、そういう人間がみずからをわきまえず、下手に自分で戦略を立てると碌なことがないというのも、過去にいっぱい例のある話でありまして。だったら自分の欠点を深く認識して、どうやら親和性があるらしい米国と仲良くやっていけばいいんじゃないか、というのが私の考え方で、たぶんぐっちーさんもそれに近いと思うのです。まあ、ヘタレだとか売国だとか言う人はいますけどね。
タイには昔何度も行きましたが、あの国は何でも1.5流までは行くのですが、その先に進めないという印象があります。要するにオタクがいないんですな。食うに困らない恵まれた自然環境のせいではないかと思います。とはいえ、あれはあれで魅力的な国ですよね。
仕事で韓国、中国にいったりきたりして、よーく
わかりましたよ。大陸気質がいかに、
アバウトで、、、日本人がいかに、几帳面で、また
世界的にみて異常に几帳面だと。。。
だから、 The akihabara が
存在し、外人に人気なのだと。
日本人に戦略が、あるとすれば
技術者に、高い給料を払う
仕組みを作ることですね。
5年契約で100億円とか
どこぞの国では、こんな感じで
国の価値を挙げていますね。
ぐっちーさんさすがだな?と思いました。
門外漢の私でも、これだけ分りやすく噛み砕いたブログを継続できるということは、裏を返せば根っこの部分を身体で体得されているからに他ならないと感じておりましたが、やはりご立派な歩みをされてこられたんですね。私のような凡人では速攻で挫折するレベルです。
とこれで、早い話が脳死状態の根源理由がこういった国民性にある、ということでしょう。最近お花畑の住人代表の北畑ナニガシが幕藩体制根性マル出しの講演をやったようですが、遡れば平安期ですでに国の頂点は神輿の飾り物になっていて、見かけが変わっても本質はずっと継続されて来たように思います。
いっそ国民性なんだからと開き直って、その範囲を出発点にしてアイディアを考えてみる、というのはいかがでしょうか。北畑ナニガシのお陰でソレもアリか?と思うにいたりました(笑)。
このまま海外から歯牙にも掛けられず、ただ機械的な金融商品が極東にポツンと浮かんでいる状態、と言いますか、開かれた鎖国状態といいますか、波風が穏やかな方が国民にとって幸せなのかもしれません。もちろんそれに満足できない有能な方には海外で活躍していただく道が開かれていてナンボですが。
ちょっと小銭を持つとすぐに「世界に冠たる一等国」とか言い出し天狗になって自滅する間抜けな国です。このままあと10?20年くらいウダツが上がらない方が後々のためかもしれません。
毎回追記ばかりでスミマセン。緊急ネタです。
たまたま今池田信夫さんのブログを覗いたら、維持経費が膨大な美人妻を雇用した後藤田ナニガシという政治家が、デフレスパイラルの原因を流通業の価格破壊戦略に求めた上で「廉価販売などの流通を規制」する趣旨の発言をされたようですが、、、コイツ気違いですか?極論すればデットストック整理や債務清算の手段を断つわけですから気が狂ってるとしかいいようがありません。また価格統制ですから共産主義すのものですね。脳死にも程があります。
消費庁構想など絶対に潰すべきです。
日本は製造国として世界で生き残ることができるかもしれないから、そのためのシステム作りと、欧米並みの指導者を育成できる教育機関と仕組みがあれば再びライジングサン・カンパニーとして輝けるかも??
興味深い記事、毎度ありがとうございます。
かんべぇ先生の記事は読んで納得でした。確かにお互いの状況を考えながら、こんなのどお?って提案することが多い自身の経験を振り返ってみるとピッタリです。
こういうところがお人よしが多いといわれる日本人の性と言うのでしょうか。
最近、本文が横に長くて読みにくくなったのですが、僕のブラウザのせいでしょうか???皆さんどうです
Firefoxだと画面サイズ無視して段が終わるまで横に伸びますね。
横スクロール読みにくい。
推薦の本、暗流(米中日外交三国志)を読み終えました。
いい本です。才能のある書き手が出てきたことを誇りに思います。書かれていないインド、ロシアの戦略論は、かんべえさんに書いてもらいたいものです。
さて、グッチーさん曰く、メリカ人をリーダー、スタッフは日本人(汗かき仕事は日本人)との組み合わせが良いとの事ですが、私はアメリカ人の下では働きたくないです。(笑い)。対等で話すことは好きですが。白人が嫌いなのです(笑い)、と、言うわりには町で会ったアメリカ人を家に無料で滞在させることがあるのですが。
これはアメリカに居た時、ヒッチハイクでいろいろな場所を訪れた際、土地のアメリカ人に少なからず世話になったからでしょう。白人は嫌いですが、バカでトンマなアメリカ人は大好きなのです。私もバカでナントカですので。
日本人がリーダーになれないなんて、自分で限界を設けるべきではありません。確かカンボジアの復興は外務省がやったんじゃないでしょうか?それに、スエーデェンや、ノルウエーのような小さな国が(これは外国名が間違っているかもしれない)、つまり小国が他国の仲裁をやれる。そんな役割などは日本人にも出来ると思います。
世界でリーダーシップをを発揮している日本人は、有名ではないかもしれないが、多いのではないでしょうか?また、そんな人の名前は、欧米のマスコミは取り上げないでしょうから?
リーダーシップを発揮しているその一つの例ですが、中村哲、元医師、今も医師かな、彼は土方の親分をアフガンでやっています。患者を治すより、生活には水が重要ということで井戸を堀り、水路を作ることに専念しています。最初は医療活動のボランティアから始まり、今では井戸掘り活動を含めて20年以上ボランティをやっているので、筋金入りとといいでしょう。
彼曰く(われわれは、外務省が言うところの危険地帯と呼ばれるところで活動しているのですが、現地の人々から攻撃を受けたことがありません。現地の人々が望むことを一緒に実現していく、そのことが私達を守るのだと思っています)
白人が出来ないこと、また白人が行きたがらないところへ行って日本人が現地の人と仕事をするのは、日本人の一つの生き方ではないでしょうか?そして、そこでリーダーシップを発揮する。
白人嫌いな日本人より。(笑い)
人間の価値はそんなに変わらない。一人当たりGDPも先進国平均から乖離するにも限界がある。扶養する老人が増える。生活水準は、老人が株や債権で生活を多少は支えないと、半分になる。
結局、市場の大きさと種類で先行きは決まる。
今の日本は高度成長のオーバーシュートとその戻しの中間の時期で力がバランスして変化の速度が無くなり平穏に見える。
けれども、これから急激に戻しの方へ状況が変わるだろうね。
エントリーにあるように、個人がその場で出来ることを頑張る日本人。それが特攻隊のようなものを生んだのでしょうかね。
日本は個人より組織を重んじ、組織維持のために物事が運んじゃう。組織維持がやばくなって初めて動き出すんですよね。先が見えるつもり発言してもまったくもってムダと徒労に終わる社会。それでもここまで豊かになったのって不思議ですよね。
初めてこのブログにきて、記事を読ませていただいたのですが、
あまりにも秀逸した内容でとても驚きました。
これからも、頑張ってくださいね
ぐっちーさん、こんにちは、いつも見させて頂いてます
その上ひとつ、お願いがあります
HPの改行が横長すぎて、とっても見にくいのです
ガ??ン(ごめんなさい)
改行を入れてくれるとありがたいのですが、、、
すみません、、、ごめんなさい
役人は、去年と同じ仕事しか出来ないんでしょ。
目立ったらだめ。自分や先輩の失敗なんか絶対認めない。お国はいつも正しい。見積もりも甘いけど、効果測定なんか絶対しない。
無事退職するためには、仕事の評価による降格などないから何の変化も起こさないことがBESTなんでしょ。
民間とは違います。予算の消化\”義務”、利益志向なし、今でも官僚が一番頭いいって思っているんですね。
日本の将来危うい。
今のアメリカは、
経済的にも全然よくない。
一部の連中が、大きく儲けてるだけ。
中流以下は、凄く苦しい。
医療も並の人にとっては、
日本以下。
乳幼児死亡率なんか、
先進国ダントツ最低。
国民は、戦争したくないのに、
戦争させられている。
アメリカこそ、
既得権益者のダントツに得する国なのだ。
ぐっちーさんは、アメリカに住んだのだから、
この事実を知っているでしょう。
日本史で見ると、日本人は政治体制が変わる方法は新政府が旧政府を倒す方法しか経験していない。
しかし、現代で明治維新のような武力を用いる方法ではないだろう。今の政治の仕組みを維持しながら、政府が変われる方法はどんな方法だろうか?
幕末末期を考えてみると、江戸幕府は黒船来航で開国要求に幕府では決めきれずに、朝廷にお伺いをたてた。この振る舞いがきっかけになった。
そもそも、それまで幕府が有無を言わさず、政治向きのことは決めてきており、朝廷は口を出さないよう禁中ご法度で縛っていた。のにも拘わらず、幕府が決められなかったのが、紛争に始まりになった。
その頃の幕府は、幕閣にも有能な人物がおらず、旗本八万旗は名ばかりで、戦の訓練を受けていない武士ばかりで、商人に苗字を売って借金を返済する武士もかなりいた状態だった。
藩政府も大半は借金で首が回らず、江戸時代後半は参勤交代も一部を除きしていなかった。薩長土肥は藩政改革を実行して余力のある雄藩と言われていた。
役割から今の政府とのアナロジーを見てみると、少々無理があるかもしれないが、
将軍、幕閣 → 首相・閣僚、自民党、民主党などの
旗本八万期 → 政府官僚
藩政府 → 地方自治体
雄藩 → ?
江戸時代には実は八代将軍吉宗のときにも同じ状況があった。
五代将軍の綱吉の時代は、米以外の産物開発が進み、幕府も藩も新田開発に無理な投資し、そのバブルが崩壊した時期だった。
日本の90年代初頭と類似しているという。
吉宗は紀州藩の赤字財政を立て直し、将軍就任への要望が高まった。尾張家を押さえて将軍になれたのは、その背景もあった。
周りを見渡しても赤字で首が回らない状態で、財政建て直しに成功すれば、待望論が高まる。松平定信の時も同じであった。
アナロジーの続きで、改革の状態を想定してみると、
まず、日本人はどうしようもなくなってからでないと動けないので、よほどひどい状態がタイミングということになろう。
つまり次の様な状態になればタイミングが来たということである。
・政府の赤字財政で、国債が暴落し、国債発行で十分な資金を調達できなくなっている。
・そこで、消費税を値上げせざるを得なくなっている。
・しかし、消費税を値上げすると、経済は大停滞し、大量失業時代になる。
・地方自治体へ回る財政も極限まで減り、地方自治体の行政機関が経営できなくなるところが出てくる。
こういう状態で、東国原知事、橋下知事が財政を立て直せば雄藩として自民党でもない、民主党でもない、地方自治体擁護者の新党を擁し、選挙に大勝するであろう。
自民党も財政を支持者(その大半は業者だが)に回せないので、支持を得られない。
田中康夫知事は、長野の財政建て直しまでできなかったので、その後、待望論が出ない。政府を変える人物はまず実績をあげねばならない。
地方自治体擁護者の新党が出てくると、国の財政をどう分配するかという議論が焦点になろう。この新党はそのために出てきたのだ。
したがって、特別会計を食いつぶす特殊法人は大胆に統廃合。地方自治体の権限を強化。自治体が末端で運用している福祉や教育などの配分を増加させるであろう。
地方自治体が強力になれば、以前からくすぶっている道州制のようなアイデアが出てくる可能性は大きい。市町村では小規模経営が難しいので合併を繰り返したが、これが財政赤字のもとで、県単位の合併が出てくるということだ。
問題は、このタイミングまで待つと、日本人それぞれも経済的に大変な状況になっている。堺屋太一の平成三十年ということになろうか。
実は、私はまだ平成三十年を読んでいない。今、注文中なので、読んでから考えてみようと思っている。