2005/08/18 14:33 | ワイン | コメント(12)
アル・ケッチャーノへ行ってきた!
行ってきましたぞ、アル・ケッチャーノ。
イタリア語かとおもったら、庄内弁で何かいいものが「あるけっちゃの!」と言うそうでこれをイタリア風に直すという何ともきわどい命名。それだけ郷土愛に溢れた志をお持ちな訳です、はい。
松橋シェフは仙台から5時間も!! ひとりカラオケを叫びながらご到着。しかし東京から行った私はらくらく1時間フライト。いやー、こりゃ、近いね。庄内空港からも車で20分ほどで市内へ。らくちんくん、ですね。こんなに近いと思いませんでしたわ。ホテルの屋上が展望温泉になっており、まずは一風呂。
いやー、眺めもいいし、サイコーであるぞ!!
すっかりいい気分になったところでいざ、アルケッチャーノを目指します。
フロントのおねーさんに聞いたら、ああ、こちらなら車で15分でつきますよ、と言われ、ふーん、これはかなりの県外客が多い証拠だな、と思いつつほんとに15分で到着。一番乗りでした。店は完全に山小屋風、写真とるの忘れちゃったのでHPで我慢してください。
さて、料理。
一言で表すと・・・
人里はなれた田舎を訪ねたら、化粧もしていないし、いい服も着ていない、髪型も後ろに束ねただけなんだがとんでもない美少女を発見した!!
という感じ。セクシー、グラマラス、ファンシー、ファービラスといった形容詞は一切使え無いけれど、いい女である事に違いはない・・・・という感じです。
細かいメニューは松橋シェフがアップしてくれていますのでそちらをご覧下さい。
とにかく素材がいい。だからそのものずばり、というものがえらくおいしい訳です。
例えば羊のカルパッチョ。
元来カルパッチョに出来る素材ではない。でも、ここは軽々とカルパッチョにして、それも牛肉よりクセが無く仕上がっており、もうこれは素材の勝利と言うしかありません。
そして岩かきのモロヘイヤソース
モロヘイヤとの相性は如何に? という事なのですがとにかく地物のかきが上手いのでこれはどうやってもおいしいでしょう・・・となる訳です。モロヘイヤ独特のくせを上手く処理しているのもおそらく、地元で育てたモロヘイヤそのものがかなり新鮮だから、と言う事だと思います。
こう書くとなにか素材ばかりではないか、と怒られそうですが、ぼーっと地元にいればいい素材が集まる訳はなく、其処は奥田シェフがこうすればよくなるよ、もっとおいしい料理ができるよ、と日夜農家の人々を説得し、更に彼等の間に相応の信頼関係があるからこそ、そういう素材が手に入る、という事であって、その意味では奥田さんの情熱がなかったらここまでのものは手に入らない、と言う事は間違いなく言えると思います。
トリュフのリゾットを頂いたのですが、これが多少評価の分かれるところでしょうか。もちろん庄内はえぬきを使ったリゾットはほんとに甘くてすばらしくおいしいのですが、ワイン(特に赤ワインを飲む私にとっては)との取り合わせを考えるともう一つ?2つパンチ技が欲しいと言うのが正直なところ。地元の方はやはり庄内産の日本酒をたしなまれる方が多く、そちらに味をセットしたというのが私の想像なのですが、奥田シェフ、如何でしょうか?
ウサギのガランティーヌ(テリーヌ、ですよね??)は絶品。これもウサギの新鮮さが際立つ一品でありました。
更に山澤ハトのロースト 赤ワインソース。
これはもう松橋さんの所や岡谷シェフの所でも定番でど真ん中のストレートであります。赤ワインソースしかないでしょーが! という素材です。
3人を食べ比べれば判りますが、やはり奥田シェフはこのハトの鉄分を出来るだけ抑えにかかられていますが、他の2人の場合、「ほら、どうだ、鉄分だぞ!!」とがんがんに表面に出す味付けをされるので、このあたりはやはり各シェフの個性、お客様のすじ、(まあ、のんべえ具合ですかね)の違いが出ておもしろいと思います。何がいい、悪いというのではなく、そこがまさしく個性なのです。
とい事でふとみれば、下町の巨匠門前仲町に店を構えるAシェフまで来ておられ、山形に天才シェフ大集合という、いや、これはすごい夜となった訳で、大興奮して飲みすぎてしまいました(笑)。最後は今度は冬にジビエでも、ということで来訪を約して帰りました次第です。
ということで、ここは東京からも近いですので是非、お出かけになることをお勧めします。幸せな夜になることをお約束いたしますよ。
心なしか翌日元気なんですよ。いい素材のものを沢山食べたせいだと思います。ほんとに。
ということで、山形ばんざい!!
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12 comments on “アル・ケッチャーノへ行ってきた!”
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両拳ぐらいのワイングラスになみなみ注ぐのが好きなのに、
日本ではなかなかなくて残念です。東欧に飛んでいきたいです。
それにしても、大地の恩恵を凝縮したような美味のようで、読んでて本当に行きたくなりました。
今日はIBMがバイオメトリクスの大問題を解決する技術をやってくれたのでちょっと嬉しいです。
これは、指紋や静脈をモザイクのように変成して記憶・認識・照合することで、クラックされても原データにアクセスできないというもので
近い将来、パターンが盗まれても手首を取り替えなくて済むわけですね。
パターンを不可逆にすることがこんなに最新技術の粋だとは驚きです。
巷にあるデジタルモザイクの類はもっと安直な技術のはずで、そんなカンタンに戻るのか・・・という疑問、なーんて書きそうなので、
おとなしくロムに戻ります。
The Wall Streetで生き残るためには、ぐっち様の
ような描写ができる感性もいるのかなぁ、と妙に
感心してしまいました。ちなみに、σ(^_^;は
田舎者ですから、その素材を特に手をかけずに
あっさりといただいてしまうクチです。
おかえりなさい。いいなー、いいなー。ぐっちーさんの言うとおり。「ワイン飲み」に絶対うける(というか「この味付けなら、もうワインを飲まずにいられないでしょ?どう?まいった?(笑)」という感じで、さりげなく、シュルシュルシュルーーっと、こっちの好みをピンポイントで突いてくる、もう心憎い)料理をつくられるシェフの方って、わりと少数かもしれませんが、いらっしゃいますよね。こっちも「まいりました!もう好きにして・・」状態。どんどんと気持ちよくなって、しかも翌日調子がいい。。。ああ、書いてるだけで、また食べたくなりました。
おかえりなさい。いいなー、いいなー。ぐっちーさんの言うとおり。「ワイン飲み」に絶対うける(というか「この味付けなら、もうワインを飲まずにいられないでしょ?どう?まいった?(笑)」という感じで、さりげなく、シュルシュルシュルーーっと、こっちの好みをピンポイントで突いてくる、もう心憎い)料理をつくられるシェフの方って、わりと少数かもしれませんが、いらっしゃいますよね。こっちも「まいりました!もう好きにして・・」状態。どんどんと気持ちよくなって、しかも翌日調子がいい。。。ああ、書いてるだけで、また食べたくなりました。
予想されたようなラインアップですな。ジビエ食べたい。これは行かなければ…。ところで、ワインの方はいかがでしたか。うさぎに鳩ならバローロといきたいところですな。
某銀さま
まさに大地の恵みの凝縮という感じです。一度行ってみてくださいな。
おおみや%NEETさま
いつもどうもです。いや、なんとも上手く書けず苦労してまっせ。またよろしくです。
unknownさま
こちらの方のほうがお上手ですね、描写が。その点ではフェアドマの松橋シェフ、フェリチタの岡谷シェフ、白金台ミウラの三浦シェフ、が現在東京での3大飲ませ上手シェフと申し上げてよろしいかと存じます。
システム5.1さん
冬場ご一緒しましょう。最初はカンノナウなどを飲んでいましたが、申し上げた通り、かなりすっきりした味わいをお付けになる事が途中でわかったのであえてハトにもバローロは合わせませんでした。カベルネに少々メルローが入った奴ですね。無名でしたがうまかったです。これで正解だったとおもってるのですが・・・多分奥田さんもこちらの手の内がかなりわかったようなので次回は「鉄分勝負」を仕掛けてくると見ています。次は王道、バローロを持ち出すつもりですよ!ジャコーサのいいビンテージを隠し持っている事を発見しました(笑)
良いヴィンテージ…。ますます涎が。こうなったら白トリュフもいただきたい。カベ+メルロー、無名のスーパータスカンですか(変な表現か)。ぐっちさんと松橋さんならワインをはずすことはあり得ない。また、グッチさんのおかげで、岡谷さん、三浦さん、松橋さん全ての料理を堪能させていただいてます。いつもありがとうございます。
システム5.1さん
お褒めに預かり光栄であります!
お褒めに預かり光栄です。ワイン飲みのツボって、シェフにはみえみえなんでしょうか(笑)。何より東京っていうのが最高!!。仏のポールボキューズやロブションとか(確かにうまいですけどね)のフランス人のサーブとは、やっぱり違う気がします。NYとも違う。あの絶妙なシュルシュルシュルーってツボを付かれる感じが、もう快感。御一緒にいきたくなりました。
ずーっと読みたかったのですが、慌しくてやっと週末金曜日、ゆっくりと読むことが出来ました!ジビエが多いように感じましたが、ジビエって美味しい、不味いが分かれますよね。ジビエが美味しければ本物って思います。行ってみたいなー
hannhaさんへ
いやー、そんな熟読なんていうと照れますけど・・・
その通りですね。やはり掴まえたあとの事後処理というのがえらく味の違いになるそうです。ここに書いたハトは飼育もの、ですが、山澤さんのものは窒息バトと呼ばれ、もちろん、窒息させるという料理法そのものがあるのですが、その「絞め方」に上手い、下手があるということですので、野生になせばそれはもう!! 寒いですが冬のほうがチャレンジしがいがあるかもしれませんね。ジビエは事前に電話で確認してください、とのことでしたよ!
先日、毎年恒例の「西麻布・太陽祭」とやらをやっている、ということを聞いて、行ってみたら、超ビックリです!!祝日なのに、西麻布2丁目のおしゃれな店たちが、まっ昼間から営業中。普段は超敷居が高い店も、江戸っ子のノリで、やってました。すごいです!!さすがに西麻布のお店だけあって、一度やる気になると半端じゃない。「一杯立ち飲みバー」とかいって、「シャンパンでしたら、クリュッグ1300円、ボランジェ500円、ヴーヴ500円です」とか看板に書いてたので、一瞬目が点に・・・。でも、ホントでした。クリュッグ1300円、ボランジェ500円、ウィスキーもワインも、軒並みすごかったです。他の店も、マジかよ・・・、みたいな企画でした。お寿司屋さんも毎年長蛇の列(で、売り切れたら「ハイおしまい!」、とのこと。この辺がいかにも西麻布らしい・・・。)今年はおしまい、らしいのですが、これは、すごーい発見をしました!!!地元の人たちは、のんびりしていて、「麻布十番祭なんてのも、昔は、こんな感じで、地元の仲間内だけでやってたんですよ?。なんか、最近あっちは混雑しているらしいですね?(笑)。」とのこと。「余裕」が感じられました(が、すごい)。