2005/12/12 09:14 | 金融全般 | コメント(9)
溶かしてしまう・・・
さて、本日より本格的に復帰致します。改めましてよろしくお願い申し上げます。皆様から頂きましたコメントなどにも、少しのろまですが、お返事させて頂きますのでしばしお待ちのほどを。しっかし、しばらく日本を空けるとあれこれ、トラブルモノで、帰って来るなり大阪の契約がキャンセルされそうになるやら、クリスマス会に借り出されるやら、何かと忙しいですな。さすがに12月ですね。
さてさて、みずほ証券事件は予想通りというか、これしかないのですが、現金決済であります。これ、「溶かし」といいます。まさに、溶かす、訳でして、覚せい剤取引のような怪しい響があります。買い向かった野村の話をしていたら、一番買っていたのはモルスタということが、判明。(lmdcさん、コメントどうも!!) さらにかんべえ先生ご指摘の通り、デイトレもかなり買い向かった様子。まあ、そりゃそうですよね。仲間の交信記録をたどってみると既に10時過ぎにはこりゃー、おかしいぜ、と囁きはじめており、買い向かう時間的余裕は十分あったわけです。
モルスタを一言だけ弁護しておきますと、この東証システムが採用された当時にシステムを作った富士通と東証に対して、ご入力を処理している時は処理中と表示されてしまい、その間はキャンセルができないという欠点を指摘し、緊急時のサーキットブレーキ、個別銘柄を特定は出来なくてもあらゆる注文をリセットできるオールクリアーボタンの設置を強く要請したにもかからわず、自由な市場取引を損なう恐れがある!!!という理由で却下された経緯があるのです。
アメリカではどこの取引所にもこのリセットシステムがあり、もちろんその他の取引も同時に犠牲になりますが、不正取引などを含め、市場を歪めない様に一度すべてをクリアーにするシステムが緊急避難用として存在します。さらに、SECはあらゆる取引に関する停止権力を行使することができ、ちょっとでもおかしいと思えばすぐ、ストップしてきます。これはもともとインサイダー取引を防ぐために行われているのですが、今回のような誤発注に際しても、インサイダーを未然に防ぐという名目で、見つけ次第逮捕権を行使したこともここ5年で数回に及びます。
要するに証券取引は自由かつ公正であるべきで、自由かつ放任ではない、ということです。公正が脅かされる恐れのある時は自由が制限されるのは当然で、どうもこのあたりの根本的な理解が日本と違うということですね。日本では自由というと野放図に自由に競争するようなイメージですが、そこにフェアである、という魂を込めなければ意味がない、ということを今回の事件はよく表しています。
まあ、逆手に取る方もえげつない訳ですから、判った時点で、すぐ取引を停止にするべきでした。その上でみずほの発注者責任を問えばよかった訳で、責任を取りたくない東証の理事あたりがその決断を渋ったことは容易に想像できます。
さて今後・・・
こういう事件のあとは勢いづくんですよ。ふーん、そうやれば儲かっちゃうのかね、他にもないかしら??などと有象無象がハイエナのように集まってくるモンで、出来高も倍増でありましょう。しかし、柳の下には・・・なかなかおりませんので注意深くほふく前身であります。
今週の注目点は短観。DIプラス20前後なら問題ないでしょう。ある意味25とか超えてきたらかなり過熱感が出てくる事になりますので、要注目です。では、また後程・・・・
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
9 comments on “溶かしてしまう・・・”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
最近の議論からすると、やはりQE¥¥の解除はやりそうですね。しかし利上げ(ZIRP解除)はなくかつQE単独でもはなく、解除と同時に次の新フレームワークとしてのインフレターゲットを採用するのではと思っていますが、いかがでしょうか?
ジェイコブが、売れた分の株を新たに発行して引き渡すという手はないのですか?
ジェイコブにとって、大量に資金調達できるチャンスでは?
ぐっちーさん、ごめんなさい…orz
野村→モルスタの流れが面白くて、突っ込んじゃいました。
自分のブログにも書いたのですが、この手の事件は売る側の責任です。買い手は、機会を逃さず素早く行動しただけです。何ら非難されることではありません。プロの世界は厳しいのです。
誤発注事件が早期に収拾することを祈ってます。ジェイコムさんの資本政策全体が狂わないように…。
東証については、システムバグはともかくとして、サーキットブレーカーの仕組みを備えていなかったとは驚きでした。
緊急時に指をくわえて何もしないのであれば、東証が何のためにあるのかさっぱり分かりません。トラックバックさせていただきました。
富士通も東証も、あくまでDomestic企業ということなんでしょうかね。
日本と諸外国では考え方や手法に違いがあるのは当然ですが、世界で勝負するには、学ぶべきスタンダードもいろいろあるかと。欧米だけでなく、各地で。
使い分けができるだけの情報と智恵が欲しいところです。
>Unknown様
ここで増資すると、希薄化つながりで、
代表訴訟起こされそうな気がしなくもない
です。
ぐっちーさんこんばんわ。
アメリカ出張御苦労様です。
やはり、金融市場は戦いの場というのを改めて知らしめた事件ですね。
隙を見せたら負けてしまう、その象徴ですね。
話は変わりますが、今度、私が勤めている業界をなんぞを批評してほしいものです。
これって東証が証券会社にだけは事実上株価操縦を容認してたってことですよね?
東証はシステムの不具合などと表現してこの問題から視点を逸らそうとしてると思えるのですが
是非は別にして、市場の透明性からいったら訴追されるべき案件だと思うんですが…
別に非難するつもりは毛頭ないのですが
金融関係者の方はやっぱり穏便に済めばという感触なんでしょうか?
決済値が91万2千円に決まったのは、それが誤入力の直前の気配値のような説明が13日の読売の記事にあった。
とすれば、寄りが約67万円であった事がおかしい気がする。
また、(aoさんのご説明で、1株の注文があることは理解できたのですが。)誤入力者は、なぜ61万円としたんだろうか? 気配値は参考にしないのだろうか? (公募価格で遊び気分? )