2006/06/13 10:03 | 金融経済解説 | コメント(9)
それってオカマボンドかね??
くそ?、大荒れだぜ、酒でも飲むか・・・
と思ったところNYKから散々電話がかかってきてそれどころではないのでありました。
それにしても、NYKは引き続き、軟調・・・なんですね?、除くクレジットマーケット!! GMなんて値上がりしてます。なんなんだよ、一体・・・
大変ご質問の多かったポイント:クレジットマーケットってなんですか??
なるほど、当たり前のように使ってしまってはいかんのですね、反省反省。
クレジットマーケットとはその言葉の通り、国債以外の(国債についてはアルゼンチンみたいなものを除き、まあG7の国債と言い換えてもいいんですが、クレジットリスクゼロというのが市場の大前提になっています)リスクの存在する発行体により構成される市場のことですね。
通常債券、ローンの双方を含みます。地公体のような存在(青森県とか、NYK Cityとか)を含むか否かは難しい所ですが広義には含まれる、とお考え下さい。つまりこの市場はG7の政府は倒産しない、という前提にたって、それに比べるとどれだけ危ないか、それにみあったリターンが必要かということを判定し、それによってスプレッドとうものがついてきます。これの総体がクレジットマーケットということになりまして、一般的には社債市場と読み替えていますが、前述のようにローンもクレデリも含まれるというのが正解です。
例えばトヨタ自動車の社債。
実は、日本はこのスプレッドが滅茶苦茶で多分JGBプラス5BPくらいかな?そう、日本政府並ですね。
裏話をすると、日本は発行体がキングで証券会社は奴隷のようなもので、それを買う投資家はごみ扱いですから、元来もっとスプレッドがつかなきゃいけない低格付け(BB以下を投資不適格と呼ぶことは前にも書きました)のものも大変タイトに取引される傾向にあります。
例えば日本航空。
格付けがBですから完全にジャンクです。しかし、5年ものでせいぜい200BP程度のプレミアムしかついていません。これがアメリカの社債市場でBというと500BP程度のプレミアムとなる訳です。だから日本の企業は安全だ・・・などとおっしゃらないで下さい。それだけ投資家の方は無駄なお金を払っているに過ぎません。
本当は日本の投資家が怒りまくって、同じ水準と言わないまでもあと100BPくらい調整するまで日本の社債を売りまくって裁定される・・・というのが経済学の教科書なんですが、そうは行かない訳です。ドルをもっててもしょうがないよ、という年金のお金などがありますので、いつまでたってもいびつなままです。じゃ、仮にJALがドルでファイナンスをするとどうでしょうか?? しっかり500BPのプレミアムを払う事になります。
そうなると当然逆があるわけですよ。
ドルで調達するとたいへんなスプレッドを払わねばならなかったアルゼンチン、トルコ、果ては潰れる直前のエンロン、渤海湾などなど、危ない連中は最後の最後、円で調達する傾向が出てきます。(こういうものをサムライ債と呼びます。なんでサムライなのか、よくわかりませんね。個人的には性別(格付け)不能なのでオカマボンドと呼びたいくらいですが) 実際個人の投資家の方が多数アルゼンチン債券のデフォルトでお金を失いました。
ついでに中国の悪口をいうと、渤海湾などは一応「省」のギャランティーが付いていて、国に順ずるという建前で起債したのですが、いざ支払い不能になったら、驚くべき事にドル建て、ユーロ建てのものは完済、円建てのサムライだけをデフォルトさせた、等と言うとんでもない事態が頻発しました。もちろん中国よりの朝日新聞はマッタクこの事態を無視、しました。
余談ですが、こういうときは円借款で償還すべきでしょうね。
ということで、話がそれましたが、クレジットマーケットでの調達とは元来返さなきゃいけない資金ですので、株と違いましてその企業の姿がかなりビビッドに反映されます。株は最後は紙切れだろう、という前提があるのでスタート時点でかなりリスクがインプットされますが、債券やローンは返ってくることを前提に資金を出しているので相手方のクレジットにはより敏感に反応するという訳で、昨今の緊急事態に置きましては株価より重要だ、ということになります。但し日本のものは前述のようにまったくあてにならず、アメリカのクレジットマーケットということになります。
そうなると、どうやって見ればいいのか・・・・・というご質問もたくさん!!
確かにだーれもこのマーケットを相手にしていない。商売になんないからだと思いますが(笑)。これではいけませんね?。
これはSP社の低格付けクレジットについてのコメンタリーでして、結構参考になると思います。個別に見ていくの大変だと思いますので、全体像を見るためには
http://news.morningstar.com/fundReturns/FundReturns.html?category=$FOCA$HY
あたりで、ハイイールドの投信の値動きを追うのが手っ取り早いと思われます。
もう少し捜してみますが、信頼が置ける、ということも含めて考えるとこのあたりでしょうか。
まあ、こちらのブログではできるだけきちんとレポートしていくつもりです。
では!
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9 comments on “それってオカマボンドかね??”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
なぜサムライ債と呼ばれるかは最後「腹を切らなくちゃならないから」だそうです。
ちなみに腹を切るのは発行体ではなく結局日本になっちゃうらしい。
と大学の教授が言っておりました
本当かどうかは知りません
とても判り易い解説ありがとうございます
今の株価ではどこで売り抜けようかと待っている状態で、次の暴落の前にチャンスがあることを願っています
調整ではなく下げ相場に転換したように思えます
『ハラキリ債』
円のサムライ債のみをデフォルト!!!
にもかかわらず
ぐっちーさんは、ニッチー達に中国戦線に志願を勧めるとは・・・
たちまち戦死者の山で、靖国神社も引き取ってくれませんよ。
世界中で、日本は環境戦線を構築しますか、原油高は、彼処が一番ボディブロー効いているから。
ぐっちー塾で今日も一つお勉強いたしました。なるほど、クレジットマーケットかぁと関心してる間に、サムライマーケットはハラキリマーケットとなってる模様です。
「・・・みたいな」さんの今夜の替え歌はリンダちゃんに決定!?と思いつつ、明日のぐっちー塾も楽しみにしております。
頑張ってくださいネ!
ぐっちー先生、クレジットマーケットの御説明ありがとうございます。
しかし、渤海湾のケースは中国になめられてますな。政府は一度中国に対し円借款の中止継続やODAを止めるなり懲らしめてやらなきゃイカンでしょう。
有難うございます。
勉強させて頂きます。
WBCも絶望の一歩手前まで行きました!
信じる事が大事だと思います。
自国チームが『負けそうだな?、
負けちゃうンだろうな?』なんて
思ってる国民って日本くらいじゃないですか??
応援しようぜ?
日本は舐められています
いつもながら大変勉強になります。
紹介されていたMorningstarの相場表を早速見てみたのですが、表の意味が…
自分でいろいろ調べるのが一番身につくと思いますので、英語は苦手ですが自分で出来るだけ調べてみます。
よく解りました。頭の靄がひきました。感謝。