2005/08/05 09:28 | 郵政民営化 | コメント(17)
心理戦
心理戦の最たるものが日本株。なぜか、12,000円がひっかかる。これこそ心理戦のなせる業。なんてことない水準なんですが、参加者の頭の中にこの数字がひっかかっており、これを踏み越えて買い続ける勇気が無い状態。一頃のアメリカ国債の4%や、1ドル100円など、切りの良い数字が心理戦を生み出しやすいと言えます。
日本国債はいよいよ1.4%が見えてきましたがどうでしょうか。私はこの状況では買い続けるしかない、と考えています。まあ、1.5%になっても驚きませんが逆にまた1%になってもマッタク驚きません。その意味では十分利を取れるチャンスはあるでしょう、ということでみんなが買わないところをしっかり買うという原則で行きたいですね。
郵政民営化って意味ないんじゃないですかね? という質問が結構来るので一言もうしあげます。そんな事を国民が言っているから反対派議員が尻馬に乗るのです。彼等は選挙対策しか頭に無く、国の将来を考えて反対している訳ではない。ここを放っておくと日本は大変な事になる事は認識しておいたほうがよいと思います。
民営化によって過疎地などの郵便サービスが悪くなる?
いいえ、JRになってからサービスが悪くなりましたか? クロネコ、佐川などの参入で宅急便は安くなりました。参入後、小包の物量は10倍以上増えており、新規ビジネスが開拓された訳で、民営化されればより激しい競合からよりよりサービスが出てくる筈です。
ニュージーランドの郵便のように海外資本に買われてしまったら?
一緒に論じる事はできません。郵便、貯金、保険などという大事業を3つも一つの傘下におさめてしかも国営にしているのは日本だけです。NZは郵便だけですのでDHLのような海外資本が入ってもあまり不思議は無いのです。
郵貯、簡保の安全性が損なわれる?
既にペイオフ解禁で一般の銀行の預金は政府に保証されていません。なぜ、郵貯だけ保証する必要があるのですか? 安全なところを自分で選べばよいことでしょう。その証拠になぜ預金口座数が人口より多いのですか?これは不当競合以外の何者でもなく、こういった不正の温床を早く正すほうがメリットが大きいのです。
さらに200兆円を超える貯蓄機関が政府の元に保護され、なんのリスク管理もなされないまま、シロートの役人に運用されている事のほうがよほど怖くありませんか? しわ寄せはすべて財政を圧迫し、結局は我々の税金でカバーされることをなんと考えるのでしょうか。そして何より彼等は税金を払っていないのですよ、これだけの資産規模で。もうはちゃめちゃです。
もう少し細かい話をすると郵貯は一度財務省の懐に入り、それを郵貯が借りると言う形をとっており、その借りるレートは10年固定ほぼ国債の表面利率、という決まりになってきました。10年固定で借り続けていられるので、ALMは何も考えなくても良い、といういい加減さ。運用で溜まった損は一度も表面化することなく、最後の最後に「爆発」するシステムです。一般金融機関なら決算で表面化するのですが、彼等は最後まで抱え続けるので、JRと同じ事になります。
言い出せばきりが無いのですがまあ、大体聞かれた内容にはお答えしたつもりですが、こういう内容を見てまだ民営化反対とか言う方はまたメール頂ければがんがんお答えするつもりです!!
民間でできる事は民間でやりましょうよ、是非。小泉さんみたいになってきたけどね(笑)
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17 comments on “心理戦”
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>もう少し細かい話をすると郵貯は一度財務省の懐に入り、それを郵貯が借りると言う形をとっており、その借りるレートは10年固定ほぼ国債の表面利率、という決まりになってきました。10年固定で借り続けていられるので、ALMは何も考えなくても良い、といういい加減さ。
この部分ですが、2000年の財投改革後もそうなんでしょうか?
以下に示す田中秀臣さんの解説によると、財投改革後は郵貯も国債などで運用されており、「一度財務省の懐に入り」などということはないように思えるのですが。
http://blog.goo.ne.jp/hwj-tanaka/e/85f9d6e4f423f0de2e18afdee48800a5
グッチさんも「なってきました」と過去形でコメントされていましたが、Baatarismさん、ご指摘のように財投改革によって、そのシステムはやや変化しています。
しかし、結果から言えば郵貯や簡保で集めた資金は、資金運用部経由でなく直接ながらも、ほとんど日本国債で運用されていることに変わりはありません。
しかも、郵貯と簡保は経過措置との名目で財投債を引き受けています。その意味で資金の流れに多少変化はあっても、間接的に郵貯と簡保の資金が財投を支えているという構図に変わりはないと言えるのではないでしょうか。
田中秀臣さんの意見には賛成しかねますね。
財投改革が始まり、その規模が縮小されたのは事実。そして、確かに今は、郵貯等が国債をこれまでと変わらず購入しており、その点で状況に変化はないかもしれません。しかし民営化が進めば、彼らは資産運用をより能動的に行うことが出来る様になります。貸出をするかもしれません。当面は何も変化しなくても、今後変化する方策を作ることが重要なのです。郵政民営化で官から民へ資金の流れが変わる可能性が高まることは確かですから。
Baatarismさんへ
牛熊さん、システム5.1さんのコメントで私の出る幕はございませんね(笑)
牛熊さん、システム5.1さん
早速のコメント痛み入りまする・・・
コメントをいただき、ありがとうございます。
皆さんの説明によると、財投改革後は郵政公社が直接郵貯と簡保の資金を運用しており、ほとんどは国債などの公債で運用されている。また、経過措置として、郵政公社は財投債を購入している、ということですね。
資金運用部経由でない以上、「一度財務省の懐に入り」という表現は間違っていると思います。
指摘のあった経過措置のように、政府が郵政公社に対して財投債などの公債購入を義務づけていることについては確かに問題であり、僕も早急に是正すべきだと思います。
ただ、僕は郵政公社が自らの判断で公債で資金を運用することについては、問題だとは思いません。
民営化するにせよしないにせよ、郵貯や簡保の資金が、政府の意向ではなく郵政公社なり郵政会社の判断で運用され、その運用責任を彼らが自ら負うことが重要だと思います。
その結果、資金が公債に流れようが民間に流れようが、そのこと自体は問題ではないと思います。
そして、実際に資金が国に向かうか民間に向かうかは、その時の資金需要次第でしょう。だから民間に資金を回したいのなら、民間の資金需要が高まるような政策、すなわち景気刺激策を取るべきだと思います。
ちなみに僕も郵政民営化に反対してるわけではありません。ただ、民営化さえすれば郵貯・簡保の資金が民間に流れるという説明には、どうしても疑問を持ってしまいますし、公債=悪と見なすような意見にはついていけません。
Baatarismさん
実際財投からの融資で運用してきた訳です。それは事実です。小泉さんの郵政改革でようやくそれが終止符を打たれる道筋ができた訳ですが、所謂塩漬けファイナンスによる10年国債の保有を何兆円も持っているという事実に誤りはございませんので。
Baatarismさん、
「民営化さえすれば郵貯・簡保の資金が民間に流れるという説明」は私も間違いだと思います。それは十分条件ではありません。ただ、上記の通り流れる道筋を作ることは必要だと思います。
ところで、「民間の資金需要が高まるような政策、すなわち景気刺激策」とはいかがなものでしょうか。後主張からすると公共投資ではないですよね。量的緩和の維持でしょうか。それとも、規制緩和(撤廃)辺りでしょうか。そうすると、郵政三事業の民営かもその中(規制緩和)に含まれるのでは?
郵貯・簡保の資金が財投機関への融資で運用されているならば、本来ならば大量保有するのは財投債、財投機関債になると思うのですが、
現実には10年国債を大量に保有しているという話ですよね。
ということは、国債発行で財務省が得た資金が、財投機関に財政支出されることで、郵貯・簡保の資金が市場原理に反する形で、財投機関に流れていることが問題だということですか?
だとしたら、財投機関への恣意的な財政支出を断ち切るためには、郵政民営化ではなく、財投機関を片っ端から民営化するのが良いという理屈になると思うのですが。
>システム5.1さん
道筋を作ることは必要だということには、僕も同意します。ただ、民間銀行も大量に国債を保有している現状では、郵政公社を民営化しても、民営化前と同様の運用をすると予想しています。
あと、僕は景気刺激策としてはリフレ政策(インフレターゲット、もしくは物価水準ターゲット)を想定しています。デフレ期待をなんとか止めないと、国債への資金の流れは止まらないでしょう。
繰り返しになりますが、郵政民営化は十分条件ではありません。
インフレーションターゲットですか。宣言するだけでは、何も起こりませんよね。そのための具体策としては何をするのでしょうか。現在のいわゆる「3条件」を掲げての量的緩和政策も擬似インフレーションターゲットですから。
もっとも、この辺りは立脚する経済の考え方によって水掛論になってしまうので、議論をしない方が良いかもしれませんね(笑)。
>システム5.1さん
郵政民営化と国債の関係については、たぶん、同じ予測に対してお互い異なる評価を下しているだけなんでしょうね。
インフレターゲットについては、具体的にどのような政策を行うか説明した本やサイトがいろいろありますので、そちらを参考にしてもらった方が良いでしょう。
この記事はあくまでも郵政民営化の話題ですから、インフレターゲットについてこれ以上議論をするのは止めておきます。
この件はやめときましょうね(笑)。
私は一応、この分野の人間に入るので、今さら
本やサイトは読む必要がありません(爆)。Baatarismさんが、どのようなものを想定されていたのか、興味があっただけです。
少々気になったので門外漢ながらコメントさせていただきますが、国債が買われなくなったら財政が破綻しませんか?資金の流れを民間に誘導する前に財政再建を進めなければならないのでは。
catfist様
その通りです。なにもしなければ破綻します。ですので片方で財政再建を進めるために国債の発行を減らし、無駄な政府機関を廃止していき、予算の規模を小さくしなければなりません。アメリカも全く同じ状況で90年代に財政再建に成功したので、これがモデルです。今アメリカの国債はおよそ50%が非アメリカの資金で買われている(日本が最多)というのがその答えですね。
経済と政治に関しては全くのしろうとなのですが、私なりに色々と書いていたらさまざまなところで引用されてしまい、それを遡ってここにたどり着き来ました。ぐっちーさんの最後のコメントにはすごく納得できますので、足跡代わりにTBさせていただきました。
地方の局は閉鎖になるでしょう。各種利用料金約5倍に値上げですが、、。サービスよくなりました?
なりましたよ。ゆうぱっくも便利になったしね。地方の局は閉鎖?民間企業が赤字ではまずいでしょう。必要なら費用を負担すればよい。文句があるならお金を出しましょう。なんでもしてもらえると思ったら大間違い。