2005/11/27 19:09 | 音楽 | コメント(9)
腰痛とクラシック
腰痛が悪化。飛行機の中で痛くなったらやだな?・・・ということでいつもの慶応病院へ。
「君、これで飛行機のるつもり?? どこまでいくの?11時間フライト??、無理、全然無理。 着いたら救急車だぜ」
というドクターの冷たい宣告でフライトを一日延期。
しかし絶対明日いかないと失業すると食い下がったところ、プロテクター、要はギブスのような物で固めて飛行機に乗れば何とかなるかなー・・・あとはアメリカの医者に任せちゃおう・・という慶応ならではの超お気楽コースが提案され、他に選択肢がある訳も無く、看護士の方も大変お綺麗なもので(関係ないか・・・笑)、なされるがままに、病院の紹介で横浜のプロテクター屋さんへ。
取り合えず麻酔が効いているので痛みはかなり消え、天気もいいのでプチ旅行気分で横浜へ。こちらにはオーダーメードでギブスのやわらかいような医療用成型を作る専門家がおり、あの大魔人佐々木はぎっくり腰なのにここのプロテクターをはめて投げた、というその筋では有名な方らしい。事情を話すと、じゃ特別に一晩で出切る所までやってみましょう、というありがたいお言葉。寸法などを測って頂き明日の朝取りに行く事に・・・
さて、そういえば・・今日はわが同級生のマエストロ長野(長野力哉君といいます。小学生からの同級生ざんす)の演奏会の日であったわい・・これが偶然にみなとみらいホールでありますよ。出張で無理かもね・・・と返事をしていたのだが、これはいいや、と気が付きそのままみなとみらいホールへ。横浜フィルというアマチュアのオケなのですが、矢鱈にいいホールで演奏するのですよ、いつも。何せウィーンフィルだってここでやったんだから!!
一言でアマチュアといってもこういうプロの指揮者が演奏するととんでもない演奏をする事があり、あまり甘く見てはいけません。今回の場合痛みに対するヒーリング効果もあろうかと目論見、お邪魔することと致しました。(本当はもっとよこしまなことを考えていて、みなとみらいホールにはムーティとか、小沢征爾とか有名なマエストロが多数来ており、同級生訪問を口実にその豪華な指揮者の控え室が見られるぞ!! というのがほんとの目的だったりするのです・・・)
さて、そのマエストロ長野。
我々の学校は小学校から高校まで繋がっており、いわゆる受験校のひとつでして、東大、国立大医学部、悪くも早稲田慶応あたりに行くのがあたりまえになっており、その中で芸術の道を極めようといのは環境からいってもかなり厳しいのです。しかし、彼は初志貫徹、見事桐朋音大に入り(これだけでも大変!!)、87年に(ぐっちーが丸紅からモルガンに移った年ですな)ベルリンに留学(当時はまだ西ベルリンだったんですよ、これが)、あのカラヤンの下、ベルリンフィルハーモニーで90年まで研鑚を積んだという、とんでもない経歴の持ち主なのであります。
残念ながらそうかといって日本でそのまま有名になるかは全く別問題でして、彼よりはるかにレベルの低いやつがえらそーな顔をしているのが現実でして、甚だ腹が立つ訳でありますが、まあ。いづれにせよ、子供の頃の夢をそのまま実現したという、数少ない奴で、その幸運と根性には頭が下がる重いです。
本日のプログラムは
フンパーディンク ヘンゼルとグレーテル序曲
シューベルト交響曲第7番 未完成
ブラームス交響曲第4番
というアマにとってはかなりの難題揃い。特にシューベルトは今年のウィーンフィル+リッカルド・ムーティでも申し上げたように実はかなり厳しい選曲。ブラームスならブロックを積み上げる感じでいけるんですが、シューベルトは言うなれば薄紙を一枚一枚積み重ねるような音作りになるので、ちょっとしたミスもゆるされない。ミクロの世界の名曲で、それを500人以上入る大ホールでやると言うのはウィーンフィルでも不出来がありうる難物なんですね。
でも、楽員のみなさん、頑張ってました!。
ただ、やはり、緊張で疲れてしまったみたいで、後半のブラームスは3楽章までは調子が出ませんでした。しかし、世界のレベルの指揮者ともなると何とかするもんなんですよ。これはびっくり!!。よれかけてたバイオリンを見事に立て直して第3楽章からこれぞブラームスの怒涛のフィニッシュ!!
腰痛を忘れて拍手拍手であります。今後機会がありましたらこちらのブログでもマエストロ長野の演奏会をご紹介していきたい思います。本人は私があれこれうるさいので、出来のよい時でないと声をかけてくれないのですが、もしコンサートに長野力哉の名前を見つけられたら是非お出かけくださいませ。
という事で、ぐっちーは麻酔の切れないうちにと帰って参りました。
あすのフライトになりましたので、マーケットに就きましてはまた明日書き込みます。
妙な指値をしたために、8411に関してはだいぶあちこちからお叱りを受けてしまいました(笑)。この場を借りてお詫び申し上げます。チックショー、あんなとこから成り行きで買うなよ!! と怒ってもあとの祭りでした・・・
では!!
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9 comments on “腰痛とクラシック”
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懐かしいマエストロ長野の名前に反応して、北の大地から久々にコメントします。
こちらもアマチュアオーケストラ活動を長年なってますが、振ってもらったことが未だにありません。
とにもかくにも元気にやっている様子何より。よろしくお伝えください。
腰痛お大事に。オヤジにとっても他人事ではありません。先週で45歳になっちまいました。では、また。
ぐっちーさま、こんばんは。
8411のクレーム、お察しします。ただ、ブログに書いてあるからって鵜呑みにするのはいけませんよねえ・・・。吟味とまでは言いませんが、きっちり咀嚼して吸収してくださいってねえ(^^)。どでかい陽線や窓が出来るのなら、一呼吸置いて戻しを狙おうなんて、みんな知ってることだというのに・・・。
なお、生身の人間への直のアドバイスは、受け手のBehaviorを考えてその効果を測ってからじゃないといけないと、最近つくづく感じております。ホント毎日のように推奨銘柄の浮き沈みに一喜一憂される人が近くにおりまして。
>絶対明日いかないと失業する
なぜσ(^_^;がいまだに「%バイト君」なのかを
思い知らされたような気がします
>妙な指値をしたために、8411に関してはだいぶあちこちからお叱りを受けてしまいました(笑)。この場を借りてお詫び申し上げます。チックショー、あんなとこから成り行きで買うなよ!! と怒ってもあとの祭りでした・・・
ぐっちー殿の指摘は、その通りですな。拙者などは、思いっきり「煽って」しまいましたが…。しかし、ぐっちー殿が太鼓判をおしたからといって、金曜に買うというのは、無謀だろうと思います。いつも、ありがとうございます。
先だっては「GAMC社債」の問い合わせにお返事をいただき、ほんとうにありがとうございました。
腰痛だというのに10時間以上のフライトとは。昨年夫が椎間板ヘルニアでまるまる1ヶ月寝たきりでした。たいへんさ、辛さ、お察しします。どうぞくれぐれもお大事に。荷物とか、無理して持たないようになさってください(おいやかもしれませんが、杖を持つと普段はクールなニューヨーカーも親切に接してくれますよ)。
むむ。ぐっちーさんは87年にモルガンに居たのですか。モルガンスタンレー?
だとしたら同籍していたことに(笑
天は二物を与えず「美形に腰痛」!!!
タワー投資について、とあるネットコミュニケーションで紹介(貼り付けです…勝手に利用させてもらいました< (_ _)>)したら反応が多かったです。タワー銘柄には注目というより注意させてもらいます。
先日、ダメ出ししていた宮崎ですが私ここに住んでいます。指摘通り二極化の負け組みのど真ん中にいる感じです。景気のいい話は針の穴を通すぐらいしかいない感じです。昔は観光で景気を支えたのですが、リップルウッドはフェニックスグループ(シーガイア)を買収、産業再生機構は地元大手観光グループの宮崎交通とスカイネットアジアを管理下になりました。ノウハウがあり大資本の大手の荒治療じゃないと再生はムヅいと思います。
薄紙を一枚一枚積み重ねるような音作りでちょっとしたミスも許されないミクロの世界の名曲。いい表現だなー。第一楽章で不気味な暗示から始まり見てはならない物を見てしまった戦慄がはしり、もう第二楽章は幽体離脱状態で本当にそこで生涯終了としか思えない。マーラーの10番と似てますね。未完成ではなく必然です。余計な手は加えない方がいい。ザ・グレートはその前の輝かしい金字塔か?このような緊張を強いる曲にはシューマンの2番もありますが、こういう精神分析が必要なものにはありがたいことにシノポリが既に論文を書いてくれています。私の嫌いなバーンスタインも作曲家としての鋭い分析をしており、彼のシューマンだけは絶賛です。彼のマーラーもこの域に達して欲しかった。他にはシベリウス4番にもそんな緊張を覚えます。片山杜秀さんの論考も授賞者の吉田秀和氏を凌ぐシノポリ級だと思いますが、ぐっちーも慶応がらみで許光俊、宮崎哲弥氏らの伝説の同好会出身?マエストロ長野もマークします。