2005/07/26 08:51 | 金融全般 | コメント(7)
再度中国問題
繰り返しになりますがポイントは2つだけです。
1.今回は「切り上げ」とはいうものの、実はレートの決定権は人民銀行、というより中国共産党政権そのものが握っているので、その実「切り下げ」だって可能。
唯一の違いはドルペッグを辞めた、その事のみ。
2.中国共産党が人民元の価格決定をする唯一の機関である。
ということのみです。従ってある意味喧嘩を売ったともとれるし、これなら文句無いだろう(当面は切り上げてやったぞ)と開き直ったともとれる。かなり政治的な内容を含んでいる訳です。問題は昨日も申し上げましたが自分がやったことの影響をちゃんと理解しているかどうか、です。
1.ドル以外に8000億ドルもの外貨準備に相当する積み上げるべき資産があるのか。
2.変動相場制が前提の自由主義国家がこういったいつレートが切り替わるかわからないような通貨を受け入れる訳がない。
整理するとこういうことででしょう。
投資に関して今の時点でいえるのは
1.米国債売りにはならない。結局買わざるを得ない。他に選択肢はない。
2.円高?? にはなりません。むしろ円安でしょう。理由はますます日本からアメリカに資金が移動するからです。
3. 米国株は問題ない。もともと中国に「命を預けてしまった」ような企業がないから。いつでも切り離せる。
4.日本株は要注意。中国だけで伸びてきた企業がごろごろしており、これのリスクははかりしれない。
5.中国株・・・論外
後はアメリカ議会がどう反応するかのみです。そう長くはもたんね、というのが本音であります。
では!
かんべえ先生のページ
http://tameike.net/comments.htm#new
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7 comments on “再度中国問題”
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インフレではないでしょうか
ご紹介いただきありがとうございます。
要するに通貨バスケットなんかじゃなくて、単なるイカサマ・フロートだと思うんですよね。
「人民元がアジア共通通貨になる第一歩」とか言ってる人たちはおめでたいと思います。
++かんべえ先生
おっしゃるとおりですよ。言いえてずばり妙なフロートなんです。で、結局最後は自分が決めると言う訳ですから、おめでたいというか、なんというか、私としてはかなり頭が痛いです。
こんにちは。 いつも楽しく読ませていただいております。
まだ青二才ですが、金融に興味があり、勉強中です。 もしよろしかったら、ブログの方にコメントお願いします。
7月21日「ついに来たねー!」って感じでしたね。ぐっちーさんのコメントは(特にInitialReactionが)センスと経験を感じます。20年先30年先(さらに100年先)のことを考えて行動するというのは大切ですね。「上等だよ!こっちも、受けて立ってやってやろーじゃないの!!」って、何人の日本人が思っているのでしょうね?
つまり、今回は単なる通貨切り上げのみで、通貨バスケット制を言い出したのは単なるブラフで実は、中身を明らかにしない=いじれないので外貨準備は現状維持にして後はブラックボックス化ということですか?
STJ様
有難うございました。TBも頂いてるようなので遊びにいきますね。
AEGISさん
お褒めに預かり光栄であります。ほんとにそう思います。私なんかも自分さえ良ければ、というタイプなのでちと反省です、はい。
F.Nakajimaさん
限りなくブラックボックスですね。その通り。これで市場に任せる、などというのですから茶番といわれてもしかたないですよね。中身のわからんものの価値をどうやって決めるのか?? 中国の企業はバランスシートも見せないで大丈夫だから投資しなさい、という事が多く笑ってしまうのですが、それに近い・・
また、遊びに来てくださいませ。