2005/11/17 10:51 | ワイン | コメント(21)
ボージョレーヌーボ狂騒曲
さて、出張前にこれを書いてくれ、という依頼がありましたので書きまっせ!!
やってきました、11月17日。
突然日本中がワイン通に変身する妙な日。ボージョレーヌーボ解禁日です!! 毎年一体どれだけのワインファンがいるのか、と言いたくなる大騒ぎ。町のおっさんも、ドンペリもワインだと思ってる六本木のおねーちゃんもみんな大騒ぎ・・・であります。
一言、みなさん、業者に乗せられすぎです、はい。
そもそもフランスに於いてはこれは収穫祭に相当する訳です。アメリカも来週サンクスギビングがある様に、正に秋の収穫のお祝いに相当します。商売上手な奴がこれを逆手にとって、やれ今年のワインの出来具合がわかるとか赤ワインが合わない魚にもあいますよ、奥さん!!とかやって売りまくる訳です。新し物好きの日本人にあったんでしょうね。
いっときますけど、魚に白ワインとか決まってませんから!今年の出来具合が判る訳がないっすから!! (世界中で魚に白ワインと決め付けているのは日本だけ。恐らく白ワインしかとれないドイツなどの業者にうまくはめられたものと思われます)
なぜか・・・
ボージョレー地方は元来貧困なワインしか産出せず、特にそのぶどうの種類であるガメイ種は他のカベルネ(ボルドーで使われます)やピノ(ブルゴーニュはこちら)と違って熟成に耐えないもので、すぐ飲むしかない代物なのです。フランスに行くと牛乳パックのようなものに入ったワインがスーパーで2リットル500円くらいで売っているのですがこれはみなさんが大騒ぎしている「ボージョレー・ガメイ種、しかも今年できたヌーボーそのもの」でして、で今年のものは今年飲みきらないとお酢になってしまう訳です。
もしこれを以てして、今年のボルドーやブルゴーニュの出来がわかるとするならば、それは種類はおろか、場所も全然違うところのワインで占おうというのですから、さしずめ北海道のじゃがいもの出来具合で鹿児島のサツマイモの出来がわかる(だって同じいもじゃん)、とか新潟のしめじの出来具合で宮崎のしいたけの出来具合がわかる(だってどっちもきのこだろ・・・)、とか言っているのにに等しい訳で、そんなこと・・・・有り得ないですよね、ふつーに考えて・・・
実に妙な事をやっている訳ですな。
あちこちでまた、今年のワインは・・・・などとウンチクを垂れる奴が続出する訳ですが、そういう奴の言う事は信じないようにしましょう(笑)。少なくとも彼の薦めるワインは飲んではいけません。
因みにこのフランスのヌーボーに当たるイタリアのノベロは既に売っておりまして、こちらは作っている所もトスカーナですとか、それこそピエモンテ(バローロの産地ですね)とか、元来、きちんとたる詰めすれば熟成できるぶどうをお祭り用にノベロとして出しています。ですから本当に今年のワインの出来が知りたければこちらを御飲みになって下さい。但し、あくまでもイタリア全般の傾向に過ぎず、シチリアなどの南には全く当てはまらないことは言うまでもありません。
まあ、お祭り騒ぎで飲むならまだしも、ボージョレーヌーボーのテイスティングなんて銘を打っている者まであり、ヌーボーでテイスティングができるなら、ぶどうジュースのほうがテイスティングできるわな(味の差が殆ど無い)・・・という具合で、まあ、見ているだけで恥ずかしくなる騒ぎであります。タダで飲むならともかく、お金を出すのはもったいないっすよ・・・
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21 comments on “ボージョレーヌーボ狂騒曲”
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ぐっちーさん、大好き! 旭川好きのお友達に夜露死苦。
解禁日から1ヶ月ほど経ったころ、近所の酒屋にボジョレーヌーボーが解禁日の半額ほどで置いているのを見て、店の人に安い理由を聞いたところ、解禁日のヌーボーは航空便で来るから高いけど、そのヌーボーは船便で来たから安いんだという話でした。
つまり解禁日のボジョレーヌーボーは飛行機代を飲んでるわけですね。w
ワインは本当に奥が深そうですね。
六本木のおねーちゃんではありませんが、
「ドン・ペリ」は、ラベルに「Champagne」と表記されていますので、
フランスのワイン法(AOC)に従って製造された「ワイン」であると思います。
特に大金持ちでなくても、表題のような
趣味をもてる。いい国ですなぁ、我が国は。
でも、このよき時代も終わりなのかなぁ….
金貯めないと。
>(世界中で魚に白ワインと決め付けているのは日本だけ。恐らく白ワインしかとれないドイツなどの業者にうまくはめられたものと思われます)
これってアメリカ人も言いません?それで白ワインを頼んだ記憶が・・・。大勢のイタリア人と食事をしたときも「肉だから赤にすっか?」てな会話をしたことがあるので、食事によって白か赤かっていうのはあるみたいですね。奴らがテデスコ(ドイツ人)の言うことを真に受けるとは信じ難いし、まぁ「関係ないよ」と言う人もいるので、要するに個人の好みでいいんでしょうけどねw。
個人的にはキリッと冷えた白が好みですが、これを言うと、自称ワイン通にいつも白い目で見られま?すw。
それにしても毎度毎度のボージョレーヌーボー騒ぎ。でもまだ飲んだことないヨ・・・。
しかし、武者氏の逆法則効きませんねぇ。もうおっかなびっくりあたふたですw。
(* ^ー゚)ノコンニチハ
初めまして(・∀・)ノィョ-ゥ
遊びにきましたぁ??(´▽`*)
新しく風俗嬢あいりの風俗事件簿ってブログ立ち上げたので
良かったら遊びに来てくらはい(^人^)
来てくれたら( ´・ω・`)_且‾‾出すのでマッタリして楽しんでってね♪
ははは。そうですね。
ただし、日本人の「初物」好きは、気合が入っていますから、その麗しい伝統芸能の一種だと思えば、あまり腹も立ちません。ボージョレ熱も、「世界で一番、初めに解禁」というフレーズがなかったら、盛り上がらなかったでしょう。
http://kiifc.kikkoman.co.jp/tenji/tenji09/edo_life15.html
昔、「目に青葉 山不如帰 初鰹」という句がありました。今は、「目に紅葉 老いも若きも 初ボージョレ」という具合ですか。
業者に乗せられていたのですね。なるほどー。
そういえば、同僚が「ワインはカリフォルニア産が旨いんだけど、日本ではなかなか手に入らない。旨くても安いモノは日本じゃ売れないからなぁ…」とぼやいていました。お客が欲しいモノなど実は存在していないのかも知れませんね…。目の前にあるモノは業者の都合ばかり♪
いやですね。なんか流されている感じで・・・
自分がひそかに楽しんでいたことがメジャーになると喜ぶ反面、興味が薄れます。
で、はなからマスコミに煽られているのは、流されているようで嫌です。
いつもこの時期は冷静に見ています。ぐっちーさんからは常々「お祭りだから」と言われるのですが、日本におけるハローウィンやバレンタインのようで…。まあ、ガメイ種は苦手というのもあるんですが。ところで、カリフォルニアのワインが美味いとのご指摘がありましたが、私は以前、カリカベ(カリフォルニアのカベルネソービニオン)のファンでした。カリフォルニアはそもそもブティック・ワイナリーが多く、実は高価なワインが目白押しです。一番知られているのはオーパス・ワンでしょうが、もっと美味しく、もっと高価なものがたくさんあります。奥が深いです。カリフォルニアに限定すれば、知識はぐっちーさんにも近づけるかな(笑)。
お祭りもここまでくると、の感はありますが、ヌーボーそのものの味は嫌いじゃありません。つまり、自分は本当の酒飲みじゃないのかな。
ということで、昨日は「こういう日こそおフランスではない新酒を」と思い、都内某所でノヴェッロをあけました。新酒で飲むなら赤より白が好きだなぁ
ですか。古いぬーぼーには気を付けたいです。
勘違いしてクリスマスのホームパーティーに出す奴とかいるからなあ。
恵方巻き同様、コンビニが陣頭指揮をとったときの
流通の凄みを感じます。
イタリアもワインの年間消費量50リットルだか60リットルを割る、深刻なワイン離れが続いているので
トスカーナぬーぼーを仕掛ける向きもあるかもしれないですね。
ぶどうジュースは気になります。
海外のジュースはなんで
長野県産コンコード瓶詰めジュースより
はるかにマズイのでしょう。
わたしだけがおいしいジュースを知らなすぎなのでしょうか
ディーンデルーカでもう一度チェックしてみようかな。
お久しぶりです。
毎日ブログは拝見させて頂いてます。
私はイベントにはとりあえず便乗しておく派なので、バレンタインデーやクリスマスと同じ気分で楽しんじゃいます!
貧しい地方で、尚且つあまり美味しいワインを作れないで悩んでいた?ジョルジュフデュッフさんが、知恵を絞って考えたアイデアとしては素晴らしいのではないでしょうか?!
若くて味わいのワインをお祭り気分でとりあえず飲む・・・お店ではノルマがありますので、昨日は売りまくりました
今売らないと!
でも、時期遅れに安売りするのは反対ですね?
いくら売れずに残ったからと言って、急に値下げするっていうのはどうなんだろう?私は意地でも5ケース今月中に売り切ります
出張多くて楽しそうですね
私も遠くに出張したい・・・
好みもあるだろうけど、ボジョレーは
おいしいワインとは言えないよね。
庶民派としてはオーストラリアのメルローが好き。
まえから不思議だったんですが、クリスマスだのバレンタインだの、日本に定着した舶来習慣と、いくら広告代理店や業界が頑張っても根付かない習慣(ハロウィーンやイースター)と、この2つの間にはどんな違いがあるのかなあ。
1.食い物がメインアイテムになっている
2.男女の恋愛に絡めることが出来る
他に要素はありますかねえ?
それにしてもハロウィーンはいつまで経っても、定着せんですわ(笑
同じボジョレー地区産でガメイ種のワインでも、MC(マセラシオン・カルボニック)製法で造られる
ヌーボーと、普通の赤ワインと同様の製法で造られる上級品のクリュ・ボジョレーを一緒にはできま
せん。
ヌーボーは、貯蔵コストをカットするために収穫後短期間で醸造・出荷される商品で、早飲みが基本
です。もっとも、ドミニク・ローランやフィリップ・パカレといった一流の作り手のヌーボーは、し
っかりした造りで1年くらい寝かせておいても全く問題ありません(実際に試してみました)。
一方、クリュ・ボジョレーは、それなりに熟成に耐えるものです。以前、珍しいもの好きのワインス
クールの友人が、15年物のクリュ・ボジョレーを仕入れてきて、一緒に空けたことがあるのですが、
ワインとして十分楽しめるものでした。もちろん、クリュ・ボジョレーといえども、一般には3?5年
で飲んだほうがいいと思いますが。
ボジョレー・ヌーボーの功績は、MC由来のキャンデーみたいな甘い香りと軽めの味わいで、赤ワイン
が渋くて苦手というお子ちゃま(失礼!)に飲みやすい赤ワインになっているということでしょうか
。
ぐっちーさん御指摘のとおり、日本は大騒ぎし過ぎという感じは否めませんが。輸出されるヌーボーの46%が日本向けだそうですから。
p.s.ドイツからの帰国者として一言。ドイツの赤ワインがフランス・イタリアに敵わないのは事実で
すが、シュペート・ブルグンダー種(ピノ・ノワールと同一種)のものなど、結構頑張ってるんです
よ。
こちらのコーナーは期待通りたくさんのご意見が寄せられまして、大変うれしゅうございます。こういうの、たまにはいいですよね、やっぱり。ということで文句をいいつつ、飲んでしまったぐっちーだったのでした・・・・
鴎さん
いつも記事をアップするとすぐアクセスして頂いているようで、感謝致します。
旭川の姉貴さん
そこまでしっかり理解されているならOKですね。
牛熊さん
如何でしたか?? ヌーボー、楽しまれましたか?
Baatarismさん
そのとおりですね。必ずしも売れのこりではないのですが。
ひるこさん
そうです。要するに個人の好みなんです。どうも白をのんでるとふーん、っていう風潮が日本では強いですが、白しか飲まない人もいますからね。全然オッケーだと思います。武者さん・・・私もおっかなくてびくびくしながらETFを握り締めています。おーこわ!
雪斎殿
どうもです。おっしゃるとおり、初物好きという所に目をつけたんでじょうね。上手いですね?。何せ生産量の半分は日本ですから。海老並みですな。
lmdcさん
上手いものはありますね。タダ、値段が不当に高い、という気がしています。カリフォルニアは・・・このあたりはシステム5.1さんに・・・・おお、ちゃんと書いてくれている↓
システム5.1
お待ちしておりました!! 有難う御座います(笑)
Algloryさん
同感です。まあ、本当においしいと思っているのなら否定はしないんですがね・・・そこらじゅう、だと抵抗ありますね。
金融めもさん
さりげなく書き込んでおられたので見逃す所でしたよ!! あなたが酒飲みでなかったら、一体誰が酒飲みだということになるんでしょ!!おねがいしますよ?、かんべんしてくださいよ?(爆)
一匙さん
フルーツ関係についてはもう日本の圧勝でしょう、ジュースも含めて。コカコーラなんてあんなジュース日本向けにしか作ってないんですぜ、アメリカの会社なのに・・・
ゆかてんさん
ゆかてん・・・・どっかのてんぷらやさんかと思ったら、なに、店長じゃないっすか。有難う御座います。毎日見ていただいてるなんて♪
店長の所はがんがん売っていただかんと困りますね。矛盾してるけど。今度手伝いに伺います。
ノンベイさん
さすが、ですね。オーストラリアのメルローはレベルが高いものが多いですね。作り手もしっかりしてますし、今ならまだ安い。私もよく飲んでますよ。
バッファロー66大尉さん
まあ、これらは定着しないことを望みますね?。これ以上いらんですよ(笑)。ハロウィンはちょっと危ないかもしれませんね。今年も変ながきが変な格好で走り回っていたし・・・・
愛妻家さん
いやー、完璧な解説を付けていただいて有難う御座います。ドイツの赤ワイン、存じ上げているのですが意図的に白ワインしかないような書き方をしてしまいました。お詫びを申し上げます(笑)。こんど飲みましょう。先日サントリーホールで出していましたよ。そういえば。ベルリンフィルの時だったからだと思いますけど。>ドイツのピノ。
鴎さん
いつも記事をアップするとすぐアクセスして頂いているようで、感謝致します。,,,,,,,,,,
ということは、このサイトにアクセス解析がついているのでしょうか?
って、CCS?でなければ、どのように設置するのでしょうか?
鴎さん
いやいや、完全マニュアルアクセス解析なんです!!
記事を書いてから気に入らずに数回手直しをしています。その時にコメントを発見する事が多く、おー、お早いですな・・・となる訳ですね。
グッチーさん お初です。
海外レポート、金融・時事レポート
興味深く拝見しています。
グッチーさんと比較的近い仕事をしてるといっていいかな
私も業務渡航で海外へ赴くことが多くて数えてみたら35カ国(旧共産圏も入れて)にもなっていて
その中でも欧州(仏・伊・独)での仕事が多かったのでグッチーさんのボジョレーについてのコメントうれしく思ってます。業者(商社ほか)に踊らされる日本の消費者たち。ビトンをはじめとするブランド品もしかり。
コメント投稿してくれる人にも賢者がいらっしゃる。その辺がブログのいいところだなぁ?
欧州には貴族がいっぱいいるから
彼らの生活なんかもレポートできればおもしろいと思うので、紹介してくださ?い。ドイツは特に多いから。
彼らのワイナリーで取れる自家製ワイン(市販されていないもの)めちゃくちゃ旨いもの飲んでるぜ、奴らは...
買い物も平民とケタが違う。
店なんかわざわざ出かけないよね...
グッチーさんの仕事の領域ではアメリカンタイプのPBでなくヨーロピアンタイプのPBについても紹介して下さい。
日本の金融機関のPBはすべて米型だからうすっぺらいサービス(単なる資産運用と相続対策程度)でつまらない。
澤上さん(元ピクテ)のような人がどんどん金融の世界に
登場してほしいんだけどね。
イタリア食文化についてもそのうちコメント参加しますね。
それでは チャオッ!