2008/03/24 11:30 | 社会 | コメント(12)
復活祭
ぐっちーのブログも2005年2月からホリエモンをたたくことを目的にはじめたものの、その後もだらだらと続き、分不相応な読者の皆様の支援を頂き、ついに4年目に突入いたしました。
古い読者の方々にはよく褒めていただいていますが、村上ファンドのインサイダー疑惑、サブプライム問題の深刻さ、そして今回はじまるであろう、日本の不動産バブルの崩壊と、それぞれかなり早くから指摘して参りまして御好評を頂いて参りました。きっと地方自治体の倒産も近々あたりそうですね(あたってほしくないけど)
なぜこんな事をいまさら書くのかというと、イースターだからです。
一年に1回、この日で一年を振り返る訳ですね、キリスト教のみなさまは。ぐっちーも毎年イースターの時にはイースターの記事を書いていて、これで4回目。よくもったなー、と振り返っている訳です。
一般の皆様にはキリスト教=クリスマス、となるのですが、実際にはこちらの復活祭の方が業界的にはかなり重きがおかれます。
なぜかというと、生まれるのはみんな生まれますからあまり特別なことではない。でも復活でっせ、あなた、復活なんてできるのは現在の所イエス・キリストしかいない訳です、なんたって奇跡ですから。(業界では「秘蹟」と呼んでます)
人間も必ずそのうちに復活を遂げますよ、というのがこの業界の最大のお約束事のひとつなもので、おのずからこの復活祭が重要になってきます。これはカトリック、プロテスタント、あるいはギリシア正教問わずの重大性ですから、かなり重大ということですね。(こういう解説をすると大体関係者からクレームが付く訳ですよ、不真面目だとか・・・でもね、こういう視点が必要なんだと思いますよ、わたしゃー)
そういう意味でキリスト教を一般の方に観察して頂くよい機会ではないか、と思いいつもこの記事を書いてます。
余談ですが、イースターエッグなどのしきたりも元はゲルマン民族にキリスト教が浸透していく過程で土着の宗教の土俗風習と融合した結果です。雪の振らないベツレヘムで生まれたイエスキリストの誕生日になぜかトナカイに乗ったサンタクロースが登場するのと同じで、拡大していく中で現地の土俗宗教や慣習風習と融合していったのです。
日本でも実は当初、観音信仰と融合しかけた時代があるのです。長崎などに行くと当時のキリシタンが信じていた「マリア観音」などを見ることができます。なぜか日本では上手くいかなかった訳ですが、場合によるといまごろ世界中のキリスト教徒が日本発の「マリア観音」を大事にしていた、なんてこともあったかもしれん訳ですね。このあたりはなかなか興味深いものです。
たまにキリスト教(特にカトリック)に関してお奨めの本はありませんか、というメールが来ます。そこで・・・
日本には遠藤周作さんという大変な作家の方がおられまして、彼のおかげで「沈黙」、「死海のほとり」など、珠玉の名作を読むことができます。勿論曽野綾子さんも無視はできませんが、まずは遠藤周作さんの小説を是非お読み下さい。
もしかすると、人生が明日から変わるかもしれません。
ということで、市場も休みでしたので、今日はぐっちーからのイースタープレゼント、ということで・・・
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12 comments on “復活祭”
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目下
ぐっちーが隠したイースターエッグを探しております。
中に何かを入れているはずだから・・・ダイヤかなぁ????
ご復活、おめでとうございま?す
Fドマでイースター用のメニュー、食べましょうよ?。
イースター、復活祭。
金曜日に教会で知りました。
復活祭、それほどの意味があると今、知りました。
ありがとうございます。
卵は隠すものなのですね。
しらなんだ。
たくさんの知識、ありがとうございました。
ノートルダムも土着の信仰と結びついたものだそうですね。マリア様信仰も本当はいけないものなのですが、母性愛だけはいろいろな所で有効なようです。
日本にキリスト教が根付かないのは、絶対性があるかではないでしょうか。この絶対性がいまいち理解できない私は完全な日本人ですね。
今回のNY Timesの記事はすごいですね。
http://www.nytimes.com/2008/03/23/business/23how.html?pagewanted=1&ei=5087&em&en=545585f39cd180f0&ex=1206504000
Credit default swapの市場規模は45トリリオンドルということで、推定損失額はIMFの発表からさらに0が一つは増えるでしょうか。
ぐっちーさんが仰るとおり、天下のMITの博士号持った人も、デリバティブのvaluationのスプレッドシートは、読めないそうです、guessするしかない、と。
\”fasten your seatbelt\”で十分でなければ\”伏せろー!\”ですかね。
近代以前、キリスト教、マホメット教共に金利で太ると言う行為を禁忌していたと理解してました。
このあたりのお金が地球に嵐を巻き起こしているわけで、金融工学というとお金ではなく透明な数字の量が動いている感覚で扱うのでしょうかね?
キリスト教の話ではなかったですが、以前に遠藤周作さんの「肉親再会」という作品を読んで、ホントに人生が変わりました。
遠藤周作はほとんど読みました。私は信者ではありませんが、いろんな問題意識から読まざるを得なかった、というのが実感です。
しかし彼のキリスト教に対する態度はかなり独特で、とくに晩年になるほど極端というか、心霊主義みたいなものを露骨にさせていくのですが、そういうこともあり、また現代の研究から見たときに遠藤は古いということもあり、信者でもない私からすると遠藤の評価はどんなもんなのだろうかとちょっと迷っていました。もっとも、私が好きな作家だから他人は何とでも言えばいいのですが。
ぐっちーさんが、遠藤周作を勧めておられるので、すこし、私の見方に自信が持てそうな気がしました。
末永く続けてくださりませー毎度楽しみにしておりまするー
復活祭・・・・意味まで考えたことなかったな・・・・今日も勉強になりました、他所様の文化ですがこのさい便乗しちゃって一年を振り返る機会にしてみるのもいいですね、ベツレヘムにも桜は咲くでしょか。
お疲れのご様子、どうぞご自愛のほどを、健康第一でございます。
ぐっちーさん、こんばんは。
(あまり相応しくないコメントだったら削除してください。)
2005年に仕事でイスラエルに出張し、エルサレムにも数時間滞在、イエスが処刑された場所と言われる地に立つ聖墳墓教会も訪れました。観光客、というか巡礼者や信者があふれ(西洋人らしいおじさんはポロシャツに短パン姿だったりするのですが)、順番に十字架が立てられたという跡に跪き口づけし涙を流し・・・自分たちのような非キリスト教信者はまるでおのぼりさんで、近づくのさえ憚られる雰囲気でした。
うまく言えないんですが、キリスト教の強さというか、力というか、エネルギーが静かな教会の中に流れていたように思います。
クリスマスもイースターもイベントとして日本人は苦もなく取り入れますが、信者でもない私は軽々しくキリスト教を知ったつもりになってはいけないのだろうと、その「場」に行って思いました。
遠藤周作さんの小説、読んでみます。
ぐっちーさんが遠藤周作のファンだとは思いませんでした(失礼)。
おすすめの2冊も良いですが、『イエスの生涯』がおそらく日本人にとっては最も分かりやすいのではないかと思います。
続編の『キリストの誕生』とあわせて、遠藤さんの類稀なる人間洞察力と同時にあくまで神への畏敬の念を失わない謙虚さに尊敬の念を覚えました。
陳腐な宗教論などふっとびますね。
あと曽根綾子じゃなくてきっと三浦綾子ですよね?^^;
彼女の場合は、非常に率直で正直で親しみやすい文章を書く方ですよね。
そして日本にはもう一人内村鑑三という忘れてはならない人物がいますね。日本の、というよりは世界の内村鑑三と言った方がいいかもしれませんけど。
山本七平の場合は、やや表面的で遠藤ほど本質をついてはいないのではないかと思っています。
遠藤周作にしろ、内村鑑三にしろ異文化を持つ日本人の方がむしろ精神的な葛藤の末に欧米人よりも本質に近いところに迫れているのではないかとかねがね思っています。
現代の日本人に対して問いかけるものは非常に大きいのではないかと思いますね。
鹿嶋春平太さんという方の本がすごいです。
私は読んで目からうろこが落ちました。
日本人の感覚では掴めない聖書の解釈を学ぶことができます。
お勧めです。