2010/06/22 08:21 | マーケット | コメント(8)
絶妙な中国の為替「柔軟化」
あくまでも柔軟に対応するとしか言っていない訳でありまして、相変わらず0.5%の基準内で、その基準から何から何まですべて自分で決める、と言っているわけですから、元高にするも安くするも自由自在。現実には何も変わっちゃーいない。
にもかかわらず!
冗談はさておき、実際にはこれまでと何も変わっていません。中国共産党がすべてを決定しますのでぬかよろこびにならないように(笑)。
店頭レートが実際のインターバンクレートを追い越して元高になるなどという珍現象も起きているようですが、中国政府の為替に関する対応はこのように実に用意周到です。
もちろん、あのプラザ合意で酷い目にあった日本を徹底的に研究した結果として今の政策があります。
その結果、何より(日本と)決定的に違う事は今回の一連の措置でもわかるように、人民元の国際化を同時進行させることで、急激な元高によるフリクションを防ぐとともに金融市場でも圧倒的優位な立場を得てしまおう、という一挙両得作戦が彼らの頭にあります。
現に、アジア各国の中央銀行は外貨準備における元の比率を急増させており、こういう一連の元高におけるメリットを享受できる立場にありまして、中国に対して賛美を贈るのはある種当然であります。
仮に将来的に元防衛というような介入をしたとしても外貨準備に相当量の元を保有しているアジア諸国からは反発が生まれにくい。このあたりは日本研究の成果、と言えるでしょう。
私が商社にいた1980年代から将来強くなるであろう円を欲しいので、輸入に関しては円で決済してくれ、という希望はものすごく強くありました。
しかし、大蔵省、通産省から圧力を受けていた総合商社では基本的に輸入に際してはドルで決済すべし、円を海外になるべく流通させない、という方針に縛られることになります。
海外で自由に活動する円が日本の金融政策の足かせになると考えていたのだと思いますが、結局海外での円の保有比率があまりにも低いために、円という通貨に何が起ころうとも人ごとで済まされてしまう・・・ということでもあった訳です。
世界中が使用する国際通貨になるメリットをはなからギブアップした日本と、すでにそういった世界戦略に立って動いている中国。
残念ながら勝負は明らか、でしょう。
いまさら円なんていらんわい、というのが東南アジア諸国の本音のはずです。
本気で巻き返すなら今がラストチャンスなのですが、金融当局にその気概が有りや否や!!
ということで中国、おそるべしでございます。
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8 comments on “絶妙な中国の為替「柔軟化」”
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事実上のドルペッグにしていることは元の国際化を遅らせている点と、外貨準備金が為替含み損を増加させる点で、国家にとっていいことともいえない。
良い面があれば悪い面もあると言う視点が抜けている。
ドル安やユーロ安になった時の中国首脳陣のあわて様を知らないわけないでしょ
>どう読んでも切り上げとは読めませんぜ。これは。
どこにあるのか教えていただければ幸いです。
そんな上手い手なら・・絶妙の手なら・・
もっと早く打ったはずでは・?・・
本当は・・コワゴワの一手・・では・?
・・
でも
本家と系一家の違いは明らか・・
出入りに負けて・・傘下に入った徒弟企業・・なのであります・・我等のジャパンは・・顔色を伺う術だけは・・誇れるのであります・・
せめて
宦官こそ・・隠れたる力なのだ・・縁の下の力持ち・・と胸を張りましょう・・・
そろそろこれくらいは言っておかないと・・・という感じでしょうか?
以前は欧米辺りから要望が強かった印象ですが、最近は中国の商売相手でもある国も含めたG20からの要望という感じがしてきましたし・・・
ユーロ安だし、国内賃上げの流れもかなり来ているみたいだし、ある意味絶妙だと僕も思いました。
ただ最近ではこの中国の発言より、アメリカのファニーちゃんとフレディー君がとうとう上場廃止になることが先週決まりましたが、すでに政府におんぶに抱っこなのは分かっていましたが、これからは完全に政府の扶養家族になってしまうわけですよね?
負担増からくる財政赤字の更なる膨張、ドルの信用喪失のラインが色濃く出てきてしまうので僕としては中国の発言よりこっちの方がきがかりです。
ぐっちー殿はどのようにお考えでしょうか?
メルマガでもかまいませんのでお聞かせください。
中国もロシアも沖縄もアメリカの言いなりにはならないと言う事なんでしょうね、日本は大戦で負けた呪縛がまだ解かれていない、何時自由になって自律出来る事か、政権交代で民主党政権になり、その初代鳩山首相が「アメリカの言いなりにはならない」と呪縛を解くきっかけを作ってくれた、この言葉は重いと思いますね。
アメリカ経済の本質は・・欧州にある・・とぐっちー様は御指摘・・
欧州に英国は入るのか・・入らない・・
では
欧州の本質は・・英国にある・・英国経済は・・不倫真っ最中かも知れない・・
誰と?・・それが問題・・乱交か・?・・
ECのベットでは・・ドイツとフランスが痴話喧嘩・・横ではスペインが大きなお腹を抱え・・出来た・・と叫んでいる・・
予定日が過ぎても・・と体温計を見つめている・・予備軍も多い・・
ドイツが責任を・・英米仏は協調歩調・・
身に覚えが無いのに・・
手術料金が回ってきそうな気配に・・わがジャパンは・・堕胎代を消費税で・・と新総理・・三日天下か?・・
とかく
本質を取り上げると・・難しい・・・
>いまさら円なんていらんわい
ということなら、円安になっても良さそうですが
なんだか、これからますます円高に
なりそうな雰囲気ですよね。
やはりBP・・
一説では被害は壱兆ドルとか・・
二百億ドルでは足りっこないとか・・
オバマが免責をBPに与えるとか・・
おまけに
現場の従業員が内部告発・・
数日前にも原油漏れ・・上役に報告したが本格的に対処されなかったとか・・
深海での・・多量原油漏れは・・例が無いとか・・
よろめいている経済は・・徐々にパニック・・
エコカーに切り替えたが・・間に合わないか・・・