2005/06/23 09:01 | 金融全般 | コメント(5)
ユーロの危険性
怪しげ・・・
というのは実際に円投でユーロなどを扱われている方の実感だと思うのですが、要は将来参加することがほぼ決定している、ハンガリー、だとかポーランドなどの経済情勢までにらみつつ、果てはトルコまで入ってくる可能性が非常に高い、下手をするとロシア??なんてことまで考えつつ投資方針を決めていかねばならないという悩ましさ、です。年金などの運用担当者はそれこそインデックス通りには積んでいきますので、ユーロにいろいろな国が参加することイコールユーロを沢山買う、ということになりますので、ただでさえ、買わねばならぬ方向にある一方で、ライアビリティーの長い資金である年金運用の本筋から考えて一体、トルコが入ってしまったユーロはどういう通貨になってるのか?? なんて考えたしたら夜も眠れないのではないでしょうか?
実際来週チェコやポーランドの政策決定会合があり、こんなものまで(といっては失礼かもしれないが)見てなきゃいけないユーロなんて、投資して大丈夫なのかい?? ということです。
これがこの通貨を「怪しげ」と申し上げるポイントなのです。
結果的には東欧もトルコもロシアもユーロになってしまい、世界最大通貨になるのかもしれませんが、全く逆に訳のわからんそれこそ「ユーロ」というコンセプトさえアグリーできない連中がたんなる経済的なメリットだけを求めて入ってきて、まして安い労働力(東欧、トルコからの労働力流入は既に大問題になっている)ががんがん入ってくれば自分達の国は一体どうなってしまうのか、というところがフランス、オランダなどの人々の危惧である事は容易に想像できます。
これを通貨の観点から見ればやはり相当蓋然性の高い投資、という判断をせざるを得ない。経済力の差があることは認めますが、「見易さ」「整合性」という観点から見るとオーストラリアのほうが余程クリアーです。良いことも悪いことも極めてクリアーに見え、日本にとっては時差もない、ということでボリュームがさばけない、という欠点に目をつぶれば遥かに「怪しく」はないのです。最近の豪ドルの堅調さはこのあたりが原因であると見て間違いありません。
ということで1.20の壁は恐らく近々破られるでしょうし、対円でも130円が壁なんてことはないだろーなー、と考えております。相関係数を突きつけられると弱いのですが、ポンドがもう少し売られると「欧州の総売り」のようなイメージが出来上がるような気がしてなりません。これは根拠なしのカンピューターですが(笑)
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5 comments on “ユーロの危険性”
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ユーロに関しては、参加各国の金融政策が縛られるという問題点は認識していたのですが、投資家から見ても不安なものなんですね。
やはり1国家1通貨というのは合理性を持つ制度なんでしょうね。
ご指摘の通りで、ユーロ発足前に考えていた以上に複雑怪奇です。同じ通貨を取り扱っている中央銀行がですよ、フランス、ドイツ、イタリアで言ってることがばらばら、これに東欧が入ってきたらほんと頭痛いと思いますよ。
マーストリヒト条約が締結された当時からシティー(ロンドンの金融街)はユーロの将来に懐疑的でした。「欧州合衆国」を覚悟しないと安定通貨にはなりにくいわけです。懐疑的な見方は「アングロサクソン・シニシズム」と揶揄されますが、個人的には冷笑的にならざるを得ない。ユーロ安に意外感はないですね。
本石町さん、さすが正論ですね。マストリヒトなんていうと今の若い人は知らないですから(笑)日本国債はネタがかれてきましたよね。私も書く事がなくて困ってます(爆)また遊びにいきますね。
この時点で、既にユーロ危機、言い当ててるし・・・・。