2013/05/28 20:38 | 出張 | コメント(8)
シンガポール 2 噴飯ものの日経新聞
日本では滅多に読まない日経を当地では読んでいる。
ホテルの部屋に勝手に配られるし、日中からすべて英語・中国語しか目にしたり、話したりしないので、あるとつい手が出てしまう。
が、相変わらず経済記事の内容はひどすぎて笑えてしまう。
日本での紙面はわからないが、当地の今日の見出しは
「3つのファンド錯乱」
という見出しで、どうも取材先はゴールドマン、BNPパリバのエコノミストのようだ。
勿論内容的にはどうしようもないくらいの「いい加減」なものだ。
まず、この取材先が間違っているのだ。
ゴールドマンの営業の奴が、自分が見た実際のファンドの動きやフローをエコノミストやストラテジストにもしばらしたら、それはその時点で守秘義務違反となり、即刻首になる。
そこには俗にいう「チャイニーズウォール」が絶対的に有る訳で、3か月後ならともかくも、いま動いているフローそのものをトレーディングデスク意外にばらすことは絶対に許されない。まして相手はメディアだ。
更に彼ら自身がもし本当のことをしゃべったとしたら、その時点で完全な守秘義務違反。
即刻首になるだろう。私がモルガンスタンレーにいたころ実際に某新聞の記者に本当のことを書かれてしまい、社内で犯人捜しをしたあげくに、クビになった奴までいるのだ。
つまり、ゴールドマンにせよ、BNPにせよ、ブラックストーンにせよ、ディールに直接かかわっている奴がフローの実際の動きを話せるはずがないのに、彼らの名前を使って、いかにもこれが真実です、と一面で打ってくるのが日経のやり方なのだ。
こうなると自分で取材力がありません、取材先が間違っていますと宣言しているようなものだ。
本当に取材できるやり方は一つだけで、実際にそういうアメリカのファンドの連中と10年以上時間をかけて信頼関係を築き、英語で発信されるとやばいけど、日本語にしかしないのならいいよ、という許可を取り付けて記事にするしかない。
彼らから信頼を得るのは容易ではない。こっちは30年もかかってそういう関係を築いているのだから。
そしてその取材報告が私のメルマガに載る訳ですぜ。
3年に一回人事異動してしまう日経の記者にこんなことができるわけがないのであって、だから読む価値は有りません、という話になるのです。でもこれを読んでそうらしい・・・と信じて部下を罵倒する上司が金融業界には後を絶たないのです。日経新聞より、あなた方の部下の方が本当の話を絶対に知っていますよ。事件は現場でおきるのです! 自分の部下を信じてください。
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ただし、今連載中の岡本綾子さんの私の履歴書はすばらしい。
これはインタビューを日経の記者がまとめる形をとっているのですが、いや、今回はすばらしいですね。こういう記者もいる、ということも日経の名誉のために申し添えておきます。
これは私は本当に楽しんでいますよ。
では!
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8 comments on “シンガポール 2 噴飯ものの日経新聞”
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友人・・
経済記者・・
超企業・・社長室に・・ズィと入れた・・
編集長でさえ・・入れるどころか・・会っももらえない・・
とすると・・
何が起こるか・?
男の嫉妬・・嫌じゃござんせんか・・
特ダネや・・記事に出来ない・・情報・・咥えて・・戻ってくる・・
奴に・・身もよじれる・・腸ねん転起こす・・嫉妬・・味わうにしても・・
軽蔑の眼差しで・・射抜かれているとしても・・
そこは・・大新聞社の編集長・・
部下の頭を・・撫でなきゃなんない・・
出来ないんだよな・・これが・・
栄転で・・
すっ飛ばす・・
目下・・日経を始め・・
読者の信用で・・食いつないでいる新聞・マスコミ・・の現状・・
いつ・・
国民・・目を覚ますんで・・やんしょかねぇ・・・
もともと日経の酷いことは分かっていますが、自虐主観の朝日新聞も最近特にひどいものですぜ。日本をどこまで貶めれば気が済むのか。韓国、中国の手先としか思えないような記事が目白押しである。ぐっちー氏と同じく積極的に読むつもりはさらさらないが、どうしても目に付いてしまう。そういう新聞に付き合わされる国民はたまったものではない。
小学生か中学生か映画館のニュースかNHKのドキュメンタリーかは覚えていないが戦地での慰安所風景を見たことがある、真昼間地平線を見渡せるような原っぱに一畳程度の小屋が五つ程少し離れて横に並んでいた、その前に兵隊が二列縦隊かで何十人も並んでいた、小屋の中は産婦人科の診療台の様になっていて慰安婦の上半身と下半身はカーテンで仕切られていた、兵隊は小屋から出てから前のボタンを掛けていた、流れ作業で性の処理を行っていたようだ、上等兵の慰安所風景は違ったものだろう、それは放映されなかった。
ファンドとしてなすべき資産の縮小手順は海外(日本・欧)株式の売却ー日本国債の売却ーダウの売却ー米国債の順番ですか? リーマンショック前の株価まで戻ったという事は、何故か日本には許されなかったのに簿価にしてある塩漬け株を売却する格好のタイミングですよね。 もっともファンドって、塩漬けは許されないのですか?
FRBの資産縮小(売却)としては、住宅貸付ー米国債の順ですか? 他にも何か投資しているのですか? 日本みたいにダウとかETFとか買ってますか?
アメリカだから当然、どこかで公開してるのでしょうね。
売却の規模は、QE3-QE2-QE1と金融緩和の規模と同じだけずつ段階的にしてくるのですか?
私の様な軍事オタクは全ての記事を疑って掛かる習性があります。本来機密ですのであらゆる欺瞞が有るのが当然だからです。
「ダービー 及び大変な事態」 においてぐっちーさんも又、大きなミスをしているように感じます。すなわち本当に油価が上がったのか?に対して裏取りをしていないと推定しております。
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/shimin/shouhi/pdf/juuyu.pdf
私の住んでおります地域ではガソリン価格がほぼ横ばいでしたので疑問に思ったしだい。実際に大変と呼べる変動なのか大に疑問に思うところです。
NHKなどメディアの習性として自分の望む形でデータを切り取るのは、ぐっちーさんのご指摘の通り。ただしぐっちーさんも本職以外となると都合の良いデータに飛びつくようで、私の目には平成25年5月現在ほぼ去年の重油価格水準に落ち着いているように見えます。
私の履歴書。
毎朝喫茶店で読んでます(笑)
いいのかなぁ〜
ストレート過ぎて清々しい位。
昨年末借り入れを固定に借り換えました。
とりあえず正解かな?
よくわからないけど。
そこの2012年5月の重油価格は原油価格が100ドル以上の時の数字が反映さています。
ちなみに2012年12月に100を超えていますが、年末近辺の原油価格は80ドル台です。
円安はちゃんと価格に反映されていますよ。
ちなみに重油の100という数字は2008年6月に全国一斉休漁を決定した時の数字ですので漁師からすると笑い事ではありません。
>私の目には平成25年5月現在ほぼ去年の重油価格水準に落ち着いているように見えます。
円安が進行した1~5月あたりの平均で出すと、
結構酷い水準だと思いますよ。
まぁ記事を読んだ上で、その上昇幅が「酷い」か「大した事ない」と思うかは、個人の裁量ですけどね…
円での価格だけ見るのと、ドルでの価格を比較で見るのとでも、違った見方になるだろうし。
幸い、最近はまた原油価格自体が下がってきてるようですけど
これから原油が下がり続けるとは限りませんし。
円安を上回る原油価格の下落があればいいんですけどね…
だけど、国策で円安政策で燃料など経費負担を増加させておいて
事業を続けられるかどうかは「原油の下落に期待する」
では、あまりにも酷い対応としか思えない…