2005/06/16 15:24 | 国際問題 | コメント(24)
チャールズ・ジェンキンスさんの帰国
http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2005/06/post_9fbd.html
朝方からアメリカ人と仕事の話をかねて本件の感想を聞いてみると見事、100%
「信じられない!!」 「有り得ない!!」
という結果。
これ、アメリカ人的には当たり前の話なんですよ。まあ、古い話だし、彼がいまさら40年も前のことで牢屋に入るのはチト行きすぎだよな・・・ここまでは判る。オーケー。
しかし、脱走という、アメリカ合衆国という国家そのものに対する裏切りを犯した人間がああやって、堂々と平和裏に故郷の土を踏む??? わけねーだろよ、勘弁してよ、というのが共通した反応です。
これは軍隊が(建前上)無いと言う日本人にはわかりずらいけど、小野田さんが最後まで「反逆」せずにルパングに留まったことでも軍隊のなんたるかはお分かり頂けるでしょう。まして世界最強のアメリカ軍でこれが(脱走が)許される訳はない、のであります。
特に軍人出身の(インベストメントバンカーですが、要は陸軍やら海軍やらの奨学金をもらって大学を卒業したりしている人たち)連中はより過激です。
今イラクにいる連中がどう思うとおもうの? もう F○○○!! だよ。
であります。
これはブッシュさんも相当な決断だった筈で、よくもまあ、と思います。それもこれも雪斎さんご指摘の通り、小泉さんの立場を慮ってのことでしょう。所謂拉致問題で彼が日本国内で立ち往生しないように理解を示しているよ、というサインで、アメリカの国家の安全のためにそれを優先するというのですから大変なもんです。それだけ小泉さんを信頼している訳ですね。ただし、アメリカ国民の一般的な見方は厳しく、今後ブッシュさんは国内で厳しい場面に遭遇する可能性も大有りです。今の所、アメリカ人的には「まあ、日本だからな・・・」という雰囲気がありますが、そもそもジェンキンスさんの家族はアメリカ軍の対応に大変批判的で、彼の処遇について米軍を表立って非難をしてきたという経緯があるんです。これで米兵がイラクで一気に50人とか殺害されたりすれば、大問題になることは必至でありまして、ますます、よくもまあ、と思うわけですね。
ここまでくると、私は究極の「ウルトラC」があるような気がしてなりません。
ブッシュ大統領の靖国参拝です。(すごいでしょ・・・笑)
実はこれはクリントン大統領の時に一度真剣に検討されたことがあると言われており、流石に民主党はそこまで踏み切れなかったのですが、共和党の現在のブレーンなら十分あり得る、と言われています。(ちょっとソースは勘弁してください)
ラフな議論ですが、一般的なアメリカ人にとって「神社」というのはあまり「宗教」には見えず(彼らの考える宗教と言う意味です)、単に山がご神体になったりする、日本人の独特の「トラディション」という掴み方をする。アメリカと日本の「軍事同盟」を強固にするために靖国神社に行って、日米間の戦争決着を事実上つけるというのはそうそう荒唐無稽ではない。
しかも、こうなると、もう中国は反論のしようがありません。ブッシュ大統領によって靖国問題が「ロンダリング」されてしまう訳です。戦争の当事者かつ直接的な勝利国であるアメリカの大統領が不戦の祈りをあげてしまえば靖国を特殊問題化することは不可能です。ましてつべこべ文句の言える立場ではなくなってしまいます。
この政権はこういうハードルを結構平気で超えて来ます。その証拠にブッシュ大統領はなんとローマ法王の葬儀に出席している訳です。アメリカ国内のカトリック信者のことを考えれば当然、と思われるかも知れませんが、キリスト教徒からみたら、考えられないくらいハードルが高い。何せ腐敗したカトリックを捨てて、逃げ伸びて作った真のキリスト教であるプロテスタントの国、がアメリカ合衆国です。しかもブッシュ大統領はアメリカン・プロテスタントの重鎮的存在で、ローマ法王の葬儀に現職大統領が行くなんて事は、過去にはもちろんありませんでしたし、いくら昔の話といえど、未だにカトリックとプロテスタントは「不倶戴天の敵」な訳です。これもアメリカ人には当然驚きを持って受け止められました。(このとき小泉さんが行っていれば・・・とつくづく思うのですが・・・これはまた後日)。つまり宗教に対する許容範囲は大分広い政権です。今のブッシュ政権は。
宗教が争点にならななければこれは究極の「ウルトラC」と位置づけている訳ですが、どうでしょうか?? 小泉政権ならできてしまうような気がします。8月15日?? まさかね?・・
因みに私のアメリカ人の友人は日本に来ると必ず靖国に行っています。私もアーリントンには必ず寄りますけど。戦争で死んでいった人にいいも悪いもないんだよ、という気持ちは我々には共通していると言うことでしょうか。・・・(但し、広島は嫌がります、いろんな意味で)。
あくまでも個人的な見方であることを念のため付け加えておきます。
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24 comments on “チャールズ・ジェンキンスさんの帰国”
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これは本当にやるかもしれませんよ。
ブッシュ大統領に付き添う形で、小泉総理が参拝ということになれば、今までの話が全部、吹っ飛ぶ。これに併せて、「太平洋憲章」でも発表すれば、ブッシュも一気に「ローズヴェルト越え」を果たせる。「ベルリンの壁」崩壊から十六年ですから、そろそろ「ビッグ・ウェーブ」が来る頃かと思っていましたが…。
うーん、どうでしょうねえ。
ブッシュ大統領はA級戦犯合祀には抵抗ないかもしれませんが、靖国神社が打ち出している歴史観やイデオロギーには抵抗を示すような気がします。
ブッシュ参拝となると、アメリカでもそういうことが報道されて、大統領への批判材料にされるだろうし。
あと、ごたごたしている米韓関係への影響も考えておかないといけないでしょう。今でも韓国の抱えている疎外感が強いのに、それがどうなるでしょうか。
>ごたごたしている米韓関係への影響
これにも終止符をうつんじゃないんでしょうか?いろんな意味で・・・
雪斎どの、早速の書き込み痛み入りまする。
やはり、そう思われますか。どうもあちこちでそういう気配があるのも事実なんです。私は金融関係のルートしかないんですが・・・今後とも宜しくお願い申し上げます。
Baatarismさんもいつもきてくれて有り難うございます。普通に考えればそうでしょう、が、しかし・・・という所なんですよ。今後ともよろしく!
以前にもブッシュが靖国に行ってみたいという打診を受けて、外務省があわてふためいて丁重にお断りしたって話なかったっけか?
脱走兵の無事帰還なんてF○○○!という感覚は「世界の常識」だと思います。当たり前。敵前逃亡しておいて無事帰還なんて、普通、あり得ねーだろ、それ!!これ極めて普通の感覚だと思います。それに比べると靖国参拝の方がブッシュの政治的リスクは低い気がします。戦没者に良いも悪いもないという態度は、(日本では別のようですが)世界的には受け入れられやすいと思います。これも半分「世界の常識」。靖国神社のイデオロギー??ブッシュ政権は殆ど問題視しないでしょう。結局、ブッシュ政権にとっては、靖国参拝が日米関係(米韓関係)と米中関係のそれぞれに与え得る影響、そして、それが米国自身の利益になるかどうか?それが中心的判断基準となるのではないでしょうか??あくまでも個人的な見解ですが。普通そうじゃないでしょうか。外交ですから。さて結論としては、しばらくはブッシュの靖国参拝はないと予想します。米国側のメリットがちょっと分かりにくいですから。これも、あくまでも個人的見解ですが。。。
ぐっちさん。新鮮ネタを御馳走様です。ブッシュ靖国参拝はあれば仰天ですが、そんなことで中国を怒らせても…。しかし、ジェンキンス氏は驚きでしたね。北朝鮮に対するパフォーマンスの一環なのでしょうか。
ところで、仙台のNAPUREは試してみたいと思っております。
靖国参拝のためだけに日本に来る事はないでしょうね。
合衆国大統領はそんなに暇じゃないと思うので。
けどなにかの用事で日本に訪れたら
靖国参拝を希望されるんじゃないでしょうか。
自然な流れで。
ブッシュ大統領は次いつ来るんでしょ?
ひるこさん、
何回かあるようですね。時々漏れてくる訳ですが、今回の政権ならありうる(つまり小泉さんなら!)という感じですか。
AEGISさん、
いつもお世話になります。貴重な書き込みすみません。
goojulyさん、
仙台 ナプレ、ぜひぜひ。だまされたと思って(笑)
白鳩さん、
どうでしょうかね。8月15日が実は口実が立てやすい、と思いますが、ちょっとね(苦笑)
ブッシュ大統領が確実にアジアに来る予定というと、11/18,19に韓国の釜山で行われるAPEC首脳会議ですね。
その前に日本に立ち寄って靖国に…うわあ。w
そういえば、APEC前はロシアのプーチン大統領来日がありました。
ということは、ブッシュ大統領はAPEC後の来日が一番ありそうですね。
まあ、APEC直前にやったら会議が大荒れになるでしょうから、後の方がありそうです。
先日、小泉首相が現職首相としてはじめて硫黄島を訪れました。海兵隊の聖地でも有るこの島を慰霊に訪れたのは、そのブッシュ大統領の靖国参拝に向けての地ならしなのでしょうか?
外務省とマスコミの誘導に見事はまってると思います。
北朝鮮問題を解決すためには、曽我さんに焦点を、
当てるべきでしょ。ジェンキンスを非難する米国人に
では、行方不明の義母は見殺しにするのか?
拉致被害者である曽我さんや、娘たちは見捨てるのですか?
と問えば、反応は違ってくる。
日本の国益から云えばどっちに重点をおくべきか。
分かりそうなことですが。
一つ不思議に思っていることがあります。曽我ひとみさんが、ジェンキンスひとみさん、と言われないことです。(別姓絶対反対の産経新聞も含めて)
理由としては、
1.日米両国が国交をもたない北朝鮮での結婚は無効。したがって、二人は法的には結婚していないから当然別姓。
2.産経新聞や自民党議員も含めて、別姓反対を取り止めた
くらいしか思い浮かばないのですが、どなたかお知恵はありませんか?
>>ましてつべこべ文句の言える立場ではなくなってしまいます
どうでしょう?そんなキレイに割り切れないと思います。アメリカは領土を侵略された最大の被害国ではないという立場に回って、つべこべいい続けることはいい続けるのでは?
日米戦争の前に満州事変おこしてるわけだし。
アメリカの靖国参拝は日米間でセンセーショナルな効果をもたらしてくれるだろうけど、それをタテにとって日中間を同率に処理しようと思うと逆にややこしい事態になるのでは?
あの中朝がそんなこと気にせずに言い続けるに一票ですな
それどころか米帝うんぬんもとかわけのわからないことを言い出すでしょうね
中国ってのは未だに中華思想のあるところですからね
反日で国ないの勢力をつなげている国なんで反日というつなぎが無くなったら国としてやっていけないでしょう
それは中共もよく分かってるでしょうしそれを示すかのように毎年ありもしないうそをどんどんついてるわけですしね
なので、アメリカ大統領が参拝=中共からの文句が無くなる
といったことはおきないでしょう
その前に靖国神社には世界各国の軍隊が参拝しているわけですし、ちなみに参拝数が一番多い軍隊はアメリカ軍です
まあ軍人としては当然なんだろうが、40年近く監獄にいたことを考えれば許してやってもと思ってしまうのは日本人だからか。
どっかでブッシュの靖国参拝を官僚が止めたという噂を聞いたのですが、事実でしょうか?
大統領側から打診があったのを外務省が拒否したったやつですね。たしか正論かなんかに書いてあったと思いましたが。
>広島は嫌がります、いろんな意味で
だめじゃん、アメリカ人の友人。
いいねぇ。まじで実現してほしい。
前にブッシュが靖国いきてーって言ったけど、外務省が止めて、明治神宮で勘弁してくれってんで、そこに参拝したんだけど、
付き添いの小泉はそこにすら同伴しなかった事あったよね。
ウルトラCっていうより、日本がさせないわけですから、どーしようもうないですね
昔、読んだ時は??の山で、「BPって何??」「LBOって何?」「キャッシュフロー・・??」って状態だったけど、分かるようになったら、少し理解が変わるかな??と思って、過去の見直し中。
こんな記事が有ったんだ・・・。
首相がいい意味での鈍感力が有ると、世界平和は進むかも。
勇気ある決断の心意気が見たいと、安倍さんに期待しています。